JIS K 0100:1990 工業用水腐食性試験方法

JIS K 0100:1990 規格概要

この規格 K0100は、工業用水がプラント内において示す腐食性を調べるための試験方法について規定。この試験方法は,工業用水に対する金属材料の耐食性及び腐食抑制剤の効果を調べる目的に用いることもできる。

JISK0100 規格全文情報

規格番号
JIS K0100 
規格名称
工業用水腐食性試験方法
規格名称英語訳
Testing method for corrosivity of industrial water
制定年月日
1967年7月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.060.25
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
環境測定 II 2021
改訂:履歴
1967-07-01 制定日, 1970-12-01 確認日, 1973-12-01 確認日, 1978-04-01 確認日, 1979-03-01 改正日, 1984-05-01 確認日, 1989-12-01 確認日, 1990-10-01 改正日, 1996-01-01 確認日, 2000-12-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 0100:1990 PDF [24]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 0100-1990

工業用水腐食性試験方法

Testing method for corrosivity of industrial water

1. 適用範囲 この規格は,工業用水がプラント内において示す腐食性を調べるための試験方法について
規定する。
なお,この試験方法は,工業用水に対する金属材料の耐食性及び腐食抑制剤の効果を調べる目的に用い
ることもできる。
備考1. 熱交換器などの伝熱面は,試験片と異なった腐食性を示すことが多いので,この試験方法の
適用は困難である。
2. 試験方法中の試験条件における,流速の測定は,JIS K 0094を適用する。
また,温度,電気伝導率,pH,溶存酸素などの試験には,JIS K 0101を適用する。
3. 内燃機関密閉冷却水系の腐食試験には,JIS K 2234を適用する。
4. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS K 0094 工業用水・工場排水の試料採取方法
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 2234 不凍液
JIS R 6251 研摩布
JIS R 6252 研摩紙
JIS R 6253 耐水研摩紙
2. 概要 この試験方法は,質量減法又は分極抵抗法を適用する。質量減法は,腐食減量から試験期間中
の平均的な腐食度(腐食速度)を求める。分極抵抗法は,電気化学的な分極抵抗から測定時点の腐食度(腐
食速度)を求める。
工業用水の腐食性を調べる目的には,試験片として標準金属試料を使用し,また金属材料の耐食性を調
べる目的には,その金属を試料とする。
工業用水の腐食性を比較する場合は,水温,流動状態などの試験条件をできるだけそろえる必要がある
が,得られた結果は,対象とした配管又は機器類中のその試験条件における値なので,結果の判定に当た
っては十分な注意を要する。
なお,参考に工業用水の腐食性の比較や腐食抑制剤の添加効果の比較などの室内試験に用いる回転法を
付けた。

――――― [JIS K 0100 pdf 1] ―――――

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K 0100-1990
3. 質量減法 板状試験片を試験片保持器に取り付け,配管又は機器類中に絶縁して固定し,一定の試験
期間後に工業用水による試験片の腐食状態を観察し,試験片の腐食減量を測定して試験期間中における平
均的な腐食度(腐食速度)を算出する。
3.1 試験片保持器 試験片保持器は,試験片を装置内に絶縁して固定するための器具で,付図1及び付
図2は,それぞれ装置の直管部及び曲管部で試験を行う場合の一例を示す。付図3は,タンク類内で試験
を行う場合の試験片保持器の構造の一例を示す。
直管部及び曲管部用の試験片保持器は,支持板の端をフランジに固定し,他端には振れ止めを付け,絶
縁管(1)をはめ込んだ保持棒に絶縁スペーサ(1)を介して試験片を通し,保持板,支持ボルト及びナットによ
って試験片を支持板に固定する。
タンク類用の試験片保持器は,支持棒に絶縁管(1)をはめ,これに試験片と絶縁スペーサ(1)を交互に通し,
両端の端板を二重ナットで固定する。さらに,4本の保護棒で全体を補強,保護する。
試験片保持器は一組ごとに同種の耐食性金属(2)を使用する。
注(1) 合成樹脂製のものなどを用いる。
(2) 淡水には,オーステナイトステンレス鋼,また海水にはチタンなどを用いる。
3.2 試験片
(1) 形状及び寸法 形状及び寸法は,付図4に一例を示す。
(2) 材質 標準金属試料としては,低炭素鋼のJIS G 3141の1種 (SPCC) を用いる。ただし,必要に応じ,
その他の金属材料を試料としてもよい。
(3) 表面仕上げ及び計測 試験片は,試験片表面の汚れを除いた後記号を付け,全面を研磨布紙(JIS R
6251, JIS R 6252及びJIS R 6253)の400番までを用いて乾式又は湿式で仕上げ研磨する(3)(4)。試験片
の寸法を0.1mmまで測定して,全表面積を算出する(5)。次に水で完全に洗い,メタノール,次いでア
セトンで脱脂し,乾燥後0.1mgまではかる。この際,外観を記録する(6)。試験片の準備は,試験直前
に行うことが望ましい。
注(3) アルミニウム又はアルミニウム合金の場合には,この研磨を行わず,硝酸 (4+1) に室温で約10
分間浸すか又は二クロム酸カリウム20g及びりん酸28mlを水1lに溶かした溶液を7080℃に加
温し,約30秒間浸す。
(4) 試験片に,番号や記号を印字する場合は,できるだけ試験片の周辺部に行う。
(5) 試験片の全表面積は取付け穴がないものとして有効数字3けたまで計算し,これを腐食度算出
のための表面積とする。
(6) 脱脂後の試験片は,取扱いに注意し,さびを発生させたり指紋を付けたりしてはならない。
また,保存する場合にはデシケーターに入れる。
3.3 試験方法
(1) 試験片の取付け 試験片を付図1,付図2及び付図3のように試験片保持器に固定し,管用試験の場
合は試験片保持器の上流が管内径の10倍以上,下流が5倍以上の直管部を保つように取り付ける(6)。
また,タンク類用試験の場合は,試験片が垂直になるように取り付ける(6)。
(2) 試験条件 試験条件で腐食に関係する項目,例えば流速,水温,電気伝導率,pH,溶存酸素,酸消費
量,塩化物イオン,全硬度,一般細菌数及びその他必要ある項目は,すべて記録する。
なお,試験期間中は,これらの環境変動の少ないことが望ましい。
(3) 試験期間 最小試験期間は,30日とする。ただし,環境,材質又はその他の理由によって,期間を短
縮してもよい。

――――― [JIS K 0100 pdf 2] ―――――

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(4) 試験片の後処理 試験片を試験片保持器から取り外した後(7),腐食生成物を除去し,メタノール,次
いでアセトンに浸し,乾燥後0. mgまではかる。腐食生成物を除去するには,流水中で非金属製のブ
ラシ(例えばナイロンブラシ)やガーゼなどを用いて腐食生成物を除く。腐食生成物が強固に付着し
ている場合は,次のいずれかの方法による。その場合には同時に空試験(8)を行い,除去操作による試
験片の減量を補正することが望ましい。
注(7) 試験片には,指紋などが付かないように注意して取り扱う。
(8) 空試験は,試験片と同種,同形の別の試験片を用いて同様の後処理を行い,後処理による試験
片の減量分を求めて補正する。
(a) 電解法 硫酸 (5%) に酸洗浄用腐食抑制剤の適量,例えばチオ尿素0.05%を添加したものを電解液
とし,試験片を陰極,白金板を陽極として,陰極電流密度20A/dm2,液温約70℃で約3分間電解す
るか,又は水酸化ナトリウム75g/l,炭酸ナトリウム75g/l,硫酸ナトリウム24g/lを含む溶液を電解
液とし,試験片を陰極,白金板を陽極として液温約60℃で,鉄鋼に対しては陰極電流密度6A/dm2,
非鉄金属に対しては2.5A/dm2で約3分間電解する。
これらの方法のうち,前者はマグネシウム及び亜鉛に対して不適当であり,後者はアルミニウム
及び鉛に対して不適当である。
(b) 酸洗浄法 試験片の材質に応じ,次の溶液に浸して非金属製のブラシ(例えばナイロンブラシ)や
ガーゼなどを用いて腐食生成物を除く。
1 低炭素鋼 酸洗浄用腐食抑制剤を加えた塩酸約15%に室温で約15秒間
2 ステンレス鋼 硝酸約30%に室温で約5分間
3 銅及び銅合金 硫酸約10%に室温で約5分間
4 アルミニウム及びアルミニウム合金 硝酸 (4+1) に室温で約10分間又は二クロム酸カリウム
20g及びりん酸28mlを水1lに溶かした溶液を7080℃に加温し約30秒間
3.4 結果の表示
(1) 外観観察 試験片は,腐食生成物が付いたままで,腐食生成物の色,形状及び固着状況を観察すると
ともに,3.3(4)の方法によって腐食生成物を除去した試験片の表面における腐食の分布状況を調べ,腐
食が全面的であるか,又は局部的であるかを判定する。
(2) 腐食度及び侵食度 腐食度及び侵食度は,次の式によって算出する。
腐食度は,試験片の表面積1dm2に対する1日当たりの腐食減量のmg数,すなわちmddで表す。
M1 M2
W
S T
ここに, W : 腐食度 (mdd)
M1 : 試験片の試験前の質量 (mg)
M2 : 試験片の試験後の質量 (mg)
S : 試験片の表面積 (dm2)
T : 試験日数
侵食度は,年当たりの侵食深さのmm数,すなわちmm/yで表し,腐食度から次の式によって換算
する。
365 10 4
P W
d
ここに, P : 侵食度 (mm/y)
W : 腐食度 (mdd)

――――― [JIS K 0100 pdf 3] ―――――

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d : 試験片の密度 (g/cm3)
備考 試験片がステンレス鋼などで食孔が生じた場合,孔食 (PT) は,次の3項目について表示する
とよい。
食孔数 試験片に発生した全食孔数を数え,単位面積 (1cm2) 当たりの食孔数で示す。この
場合,食孔の形は無視して,すべて1個の食孔とみなす。
記号N : 個/cm2
食孔深さ 試験片に発生した全食孔のうちの最大深さを測定して示す。深さの測定には,デ
プスマイクロメータ,ダイヤルゲージ又は焦点目盛付き顕微鏡などを用いる。
記号D : mm
侵食度 3.4(2)の侵食度の数値を示す。
記号P : mm/y
表示例 PT-2.0N, 0.5D, 0.05P
3.5 報告 試験報告には,試験方法及び3.2(1),(2),3.3(1)(3)及び3.4(1),(2)に規定した事項も記載す
る。
また,腐食に影響を及ぼすと思われる事項はできるだけ記載する。
4. 分極抵抗法 分極抵抗は,試料極に微少の電流を流し,それによる応答(電位又は電流の変化)を測
定して求める。測定は,試料極,照合極及び対極の3本の電極を用いる3電極方式(9)と,照合極の作用を
対極に兼ねさせる2電極方式のいずれかの方式で行い,用いる電流は,直流又は低周波交流とし,定電流
又は定電位の条件で試験する(10)。海水を除き大部分の工業用水は電気伝導率が小さいため,溶液抵抗を測
定し,分極抵抗の測定値に含まれる溶液抵抗の値を差し引き,分極抵抗の値を補正する。
電極となる試験片は,試験片保持器に固定し,それを装置類に取り付ける。
注(9) 3電極方式の方が溶液抵抗による誤差の影響が小さく,測定精度もよい。
(10) 交流を用いる方法は,装置が複雑になるが連続モニタリング性がよい。直流定電流法は,装置
も簡単で測定も容易であるので,実験室での試験に便利である。
4.1 試験片
(1) 形状及び寸法 形状は,棒状を標準とするが,他の形状のものを用いてもよい。試験に供する表面の
面積は,約5cm2以上とし,形状及び寸法の一例を付図5に示す。
(2) 材質 標準金属試料としては,低炭素鋼のJIS G 3101に規定するSS 41棒鋼を用いる。ただし,必要
に応じ,その他の金属材料を試料としてもよい。
(3) 表面仕上げ及び計測 3.2(3)に同じ。ただし,記号は付けない。
4.2 試験片保持器 試験片保持器(11)は,先端に試験片固定用のねじを設けた2本又は3本の金属棒を合
成樹脂の絶縁物(12)の中に埋め込み,装置類に取り付ける構造のものとする。試験片は,パッキングを挟ん
で金属棒に固定し,外部の測定計器と接続できるようにする。
装置の直管部で試験を行う場合の試験片保持器の構造の一例を付図6に示す。
タンク類内での試験の場合も,同様の構造のものを用いる。
注(11) 試験片保持器本体に金属を用いるときの材質は,注(2)による
(12) エポキシ樹脂など高絶縁性のものを用いる。
4.3 試験片の取付け 試験片は,3電極方式及び2電極方式のそれぞれの場合について,同材質・同形状・
同寸法のものを必要本数用い,それらを試験片保持器に固定する。

