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H 1405 : 2016
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 数mLの水で試料を湿らせ時計皿で覆い,過酸化水素約10 mLを少量ずつ数回に分けて加え,放置
又は加熱して分解する。分解が不十分な場合は,更に過酸化水素を少量ずつ追加する。試料を分解
した後,液量が約10 mLになるまで加熱して酸化タングステン(VI)一水和物を析出させた後,水
でうすめて液量を約20 mLとする。
3) 室温まで冷却した後,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)15 mLを少量ずつ加える。激しい発泡が終
わった後,液量が1020 mLになるまで煮沸して未溶解の酸化タングステン(VI)一水和物及び過
剰の過酸化水素を分解し,酒石酸溶液(500 g/L)10 mLを加え,約1分間煮沸する。
4) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,100 mLの全量フラスコに水
を用いて移し入れる。
5) 以下,a) 4) 及びa) 5) の手順に従って操作する。
6.2.4.2 吸光度の測定
6.2.4.1のa) 5) 又はb) 5) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mLは捨て,
その後の一部を分光光度計の吸収セル(10 mm)に採り,水を対照液として波長510 nm付近の吸光度を測
定する。
6.2.5 空試験
試料を用いないで試料と同じ操作を試料と併行して行って,空試験液を調製し,6.2.4.2に従って,空試
験液の吸光度を測定する。
6.2.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を6.2.4.1 a) によって行う場合 数個の白金皿(75番又は90番),四ふっ化エチレン
樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100 mL又は200 mL)を用意
し,6.2.4.1のa) 2) 及びa) 3) の手順に従って操作した後,溶液をそれぞれ100 mLの全量フラスコに
水を用いて移し入れる。鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.2.2.10)06.0 mL(鉄として0300 μg)を段
階的に加える。以下,6.2.4.1のa) 4) 及びa) 5) の手順に従って操作した後,得た吸光度と鉄量との関
係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 試料溶液の調製を6.2.4.1 b) によって行う場合 数mLの水及び6.2.4.1 b) 2) で加えた量と同量の過酸
化水素を数個のビーカー(100 mL又は200 mL)にとり,時計皿で覆う。液量が510 mLになるまで
加熱して濃縮した後,水でうすめて液量を約20 mLとし,室温まで冷却する。6.2.4.1のb) 3) 及びb) 4)
の手順に従って操作した後,溶液をそれぞれ100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標
線までうすめる。鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.2.2.10)06.0 mL(鉄として0300 μg)を段階的に
加える。以下,6.2.4.1 b) 5) の手順に従って操作した後,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その
関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
6.2.7 計算
6.2.4.2及び6.2.5で得た吸光度と,6.2.6で作成した検量線の鉄量とから鉄検出量を求め,試料中の鉄含
有率を次の式によって算出する。
A1 A2
Fe 100
m1
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率[%(質量分率)]
――――― [JIS H 1405 pdf 6] ―――――
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H 1405 : 2016
A1 : 試料溶液中の鉄検出量(g)
A2 : 空試験液中の鉄検出量(g)
m1 : 試料はかりとり量(g)
6.3 原子吸光分析法
6.3.1 要旨
試料を適切な試薬で分解した後,試料溶液を原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,
その吸光度を測定する。
6.3.2 試薬
試薬は,次による。
6.3.2.1 ほう酸溶液(50 g/L)
6.3.2.2 りん酸(1+1)
6.3.2.3 混酸A(硝酸1,ふっ化水素酸1)
6.3.2.4 過酸化水素
6.3.2.5 タングステン粉 鉄含有率が既知で,かつ,その鉄含有率が適用含有率範囲の下限値[0.000 5 %
(質量分率)]より低いもの。
6.3.2.6 鉄標準液(Fe : 50 μg/mL) 6.2.2.10による。
6.3.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,3.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
6.3.4 操作
6.3.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸Aによる分解 混酸Aによる分解は,次による。
1) 試料をはかりとって白金皿(75番又は90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200
mL)又はポリエチレン製ビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 白金製蓋,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,りん酸(1+1)2 mL
及び混酸A 10 mLを少量ずつ加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱して窒素酸化物を追
い出し,常温まで冷却した後,蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して蓋又は時計皿を取り除き,ほう
酸溶液(50 g/L)40 mLを白金棒又はプラスチック棒でかき混ぜながら加え,溶液を100 mLの全量
