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K 0100-1990
ーク値で3電極方式では20mV,2電極方式では40mVに溶液抵抗に基づく電圧降下分を加えた値の
方形波又は正弦波の交流電圧を与え機器を作動させ,試料極と照合極(2電極方式のときは試料極
と対極)の間の電圧を設定電圧に従って変化させて,電圧の変化に対応する電流の変化におけるピ
ーク・ピーク値(方形波のときは,連続する各半周期における最終値を用いる。)の定常値を測定す
る。交流の周波数,周期の繰返し数については,(a)と同様とする。
設定電圧を最終の電流(共にピーク・ピーク値)で除して見掛けの分極抵抗を求める。ただし,2
電極方式の場合は,設定電圧の21を用いて計算する。
(c) 直流定電流法 付図7の装置において,電源装置に直流定電流装置を用い,試料極と対極の間に微
少の直流の定電流を流し,電圧計の指示値の変化を追跡する。電圧が,ほぼ定常になったとき(20),
その電圧を読み取り,電流を切る。
通電直前の電圧と電流切断直前の電圧との差(分極)を電流値で除して見掛けの分極抵抗を求め
る。ただし,2電極方式の場合は,分極値の21を用いて計算する。
印加電流は,正又は負のいずれかの極性であって,溶液抵抗に基づく電圧降下分を除いた正味の
分極の値が3電極方式では約10mV,2電極方式では約20mVを超えないような大きさとする。
注(20) 通電時間は,1分間程度以上が望ましい。試験期間中は,原則として,通電時間及び電流の極性
は変更しない。
(2) 溶液抵抗の測定 溶液抵抗の補正(21)に用いる溶液抵抗の測定は,原則として高周波交流を用いるイン
ピーダンス法で測定する(22)。交流発振器を電源とし,試料極と対極の間に1kHz程度の交流電流(方
形波,正弦波など)を流し,電流及び印加電圧の値(共にピーク・ピーク値又は実効値)を測定し,
電圧を電流で除して電極間の交流抵抗を求める。又は,インピーダンスブリッジで直接両極間の交流
抵抗を測定してもよい。これらの方法で測定された値の21を溶液抵抗とする。
ただし,3電極方式のときは,試料極と照合極との間の電圧を測定し,それを電流で除し,その値
を溶液抵抗とするほうが精度のよい補正ができる。
注(21) 海水などのように電気伝導率の値が大きいときは,この補正を省略することができる。
(22) 直流(低周波方形波を含む。)によるカレントインタラプタ法又はホラー・ブリッジ法などで測
定することもできる。
(3) 分極抵抗の計算 測定された見掛けの分極抵抗は,式(1)によって溶液抵抗を補正し,単位面積換算の
分極抵抗を求める。
Rp= (Rap−Rs) ×S (1)
ここに, Rp : 単位面積換算の分極抵抗 ( 地
Rap : 見掛けの分極抵抗 ( 圀
Rs : 溶液抵抗 ( 圀
S : 試験片の表面積 (cm2)
4.7 結果の表示
(1) 外観観察 3.4(1)による。
(2) 唇食速度の計算 溶液抵抗の値を補正した単位面積換算の分極抵抗の値と腐食電流密度との間には,
次の式(2)(23)が成立するので,この式から腐食電流密度と等価の腐食速度を求めることができる。
K
icorr (2)
Rp
ここに, icorr : 腐食電流密度(腐食速度) (A/cm2)
K : 換算係数 (V)
――――― [JIS K 0100 pdf 6] ―――――
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K 0100-1990
Rp : 単位面積換算の分極抵抗 ( 地
換算係数Kは,分極抵抗と腐食電流密度とを関連づける係数であって,材料の種類,その表面状態,
測定方法などによって異なる値を用いる。
注(23) スターンの式と呼ばれ,自然腐食状態をあまり乱さない条件(自然電位から±10mV程度の範
囲)で測定された分極抵抗と腐食速度との関係を表す式で,分極抵抗と腐食減量との比較又は
腐食反応の速度式から計算によって求める。
(a) 相対唇食速度 換算係数Kの値を未定とした場合は,溶液抵抗を補正した単位面積換算の分極抵抗
の逆数を相対腐食速度 (S/cm2) として,同一材料,同一測定条件の範囲内で相対的な比較に用いる
ことができる。
溶液抵抗の値を補正した見掛けの分極抵抗の逆数においても同様の比較をすることができる。
(b) 腐食度及び侵食度 換算係数Kに特定の値を与えた場合は,式(3)又は式(4)を用いて分極抵抗を腐
食度又は侵食度に換算することができる。
89 500 M K
W (3)
n Rp
3270 M K
P (4)
d n Rp
ここに, W : 腐食度 (mdd)
M : 試料の原子量 (g)
K : 換算係数 (V)
n : 試料の腐食反応の電子数
Rp : 単位面積換算の分極抵抗 ( 地
P : 侵食度 (mm/y)
d : 試料の密度 (g/cm2)
Kの値は,試料についての実測値又は文献値を用いる。その値の妥当性の確認方法は,附属書に
よる。
計算例 : 低炭素鋼の換算係数Kの値を実測値から,0.040V(24)とすると,腐食度,侵食度はそれぞ
れ次の式で計算する。
99 900
W
Rp
P465
Rp
ただし,換算係数Kの値は,適用する測定条件によってこれと異なる値を用いてもよい。
注(24) 換算係数Kの値は,測定条件の中でも,特に通電時間又は使用周波数に大きく影響される。
0.040Vの値は,直流の通電時間が1分の場合の代表的な値であるが,通電時間の変化(試
験範囲 : 10秒5分間)による換算係数Kの変動は0.020.06Vにも及び,低腐食速度領域
では更に小さい値になることもあるので,それぞれの測定条件における換算係数Kの値を
確認しておくことが望ましい。
(3) 局部腐食 不通電時の電圧計の読みや交流法での電流又は電圧の正負のピーク値も記録するとよい
(25)。
注(25) 同一材料の試料極と照合極(又は対極)との不通電時の電位差(自然電位)の増大は,局部腐
食の激しさとの関連が深い。この電圧変化は,交流法では電流の流れ方が不平衡となり,電流・
――――― [JIS K 0100 pdf 7] ―――――
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K 0100-1990
電圧の正負のピーク値の零に対する対称性が悪くなる。局部腐食が激しくなると,分極抵抗か
ら求められる腐食速度は,不正確になりやすい。
4.8 報告 試験報告には,次の項目のほか3.5の事項についても記載する。
(1) 試験方法(採用した4.6における試験方法及び電極方式)
(2) 試験条件(分極方向,通電時間,使用周波数及び溶液抵抗補正の有無など)
(3) 測定時刻,経過時間
(4) 測定結果(腐食速度,分極抵抗,採用した換算係数Kの値など)
――――― [JIS K 0100 pdf 8] ―――――
付図1 直管部用試験片保持器の一例
K0 100-
199
9
0
――――― [JIS K 0100 pdf 9] ―――――
K0
10
付図2 曲管部用試験片保持器の一例
100-
1990
――――― [JIS K 0100 pdf 10] ―――――
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JIS K 0100:1990の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.25 : 工業用水
JIS K 0100:1990の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISK0094:1994
- 工業用水・工場排水の試料採取方法
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK2234:2018
- 不凍液
- JISR6251:2006
- 研磨布
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