この規格ページの目次
14
H 1405 : 2016
における発光強度を測定する。
なお,精確さを確認してあれば,他の波長を用いて測定してもよい。また,高次のスペクトル線が使用
可能な装置では,高次のスペクトル線を用いてもよい。バックグラウンド補正機構が付いている装置では,
バックグラウンド補正機構を用いてもよい。これらの操作を適用した場合は,検量線の作成においても同
様に行う。
7.4.5 空試験
7.4.6の検量線の作成操作において得られるモリブデン標準液を添加しない溶液を空試験液とし,試料溶
液と併行して,7.4.4.2に従って発光強度を測定する。
7.4.6 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料溶液の調製を7.4.4.1 a) によって行う場合
1) タングステン粉(7.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれ白金皿(75番又は
90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)又はポリエチレン製ビーカー(100
mL又は200 mL)に移し入れる。
2) 7.4.4.1 a) の手順に従って操作した後,モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.4.2.7)04.0 mL(モ
リブデンとして0200 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,7.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度とモリブデン量との関係線を作成して検量
線とする。
b) 試料溶液の調製を7.4.4.1 b) によって行う場合
1) タングステン粉(7.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 7.4.4.1 b) の手順に従って操作した後,モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.4.2.7)04.0 mL(モ
リブデンとして0200 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,7.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度とモリブデン量との関係線を作成して検量
線とする。
c) 試料溶液の調製を7.4.4.1 c) によって行う場合
1) タングステン粉(7.4.2.6)を1.0 gずつ10 mgの桁まで数個はかりとり,それぞれビーカー(100 mL
又は200 mL)に移し入れる。
2) 7.4.4.1 c) の手順に従って操作した後,モリブデン標準液(Mo : 50 μg/mL)(7.4.2.7)04.0 mL(モ
リブデンとして0200 μg)を段階的に加え,水で標線までうすめる。
3) 以下,7.4.4.2の手順に従って操作した後,得た発光強度とモリブデン量との関係線を作成して検量
線とする。
7.4.7 計算
7.4.4.2及び7.4.5で得た発光強度と,7.4.6で作成した検量線のモリブデン量とからモリブデン検出量を
求め,試料中のモリブデン含有率を次の式によって算出する。
A13 A14 A15
Mo
m6
ここに, Mo : 試料中のモリブデン含有率[%(質量分率)]
A13 : 試料溶液中のモリブデン検出量(g)
A14 : 空試験液中のモリブデン検出量(g)
――――― [JIS H 1405 pdf 16] ―――――
15
H 1405 : 2016
A15 : タングステン粉(7.4.2.6)1.0 g中に含まれるモリブデン
量(g)
m6 : 試料はかりとり量(g)
8 酸化トリウム(IV)定量方法
8.1 定量方法の区分
酸化トリウム(IV)の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 塩化水素ガス揮散重量法 この方法は,酸化トリウム(IV)含有率0.10 %(質量分率)以上の試料に
適用する。
b) 水酸化物沈殿分離重量法 この方法は,酸化トリウム(IV)含有率0.10 %(質量分率)以上の試料に
適用する。
8.2 塩化水素ガス揮散重量法
8.2.1 要旨
試料を加熱して酸化物にし,塩化水素ガス及び酸素(又は圧縮空気)を通じて揮発分を揮散させ,残分
となる酸化トリウム(IV)の質量をはかる。
8.2.2 試薬
試薬は,次による。
8.2.2.1 塩酸
8.2.2.2 硫酸