フラスコに水を用いて移し入れる。
なお,ポリエチレン製ビーカーを用いる場合は,加熱による容器の変形が起こらないように,水
浴上又は水浴中で加熱しながら分解する。
3) 水で標線までうすめる。
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,数mLの水で試料を湿らせ,りん酸(1+1)2 mL及び過酸化水素約10 mLを少量ず
つ加え,放置又は加熱して分解する。分解が不十分な場合は,更に過酸化水素を少量ずつ追加する。
3) 試料を分解した後,液量が約10 mLになるまで加熱し,常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で
洗浄して時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
4) 水で標線までうすめる。
――――― [JIS H 1405 pdf 7] ―――――
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H 1405 : 2016
6.3.4.2 吸光度の測定
6.3.4.1のa) 3) 又はb) 4) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mLは捨て,
その後の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,
波長248.3 nmにおける吸光度を測定する。
6.3.5 空試験
6.3.6の検量線の作成操作において得られる鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)を添加しない溶液を空試験液とし,
試料溶液と併行して,6.3.4.2に従って吸光度を測定する。
6.3.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を6.3.4.1 a) によって行う場合
1) タングステン粉(6.3.2.5)を3.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれ白金皿(75番又は
90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100
mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.3.4.1 a) 2) の操作を試料と併行して行って得た溶液に,鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.3.2.6)06.0
mL(鉄として0300 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレー
ム中に噴霧し,波長248.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併行して測定し,得た吸光度と鉄量との
関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 試料溶液の調製を6.3.4.1 b) によって行う場合
1) タングステン粉(6.3.2.5)を3.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.3.4.1のb) 2) 及びb) 3) の操作を試料と併行して行って得た溶液に,鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)
(6.3.2.6)06.0 mL(鉄として0300 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・空気フレー
ム中に噴霧し,波長248.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併行して測定し,得た吸光度と鉄量との
関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
6.3.7 計算
6.3.4.2及び6.3.5で得た吸光度と,6.3.6で作成した検量線の鉄量とから鉄検出量を求め,試料中の鉄含
有率を次の式によって算出する。
A3 A4 A5
Fe
m2
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率[%(質量分率)]
A3 : 試料溶液中の鉄検出量(g)
A4 : 空試験液中の鉄検出量(g)
A5 : タングステン粉(6.3.2.5)3.0 g中に含まれる鉄量(g)
m2 : 試料はかりとり量(g)
6.4 ICP発光分光分析法
6.4.1 要旨
試料を適切な試薬で分解した後,試料溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,そ
の発光強度を測定する。
――――― [JIS H 1405 pdf 8] ―――――
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H 1405 : 2016
6.4.2 試薬
試薬は,次による。
6.4.2.1 ほう酸溶液(50 g/L)
6.4.2.2 りん酸(1+1)
6.4.2.3 混酸B(硝酸1,ふっ化水素酸1,水3)
6.4.2.4 混酸C(塩酸3,硝酸1,水4)
6.4.2.5 過酸化水素
6.4.2.6 タングステン粉 6.3.2.5による。
6.4.2.7 鉄標準液(Fe : 50 μg/mL) 6.2.2.10による。
6.4.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
6.4.4 操作
6.4.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸Bによる分解 混酸Bによる分解は,次による。
1) 試料をはかりとって白金皿(75番又は90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200
mL)又はポリエチレン製ビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 白金製蓋,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,りん酸(1+1)1 mL
及び混酸B 10 mLを少量ずつ加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱して窒素酸化物を追
い出し,常温まで冷却する。
3) ほう酸溶液(50 g/L)40 mLを白金棒又はプラスチック棒でかき混ぜながら加える。
4) 蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して蓋又は時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水
を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
なお,ポリエチレン製ビーカーを用いる場合は,加熱による容器の変形が起こらないように,水
浴上又は水浴中で加熱しながら分解する。
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 数mLの水で試料を湿らせ時計皿で覆い,りん酸(1+1)1 mL及び過酸化水素約10 mLを少量ずつ
加え,放置又は加熱して分解する。分解が不十分な場合は,更に過酸化水素を少量ずつ追加する。
3) 試料を分解した後,液量が約10 mLになるまで加熱し,常温まで冷却する。
4) 時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し
入れ,水で標線までうすめる。
c) 混酸Cによる分解 混酸Cによる分解は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 数mLの水で試料を湿らせ時計皿で覆い,りん酸(1+1)1 mL及び過酸化水素約10 mLを少量ずつ
加え,放置又は加熱して分解する。分解が不十分な場合は,更に過酸化水素を少量ずつ追加する。
試料を分解した後,液量が510 mLになるまで加熱して濃縮し,室温まで冷却する。
3) 混酸C 10 mLを少量ずつ加え,数分間放置し激しい発泡を終わらせ,約5分間煮沸した後,常温ま
で冷却する。
4) 時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を50 mLの全量フラスコに水を用いて移し入
――――― [JIS H 1405 pdf 9] ―――――
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H 1405 : 2016
れ,水で標線までうすめる。
6.4.4.2 発光強度の測定
6.4.4.1のa) 4) ,b) 4) 又はc) 4) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mL
は捨て,その後の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長238.204 nm又は
259.940 nmにおける発光強度を測定する。
なお,精確さを確認してあれば,他の波長を用いて測定してもよい。また,高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよい。バックグラウンド補正機構が付いている装置では,
バックグラウンド補正機構を用いてもよい。これらの操作を適用した場合は,検量線の作成においても同
様に行う。
6.4.5 空試験
6.4.6の検量線の作成操作において得られる鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)を添加しない溶液を空試験液とし,
試料溶液と併行して,6.4.4.2に従って発光強度を測定する。
6.4.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を6.4.4.1 a) によって行う場合
1) タングステン粉(6.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれ白金皿(75番又は
90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100
mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.4.4.1のa) 2) 及びa) 3) の手順に従って操作した後,鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.4.2.7)06.0 mL
(鉄として0300 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,6.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度と鉄量との関係線を作成して検量線とする。
b) 試料溶液の調製を6.4.4.1 b) によって行う場合
1) タングステン粉(6.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.4.4.1のb) 2) 及びb) 3) の手順に従って操作した後,鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.4.2.7)06.0 mL
(鉄として0300 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,6.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度と鉄量との関係線を作成して検量線とする。
c) 試料溶液の調製を6.4.4.1 c) によって行う場合
1) タングステン粉(6.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.4.4.1のc) 2) 及びc) 3) の手順に従って操作した後,鉄標準液(Fe : 50 μg/mL)(6.4.2.7)06.0 mL
(鉄として0300 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,6.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度と鉄量との関係線を作成して検量線とする。
6.4.7 計算
6.4.4.2及び6.4.5で得た発光強度と,6.4.6で作成した検量線の鉄量とから鉄検出量を求め,試料中の鉄
含有率を次の式によって算出する。
A6 A7 A8
Fe
m3
ここに, Fe : 試料中の鉄含有率[%(質量分率)]
A6 : 試料溶液中の鉄検出量(g)
――――― [JIS H 1405 pdf 10] ―――――
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JIS H 1405:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.99 : その他の非鉄金属及び合金
JIS H 1405:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい