JIS K 0055:2002 ガス分析装置校正方法通則 | ページ 2

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成分ガス量を質量で,かつ,希釈ガス量を容積で計量する方法を質量体積比混合法,又は成分ガス及び
希釈ガス量を容積で計量する方法を体積比混合法若しくは圧力で計量する方法を圧力比混合法という。
3.2 原料,器具及び装置 原料,器具及び装置は,次による。
a) 高純度物質 2.2a)による。
b) 希釈ガス 2.2b)による。
c) ガス混合容器 充てんガスと使用する容器の内面は,充てんするガスとの反応及び吸着のないもの。
附属書図1及び附属書図2に一例を示す。
附属書図1 校正ガス調製用混合容器(一例)
附属書図2 キャニスター : ステンレス製真空容器(一例)
3.3 調製操作
3.3.1 混合容器を用いる場合 混合容器を用いる場合は,次による。
a) 混合容器内を,内圧が10Pa以下になるまで真空ポンプで減圧する。
b) 混合容器内に希釈ガスを一定圧(例えば,110kPa)充てんし,そのときの充てん圧と容器内ガス温度

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を測定する。
c) シリンダを用いて混合容器内に原料純物質又は既知濃度のガスを一定量入れる。そのときの充てん量
は,質量,容量又は容器内圧から算出する。
3.3.2 キャニスターを用いる場合 キャニスターを用いる場合は,次による。
a) キャニスター内を,内圧が10Pa以下になるまで真空ポンプで減圧する。
b) 希釈ガスを入れ圧力 (P1) を読む。
c) 既知濃度の1次希釈校正用ガスを入れ圧力 (P2) を読む。
d) さらに希釈ガスを入れ圧力 (P3) を読み,希釈率P3/ (P2−P1) を求める。
3.4 計算 計算は,次による。
a) 体積比混合法 体積比混合法は,次による。
VX
C= 10 6
VA+VX
ここに, C : 校正用ガス濃度 (vol ppm)
VX : シリンジで注入した成分ガス容量 (ml)
VA : 希釈ガス量 (ml)
b) 質量体積比混合法 質量体積比混合法は,次による。
m 24.47
C= 1 000
M Q
ここに, C : 校正用ガス濃度 (vol ppm)
m : 成分ガスの質量 (mg)
M : 成分ガスの分子量
Q : 容器内の総ガス量[25℃・101.32kPa換算ガス量 (L)]
c) 圧力比混合法 圧力比混合法は,次による。
1) 原料純物質で調製する場合
PA106
C=
PB
ここに, C : 校正用ガス濃度 (vol ppm)
PA : 成分ガスの圧力
PB : 全圧
2) 3.3.2のキャニスターを用いる場合
校正用ガス濃度=1次希釈校正用ガス濃度
希釈率
4. 校正ガス調製装置による調製方法
4.1 流量比混合法
4.1.1 概要 既知濃度の成分ガスと希釈ガスをそれぞれ一定流量で流しながら混合し,所定濃度の校正用
ガスを調製する。
なお,校正用ガス調製装置は,流量比の校正,装置の内部及び配管の漏れ試験,ガス吸着性の有無の確
認を行ってから用いる。
4.1.2 流量比の校正方法 校正用ガス調製装置の流量比簡易校正法を,次に示す。
a) 低濃度及び高濃度の標準ガスを用いて希釈率を校正する方法 高濃度の標準ガスを校正用ガス調製
装置で希釈したガスと,低濃度の標準ガスをそのまま,ガス分析装置に交互に導入し,希釈率を確認

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する方法である。標準ガスは,例えばメタン又は一酸化炭素のような,低濃度でも安定であり,国家
標準にトレーサブルなものを使用する。校正用ガス調製装置の希釈精度を超える誤差(1)が見られた場
合は,希釈率の校正を行う。
注(1) 流量比混合法による校正用ガス調製装置は,特定計量器検査規則第20条の規定に基づく検査基
準値の以内又は次に示す希釈精度以内であること。
1) 校正用ガス調製装置で設定した希釈校正用ガス濃度(指示濃度)と国家計量標準とトレーサブルな
標準ガスによって値付けされた濃度(測定値)関係について,次の式によって算出した値(偏差)
が±5%以下でなければならない。
指示濃度−測定値
偏差(%)= 100
測定値
2) 濃度比5 : 1の範囲内での指示濃度−測定値関係が直線関係からずれる度合いは,濃度範囲に応じて
最大指示濃度の±3%以下でなければならない。
附属書図3 標準ガスで校正する方法(一例)
b) 校正済み校正用ガス調製装置と比較することによる方法 基準流量計(2)などによって校正された校正
ガス調製装置と比較し,希釈率を校正する。
注(2) 基準流量計は流量計が気体流量の特定計量器にトレーサブルなもの,石けん膜流量計などの精
度の確保されている流量測定方法で校正したものでなければならない。
附属書図4 基準用校正ガス調製装置で校正する方法(一例)
4.2 パーミエーションチューブ法

