JIS K 0061:2022 化学製品の密度及び比重測定方法 | ページ 2

           4
K 0061 : 2022
表2−固体の密度及び比重の測定方法の種類及び概略
測定方法 項目番号 概略
液中ひょう量法 7.2 試料を,空気中及び密度が既知の液体中で,天びんを用いて,質量及び浮力を測定
(天びん法) し,これらによって密度を求める。
比重瓶法 7.3 比重瓶を用いる。完全な脱気及び液体の選択に注意を払う必要がある。
比重瓶の種類を,次に示す。
1) ルシャテリエ比重瓶(7.3.1) 規定した精度の体積目盛をもち,投入した試料
の体積が直読できる。簡便な操作で測定が可能である。粒径が数mm以下の粒
状試料及び粉末試料に適応が可能である。試料の実質の体積の目安は,30 mL
40 mLを必要とする。
液体の測定に用いる比重瓶のうち,次に示すものは,固体の測定にも適用が可能で
ある。
2) ワードン形比重瓶[7.3.2 b) 1.1)] 瓶容量は,50 mLのものを推奨する。粒径が
数mm以下の粒状品及び粉末に適用が可能である。
3) ゲイ·リュサック形比重瓶[7.3.2 b) 1.2)] 瓶容量は,25 mL,50 mL及び100
mLのものを推奨する。粒径が数mm以下の粒状品及び粉末に適用が可能であ
る。温度計付きのものがある。
4) ハバード形比重瓶[7.3.2 b) 1.3)] 瓶容量は,25 mLのものを推奨する。瓶の開
口径が大きいので,粒径の大きな試料に適用が可能である。
密度勾配管法 7.4 密度勾配管,すなわち,目盛付きのガラス管内に,上部から下部に向かって連続直
線的に密度が増加する液柱を作製したものを用いる。試料を密度勾配管に投入し,
それが浮遊静止した目盛位置と,標準フロートで作成した校正曲線とから,試料の
密度を読み取る。

4.4 気体の密度及び比重の測定方法の種類及び概略

  気体の密度及び比重の測定方法の種類及び概略は,表3による。
表3−気体の密度及び比重の測定方法の種類及び概略
測定方法 項目番号 概略
比重瓶法(デュマ JB.2 比重瓶としてコック付きのガラス球を用いる。比重瓶の容積を校正した後,それに
法) 入れた試料の質量を量り,密度を求める。
流出法(ブンゼン JB.3 測定時の温度及び圧力条件は規定せず,同一温度及び同一圧力において空気の比重
シーリング法) を1としたときの,試料の比重を求める方法である。

5 共通事項

5.1 一般

  質量,体積,温度及び圧力の使用単位は,それぞれグラム(g)[又はキログラム(kg)],立方センチメ
ートル(cm3)[又はミリリットル(mL),リットル(L)及び立法メートル(m3)],摂氏温度(℃)及びキ
ロパスカル(kPa)とし,密度の単位は,グラム毎立方センチメートル(g/cm3)[又はグラム毎ミリリット
ル(g/mL),キログラム毎リットル(kg/L)及びキログラム毎立方メートル(kg/m3)]とする。
この規格における密度及び比重の値の精度は,複数回数行った測定によって,通常,小数点以下第3位
以上の精度で求めることが望ましい。ただし,各測定方法によって測定精度が異なるため,各測定方法の
“測定結果の表し方”による。
また,個別製品規格又は受渡当事者間の協定による場合は,それによる。

――――― [JIS K 0061 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
K 0061 : 2022

5.2 密度の表し方

  密度は,測定時の温度及び圧力条件を付記して,次のように表す。
a) 密度(20 ℃) 圧力条件を省略した場合の,20 ℃における試料の密度。
b) 密度(t ℃,p kPa) 温度t ℃,圧力p kPaにおける試料の密度。
c) 密度(t ℃) 圧力条件を省略した場合の,t ℃における試料の密度。
液体及び固体の場合は,大気圧の変動の範囲内では圧力による影響が無視できるので,大気圧を101.325
kPaとみなして,圧力条件の付記を省略してもよい。気体の場合は,圧力が101.325 kPa又はこの圧力に換
算したとき,圧力条件の付記を省略してもよい。

5.3 比重の表し方

  この規格における化学製品の比重測定は,比重浮ひょうによる測定である。計算によって比重を求める
場合は,密度から求める。液体及び固体試料の比重は,試料及び水の温度条件を示す記号を付記して表す。
気体試料の比重は,試料及び空気の温度並びに圧力条件を示す記号を付記して,次のように表す。
a) 比重(20/20 ℃) 20 ℃の液体若しくは固体試料の密度と20 ℃における水の密度との比,又は圧力条
件を省略した場合における20 ℃の気体試料の密度と20 ℃における乾燥空気の密度との比。
b) 比重(t1/t2 ℃,p1/p2 kPa) 温度t1 ℃,圧力p1 kPaにおける気体試料の密度と温度t2 ℃,圧力p2 kPa
における乾燥空気の密度との比。
c) 比重(t1/t2 ℃) t1 ℃の液体若しくは固体試料の密度とt2 ℃における水の密度との比,又は圧力条件
を省略した場合におけるt1 ℃の気体試料の密度とt2 ℃における乾燥空気の密度との比。
液体及び固体の場合は,大気圧の変動の範囲内では圧力による影響が無視できるので,大気圧を101.325
kPaとみなして,圧力条件の付記を省略してもよい。気体の場合は,圧力が101.325 kPa又はこの圧力に換
算したとき,圧力条件の付記を省略してもよい。

5.4 測定場所の状態

  測定場所の状態は,JIS Z 8703に規定する標準状態の気圧(86 kPa以上106 kPa以下)の下,温度20 ℃
±5 ℃,湿度 (65±20) %が望ましい。
測定場所は,温度及び湿度を許容差内で一定に保つことのできる空調設備を備えた試験室又はそれらの
変動が少ない試験室が望ましい。

5.5 基準温度

  この規格における化学製品の密度の基準温度は20 ℃,比重の基準温度は20/20 ℃とする。この温度は,
測定場所の気圧下で測定するときの温度である。ただし,化学製品の性状·特性によって,又は個別製品·
製品群の規格若しくは受渡当事者間の協定によって,20 ℃以外の温度(以下,測定温度という。)を定め
た場合は,20 ℃以外の温度で測定してもよい。その場合,密度及び比重の算出に必要な水及び空気の密度
は,附属書JAによる。
沸点又は融点の異なる混合物を測定する場合,測定温度を常温から変化させるときは,揮発又は凝固に
伴う組成の変化がないことを確認する。

――――― [JIS K 0061 pdf 7] ―――――

           6
K 0061 : 2022

5.6 共通的な器具及び操作

  この規格の測定に用いる器具及び操作の一般事項は,次によるほか,JIS K 0050による。
a) はかり(天びん) 化学はかり又は電子はかり。
化学はかりとは,測定できる最大の質量が100 g200 gで,0.1 mgの差を読み取れる等比式化学は
かり又は定感量直示式はかりのことである。
化学はかり及び電子はかりの校正には,JCSS登録事業者によって校正された分銅を使用する。
b) 質量の量り方 a)に規定するはかりを用い,空気中で対象物の見掛け質量を量り,次の式によって質
量を求める。
質量の計量に用いる容器,試料などは,誤差となる付着物があってはならないので,清浄な環境に
保管するとともに,清浄なピンセット又は手袋を付けた手で取り扱う。
空気の浮力補正は,対象物と用いた分銅との密度の差によって生じる誤差が,無視できないほど正
確な質量を必要とするときに行う。
w0=w+wρ(1/d1−1/d2)
ここで, w0 : 対象物の質量(g)
w : 対象物の見掛け質量(g)
ρ : 測定時の空気の密度(g/cm3)
d1 : 対象物の密度(g/cm3)
d2 : 化学はかりに使用している分銅の密度(g/cm3)又は電子は
かりの校正に使用した分銅の密度(g/cm3)
なお,測定に当たっては,次の事項に注意する。
1) 測定時の空気の密度ρは,通常,空気の密度の値として,ρ=0.001 2 g/cm3を用いる。さらに,厳密
な値が必要な場合には,附属書JAによる。
2) 対象物の密度d1は,通常,有効数字2桁の概数とする。対象物が複数の場合には,その平均密度値
とする。対象物が密度の被測定物又は被測定物を含む場合,空気の浮力補正を行わずに計算して得
た密度値を用いるとよい。
3) 分銅の密度d2は,その材質及び構造によって異なる。計量法に基づく基準分銅の密度は,8.0 g/cm3
の材質を用いる。
通常,密度及び比重の測定で,必要な測定値の精度が0.001の桁までである場合には,空気による
浮力の補正を無視してもよい。すなわち,空気の密度が0.001 2 g/cm3であり,試料の密度及び比重値
の0.001の桁に影響するが,種々の比重瓶法において,測定を行うときに参照する物質として水を用
い,試料密度が0.6 g/cm31.3 g/cm3の範囲にある場合には,器具,試料,測定を行うときに参照する
物質などの質量値を全て見掛け質量値としても,それぞれに作用する空気の浮力の影響が密度及び比
重の計算時にかなり相殺され,その誤差は0.000 4 g/cm3以内となる。したがって,このような場合に
は,見掛け質量値を質量値に置き換えて計算しても問題ないと考えられる。これらの判断は,測定者
が自ら確認して行うか,個別の製品規格において配慮しなければならない。
c) 温度計 JIS B 7410に規定するガラス製温度計。測定温度及び精度によって適切な温度計を選定する。
注記 計量法の検定に合格した温度計,又はこれと同等の性能をもつ温度計で,JCSS登録事業者に
よる校正されたガラス製温度計,抵抗温度計,熱電温度計などがある。
d) 温度の測定方法 c)の温度計を用い,JIS Z 8704,JIS Z 8705及びJIS Z 8710によって測定する。

5.7 測定を行うときに参照する物質

  この規格における参照する物質は,次に示す水及び乾燥空気を推奨する。

――――― [JIS K 0061 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
K 0061 : 2022
a) 水 蒸留水又はイオン交換水を煮沸,減圧,又は超音波を照射して脱気したもの。水の密度は,表JA.1
による。
b) 乾燥空気 測定場所の空気を,乾燥剤を用いて乾燥させたもの。校正に用いる場合,空気の密度は
0.001 20 g/cm3とする。厳密な空気の密度は,附属書JAによる。

5.8 数値の丸め方

  数値の丸め方は,JIS Z 8401の規則A又は規則Bのいずれかの規則を用いる。

5.9 化学製品を取り扱うときの注意事項

  化学製品を取り扱うときには,まず,その物質の名称を確認し,その安全性について確認する。その物
質の物性など情報が不十分で安全性の確認ができないときは,事前に調査を行い,十分な安全性の対策を
施した上で取り扱う。
危険性,有害性,放射性などに関し法規上の規制があるものについては,十分な準備及び対策を施した
後,関連する法令·規則に従って取り扱う。

6 液体の密度及び比重の測定方法

6.1 一般

  液体の密度及び比重の測定は,試料の量,性状などに応じて次のいずれかの方法を用いるのがよい。
− 浮ひょう法(6.2)
− 比重瓶法(6.3)
− 振動式密度計法(6.4)
− 液中ひょう量法(天びん法)(6.5)

6.2 浮ひょう法

6.2.1 原理
浮ひょうを試料に浮かべて,浮ひょうのけい部に目盛られた目盛(密度値又は比重値)を直読すること
で,その液体の密度又は比重を求める。密度又は比重を直読でき,操作が簡単である。使用するシリーズ
によって,小数点以下4桁まで測定が可能な場合もある。ほとんどの液体に適用が可能である。
6.2.2 装置及び器具
測定に用いる装置及び器具は,次による。
a) 浮ひょう 浮ひょうは,器差が既知のものを用い,JIS B 7525-1に規定する密度浮ひょうで,密度を
0.600 g/cm32.000 g/cm3の範囲において測定できるもの,又はJIS B 7525-3に規定する比重浮ひょう
で,比重を0.7001.850の範囲において測定できるもの。
注記1 計量法の検定に合格した浮ひょう,JCSS登録事業者による校正された浮ひょうなどがあ
る。測定結果が取引·証明行為に当たる場合は,計量法に基づき計量法の検定に合格した
浮ひょうを用いる。
図1に浮ひょうの例を示す。詳細な構造は,JIS B 7525-1及びJIS B 7525-3を参照。

――――― [JIS K 0061 pdf 9] ―――――

           8
K 0061 : 2022
図1−浮ひょうの例
b) 温度計 5.6 c) による。
注記2 JIS B 7410に規定する温度計番号42(SG),44(SG)などがある。
c) シリンダ ガラス製又は試料の性状に影響を及ぼさない透明プラスチック製。内径は浮ひょうの最大
直径より25 mm以上大きく,高さは浮ひょうをシリンダに入れた場合,浮ひょうの下端がシリンダの
底から25 mm以上の位置にくるものを用いるのがよい。
d) 恒温水槽 シリンダに入れた試料を20.0 ℃±0.1 ℃に保持できるもの。
e) かき混ぜ棒 試料に侵されず,その性状に影響を及ぼさない材質を用い,シリンダ中の試料の密度又
は比重を一様にするために十分にかき混ぜることのできるもの。
6.2.3 操作
操作は,次による。
a) 気泡が入らないように試料をシリンダに取り,恒温水槽中に保持してかき混ぜ棒で試料を上下にかき
混ぜた後,温度計を全浸没,すなわち,球部の下端から液柱頂部(温度指示部)までの封入液体全部
を試料に浸して,試料の温度を測る。
b) 試料の温度が20.0 ℃±0.1 ℃になったら,あらかじめ20 ℃近くに保った清浄な浮ひょうを静かに試
料中に入れて静止させた後,約2目盛だけ液中に沈めて手を離す。手を離すときに,浮ひょうを少し
回転させるとシリンダ内壁に触れずに静止することが可能である。
c) 目盛の読取り方は,浮ひょうが静止した後,上縁視定の浮ひょうは,メニスカスの上縁(頂点)にお
いて細分目盛の1/5まで読み取り記録する。水平面視定の浮ひょうは,メニスカスの下縁において細
分目盛の1/5まで読み取り記録する。浮ひょうの目盛の読取り方は,図2及び次による。
1) 上縁視定 水平面視定の浮ひょうで,不透明試料の密度又は比重を測定するときは,試料面メニス
カスの上縁(頂点)において目盛を読み取る。これにあらかじめ求めた補正値を用いて下縁相当値
を計算する。
2) 水平面視定 水平面視定の浮ひょうで,透明な液体の密度又は比重を測定するときは,目を試料面
の僅か下方から静かに上げていくときに,最初長円形に見えた試料面がついに直線(水平な液面レ
ベル)になったときに読み取る。
なお,浮ひょうのけい部が汚れていると表面張力の影響で示度が変わる。また,けい部は上端を手でつ
まみ,目盛部分には手を触れてはならない。浮ひょうの洗浄には,試料の性状に適した洗浄剤を用いる。

――――― [JIS K 0061 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 0061:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 758:1976(MOD)

JIS K 0061:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0061:2022の関連規格と引用規格一覧