――――― [JIS K 0100 pdf 4] ―――――

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装置類における試験片保持器の取付位置は,管用試験の場合には,3.3(1)と同様とする。ただし,試験片
自体は鉛直で,しかも2本の試験片が流れに直角になるように設置する。3電極方式の場合には,対極用
の試験片を下流側にする。
タンク類試験の場合は,試験片がなるべく鉛直になるように試験片保持器を取り付ける
4.4 測定装置 分極抵抗の測定装置は,電源装置[定電流装置(13)又は定電位装置(14)],電流計(15)及び高
入力抵抗電圧計(16)を組み合わせたもの,又はそれと同等の機能をもつ機器とする。付図7に3電極方式及
び2電極方式の測定ブロック図を示す。溶液抵抗誤差の補正に用いる溶液抵抗の測定装置(17)は,付図8に
例示するようにインピーダンス法によるときは,高周波発振器及び交流用の電流・電圧計を組み合わせた
もの,又はインピーダンスブリッジとする。
注(13) 種々の一定電流を安定に供給できる装置で,直流,方形波交流又は正弦波交流(いずれも周波
数は0.1Hz以下)のいずれか1種以上の波形出力をもつものとする。
(14) (13)における3種の波形の定電位電解ができる定電位装置。
(15) 正負いずれの極性の電流の測定においても,0.1 度の測定範囲をもつことが望まし
い。
(16) 電圧計は,入力抵抗が1M 坎 上で,電流計と共に直流又は低周波交流のピーク・ピーク値(正
の半周期における最大値と負の半周期における最小値との差)の測定できるもの。目盛は,
0.1mVまで読み取れることが望ましい。
電流計及び電圧計の目盛は,腐食速度に関する量表示でもよい。
(17) 海水を除く工業用水の場合は溶液抵抗の測定装置が必要である。測定装置には溶液抵抗を自動
的に補正できる装置もある。
4.5 試験条件
(1) 試験条件 記録する試験条件は,3.3(2)に準じる。
(2) 試験期間 試験期間は,試験目的に応じて設定する。
4.6 試験方法 分極抵抗の測定は,1.(a)(c)のいずれかの方法で測定する。
(1) 見掛けの分極抵抗の測定
(a) 交流定電流法 付図7の装置において,電源装置に交流定電流装置を用い,試料極と対極の間に低
周波交流の微少の一定電流を流し,電圧計及び電流計の指示値の変化を追跡する。電流の極性が変
わるごとにその前の1周期の間における電圧のピーク・ピーク値(18)を読む。交流の周期が1.5周期
以上(望ましくは4周期以上)経過し,電圧(ピーク・ピーク値)が,ほぼ一定になっていること
を確かめて電流を切る。
電圧の最終のピーク・ピーク値を電流のピーク・ピーク値で除して見掛けの分極抵抗の測定値を
求める。ただし,2電極方式の場合は,電圧のピーク・ピーク値の21を用いて計算する。
交流電流の波形は,方形波又は正弦波のいずれかとし,周波数は0.1Hz以下(19)とする。印加電流
の大きさは,電圧の最終のピーク・ピーク値が,溶液抵抗に基づく電圧降下分の値を除いて3電極
方式では20mV程度,2電極方式では40mV程度を超えないような値とする。
注(18) ピーク・ピーク値測定用の電子回路を用いるとよい。
(19) 交流は,半周期の間に電圧の変化がほぼ定常になるのに十分な長い周期をもつような周波数を
選ぶことが望ましい。
また,試験期間中は,原則として,この周波数を変更しない。
(b) 交流定電位法 付図7の装置において,電源装置に定電位装置を用い,その設定電圧にピーク・ピ

――――― [JIS K 0100 pdf 5] ―――――

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JIS K 0100:1990の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0100:1990の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISG3101:2015
一般構造用圧延鋼材
JISG3101:2020
一般構造用圧延鋼材
JISG3141:2017
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3141:2021
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISK0094:1994
工業用水・工場排水の試料採取方法
JISK0101:1998
工業用水試験方法
JISK2234:2018
不凍液
JISR6251:2006
研磨布
JISR6252:2006
研磨紙
JISR6253:2006
耐水研磨紙