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K 0100-1990
附属書 腐食速度換算係数K値確認方法
1. 適用範囲 この附属書は,各種金属材料について,分極抵抗の腐食速度の計算において採用する換算
係数Kの値が,適用する測定条件において,妥当か否かを確認する方法について規定する。
2. 試験方法 採用する測定法及び測定条件の下に,本体4.14.6の各項に従って,分極抵抗の経時変化
(1)を測定する。試料極は,試験終了後に腐食減量を測定する。
なお,試験期間中は,流速,温度などの試験条件は,なるべく変動しないようにする。
試験終了後,溶液抵抗を補正した単位面積換算の分極抵抗の逆数と経過時間との関係をグラフに描く。
関係曲線と座標軸で囲まれた面積を計算し,試験時間でこれを除して平均分極抵抗を求め,次の式でKを
計算する。
n F W Rp
K
M T S
ここに, K : 換算係数 (V)
n : 腐食反応の電子数
F : ファラデー定数 (96 500Cmol−1)
△W : 腐食減量 (g)
Rp : 単位面積換算の分極抵抗 ( 地
M : 試料の原子量 (g)
T : 試験期間 (s)
S : 試験片の表面積 (cm2)
注(1) 試験期間は,十分な腐食減量が得られる期間とし,分極抵抗の測定間隔は,十分滑らかな関係
曲線が得られるように設定する。
なお,試験期間が長く,分極抵抗の初期変動が無視できるときは,分極抵抗の定常値を平均
値としてもよい。
――――― [JIS K 0100 pdf 16] ―――――
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K 0100-1990
参考
この参考は,本体及び附属書の規定に関する事項を補足するもので,規格の一部ではない。
1. 回転法 試料水中に試験片を浸せきして,一定速度で回転させ,一定期間後の試験片の腐食状態を観
察し,質量減量を測定して腐食度を算出する。工業用水の腐食性を調べる目的には,試験片として標準金
属試料を使用し,また金属材料の耐食性を調べる目的には,その金属を試料とする。
この方法は,工業用水の腐食性や腐食抑制剤の添加効果の比較など多くの試料水を同じ条件で,しかも
短期間で行う室内試験に用いられる。この試験では,水温,試験片の回転速度などの試験条件をできるだ
けそろえる必要があり,得られた結果は,試験条件における値なので,結果の判定に当たっては,十分な
注意を要する。
2. 装置及び器具
(1) 試験装置 試験片を取り付けた試験片保持器を一定の回転速度 (150160rpm) (1)で回転される装置
と,ビーカー1lを固定できる架台を含む恒温水槽(室温60℃,温度調節精度±0.5℃)(2)を組み合わ
せた装置(3)(4)。装置の一例を参考付図1に示す。
(2) 給水装置 試料水を連続的に供給できる給水ポンプ(流量15l/日,流量精度±3%程度)(5)(6)と試
料水槽(ポリエチレン製)を組み合わせたもので,試料水を連続的に供給する場合に使用する。試料
水供給の一例を参考付図2に示す。
(3) 試験片保持器 試験片を固定する器具で,支持棒の端に十字形固定板を取り付け,他端を回転軸に取
り付けられるもの。十字形固定板には試験片2枚又は4枚取り付けて固定する。試験片保持器の一例
を参考付図3に示す。
注(1) 回転速度は,工業用水の使用流速に合わせて選定する。通常150160rpmの一定回転速度を用
いる。
(2) 水温は,通常室温から40℃程度の条件で試験する。4060℃の条件では,試料水の蒸発が著し
くなるので注意する。
(3) 恒温水槽内の水の循環をよくするために,ビーカー架台は多孔板にするとよい。
(4) 試験装置は,同一条件での比較試験が好ましいことから,同一条件で平行して試験ができる多
連式の装置が望ましい。
(5) チューブローラーポンプを使用する場合は,ローラー回転でチューブが疲労するので,適宜に
交換する。
(6) 試料水の供給量は,試験条件と腐食の発生状況で異なる工業用水の使用条件や試験目的に応じ
て設定する。
3. 試験片
(1) 形状及び寸法 形状及び寸法は,参考付図4による。
(2) 材質 規格本体3.2(2)と同じ。
(3) 表面仕上げ及び計測 規格本体3.2(3)と同じ。
――――― [JIS K 0100 pdf 17] ―――――
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4. 試験方法
4.1 準備操作
(1) 恒温水槽の水温を所定温度(通常40±0.5 ℃)(7)に設定し,所定の温度に保持する。
(2) 試料水を連続供給する場合は,試料水をビーカー1lの上面まで満水にする。間欠的に試料水を交換す
る場合は,試料水1lを入れる(8)。ビーカーを恒温水槽内のビーカー架台に固定し,所定の温度になる
まで静置する(約2時間を要す。)。
(3) 試料水を連続供給する場合は,別に供給用の試料水を用意し(9),あらかじめ供給する試料水の流量に
合わせて,給水ポンプの流量を調節する(10)。
注(7) 工業用水の使用温度や試験条件によって選定する。通常は40℃で行う。
(8) 試料水を間欠的に交換する場合は,あらかじめ同形のビーカーに試料水を入れ,恒温水槽で所
定の温度にしておき,試料水の水質があまり変化しない程度の頻度で,ビーカーごと手早く入
れ替える。
(9) 試料水の供給水量は,1回当たりの試験数と試験期間,腐食の発生状況などで異なる。試験目
的に応じて必要な試料水量を用意する。
(10) 試料水の供給流量は,工業用水の使用条件や,水質の変化,試験目的などを考慮して設定する。
一般には,ビーカー中の試料水の水質が変化しない程度に連続的に供給し,ビーカー中の試料
水(約1.2l)が1日当たり1回入れ替わる程度に供給する。
4.2 試験操作
(1) 試験片(11)を試験片保持器(12)に参考付図2のように垂直に取り付け,固定する。
(2) 試料水の温度が,所定の温度に達したら試験片を試料水に浸せきする。試料水を連続的に供給する場
合は,試料水の供給パイプをビーカーに取り付け,ビーカーにふたをする。
(3) 試験片保持器を回転軸に取り付け,所定の回転速度(通常は150160rpmの一定速度)(1)(13)に調節す
る。
(4) 試料水を連続供給する場合,試料水供給用の給水ポンプによって,所定の流量(10)(14)(15)で試料水を供
給する(試料水の供給で,ビーカー中の試料水は恒温水槽中に流出する。)。試料水を間欠的に交換す
る場合は,適当な頻度(8)で試料水を交換する。
注(11) 試料片は,指紋などが付かないように注意して,試料片保持器に取り付ける。
(12) 試料片保持器が汚れている場合は,塩酸 (12%) で洗い,水でよく洗浄する。
(13) 試験期間中は一定の回転速度に保持し,変更しない。
(14) 試験期間中は試料水の液量が変動しないように注意する。試料片の表面積 (cm2) に対する試料
水量 (ml) の変動(液比)は,±5%以内にする。
(15) 試料水の温度が約40 ℃以上の場合は,試料水の蒸発量が多くなり,ビーカー中の液量が少な
くなるので,液量の変動が±5%以内になるように試料水を供給し,更に試料水の温度低下にも
注意する。
4.3 試験条件
(1) 試験期間中は,温度,回転速度,試料水の供給水量又は試料水の交換頻度などは一定に保持して試験
する。
(2) 試料水のpH及び電気伝導率は,少なくとも13日間に1回は測定して記録する。
(3) 試験条件で腐食に関係する項目,例えば試料水のpH,電気伝導率,酸消費量,全硬度,塩化物イオン,
硫酸イオンなどの必要な項目はすべて記録する。
――――― [JIS K 0100 pdf 18] ―――――
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4.4 試験期間 一般的には514日間程度行うが,試料水の腐食性などの状況や試験目的に応じて設定
する。
4.5 試料片の後処理 規格本体の3.3(4)と同じ。
5. 結果の表示
5.1 外観観察 規格本体の3.4(1)と同じ。
5.2 腐食度及び侵食度 規格本体の3.4(2)と同じ。
6. 報告 試験報告には,試験方法及び3.(1),(2),4.3(1)(3),4.4, 4.5に規定した事項も記載する。
また,腐食に影響を及ぼすと思われる事項はできるだけ記載する。
――――― [JIS K 0100 pdf 19] ―――――
K0
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参考付図1 試験装置の一例
100-
1990
番号 名称 材質例 番号 名称 材質例
1 回転軸 SUS 10 試験片 SPCC
2 チェーン 11 ビーカー架台(多孔板) SUS
3 歯車 12 ビーカー1l
4 Vベルト 13 オーバーフロー管
5 試験片保持器回転用電動機 14 ビーカーのふた 透明塩化ビニル
6 温度計 15 試験片保持器 塩化ビニル
7 温度調節器 16 ビーカー止め具 SUS
8 恒温水槽用循環ポンプ 17 恒温水槽
9 ヒーター
――――― [JIS K 0100 pdf 20] ―――――
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JIS K 0100:1990の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.25 : 工業用水
JIS K 0100:1990の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3101:2015
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3101:2020
- 一般構造用圧延鋼材
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISK0094:1994
- 工業用水・工場排水の試料採取方法
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK2234:2018
- 不凍液
- JISR6251:2006
- 研磨布
- JISR6252:2006
- 研磨紙
- JISR6253:2006
- 耐水研磨紙