JIS H 8504:1999 めっきの密着性試験方法 | ページ 2

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備考 主に工業用クロムめっきのような硬質のめっきに適用する。ただし,めっき厚さ50 下の
場合には適用しない。
11.2 装置 装置は,規定の押出し棒を備え,図2に示すように,試料に対して,徐々に圧力を加えられ
る構造とする。
図2 試料に押出し棒を挿入した状態
11.3 試料 試料は,5.による。
なお,試験面は,平面であることが望ましい。試料が円筒形の場合は,直径20mm以上とする。
11.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) めっき面に対して裏側から直角に,図2に示すように,底厚さ1.5mmを残し直径6.5mmの穴をあけ
る。高炭素鋼,合金鋼など強度の大きい素地金属の場合は,先端を平らにしたドリルなどを用いて穴
底を平面にすることが望ましい。
b) 試料受台の上に,図2に示すように,めっき面を下側に向けて載せて固定する。
c) 押出し棒を押出し穴に挿入し,徐々に圧力を加えてめっき層を突き抜く。このときの圧縮(押出し)
速度は,1分間に10mm以下とする。
11.5 判定方法 破断部のめっきの変化の状態を調べ,明らかにめっきがはく離している場合は密着不良
とする。また,破断部にめっきのはく離が見られなくても,めっき層に大きな割れを発生している場合に
は,鋭利な刃物で素地とめっき層の境界に力を加え,めっきがはく離するかどうかを調べる。
12. エリクセン試験方法
12.1 要旨 試料に圧縮応力を与えて凹形に変形させ,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 主にニッケル又はクロムめっきのような硬い皮膜に適用する。皮膜及び素地金属が柔軟性をも
つときは,密着性の判定に注意しなければならない。
12.2 装置 装置は,JIS B 7729に規定する試験機を使用する。
12.3 試料 試料は,次による。
a) 試験片は,JIS Z 2247に規定する13号試験片とする。
b) 試験片の調製は,5.による。

――――― [JIS H 8504 pdf 6] ―――――

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12.4 試験方法 エリクセン試験機に試料を取り付け,0.26.0mm/minの速度でポンチを押し込み,変形
させる。
12.5 判定方法 試料が変形される過程でやや伸びを生じるが,その際,素地とめっき層との伸び率の相
違から,両者の間にずれを生じる。比較的伸び率の小さいめっきでかつ密着性がよい場合は,うろこ状に
なって素地に追従する。密着性が不十分の場合は,りん片状になって,めっきは素地からはく離又は脱落
する。この状態によって,めっきの密着性の良否を判定する。
参考 エリクセン試験方法と同じ原理による方法として,ロマノフ試験がある。この試験装置は,凸
形キャブを押し込むために,通常,圧力装置,圧力を調整できるねじ形の変形機及び直径63.5mm
の押し込み球から構成される。押し込み深さは,012.7mmまで調整できるもので,試験片は
通常押し込んで破壊するまで試験される。
13. ショットピーニング試験方法
13.1 要旨 めっき面を鋳鉄又は鋼球の重力による落下若しくは圧縮空気による球の打撃によって,めっ
きの密着性を調べる試験方法である。
備考 主に厚付け銀めっきに適用する。
13.2 装置 装置は,圧縮空気又は遠心分離機型のショットピーニング装置及び鋳鉄又は鋼球を使用する。
13.3 試料 試料は,5.による。
13.4 試験方法 鋳鉄又は鋼球(直径0.75mm)を備えた内径19mm,長さ150mmの管をピーニング装置
のノズルにつなぐ。圧縮空気圧力を0.070.21MN/m2にし,ノズルと試験片との間隔を312mmで行う。
13.5 判定方法 判定方法は,7.による。
14. バレル研磨試験方法
14.1 要旨 試料を鋼球と一緒にバレルに入れて回転し,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考1. 比較的薄いめっきに適しており,軟らかい鉛めっきなどには適用しない。
2. この試験方法は,バニシング試験方法又はボール研磨試験方法ともいう。
14.2 装置 装置は,内面にゴム張りをした対辺距離250mmの6角バレル及び直径3mmの鋼球を使用す
る。
14.3 試料 試料は,5.による。
14.4 試験方法 試料を鋼球と共にバレルに入れ,中性洗剤を添加した水を適量加える。バレルの回転速
度は,1分間に25回で40分間回転させる。
14.5 判定方法 判定方法は,7.による。
15. 引きはがし試験方法
15.1 テープ試験方法
15.1.1 要旨 めっき面に粘着性のあるテープをはり付け,これを急速にかつ強く引きはがすことによって,
めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 比較的薄いめっき,例えば,貴金属めっきなどに適しており,硬く厚付けのめっきには適用し
ない。
15.1.2 試験用テープ 試験用テープは,JIS Z 1522に規定された粘着テープで,呼び幅1219mmのもの
を使用する。

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備考 テープの粘着力は,幅25mm当たり,約8Nのものを使用する。
15.1.3 試料 試料は,5.による。
15.1.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) めっき面のなるべく平らな面を選び,はり付けない部分を3050mm残して試験用テープをめっき面
にはり付ける。このとき気泡ができないように注意しながら指で約10秒間強く押し続ける。
b) )で残した部分のテープをもち,めっき面に垂直になるように強く引っ張り,テープを瞬間に引きは
がす。
c) この試験を特に厳しく行うときは,テープをはり付ける前に鋭利な刃物(5)でめっき面に一辺が2mm
の正方形ができるように素地まで達する(6)条こんを作り,a),b)の操作を行う。
注(5) 真っすぐな硬い刃をもったカッタなどを用いるとよい。
(6) 1回の切込みで素地まで達することが望ましい。
15.1.5 判定方法 テープが粘着された面を試験の対象面とし,引きはがしたテープの粘着面にめっきの付
着があれば,めっきは密着不良とする。
なお,めっき面についての判定方法は,7.による。
15.2 はんだ付け試験方法
15.2.1 要旨 L形の金具の一方をめっき面にはんだ付けして他方を引っ張り,めっきの密着性を調べる試
験方法である。
備考 密着性の定量的な評価に用いることができる。ただし,はんだと共融する金属,例えば,すず,
鉛,カドミウム及び亜鉛又は極めて薄い金及び銀めっき,若しくは,はんだにぬれにくいクロ
ムめっきには適用しない。
15.2.2 装置 装置は,JIS B 7721に規定する試験機又はこれに準じるものを使用する。
15.2.3 試験器具 鉄鋼又は黄銅の細長い板 (75×10×0.5mm) にすずめっきしたものを,一端から10mm
のところを直角に曲げたL形の金具を使用する。
15.2.4 試料 試料は,5.による。
15.2.5 試験方法 試験は,次による。
a) 試料のめっき面をJIS R 6252に規定する#240の研磨紙で均一に磨き,適当な溶剤(3)などで清浄にする。
b) 適切なフラックス(7)を用い,L形金具の短いほうの外側の面 (10×10mm) を,めっき面に完全にはん
だ付けをする(8)。
注(7) 松やにをイソプロピルアルコールに溶解したものなど。
(8) はんだは,JIS Z 3282に規定するはんだ又はこれと同等の共晶組成のはんだ浴のもので260℃付
近で溶着する。
c) 試料を引張試験機又はこれに準じるものに図3に示すように取り付け,L形金具の長いほうを用いて,
めっき面に垂直な方向に荷重をかける。
d) めっき層と素地又ははんだが引きはがされるまで引張りを続ける。
15.2.6 判定方法 引きはがされた試験箇所を観察するとともに,引きはがされたときの荷重を観測して,
めっきの密着性を判定する。

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図3 試料のめっき面にL形金具をはんだ付けした状態
16. たがね打込試験方法
16.1 要旨 鋭利なたがね又は刃物をめっき層と素地との境界に打ち込んで,めっきの密着性を調べる試
験方法である。
備考 特に軟らかい,例えば,鉛などのめっき及び3 下の薄いめっきには適用しない。
16.2 試験器具 鋭利な平たがねなどの刃物で,刃の部分の硬さがHRC5060 (HV500700) のものを使
用する。
16.3 試料 試料は,5.による。
16.4 試験方法 試料を移動しないように固定し,図4に示すように平たがね又は刃物を試料面に斜めに
当ててたたき,めっき層を破壊する。
16.5 判定方法 判定方法は,7.による。
17. けい線試験方法
17.1 要旨 めっき面を針状の引っかき工具で引っかき,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 比較的軟らかいめっきの試験に適用し,ニッケル又はクロムめっきのような硬いめっきには適
用しない。

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図4 たがね打込試験の一例
17.2 試験器具 引っかき工具は,JIS G 4401に規定するSK3の丸棒の先端部を図5に示すように,その
先端を半径0.02mm以下の針状とし,その硬さは,HRC62 (HV700) 以上とする。
図5 引っかき工具
17.3 試料 試料は,5.による。
なお,試験面は,原則として平面とする。
17.4 試験方法 試料を固定し,引っかき工具が試験面に対して直角になるようにして,めっき層を切り,
素地が現れるように2本の平行のけい線を引く。線引きは1本ずつ行い,1回の引っかきでめっき層が切
れるようにする。
なお,平行線の間隔は約2mmとし,長さは10mm以上とする。
17.5 判定方法 判定方法は,7.による。
なお,試験箇所は,平行線に挟まれた部分とする。
18. 曲げ試験方法
18.1 要旨 試料を折り曲げて,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 素地金属の厚さが2mm以上の場合は適用しない。
18.2 試験器具 試験器具は,その一例を図6に示す。

――――― [JIS H 8504 pdf 10] ―――――

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JIS H 8504:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2819:1980(MOD)

JIS H 8504:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8504:1999の関連規格と引用規格一覧