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C 8109 : 2016
− 出力巻線と金属外郭とを絶縁する変圧器に対しては,入力巻線と外部金属部品とを接続して,出力側
に定格無負荷出力電圧の2倍を印加する。ただし,定格無負荷出力電圧が5 kVを超えるものは,定格
無負荷出力電圧の1.5倍,又は10 kVのいずれか高い値とする。
試験開始時は,上記に規定する電圧の半分以下を印加する。その後,急速に規定電圧まで上昇させる。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
電圧の降下がみられないグロー放電は無視する。
15.4 誘導試験
誘導試験は,15.3の試験終了直後に実施する。この試験は,出力巻線のターン部分と本体との間の絶縁
を確認するために行う。
無負荷状態の変圧器を,可能な限り正弦波の交流電圧に1分間接続する。一次電圧を,定格供給電圧の
150 %まで上昇させる。周波数は,定格周波数の約2倍とする。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
16 構造
16.1 変圧器は,本質的耐短絡変圧器でなければならない。
16.2 変圧器の金属外郭は,接地端子に接続しなければならない。出力巻線を接地するものは,次のいず
れかに接続する。
− 上記の接地端子。ただし,地絡保護装置を内蔵するものに限る。
− 2番目の接地端子
いずれの場合も,端子には,僅かな抵抗の取外し可能なリンクで接続しなければならない。
注記 対応国際規格の注記は,我が国には該当しないため,削除した。
出力巻線の中性点は,接地端子に接続しなければならない。ただし,無負荷出力が5 000 Vを超えない
場合,出力巻線の一端を接地してもよい。
16.3 16.1及び16.2の要求事項への適否は,8.2の許容値を考慮した測定によって判定する。
16.4 設定装置,手動スイッチ,漏電スイッチ,及び力率改善のための素子を変圧器に組み込む場合,こ
れらは入力回路に組み込まなければならない。
変圧器とコンデンサとが一体であり,変圧器を使用中に分離できない変圧器,及び定格電圧の電源から
切り離した1分後に出力回路の電圧が50 Vを超えないように適切な放電装置をもつ変圧器の場合には,力
率改善コンデンサを出力回路に直列に挿入してもよい。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
16.5 独立形変圧器は,十分な機械的強度,耐熱性及び耐火性をもつ外郭でなければならない。
16.5.1 機械的強度
機械的強度は,JIS C 60068-2-75に規定するスプリングハンマ試験装置によって試験する。
試験装置の衝撃力及びスプリング圧縮量は,次による。
− 衝撃エネルギー : 0.70 J
− 圧縮量 : 24 mm
非金属外郭の場合は,更に変圧器を24時間,−10 ℃で前処理した後,再度試験する。
16.5.2 耐熱性
劣化によって変圧器の安全性を損なう可能性のある非金属材料は,耐熱性をもたなければならない。金
属材料を用いる場合は,腐食に対して保護しなければならない(箇条22参照)。
――――― [JIS C 8109 pdf 16] ―――――
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適否は,当該外郭及び他の絶縁材料の外部部分にJIS C 8105-1の13.2(耐熱性)に規定するボールプレ
ッシャ試験を実施して判定する。
16.5.3 耐火性
外部の接触可能な絶縁材料は,適切な耐火性をもたなければならない。
適否は,外郭及び外部の接触可能な部品に対して,21.2に規定するグローワイヤ試験を実施して判定す
る。
16.5.4 非金属外郭
非金属外郭をもつ独立形変圧器は,次の試験を実施する。
− 試験試料は,3台とする。
− 試験は,10サイクルとする。
− 変圧器の巻線温度は,抵抗法(10.5参照)によって測定する。
− 温度測定の許容差は,±2 Kとする。
次の試験条件を適用する。
a) 温度の安定化 巻線温度が1時間当たり2 K以内に安定したとき,安定温度に達したとみなす。
b) 試験サイクル
1) サイクル1 電源を供給しない状態で,変圧器を室温で安定させる(4.3参照)。
変圧器を,異常作動状態(10.310.5参照)で安定温度に達するまで作動させる。ただし,サイ
クル時間は,8時間以上とする。
その後,電源を切り,変圧器を室温まで冷却する。
2) サイクル2サイクル10 変圧器を−25 ℃の安定温度に達するまで冷却する。
変圧器は,異常作動状態(10.310.5参照)で安定温度に達するまで作動させる。ただし,サイ
クル時間は,8時間以上とする。
その後,電源を切り,変圧器を室温まで冷却する。これを9サイクル繰り返す。
10サイクル終了後,3台の試料は,全て保護等級,並びに箇条14及び箇条15の要求事項に適合しなけ
ればならない。
目視で確認できないひびは,許容する。
16.6 電源遮断用のインタロックスイッチをもつ場合には,次のように,更に必要な場合には12.1に従っ
て,設計しなければならない。
このスイッチの充電部は,突発的接触に対する有効な保護(カバーなど)をもたなければならない。こ
のような保護は,インタロックスイッチが“オフ”の状態で,カバーが開放されているとき,特別な附属
品(保守用の特殊工具など)の補助がない限り,“オン”の位置に移動してはならない。
適否は,目視検査によって判定する。
インタロックスイッチは,通常負荷等価抵抗で100回作動して,試験する。その後,開放位置で接点間
に周波数50 Hzの電圧2 000 Vを1分間印加する。
試験中に,フラッシュオーバ又は絶縁破壊が起きてはならない。
17 導体の接続
17.1 変圧器の入力巻線及び出力巻線は,ねじ,ナット,ねじなし端子などの効果的な手段で接続できる
端子,又は適切な可とうの口出し線をもたなければならない。
17.2 入力側の端子は,表3に規定する公称断面積をもつ導体を接続できなければならない。
――――― [JIS C 8109 pdf 17] ―――――
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表3−導線の公称断面積
定格入力電流 公称断面積
A mm2
10以下 1.5
10を超え 16以下 2.5
16を超える 4
17.3 ねじ端子は,JIS C 8105-1の第14章(ねじ締め式端子)の要求事項に適合しなければならない。
17.4 ねじなし端子は,JIS C 8105-1の第15章(ねじなし端子及び電気接続)の要求事項に適合しなけれ
ばならない。
17.5 口出し線付きの変圧器は,附属書Bの要求事項に適合しなければならない。
18 接地手段
18.1 独立形変圧器の鉄心及び金属外郭は,接地端子又は接地用口出し線に確実に接続していなければな
らない。
18.2 出力巻線を金属外郭に接続する機器組込形変圧器は,接地端子をもち,接地端子には出力巻線及び
金属外郭を接続しなければならない。
18.3 接地端子は,箇条17の要求事項に適合しなければならない。定格二次短絡電流が30 mAを超えるも
のは,直径2.6 mmの導体が接続できなければならない。定格二次短絡電流が30 mA以下のものは,直径
1.6 mmの導体が接続できなければならない。
18.4 電気的接続は,緩みがないように十分に固定し,工具なしで緩めることができてはならない。
ねじなしの端子については,クランプが意図せずに緩んではならない。変圧器を接地した金属に固定す
ることで変圧器の接地を行ってもよい。1個の接地端子をもつ変圧器の場合,その端子は変圧器の接地だ
けに用いなければならない。
18.5 接地端子の全部分は,接地導体との接続,又は接地導体と接続しているその他の金属との接続によ
って生じる電食の危険を最小限にしなければならない。
接地端子のねじ及びその他の部品は,黄銅,耐腐食性の金属を用いるか,又は表面を耐せい(錆)材料
で覆わなければならない。接触面の1面以上は,露出金属でなければならない。
18.6 18.118.5の要求事項への適否は,目視検査及び次の試験によって判定する。外部接地端子及び使用
者が接続する内部接地端子は,箇条17の試験によって判定する。
無負荷電圧が12 V以下の電源によって,10 A以上の電流を接地用端子又は接地用口出し線と,各可触
金属部分及び鉄心との間に通電する。
接地用端子又は接地用口出し線と,各可触金属部分及び鉄心との間の電圧降下を測定し,その抵抗値を
電圧降下値及び電流値から計算する。抵抗値は,いかなる場合でも0.5 Ωを超えてはならない。
19 ねじ,通電部及び接続
19.1 ねじ,通電部及び機械的接続は,これらの故障によって変圧器の安全性を損なう可能性がある場合
には,通常使用で生じる機械的ストレスに耐えなければならない。
適否は,目視検査並びにJIS C 8105-1の4.11(電気的接続及び通電部)及び4.12(ねじ,機械的接続及
びグランド)の試験によって判定する。
――――― [JIS C 8109 pdf 18] ―――――
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20 沿面距離及び空間距離
20.1 入力回路
変圧器の入力回路の沿面距離及び空間距離は,表4に規定する数値以上でなければならない。
表4−沿面距離及び空間距離
単位 mm
箇所 動作電圧
24 Vを超え 250 Vを超え 500 Vを超え
250 V以下 500 V以下 1 000 V以下
沿面距離
a) 異なる極性の充電部間 3 5 7
b) 充電部と,カバー固定器具又は変圧器を土台に固 4 6 8
定するねじを含む接触可能な金属部品との間
空間距離
c) 異なる極性の充電部間 3 5 7
d) 充電部と,カバー固定器具又は変圧器を土台に固 4 6 8
定するねじを含む接触可能な金属部品との間
e) 充電部と,取付面又はある場合は固定されていな 6 10 14
い金属カバーとの間[ただし,構造がd)の数値を
最悪の条件で維持することが確実でない場合]
20.2 出力回路
出力回路の異なる極性の充電部間,出力回路の充電部と他の金属部品との間,及び入力回路の充電部と
出力回路の充電部との間の沿面距離及び空間距離(mm)は,次の経験数式によって計算した値以上でな
ければならない。
− 最小沿面距離(d) : 8+4U
− 最小空間距離(c) : 6+3U
これらの数式では,Uは,考慮する部分に関連する動作電圧(kV)である。変圧器の定格無負荷出力電
圧でなくてもよい。
この要求事項は,完全密閉及びコンパウンド充の内部距離には適用しない。
適否は,目視検査及び測定によって判定する。
1 mm未満の幅の溝は,その溝幅を沿面距離に含める。1 mm未満の幅の隙間は,空間距離から除外する。
21 絶縁材料
21.1 耐トラッキング
IP保護等級がIP20未満の絶縁部品をもち,充電部をその位置に維持するか又は充電部と接続している
独立形変圧器,及び外部端子をその位置に維持する機器組込形変圧器の絶縁部品の材料は,粉じん及び湿
度に対して保護していない限り,耐トラッキング性がなければならない。
セラミック以外の材料の適否は,次の条件に従ってJIS C 2134の耐トラッキング試験によって判定する。
− 試料が15 mm×15 mm以上の平らな表面をもたない場合,試験中に試料から液体の水滴が落ちない場
合に限り,上記よりも小さい面積の平らな表面の試料で実施してもよい。ただし,水滴が表面に残る
ように作為的な手段を講じないほうがよい。疑義がある場合,規定面積において,同じ製造方法によ
って製造した同じ材料の別の1片で試験を実施してもよい。
――――― [JIS C 8109 pdf 19] ―――――
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− 試料の厚さが3 mm未満の場合,同じ試料を2片,又は必要な場合はそれ以上の試料を重ね合わせ,3
mm以上の厚さを確保することが望ましい。
− 試験は,試料の3か所又は三つの試料に対して実施する。
− 電極は,プラチナ製で,JIS C 2134の7.3(測定溶液)に規定する溶液Aを用いる。
− 試料は,故障なしにPTI 175の試験電圧で50滴まで耐えなければならない。ただし,高電圧端子付近
に設置する部品の場合は,PTI 600に耐えなければならない。
− 0.5 A又はそれ以上の電流が2秒間試料表面の電極間の伝導路に流れ,結果的に過電流リレーが作動す
る場合,又は試料が過電流リレーを開放せずに燃えてしまう場合,故障が起きたとみなす。
− JIS C 2134の9.(浸食の測定)の浸食の測定は,適用しない。
− JIS C 2134の5.(試験片)に規定する,“特別な場合には,平らな表面を得るために試験片を研磨して
もよい。”は適用しない(試験片の表面は,研磨しない。)。
各試験開始前には,電極は清潔で的確な形状で正確に位置しているか確認する。
試験結果に疑義がある場合,試験を再度実施し,必要があれば新しい試料で実施する。
この試験は,巻線には適用しない。
21.2 巻線を除き,充電部を所定位置に支持する絶縁部品は,火炎及び着火に対して耐性がなければなら
ない。
適否は,次の試験によって判定する。ただし,セラミック材料を除く。
部品には,JIS C 60695-2-11の規定に従って,電気的に加熱したグローワイヤを650 ℃の温度で30秒間
適用する試験を実施する。燃焼滴下に対して効果的な防護をもつ変圧器の場合,燃焼滴下の影響の評価は
適用しない。
22 耐食性
腐食によって変圧器の安全性が劣化する可能性がある鉄製部品は,十分なさび止めを施さなければなら
ない。
適否は,次の試験によって判定する。
試験の対象になる部品のグリースを全て除去した後,温度20 ℃±5 ℃の,10 %塩化アンモニウム水溶
液に10分間浸す。
乾燥させずに,全ての水滴を取り払った後,部品を温度20 ℃±5 ℃で水蒸気で飽和した箱に10分間放
置する。
温度100 ℃±5 ℃の加熱槽で10分間部品を乾燥させた後,部品の表面はさびの発生の兆候を示しては
ならない。
鋭利な角にみられるさびの痕跡及び摩擦によって除去できる黄色の膜は無視してもよい。
鉄心の外部表面は,ワニスによる保護で十分であるとみなす。
22A 出力巻線を接地する変圧器の保護回路
22A.1 出力巻線を接地する変圧器は,22A.2,22A.3及び22A.4の要求事項に適合する保護回路をもたな
ければならない。
22A.2 変圧器は,出力回路に地絡が発生した場合,出力を停止する地絡保護をもたなければならない。こ
の地絡保護は,22A.6に適合しなければならない。
22A.3 変圧器が開路保護をもつ場合,出力回路において開路又はネオン管の破損があったとき,この開路
――――― [JIS C 8109 pdf 20] ―――――
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JIS C 8109:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61050:1991(MOD)
- IEC 61050:1991/AMENDMENT 1:1994(MOD)
JIS C 8109:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8109:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC3315:2000
- 口出用ゴム絶縁電線
- JISC4908:2007
- 電気機器用コンデンサ
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC60695-2-11:2016
- 耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
- JISC7615:1973
- ネオン管
- JISC8105-1:2017
- 照明器具―第1部:安全性要求事項通則
- JISC8147-2-10:2017
- ランプ制御装置―第2-10部:管形冷陰極放電ランプ(ネオン管)の高周波動作用電子インバータ及び変換器の個別要求事項