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4.2.1 概要 パーミエーションチューブ法に用いるパーミエーションチューブは,一定品質のふっ素樹脂
管などに高純度の液化ガスや液体を封入したもので,これを恒温に保持すると,単位時間に管壁を浸透拡
散するガス量(浸透速度)が一定となる。したがって,そこに空気や窒素などの希釈ガスを定流量送れば,
微量濃度の校正用ガスが連続的に得られる。この調製方法は,質量計測によって求められた浸透速度と希
釈ガス流量など基礎的な物理量のデータからガス濃度を求める方法である。
調製できるガスの種類は,塩素,硫化水素,アンモニア,二酸化硫黄,二酸化窒素,ベンゼンなどの液
化ガスや液体である。
4.2.2 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
a) 調製装置 附属書図5に調製装置の一例を示す。
附属書図5 パーミエーションチューブ校正用ガス調製装置(一例)
b) パーミエーションチューブ 十分な耐化学特性をもつ高分子化合物で,一般にポリテトラフロロエチ
レン (PTFE),ポリエチレン,ポリプロピレン及びテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロピレンの
共重合体 (FEP) などに,高純度の液化ガスや液体が封入されたものを用いる。
4.2.3 操作 操作は,次による。
a) パーミエーションチューブを恒温に保った状態で空気や窒素などの希釈ガスを適当量流し,12日放
置する。その後,適当な間隔でパーミエーションチューブを恒温槽から取り出してひょう量を繰り返
し,質量減少量とひょう量間隔時間を記録する。
b) 質量減少量とひょう量間隔時間から単位時間当たりの浸透速度 ( 最一椀 ‰
c) 浸透速度が一定になった後,校正用ガスとして使用する。
4.2.4 濃度の計算 浸透速度と希釈ガスの流量から,次の式で求める。
Pr 22.4 273+t / 273
C=
M V
ここに, C : 校正用ガス濃度 (vol ppm)
Pr : 浸透速度 ( 最一椀
M : 校正用成分ガスの分子量
V : 校正用ガス出口におけるガス流量(≒希釈ガス流量)(L/min)
t : 環境温度 (℃)
4.3 蒸気圧法
4.3.1 概要 液体純物質の飽和蒸気圧と温度との関係から,発生ガス濃度を求める方法である。
4.3.2 装置 装置の一例を附属書図6に示す。

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附属書図6 蒸気圧法による校正用ガス調製装置(一例)
4.3.3 操作 操作は,次による。
a) 定温温度制御装置の温度 (T1) を設定し,次にその温度よりも5℃低い温度 (T2) を設定する。
b) サチュレータに液体純物質を入れ,希釈ガスを小流量(3)流す。
c) ガス濃度が安定したとき(4)の温度 (T2) 及び圧力計の圧力 (P) を記録する。
注(3) 校正用ガス出口におけるガス温度と冷却器の設定温度 (T2) が同じになるようにガス流量を調
節する。
(4) 1時間以上装置を稼動させ,発生ガスを一定間隔で分析装置に導入し,濃度の安定性を確認し
た後,校正用ガスとして用いる。
4.3.4 濃度の計算
PX
C= 10 6
P
ここに, C : 校正用ガス濃度 (vol ppm)
PX : T2の温度における校正用ガス成分の飽和蒸気圧
P : 全圧
4.3.5 成分ガス発生方式による方法 電気分解,化学分解又は合成,熱分解又は紫外線照射などの方式に
よるガス発生装置で校正用ガス成分物質を発生させ,この発生ガスを希釈ガスと混合して校正用ガスを調
製する。校正用ガス濃度は,それぞれ定められた方法(5)によって求める。
注(5) オゾン発生装置は,JIS B 7957の8.2.2の(1)参照。

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