JIS D 4604:1995 自動車部品―シートベルト | ページ 3

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なお,上部スリップガイドを用いた巻取装置では,付図10に示すように上部スリップガイド以外の
影響を受けない方法で速度毎分約500mmで巻き込ませながら,有効長さの25%±50mmの巻込点で巻
込力を測定する。
注(10) シートベルトを自動車に取り付けて,シートベルトを使用していない状態での巻取装置に蓄え
ているウエビングの長さ。
(2) 緊急ロック試験 緊急ロック試験は,巻取装置を50ms以内で,それぞれ2.9 m/s2, 4.4m/s2, 6.9m/s2,
7.8m/s2, 9.8m/s2, 14.7m/s2及び19.6m/s2の加速度に達する機能をもつ,付図11の(a)又は(b)に示すような
試験装置に取り付け,次の条件で試験を行い,ロックの有無及びウエビングの引出し量を測定する。
なお,非ロック角度は,巻取装置を自動車の標準取付状態から進行方向の前後左右方向に12°まで
の傾きを加え,ロックの有無を調べる。
(a) ウエビングの位置は,有効長さの25%を巻き込んだ付近とする。
(b) 巻取装置に加える加速度及びウエビングに加える引出し加速度は,表5に規定する加速度とする。
(c) 取付角度及び加速方向は,表10のとおりとする。
表10 緊急ロック試験の巻取装置の取付角度及び加速方向
巻取装置の取付角度 加速方向 対応する記号
巻取装置の加速方向 ウエビングの加速方向
自動車への標準取付角度 自動車の進行方向の前後左右 V, VN
巻取装置の巻取軸と水平面 ウエビングの引出し方向 W, WN
とが,0°,45°,90°,135°
及び180°となる取付角度。
自動車への標準取付角度 VW, VWe,
自動車の進行方向の前後左右 自動車への標準取付状態で
のウエビングの引出し方向 VWN, VWNe
(3) 自動ロック位置試験 自動ロック位置試験は,通常使用する引出し方向に,ウエビングをいっぱい引
き出した後,有効長さの25%を巻き込んだ付近の隣り合う二つのロック位置で順次ロックさせ,引出
し方向におけるロック位置の間隔を,ウエビングの移動量で測定する。
(4) 耐久性試験 巻取装置の耐久性試験は,同一試料について,次の順に従って行う。
(4.1) 耐食性試験 耐食性試験は,ウエビングを巻取装置内に巻き込んだ状態で,7.1によって試験した後,
手動によって引出し及び巻込みを行いながら十分に水洗いをした後,ウエビングをいっぱいに引き
出したまま大気中で24時間乾燥した後,手で完全な引出し及び巻込みをそれぞれ25回行い,作動
状態を調べる。
(4.2) 引出し・巻込みの繰返し試験 引出し・巻込みの繰返し試験は,ウエビングを巻取装置から完全に
引き出して,ウエビングに90Nの張力を加え,次に,ウエビングを巻取装置に完全に巻き込ませる。
これを1サイクルとし,毎分30サイクル以下の割合で2 500サイクル繰り返した後,作動状態を調
べる。ただし,上部スリップガイドを用いた巻取装置では,有効長さまで巻き込ませるのを1サイ
クルとする。
なお,試験装置は,付図12に示すようなものを用いる。
(4.3) 耐熱性試験 耐熱性試験は,ウエビングを巻取装置に巻き込んだ状態で,7.2によって試験した後,
(4.2)と同様の方法で2 500サイクル繰返し試験を行い,作動状態を調べる。
(4.4) 耐じん試験 耐じん試験は,付図13に示すように耐じん試験装置の漏斗状部 (A) に,JIS Z 8901
に規定する試験用ダスト7種を0.9kg入れた後,棚部 (B) に巻取装置を置き,ウエビングの一部を
往復用取付具 (C) でつかみ,装置内最上部まで引し出しておく。以上の準備が終了した後,油分及

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び湿分が少ない圧縮空気を,直径1.5士0.1mmのオリフィスを通じて,20分ごとに550±50kPaの
圧力で5秒間装置内に吹き込み,試験用ダストを散乱させ,直ちにウエビングを300mm以上引き
出した後,巻き込む。この操作を1分間に5回の割合で2分間行った後,ウエビングを最初の位置
に戻し,18分間休止する。この操作を連続して5時間繰り返した後,手で完全な引出し及び巻込み
をそれぞれ25回行い,その作動状態を調べる。
なお,試験用ダストは,受渡当事者間の協定によって,附属書に規定するSAEダスト又はECE
ダストを用いてもよい。
(4.5) 繰返し試験 繰返し試験は,次のとおりとする。
(a) 緊急ロック式巻取装置の繰返し試験は,(4.2)と同様の方法で,ウエビングの50%以下の引出しか
ら100 %引出しまでの間での繰返しを45 000サイクル行う。
なお,(4.2), (4.3)及び(4.5)(a)の合計50 000サイクルの繰返し試験のうち,10 000サイクル以上は,
ウエビングの50%引出しから100%引出しまでの間で,ロック機構を作動させて試験しなければな
らない。
(b) 自動ロック式巻取装置の繰返し試験は,(4.2)と同様の方法で,繰返しを5 000サイクル行う。
(5) 引張強さ試験 引張強さ試験は,ウエビングを巻取装置から完全に引き出した状態及びウエビング全
引出し量の25%を巻取装置に巻き込んだ付近で巻取装置をロックした状態で,巻取装置をそれぞれ引
張試験機に取り付け,通常の引出し方向に引張速度毎分約100mmで,二点式シートベルト用及び三
点式シートベルトの腰部用では11.1kN,三点式シートベルトの肩部用では6.7kN,三点式シートベル
トの腰部と肩部とに共用ものでは13.3kNの荷重を加えて試験する。
7.9 シートベルトの試験
7.9.1 静荷重試験 静荷重試験は,試料を,温度20±2℃,相対湿度 (65±2) %で24時間放置した後,次
によって試験を行う。
(1) 試験装置 試験装置は,付図14及び付図15に示すようにブロック,取付台,アダプタ及び引張試験
機からなり,次のとおりとする。
(a) ブロック ブロックは,付図14及び付図15に示すように転がり軸受によって支持した直径100mm
のローラ2個で構成し,試料が試験中にローラ以外に接触しない構造とし,かつ,(2)に規定する引
張荷重に耐えるために十分な剛性をもつこと。
(b) 取付台 取付台は,取付具,補助金具及びアダプタなどの取付けができる構造とし,かつ,(2)に規
定する引張荷重に耐えるために十分な剛性をもつこと。
(c) アダプタ アダプタは,(2)に規定する引張荷重に耐えるために十分な剛性をもち,かつ,ウエビン
グと取付具本体とのなす角度がほぼ90°になるような構造とする。
アイボルトと共に用いる取付具本体は,ウエビングに平行とする。ただし,特定の自動車用に設
計したシートベルトの取付ボルト及び取付具本体の場合には,その自動車に取り付ける方向と同方
向に取り付くものであってもよい。
(d) 引張試験機 引張試験機は,引張速度毎分約100mmで(2)に規定する荷重を繰り返し加えることが
できるものであること。
(2) 試験方法 試験方法は,シートベルトの種類によって次のとおりとする。
なお,巻取装置を取り付けたシートベルトでは,有効長さの25%を巻き込んだ付近でロック機構を
働かせた状態で行う。この場合に,取付けは通常の取付方法とする。
(a) 二点式シートベルトの場合には,試料を試験装置に,ループ長さを約1 300mmにして付図14に示

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すように取り付け,引張荷重を加え,荷重が22.3kNに達した後,荷重を670±40Nに下げて,各部
の異状の有無を調べる。次に,7.5(3)(a)に示す方法で解離力を測定する。ただし,ループ長さが1
300mm未満となる場合には,その最大長さとする。
また,初荷重200Nのときから最大荷重のときまでのブロックの移動量を測定し,シートベルト
の伸びとして記録する。
(b) 三点式シートベルトの場合には,試料を試験装置に,ループ長さを約1 300mmにして付図15に示
すように取り付け,腰部試験及び肩部試験のときでバックルにスリップガイドを用いたものは,ウ
エビングがずれないように付図15に示すようなクランプで固定し,引張荷重を加え,荷重が腰部試
験では22.3kN,肩部試験では13.3kN,共通試験では26.7kNに達した後,荷重を670±40Nに下げ
て,各部の異状の有無を調べる。ただし,ループ長さが1 300mm未満となる場合には,その最大長
さとする。
さらに,腰部試験では,7.5(3)(a)に示す方法で解離力を測定する。
また,腰部試験及び肩部試験では,初荷重200Nのときから最大荷重のときまでのブロックの移
動量を測定し,シートベルトの伸びとして記録する。
7.9.2 動荷重試験 動荷重試験は,試料を,温度20±2℃,相対湿度 (65±2) %で24時間放置した後,次
によって試験を行う。
(1) 試験装置 試験装置は,台車及び推進装置,試験用シート,シートベルト取付部,ダミー及び計測装
置からなり,次のとおりとする。
(1.1) 台車及び推進装置 台車及び推進装置は,試験用シート,シートベルト取付部,シートベルト,ダ
ミーなどを支えるために十分な剛性をもち,それらを取り付けた状態で,(2.2)に示す台車速度及び
加速度又は減速度を繰り返し測定できるものとする。
(1.2) 試験用シート 試験用シートは,シートクッション及びシートバックを表面が滑らかでかつ堅固な
金属製とし,寸法及びシートクッションとシートバックとがなす角度は付図16に示すとおりとする。
ただし,特定の自動車用に設計したシートベルトでは,その自動車のシートを用いてもよい。その
場合のシートバックの倒れ角度は,シートの設計基準に合わせる。
(1.3) シートベルトの取付部 シートベルトの取付部は,次のとおりとする。
(a) シートベルトの取付部の位置 シートベルトの取付部の位置は,付図16に示すとおりとする。た
だし,特定の自動車用に設計したシートベルトでは,そのシートベルト取付部の位置をその自動
車の設計基準位置に設けてもよい。
(b) シートベルトの取付部の剛性 シートベルトの取付部の剛性は,前方に980Nの荷重を加えたとき
に上部取付部が0.2mm以上変位してはならない。ただし,特定の自動車用に設計したシートベル
トでは,その自動車の取付部付近の剛性と同等か,又は,それ以上の剛性をもつ構造物を用いて
もよい。
(1.4) ダミー ダミーは,質量75kgのものを用いる。
なお,ダミーには,適切な寸法の衣服を着用させる。
(1.5) 測定装置 測定装置は,台車速度の測定装置,台車の加速度又は減速度の測定装置,ダミーの移動
量の測定装置からなり,次のとおりとする。
(a) 台車速度の測定装置は,試験に用いる台車及び推進装置に適した装置によるものとし,その測定
速度の単位は,0.5km/h以下とする。
(b) 台車の加速度又は減速度は,台車の前後方向で測定する。

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なお,用いる加速度計の最大容量は,980m/s2以下とし,測定装置の周波数特性は,JIS D 1050
に規定する周波数クラス60に適合すること。ただし,台車速度を加速度又は減速度から算出する
場合には,周波数クラス180に適合すること。
(c) ダミーの移動量の測定装置は,ダミーの腰部及び上胴部の移動量の解析に適したものとする。
(2) 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
(2.1) 試験準備 試験準備は,減速式の台車では,台車の進行方向が自動車の前方向になるようにし,加
速式の台車では,台車の進行方向が自動車の後ろ方向になるようにして,試験用シートの前後方向
を合わせ,かつ,試験用シートの中央縦断面を台車の進行方向に平行になるように台車上に固定し,
シートベルトをシートベルト取付部に取り付け,厚さ25mm,縦約500mm,横約300mmの板をダ
ミーの背部と試験用シートのシートバックとの間に置いてダミーを座らせ,シートベルトで緊縛す
る。次に,その板を取り除き,ダミーの背中全体をシートバックにもたれさせる。
(2.2) 試験 試験は,(2.1)に示す方法によって試験の準備を行った後,次に示す方法によって行う。
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(a) 台車の衝突速度は, 50 km/hとする。
(b) 台車の加速度又は減速度の波形は,付図17(a)に示す斜線部内にあること。
なお,受渡当事者間の協定によって,付図17(b)に示す斜線部内にある波形を用いてもよい。
(c) 試験中に,ダミーの挙動を観察し,かつ,付図18に示す腰部測定点及び上胴部測定点の前方移動
距離をそれぞれ腰部移動量及び上胴部移動量として測定する。
(d) 試験後,シートベルトの耐荷重部材の破損,並びに機能を損なうおそれがある変形及びき裂を調
べた後,7.5(3)(b)に示す方法によってバックルの解離力試験を行う。
8. 表示 シートベルトの適当な位置に,次の事項を表示する。ただし,(3)は,巻取装置を取り付けたシ
ートベルトの場合に限る。
(1) 名称若しくは英文名称又はその略称
例1. 自動車用シートベルト
例2. seat belt for road vehicles
例3. シートベルト
例4. seat belt
(2) 種類又はその記号
例1. 二点式シートベルト
例2. III
例3. IIIE
(3) 巻取装置の種類の略称及び記号
例1. ALR
例2. ELR−V
例3. ELR−VW
(4) 製造業者名又はその略号
(5) 製造年又はその略号
(6) 製造番号

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9. 取扱説明書 シートベルトには,取扱説明書を添付し,次の注意事項を記入する。ただし,特定の自
動車の製造時に装備するシートベルトであって,その自動車の取扱説明書の中に次の(2)(7)を含む場合に
は省略をしてもよい。
(1) 車体に取り付ける方法
例 シートベルトは,ドア開閉操作の際にバックルをできるだけ損傷しないような位置に取り付けな
ければならない。
(2) 乗員に着用する方法
例 一組のシートベルトは,ベルトが乗員の後方で交差して乗員の胴体を巻き付けるような形に取り
付けてはならない。
(3) 巻取装置付きシートベルトを着用する方法
(4) 緊急の場合の処置
(5) 保全の方法
(6) 交換の事項
(7) その他の必要事項
付図1 押しボタン部の面積及び最も狭い間隔

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JIS D 4604:1995の国際規格 ICS 分類一覧

JIS D 4604:1995の関連規格と引用規格一覧