8.2.2.3 液化塩化水素(必要な場合に用いる。)
8.2.2.4 酸素(又は圧縮空気)
8.2.3 装置 酸化トリウム(IV)定量装置は,通常,図1に示すものを用いる。
酸化トリウム(IV)定量装置は,塩化水素発生部及び反応部からなる。
a) 塩化水素発生部 塩化水素発生部は,塩酸を入れた塩化水素発生用フラスコ(a),塩化水素を発生さ
せるために滴下する硫酸を入れた硫酸滴下漏斗(b),発生した塩化水素を清浄にするための硫酸を入
れた塩化水素洗浄瓶(d)及び塩化水素流量計(e)からなる。または,液化塩化水素ボンベを用いて
もよい。
b) 反応部 反応部は,電気抵抗加熱炉(g),反応管(h)及び熱電温度計(l)からなり,炉の中央部に
おいて約950 ℃の温度を保つことのできるもので,反応管(h)の加熱中央部の温度を熱電温度計(l)
を用いて測定できるもの。
――――― [JIS H 1405 pdf 17] ―――――
16
H 1405 : 2016
a 塩化水素発生用フラスコ h 反応管(石英ガラス製)
b 硫酸滴下漏斗 i 酸素(又は圧縮空気)ボンベ
c 硫酸滴下量調整コック j 酸素(又は圧縮空気)流量計
d 塩化水素洗浄瓶 k 酸素(又は圧縮空気)流量調整コック
e 塩化水素流量計 l 熱電温度計
f 白金ボート又は石英ガラス製ボート
g 電気抵抗加熱炉
図1−酸化トリウム(IV)定量装置の例
8.2.4 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
8.2.5 操作
8.2.5.1 準備操作
酸化トリウム(IV)定量装置(8.2.3)の電気抵抗加熱炉(g)に通電して反応管(h)を加熱し,管内温
度を750800 ℃に保持する。
なお,熱電温度計(l)の指示値は,一般的に管内温度と異なるので,あらかじめその差を求めておき,
その差を補正して熱電温度計の指示値を設定する。
8.2.5.2 試料の酸化
試料をはかりとって,白金ボート又は石英ガラス製ボート(f)に移し入れ,8.2.5.1で昇温した反応管(h)
の中央部に挿入し,約1時間加熱して酸化する。
8.2.5.3 揮発分の揮発
揮発分の揮発は,次の手順によって行う。
a) 塩化水素発生部[8.2.3 a)]と反応管(h)とを接続し,塩化水素発生用フラスコ(a)の塩酸中に硫酸
――――― [JIS H 1405 pdf 18] ―――――
17
H 1405 : 2016
滴下漏斗(b)の硫酸滴下量調整コック(c)を開いて硫酸を滴下し,塩化水素を発生させ塩化水素流
量計(e)によって反応管(h)の断面積(cm2)当たり2040 mL/分になるように硫酸滴下量調整コ
ック(c)を調節する。また,酸素(又は圧縮空気)が,酸素(又は圧縮空気)流量計(j)によって
反応管(h)の断面積(cm2)当たり36 mL/分になるように酸素(又は圧縮空気)流量調整コック
(k)を調節する。
なお,塩化水素発生部に液化塩化水素ボンベを用いる場合には,ボンベと塩化水素流量計(e)とを
接続し,反応管(h)の断面積(cm2)当たり2040 mL/分になるように塩化水素流量を調整する。
注記 内径35 mmの反応管を使用した場合,塩化水素の流量は,200400 mL/分,酸素(又は圧
縮空気)の流量は,3060 mL/分となる。
b) 塩化水素を流してから22.5時間経過して酸化タングステン(VI)による黄色が認められないことを
確認し,揮発が完結したことを確かめた後,管内温度を上昇させ,900950 ℃に保持し約2時間加熱
を続けた後,白金ボート又は石英ガラス製ボート(f)を取り出し,デシケーターに移し入れ常温まで
放冷する。
8.2.5.4 ひょう量
ひょう量は,次の手順によって行う。
a) 8.2.5.3 b) で常温まで放冷した白金ボート又は石英ガラス製ボートの質量を0.1 mgの桁まではかる。
b) 白金ボート又は石英ガラス製ボートの内容物をはけなどで払い出した後,白金ボート又は石英ガラス
製ボートの質量を0.1 mgの桁まではかる。
8.2.6 空試験
空試験は,行わない。
8.2.7 計算
試料中の酸化トリウム(IV)含有率を,次の式によって算出する。
m8 m9
ThO2 100
m7
ここに, ThO2 : 試料中の酸化トリウム(IV)含有率[%(質量分率)]
m8 : 8.2.5.4 a) で得た質量(g)
m9 : 8.2.5.4 b) で得た質量(g)
m7 : 試料はかりとり量(g)
8.3 水酸化物沈殿分離重量法
8.3.1 要旨
試料をふっ化水素酸及び硝酸で分解し,水酸化ナトリウムでアルカリ性として水酸化トリウム(IV)を
沈殿させ,こし分けて強熱した後,二硫酸カリウムで融解し,熱水で融成物を溶解する。次に,アンモニ
ア水でアルカリ性として水酸化トリウム(IV)を沈殿させ,こし分けて塩酸で溶解した後,しゅう酸を加
えてしゅう酸トリウム(IV)を沈殿させ,強熱して酸化トリウム(IV)とし,その質量をはかる。
8.3.2 試薬
試薬は,次による。
8.3.2.1 塩酸(1+2)
8.3.2.2 混酸D(硝酸1,ふっ化水素酸1,水1)
8.3.2.3 アンモニア水
8.3.2.4 アンモニア水(1+49)
――――― [JIS H 1405 pdf 19] ―――――
18
H 1405 : 2016
8.3.2.5 水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)
8.3.2.6 二硫酸カリウム
8.3.2.7 しゅう酸二水和物
8.3.2.8 しゅう酸溶液 しゅう酸二水和物5 gを水約150 mLに溶解し,塩酸10 mLを加えて,水で250 mL
にうすめる。
8.3.3 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,2.0 gとし,1 mgの桁まではかる。
8.3.4 操作
8.3.4.1 準備操作
白金るつぼ(20番又は30番)を8.3.4.4 b) の手順に従って処理して恒量(強熱前後の質量差が0.3 mg
以下)とした後,その質量を0.1 mgの桁まではかる。
8.3.4.2 試料の分解及び分離
試料の分解及び分離は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかりとって白金皿(75番又は90番),四ふっ化エチレン樹脂製ビーカー(100 mL又は200 mL)
又はポリエチレン製ビーカー(100 mL又は200 mL)に移し入れる。
b) 白金製蓋,四ふっ化エチレン樹脂製時計皿又はポリエチレン製時計皿で覆い,混酸D 15 mLを少量ず
つ加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱して窒素酸化物を追い出す。
なお,ポリエチレン製ビーカーを用いる場合は,加熱による容器の変形が起こらないように,水浴
上又は水浴中で加熱しながら分解する。
c) 室温まで冷却した後,蓋又は時計皿の下面を水で洗浄して蓋又は時計皿を取り除き,加熱して酸化タ
ングステン(VI)一水和物が僅かに析出する程度(35 mL)に濃縮する。
d) この溶液に水10 mL,次に水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)30 mLを加え,白金棒又はプラスチック
棒でかき混ぜ,約10分間加熱する。
e) ろ紙(6種)でこし分け,沈殿を熱水で洗浄する。沈殿はろ紙とともに白金るつぼ(20番又は30番)
に移し入れ,徐々に加熱して乾燥し,ろ紙が炭化してから注意して強熱して灰化する。
f) 二硫酸カリウム3 gを加え蓋で覆い,初めは低温で加熱し,次第に温度を上げて融解し放冷する。白
金るつぼ及びその蓋をビーカー(200 mL)に入れ,熱水約50 mLを加え,白金るつぼ中の融成物を完
全に溶解し,白金るつぼ及びその蓋を水で洗浄して取り除き,水で液量を約100 mLとする。
8.3.4.3 沈殿の生成
沈殿の生成は,次の手順によって行う。
a) 8.3.4.2 f) で得た溶液にアンモニア水を加えて微アルカリ性とし,23分間煮沸した後,沈殿をろ紙(5
種B)でこし分け,4060 ℃に温めたアンモニア水(1+49)で洗浄する。元のビーカーに塩酸(1
+2)30 mLを加えて加熱した後,ろ紙上に注いで沈殿を溶解し,温水で洗浄する。溶液は,ビーカー
(200 mL)に受け,水で約80 mLにうすめる。
b) この溶液にしゅう酸二水和物5 gを加え,水浴上で12時間加熱した後,約12時間静置してしゅう
酸トリウム(IV)粒子を熟成させる。沈殿をろ紙(5種C)でこし分け,しゅう酸溶液(8.3.2.8)で数
回洗浄する。
8.3.4.4 灰化及びひょう量
灰化及びひょう量は,次の手順によって行う。
a) 8.3.4.3 b) で得た沈殿を,ろ紙とともに8.3.4.1で恒量とした白金るつぼ(20番又は30番)に移し入れ,
――――― [JIS H 1405 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS H 1405:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.99 : その他の非鉄金属及び合金
JIS H 1405:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい