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H 1405 : 2016
A7 : 空試験液中の鉄検出量(g)
A8 : タングステン粉(6.4.2.6)1.0 g中に含まれる鉄量(g)
m3 : 試料はかりとり量(g)
7 モリブデン定量方法
7.1 定量方法の区分
モリブデンの定量方法は,次のいずれかによる。
a) チオシアン酸吸光光度法 この方法は,モリブデン含有率0.001 0 %(質量分率)以上0.016 %(質量
分率)以下の試料に適用する。
b) 原子吸光分析法 この方法は,モリブデン含有率0.001 0 %(質量分率)以上0.020 %(質量分率)以
下の試料に適用する。
c) CP発光分光分析法 この方法は,モリブデン含有率0.001 0 %(質量分率)以上0.020 %(質量分率)
以下の試料に適用する。
7.2 チオシアン酸吸光光度法
7.2.1 要旨
試料を適切な試薬で分解し,水酸化ナトリウムを添加する。くえん酸を加えて,タングステンなどを錯
塩とし,塩酸を加えて酸性とした後,鉄(III),チオシアン酸カリウム,酢酸エチル及び塩化すず(II)を
加えて,モリブデン(VI)を還元するとともに生成したモリブデンのチオシアン酸錯体を酢酸エチルに抽
出し,分光光度計を用いてその吸光度を測定する。
7.2.2 試薬
試薬は,次による。
7.2.2.1 塩酸
7.2.2.2 硝酸
7.2.2.3 混酸A(硝酸1,ふっ化水素酸1)
7.2.2.4 水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)
7.2.2.5 過酸化水素
7.2.2.6 タングステン粉 モリブデン含有率が既知で,かつ,そのモリブデン含有率が適用含有率範囲の
下限値[0.001 0 %(質量分率)]より低いもの。
7.2.2.7 塩化すず(II)溶液 塩化すず(II)二水和物150 gを塩酸100 mLに加熱して溶解し,室温まで
冷却した後,水250 mLを加える。小粒の粒状すず2,3個を加えて褐色ガラス製瓶に保存する。
7.2.2.8 鉄(III)溶液 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水0.87 gを硫酸(0.1 mol/L)100 mLに溶解する。
この溶液1 mLは,鉄として約1 mgを含む。
7.2.2.9 チオシアン酸カリウム溶液 チオシアン酸カリウム150 gを水350 mLに溶解する。
7.2.2.10 くえん酸溶液 くえん酸一水和物500 gを水800 mLに溶解する。
7.2.2.11 酢酸エチル
7.2.2.12 モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL) モリブデン標準液は,次のいずれかを用いる。
a) 市販のモリブデン標準液 市販のモリブデン標準液(Mo : 1 000 μg/mL)は,酸濃度,安定剤の有無
などが使用目的に合致することを確認して用い,使用の都度,必要量だけ水で正確に20倍にうすめて
使用する。
注記 JCSSに基づくモリブデン標準液がある。
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b) 酸化物を用いて調製したモリブデン標準液 酸化モリブデン(VI)[純度99.5 %(質量分率)以上]
1.500 gをはかりとってビーカー(200 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)
10 mLを加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り
除き,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめて原液(Mo : 1 000
μg/mL)とする。この原液を使用の都度,必要量だけ水で正確に20倍にうすめてモリブデン標準液と
する。
7.2.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
7.2.4 操作
7.2.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸Aによる分解 混酸Aによる分解は,次による。
1) 試料をはかりとって白金皿(75番又は90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200
mL)又はポリエチレン製ビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 白金製蓋,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,混酸A 6 mLを少量
ずつ加え,穏やかに加熱して分解する。蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して,蓋又は時計皿を取り
除き,引き続き加熱して乾固寸前まで濃縮する。さらに,硝酸約1 mLを加え,再び乾固し室温ま
で冷却する。水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)15 mLを加え,蓋又は時計皿で覆い加熱して塩類を
溶解する。
なお,ポリエチレン製ビーカーを用いる場合は,加熱による容器の変形が起こらないように,水
浴上又は水浴中で加熱しながら分解する。
3) 常温まで冷却した後,蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して蓋又は時計皿を取り除き,溶液を100 mL
の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,次による。
1) 試料をはかりとってビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 数mLの水で試料を湿らせ時計皿で覆い,過酸化水素約10 mLを少量ずつ加え,放置又は加熱して
分解する。分解が不十分な場合は,更に過酸化水素を少量ずつ追加し,分解する。
3) 室温まで冷却した後,水酸化ナトリウム溶液(100 g/L)15 mLを加える。激しい発泡が終わった後,
液量が1020 mLになるまで煮沸し,過剰の過酸化水素を分解する。
4) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラ
スコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。
7.2.4.2 抽出
抽出は,次の手順によって行う。
a) 7.2.4.1のa) 3) 又はb) 4) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mLは捨て,
その後の50 mLを分液漏斗(200 mL)に分取する。
b) くえん酸溶液(7.2.2.10)14 mL,塩酸6 mL及び鉄(III)溶液(7.2.2.8)1 mLを加え常温まで冷却し
た後,チオシアン酸カリウム溶液(7.2.2.9)4 mL,酢酸エチル15 mL及び塩化すず(II)溶液(7.2.2.7)
4 mLを順次加え,約1分間激しく振り混ぜる。2分間以上放置した後,下層の水相を捨てる。
7.2.4.3 吸光度の測定
7.2.4.2 b) で得た有機相の一部を,乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過し,最初の数 mLは捨て,次のろ
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液を分光光度計の吸収セル(10 mm)に採り,酢酸エチルを対照液として波長500 nm付近の吸光度を測定
する。
なお,吸光度の測定は,60分間以内に行う。
7.2.5 空試験
空試験は,行わない。
7.2.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を7.2.4.1 a) によって行う場合
1) タングステン粉(7.2.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれ白金皿(75番又は
90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100
mL又は200 mL)に移し入れ,7.2.4.1 a) 2) の操作を行う。
2) 常温まで冷却した後,蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して蓋又は時計皿を取り除き,溶液を100 mL
の全量フラスコに水を用いて移し入れる。
3) モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.2.2.12)03.2 mL(モリブデンとして0160 μg)を段階的
に加え,水で標線までうすめる。これらの溶液を50 mLずつ分取し,それぞれを分液漏斗(200 mL)
に移し入れ,以下,7.2.4.2 b) 及び7.2.4.3の手順に従って操作する。
4) 得た吸光度とモリブデン標準液として加えたモリブデン量の1/2の量との関係線を作成し,この関
係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 試料溶液の調製を7.2.4.1 b) によって行う場合
1) タングステン粉(7.2.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れ,7.2.4.1 b) 2) の操作を行う。
2) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラ
スコに水を用いて移し入れる。
3) モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.2.2.12)03.2 mL(モリブデンとして0160 μg)を段階的
に加え,水で標線までうすめる。これらの溶液を50 mLずつ分取し,それぞれを分液漏斗(200 mL)
に移し入れ,以下,7.2.4.2 b) 及び7.2.4.3の手順に従って操作する。
4) 得た吸光度とモリブデン標準液として加えたモリブデン量の1/2の量との関係線を作成し,この関
係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.2.7 計算
7.2.4.3で得た吸光度と7.2.6で作成した検量線のモリブデン量とからモリブデン検出量を求め,試料中の
モリブデン含有率を,次の式によって算出する。
A9
Mo 100
1
m4
2
ここに, Mo : 試料中のモリブデン含有率[%(質量分率)]
A9 : 分取した試料溶液中のモリブデン検出量(g)
m4 : 試料はかりとり量(g)
7.3 原子吸光分析法
7.3.1 要旨
試料を適切な試薬で分解した後,試料溶液を原子吸光分析装置のアセチレン・一酸化二窒素フレーム中
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に噴霧し,その吸光度を測定する。
7.3.2 試薬
試薬は,次による。
7.3.2.1 ほう酸溶液(50 g/L)
7.3.2.2 りん酸(1+1)
7.3.2.3 混酸A(硝酸1,ふっ化水素酸1)
7.3.2.4 過酸化水素
7.3.2.5 タングステン粉 7.2.2.6による。
7.3.2.6 モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)7.2.2.12による。
7.3.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,3.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
7.3.4 操作
7.3.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸Aによる分解 混酸Aによる分解は,6.3.4.1 a) による。
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,6.3.4.1 b) による。
7.3.4.2 吸光度の測定
7.3.4.1のa) 又はb) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mLは捨て,その
後の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴
霧し,波長313.3 nmにおける吸光度を測定する。
7.3.5 空試験
7.3.6の検量線の作成操作において得られるモリブデン標準液を添加しない溶液を空試験液とし,試料溶
液と併行して,7.3.4.2に従って吸光度を測定する。
7.3.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を7.3.4.1 a) によって行う場合
1) タングステン粉(7.3.2.5)を3.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれ白金皿(75番又は
90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100
mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.3.4.1 a) 2) の操作を試料と併行して行った後,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入
れる。
3) モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.3.2.6)012.0 mL(モリブデンとして0600 μg)を段階的
に加え,水で標線までうすめる。
4) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・一酸化二窒
素フレーム中に噴霧し,波長313.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併行して測定し,得た吸光度と
モリブデン量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 試料溶液の調製を7.3.4.1 b) によって行う場合
1) タングステン粉(7.3.2.5)を3.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 6.3.4.1 b) 2) の操作を試料と併行して行った後,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入
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れる。
3) モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.3.2.6)012.0 mL(モリブデンとして0600 μg)を段階的
に加え,水で標線までうすめる。
4) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置のアセチレン・一酸化二窒
素フレーム中に噴霧し,波長313.3 nmにおける吸光度を試料溶液と併行して測定し,得た吸光度と
モリブデン量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.3.7 計算
7.3.4.2及び7.3.5で得た吸光度と,7.3.6で作成した検量線のモリブデン量とからモリブデン検出量を求
め,試料中のモリブデン含有率を次の式によって算出する。
A10 A11 A12
Mo 100
m5
ここに, Mo : 試料中のモリブデン含有率[%(質量分率)]
A10 : 試料溶液中のモリブデン検出量(g)
A11 : 空試験液中のモリブデン検出量(g)
A12 : タングステン粉(7.3.2.5)3.0 g中に含まれるモリブデン
量(g)
m5 : 試料はかりとり量(g)
7.4 ICP発光分光分析法
7.4.1 要旨
試料を適切な試薬で分解した後,試料溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,そ
の発光強度を測定する。
7.4.2 試薬
試薬は,次による。
7.4.2.1 ほう酸溶液(50 g/L)
7.4.2.2 りん酸(1+1)
7.4.2.3 混酸B(硝酸1,ふっ化水素酸1,水3)
7.4.2.4 混酸C(塩酸3,硝酸1,水4)
7.4.2.5 過酸化水素
7.4.2.6 タングステン粉 7.2.2.6による。
7.4.2.7 モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL) 7.2.2.12による。
7.4.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,1.0 gとし,10 mgの桁まではかる。
7.4.4 操作
7.4.4.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 混酸Bによる分解 混酸Bによる分解は,6.4.4.1 a) による。
b) 過酸化水素による分解 過酸化水素による分解は,6.4.4.1 b) による。
c) 混酸Cによる分解 混酸Cによる分解は,6.4.4.1 c) による。
7.4.4.2 発光強度の測定
7.4.4.1のa) ,b) 又はc) で得た溶液を,乾いたろ紙(5種C)を用いてろ過し,最初の10 mLは捨て,
その後の一部を,ICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長202.030 nm又は277.540 nm
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JIS H 1405:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.99 : その他の非鉄金属及び合金
JIS H 1405:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい