この規格ページの目次
23
H 1111 : 2014
A2 : 空試験液中のカドミウム検出量(g)
A3 : 8.3.6 a) 1.1) 又は8.3.6 a) 2.1) でとった亜鉛溶液中に含まれる
カドミウムの量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
9 すず定量方法
9.1 定量方法の区分
すずの定量方法は,次のいずれかによる。
a) ケルセチン抽出吸光光度法 この方法は,すず含有率0.000 1 %(質量分率)以上0.002 %(質量分率)
以下の試料に適用する。
b) CP発光分光分析法 この方法は,すず含有率0.000 5 %(質量分率)以上0.002 %(質量分率)以下
の試料に適用する。
c) 水酸化鉄共沈分離ICP発光分光分析法 この方法は,すず含有率0.000 1 %(質量分率)以上0.002 %
(質量分率)以下の試料に適用する。
9.2 ケルセチン抽出吸光光度法
9.2.1 要旨
試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,チオ尿素及びL(+)-アスコルビン酸を加えて銅及び鉄をマスキン
グする。ケルセチンを加え,生成したケルセチンすず錯体を4-メチル-2-ペンタノンで抽出し,分光光度計
を用いて,その吸光度を測定し,検量線からすず量を求める。
9.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸(1+1)
c) 硫酸(1+19)
d) 亜鉛[99.995 %(質量分率)以上] すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既知のもの。
e) 過酸化水素
f) 塩化ニッケル(II)溶液 7.3.2 e)による。
g) (+)-アスコルビン酸溶液(20 g/L) この溶液は,使用の都度調製する。
h) チオ尿素溶液(50 g/L) この溶液は,使用の都度調製する。
i) ケルセチン溶液 ケルセチン二水和物0.5 gをエタノール(95)約300 mLに溶解し,塩酸25 mLを加
えた後,エタノール(95)で1 000 mLに薄める。
j) 4-メチル-2-ペンタノン
k) すず標準液(Sn : 5 μg/mL) すず標準液は,次のいずれかを用いる。
1) 市販のすず標準液 酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,濃度が5 μg/mL
より濃い場合は,塩酸(1+1)で正確に薄めてすず標準液とする。
注記 JCSSに基づくすず標準液がある。
2) 金属を用いて調製したすず標準液 すず[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gを塩酸(1+1)100 mL
で加熱して分解し,常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに塩酸(1+1)を用いて移し入
れ,塩酸(1+1)で標線まで薄めて原液(Sn : 100 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量
だけ塩酸(1+1)で正確に20倍に薄めてすず標準液とする。
――――― [JIS H 1111 pdf 26] ―――――
24
H 1111 : 2014
9.2.3 試料はかりとり量
試料のはかりとり量は,2.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
9.2.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順による。
1) 試料をはかりとって,ビーカー(300 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,塩酸20 mLを加えて分解する。分解が困難なときは,塩化ニッケル(II)溶液[9.2.2
f)]2 mLを加える。過酸化水素数滴を加えて完全に分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面
を水で洗浄して時計皿を取り除く。
3) 50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
b) 呈色 a) 3)で得た溶液から正確に25 mLをあらかじめチオ尿素溶液[9.2.2 h)]20 mL,L(+)-アスコル
ビン酸溶液[9.2.2 g)]5 mL及びケルセチン溶液[9.2.2 i)]20.0 mLを入れた分液漏斗(100 mL)に分
取し,振り混ぜた後,約15分間水中で冷却する。
c) 抽出分離 b)で得た溶液に4-メチル-2-ペンタノンを正確に15 mL加え,約1分間激しく振り混ぜ,静
置して2層に分離した後,下層の水相を取り除く。有機相に硫酸(1+19)25 mLを加え,約30分間
振り混ぜ,静置して2層に分離した後,水相を取り除く。
d) 吸光度の測定 c)で得た有機相の一部を乾いたろ紙を用いてろ過し,最初のろ液を捨てる。その後得
られたろ液の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)にとり,4-メチル-2-ペンタノンを対照液として,
波長400 nm付近の吸光度を測定する。
注記 ろ紙の代わりに脱脂綿を用いてもよい。
9.2.5 空試験
試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行い,空試験液を調製し,吸光度を測定する。
9.2.6 検量線の作成
検量線の作成は,次の手順による。
a) 亜鉛[9.2.2 d)]を2.0 gずつはかりとって,数個のビーカー(100 mL)に移し入れ,塩酸15 mL及び
過酸化水素数滴を加えて分解し,加熱を続けて乾固する。さらに,塩酸5 mLを加えて再び加熱して
乾固する。放冷した後,塩酸10 mLを加えて塩類を溶解する。
b) すず標準液[9.2.2 k)]08.0 mL(すずとして040 μg)を段階的に加える。さらに,塩酸(1+1)
をそれぞれの溶液中の塩酸量が15 mLとなるように加える。以下,9.2.4 a) 3)9.2.4 d)の手順に従って
試料と並行して操作し,得た吸光度と分取した溶液中のすず量との関係線を作成し,検量線とする。
9.2.7 計算
9.2.4 d)及び9.2.5で得た吸光度と,9.2.6で作成した検量線とからすず量を求め,試料中のすず含有率を,
次の式によって算出する。
A1 2
Sn 100
5.0
ここに, Sn : 試料中のすず含有率[%(質量分率)]
A1 : 分取した試料溶液中のすず検出量(g)
A2 : 分取した空試験液中のすず検出量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
――――― [JIS H 1111 pdf 27] ―――――
25
H 1111 : 2014
9.3 ICP発光分光分析法
9.3.1 要旨
試料を塩酸と硝酸との混酸又は硝酸と酒石酸との混酸で分解した後,溶液をICP発光分光分析装置のア
ルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定し,検量線からすず量を求める。
9.3.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸(1+1)
c) 硝酸
d) 硝酸(1+1)
e) 混酸A(塩酸45,硝酸1)
f) 混酸B 6.3.2 f)による。
g) 酒石酸溶液(25 g/L)
h) 亜鉛溶液A 亜鉛[99.995 %(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既
知のもの]100 gを塩酸400 mLで分解し,加熱してシロップ状となるまで濃縮する。常温まで冷却し
た後,水約400 mLを加えて溶解し,500 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄
める。この溶液1 mLは,亜鉛約200 mgを含む。
i) 亜鉛溶液B 亜鉛[99.995 %(質量分率)以上で,すずを含有しないもの,又はすず含有率が低く既
知のもの]100 gに硝酸(1+1)400 mLを少量ずつ加えて分解する。常温まで冷却した後,500 mLの
全量フラスコに水を用いて移し入れ,酒石酸溶液(25 g/L)20 mLを加えた後,水を用いて標線まで
薄める。この溶液1 mLは,亜鉛約200 mgを含む。
j) すず標準液(Sn : 5 μg/mL) すず標準液は,次のいずれかを用いる。
1) 市販のすず標準液 酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,濃度が5 μg/mL
より濃い場合は,塩酸(1+1)で正確に薄めてすず標準液とする。
注記 JCSSに基づくすず標準液がある。
2) 金属を用いて調製したすず標準液 すず[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gを塩酸(1+1)100 mL
で加熱して分解し,常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに塩酸(1+1)を用いて移し入
れ,塩酸(1+1)で標線まで薄めて原液(Sn : 100 μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量
だけ塩酸(1+1)で正確に20倍に薄めてすず標準液とする。
9.3.3 試料はかりとり量
試料のはかりとり量は,5.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
9.3.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製
1) 塩酸と硝酸との混酸による調製 7.5.4 a) 1)による。
2) 硝酸と酒石酸との混酸による調製 6.3.4 a) 2)による。
b) 発光強度の測定 a) 1) 又はa) 2) で得た溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中
に噴霧し,波長189.989 nmにおける発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用可能
な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いている装
――――― [JIS H 1111 pdf 28] ―――――
26
H 1111 : 2014
置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
9.3.5 空試験
試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行い,空試験液を調製し,発光強度を測定する。
9.3.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかによる。
a) 試料用検量線の作成 試料用検量線の作成は,次のいずれかによる。
1) 塩酸と硝酸との混酸による調製を行った場合
1.1) 亜鉛溶液A[9.3.2 h)]25 mLを数個の100 mLの全量フラスコにとり,塩酸(1+1)20 mLを加え
る。
1.2) すず標準液[9.3.2 j)]020.0 mL(すずとして0100 μg)を段階的に加え,水で標線まで薄める。
1.3) 溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長189.989 nmにおける
発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付い
ている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
2) 硝酸と酒石酸との混酸による調製を行った場合
2.1) 亜鉛溶液B[9.3.2 i)]25 mLを数個の100 mLの全量フラスコにとる。
2.2) すず標準液[9.3.2 j)]020.0 mL(すずとして0100 μg)を段階的に加え,混酸B[9.3.2 f)]で
標線まで薄める。
2.3) 溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長189.989 nmにおける
発光強度を測定する。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付い
ている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
b) 空試験用検量線の作成 空試験用検量線の作成は,次のいずれかによる。
1) 塩酸と硝酸との混酸による調製を行った場合
1.1) すず標準液[9.3.2 j)]012.0 mL(すずとして060 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラス
コにとり,塩酸(1+1)20 mLを加え,水で標線まで薄める。
1.2) 溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長189.989 nmにおける
発光強度を測定する。ただし,試料溶液の発光強度と比較して空試験液の発光強度が著しく低い
場合には,a) 1) で作成した検量線を用いてもよい。
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付い
ている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
2) 硝酸と酒石酸との混酸による調製を行った場合
2.1) すず標準液[9.3.2 j)]012.0 mL(すずとして060 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラス
コにとり,混酸B[9.3.2 f)]で標線まで薄める。
2.2) 溶液の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長189.989 nmにおける
発光強度を測定する。ただし,試料溶液の発光強度と比較して空試験液の発光強度が著しく低い
場合には,a) 2)で作成した検量線を用いてもよい。
――――― [JIS H 1111 pdf 29] ―――――
27
H 1111 : 2014
なお,精度及び真度を確認してあれば,他の波長を用いてもよい。高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付い
ている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
9.3.7 計算
9.3.4 b)及び9.3.5で得た発光強度と,9.3.6で作成した検量線とからすず量を求め,試料中のすず含有率
を,次の式によって算出する。
A1 (A2 A3 )
Sn 100
m
ここに, Sn : 試料中のすず含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中のすず検出量(g)
A2 : 空試験液中のすず検出量(g)
A3 : 9.3.6 a) 1.1)又は9.3.6 a) 2.1)でとった亜鉛溶液中に含まれる
すずの量(g)
m : 試料はかりとり量(g)
9.4 水酸化鉄共沈分離ICP発光分光分析法
9.4.1 要旨
試料に硫酸アンモニウム鉄(III)を加え,塩酸と硝酸との混酸で分解した後,アンモニア水及び炭酸ア
ンモニウムを加え,すずを水酸化鉄と共沈させ,こし分ける。沈殿を塩酸に溶解した後,溶液をICP発光
分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定し,検量線からすず量を求める。
9.4.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1,1+50)
b) 混酸(塩酸45,硝酸1)
c) アンモニア水
d) アンモニア洗浄溶液 アンモニア水(2+25)500 mLに炭酸アンモニウム 15 gを加えて溶解する。
e) 硫酸アンモニウム鉄(III)溶液 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水 10 gを硝酸(1+100)100 mLに
溶解する。この溶液 1 mLは,鉄約12 mgを含む。
f) 炭酸アンモニウム
g) すず標準液A(Sn : 20 g/mL) すず標準液は,次のいずれかを用いる。
1) 市販のすず標準液 酸濃度,安定剤の有無などが使用目的に一致した場合に用い,濃度が20 μg/mL
より濃い場合は,塩酸(1+1)で正確に薄めてすず標準液とする。
注記 JCSSに基づくすず標準液がある。
2) 金属を用いて調製したすず標準液 すず[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gを塩酸(1+1)100 mL
で加熱して分解し,常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに塩酸(1+1)を用いて移し入
れ,塩酸(1+1)で正確に薄めて,原液(Sn:100 g/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量
だけ塩酸(1+1)で正確に5倍に薄めてすず標準液とする。
h) すず標準液B(Sn : 5 g/mL) 9.2.2 k) による。
9.4.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,10.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
9.4.4 操作
操作は,次による。
――――― [JIS H 1111 pdf 30] ―――――
次のページ PDF 31
JIS H 1111:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3815-2:2005(MOD)
- ISO 714:1975(MOD)
JIS H 1111:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.60 : 鉛,亜鉛,すず及びそれらの合金