JIS G 3124:2022 中・常温圧力容器用高強度鋼鋼板 | ページ 2

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G 3124 : 2022

7 溶接性

7.1 溶接性の一般事項

  溶接性の評価指標は,炭素当量による。

7.2 炭素当量

  鋼板の炭素当量は,式(1)によって,11.1の溶鋼分析値を用いて計算し,その値は,表3による。
Mn Si Ni Cr Mo V
Ceq C (1)
6 24 40 5 4 14
ここで, Ceq : 炭素当量(%)
表3−炭素当量
種類の記号 厚さ mm 炭素当量 %
6以上 75以下 0.53以下
SEV245
75超え150以下 0.60以下
6以上 75以下 0.56以下
SEV295
75超え150以下 0.61以下
6以上 75以下 0.60以下
SEV345
75超え150以下 0.62以下

8 機械的性質

8.1 常温引張性質

  鋼板は,11.2によって試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ及び伸びの値は,表4による。

――――― [JIS G 3124 pdf 6] ―――――

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表4−常温引張試験における降伏点又は耐力,引張強さ及び伸び
降伏点又は
引張強さ 伸びa) b) c) 引張
種類の記号 厚さ mm 耐力
N/mm2 % 試験片d)
N/mm2
SEV245 6以上 50以下 370以上 16以上 1A号
510650
50超え100以下 355以上
100超え125以下 345以上 500640 20以上 14A号
125超え150以下 335以上 490630
SEV295 6以上 50以下 420以上 15以上 1A号
540690
50超え100以下 400以上
100超え125以下 390以上 530680 19以上 14A号
125超え150以下 380以上 520670
SEV345 6以上 50以下 430以上 14以上 1A号
590740
50超え100以下 430以上
100超え125以下 420以上 580730 18以上 14A号
125超え150以下 410以上 570720
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 厚さ8 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ1 mm又はその端数を減じるごとに,この表の伸
びの値から1を減じる。
注b) 厚さ90 mmを超える鋼板の14A号試験片の伸びは,厚さ12.5 mm又はその端数を増すごとに,この表
の伸びの値から0.5を減じる。ただし,減じる限度は3とする。
注c) 厚さ20 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びが,この表の規定値を満足しない場合に,その伸びがこ
の表の規定値から3を減じた値以上の場合は,破断部を含む標点距離50 mmの伸びの値を測定して合
否判定をしてもよい。その値が25 %以上あれば,合格とする。
注d) 厚さ25 mmを超える鋼板については,1A号試験片に替えて14A号試験片を用いてもよい。ただし,
この場合の伸びの規定値は,50 mmを超える場合の値を適用する。

8.2 高温引張性質

  鋼板の高温引張試験は,注文者の要求がある場合,11.2によって試験を行い,400 ℃までの温度におけ
る耐力の下限値は,表5による。試験温度は,注文者が表5の試験温度から一つ指定した温度とする。た
だし,注文者から試験温度の指定がない場合には,350 ℃で試験を行う。
表5−高温における耐力の下限値
単位 N/mm2
種類の記号 試験温度
100 ℃ 150 ℃ 200 ℃ 250 ℃ 300 ℃ 350 ℃ 375 ℃ 400 ℃
SEV245 333 314 294 275 255 245 235 226
SEV295 382 363 343 324 304 294 284 275
SEV345 392 382 373 363 353 343 324 314
厚さ100 mm超え125 mm以下の場合は,この表の値から10 N/mm2を,125 mm超え150 mm以下の場合は,
この表の値から20 N/mm2を減じる。
注記 1 N/mm2=1 MPa

8.3 曲げ性

  鋼板は,11.2によって試験を行い,その曲げ性は,表6によって,曲げ試験片の外側にき裂を生じては
ならない。

――――― [JIS G 3124 pdf 7] ―――――

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注記 曲げ性の試験の実施については,11.2.1を参照。
表6−曲げ性
種類の記号 曲げ角度 厚さ mm 内側半径 試験片
6以上 25以下 厚さの1.0倍
SEV245 180° 25超え 50以下 厚さの1.25倍
50超え150以下 厚さの1.5倍
6以上 25以下 厚さの1.25倍
SEV295 180° 25超え 50以下 厚さの1.5倍 1号
50超え150以下 厚さの1.75倍
6以上 25以下 厚さの1.25倍
SEV345 180° 25超え 50以下 厚さの1.5倍
50超え150以下 厚さの1.75倍

8.4 シャルピー吸収エネルギー

  鋼板は,11.2によって試験を行い,そのシャルピー吸収エネルギーは,次による。ただし,厚さ12 mm
以下の鋼板の衝撃試験は,注文者の指定があった場合に行う。
a) 厚さ12 mmを超える鋼板のシャルピー吸収エネルギーは,表7による。
b) 厚さ12 mm以下の鋼板のシャルピー吸収エネルギーは,表7のシャルピー吸収エネルギーの最小値
に,表8の係数を乗じた値以上とする。
表7−シャルピー吸収エネルギー
試験温度a) シャルピー吸収エネルギー J 試験片及び
種類の記号
℃ 3個の試験片の平均値 個々の試験片の値 試験片採取方向
SEV245
Vノッチ
SEV295 0 31以上 25以上
圧延方向に直角
SEV345
注a) 受渡当事者間の協定によって,この試験温度より低い温度で試験を行う場合は,その試験温度に置
き換えてよい。
表8−シャルピー吸収エネルギーの最小値を求める係数
試験片 鋼板の厚さと試験片の厚さと鋼板の厚さと試験片の厚さと
の差が3 mm以下の場合 の差が3 mmを超える場合
Vノッチ(厚さ10 mm) 1 −
サブサイズ Vノッチ(厚さ7.5 mm) 0.75 0.83
試験片 Vノッチ(厚さ5 mm) 0.5 0.67

9 形状,寸法,質量及びその許容差

  鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,厚さの許容差は,表9による。
また,鋼板の幅及び長さの許容差は,次による。
a) カットエッジの幅の許容差は,JIS G 3193の表7(幅の許容差)の許容差Aによる。
b) 長さの許容差は,JIS G 3193の表8(鋼板の長さの許容差A)による。

――――― [JIS G 3124 pdf 8] ―――――

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表9−厚さの許容差
単位 mm
厚さ 幅a)
1 600以上 2 000以上 2 500以上 3 150以上 4 000以上
1 600未満 2 000未満 2 500未満 3 150未満 4 000未満 5 000未満
6.00以上 6.30未満 +0.75 +0.95 +0.95 +1.25 +1.25 −
6.30以上 10.0未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.55
10.0以上 16.0未満 +0.85 +1.05 +1.05 +1.35 +1.35 +1.75
16.0以上 25.0未満 +1.05 +1.25 +1.25 +1.65 +1.65 +1.95
25.0以上 40.0未満 +1.15 +1.35 +1.35 +1.75 +1.75 +2.15
40.0以上 63.0未満 +1.35 +1.65 +1.65 +1.95 +1.95 +2.35
63.0以上 100未満 +1.55 +1.95 +1.95 +2.35 +2.35 +2.75
100以上 150以下 +2.35 +2.75 +2.75 +3.15 +3.15 +3.55
マイナス側の許容差は0.25 mmとする。受渡当事者間の協定によって,マイナス側の許容差を0 mmと
した場合のプラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。
注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。

10 外観

  鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修を行う場合は,事前に注文者の
承認を得なければならない。

11 試験

11.1 分析試験

  分析試験は,次による。
a) 一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G
0404の箇条8(化学成分)による。
b) 製品分析用試料の採り方 製品分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(製品分析用試料)によ
る。ただし,供試材は,破断後の引張試験片を用いてもよい。
c) 分析方法 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。製品分析方法は,JIS G 0321による。

11.2 機械試験

11.2.1 試験一般
機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,試
験片の採り方は,JIS G 0404の7.6(試験片採取条件及び試験片)のA類とする。
なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ
ばならない。
注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならないこ
とを意味する。

――――― [JIS G 3124 pdf 9] ―――――

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11.2.2 試験片の数
常温引張試験片,曲げ試験片,高温引張試験片及び衝撃試験片の数は,次による。
a) 常温引張試験片及び曲げ試験片の数 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧延した鋼
板を一括して試験単位とし,それぞれ1個採取する。熱処理を行った鋼板は,同一スラブ又は同一鋼
塊から圧延し,同一熱処理条件で熱処理した鋼板を一括して試験単位とし,それぞれ1個採取する。
b) 高温引張試験片の数 同一溶鋼及び同一熱処理条件に属する鋼板から最大厚さの鋼板を2枚選び,各
鋼板からそれぞれ1個採取する。
なお,最大厚さの鋼板が1枚しかない場合は,次に厚い鋼板から試験片を更に1個採取する。
c) 衝撃試験片の数 圧延のままの鋼板は,同一スラブ又は同一鋼塊から圧延した鋼板を一括して試験単
位とし,供試材を一つ採取し,これから試験片を3個採取する。熱処理を行った鋼板は,同一スラブ
又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条件で熱処理した鋼板を一括して試験単位とし,供試材を一つ
採取し,これから試験片を3個採取する。
11.2.3 試験片の採取位置
常温引張試験片,高温引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片の採取位置は,次による。
a) 常温引張試験片及び高温引張試験片の採取位置 鋼板の圧延頭部側の板幅の1/4又はそれに近い位置
とする。この場合,標点間は熱処理時の端から鋼板の厚さ以上離れた位置とする。
なお,JIS Z 2241の14A号試験片又はJIS G 0567の棒状試験片を用いる場合は,試験片の軸の中心
は鋼板表面から厚さの1/4の位置とする。ただし,厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに近い
位置とする。
b) 曲げ試験片の採取位置 鋼板の圧延頭部側の板幅の1/4又はそれに近い位置とする。
c) 衝撃試験片の採取位置 特に指定がない限り,鋼板の圧延頭部側の引張試験片を採取した位置に隣接
した部分とする。この場合,試験片の切欠き部は,熱処理時の端から鋼板の厚さ以上離れ,試験片の
軸は,鋼板表面から厚さの1/4の位置とする。ただし,厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに
近い位置とする。
11.2.4 試験片の採取方向
常温引張試験片,高温引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片の採取方向は,最終圧延方向に直角とす
る。
11.2.5 試験片
常温引張試験片,高温引張試験片,曲げ試験片及び衝撃試験片は,次による。
a) 常温引張試験片は,JIS Z 2241の1A号又は14A号試験片による。
b) 高温引張試験片は,JIS G 0567による。
c) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。
d) 衝撃試験片は,JIS Z 2242のVノッチ試験片による。この場合,試験片切欠き部の切欠きの長さ方向
は,圧延面に垂直とする。
11.2.6 試験方法
試験の方法は,次による。

――――― [JIS G 3124 pdf 10] ―――――

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