JIS K 0121:2006 原子吸光分析通則 | ページ 6

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附属書(規定)原子吸光分析装置の使用判定項目

1. 適用範囲

 この附属書は,原子吸光分析における装置の使用判定項目について規定する。
2. 使用判定項目 原子吸光分析の測定条件を選定する場合には,装置検出下限,方法定量下限,短時間
安定性,長時間安定性及び検量線の妥当性について,装置の使用判定の基準となる値をあらかじめ実験に
よって求めておくことが望ましい。
3. 使用判定項目の求め方
3.1 装置検出下限(ILOD) 装置検出下限の求め方は,次による。
a) 準備 次の試験液を調製する。
1) 分析対象元素の検量線用空試験液
2) 分析対象元素の検量線用溶液のうち,直線範囲の中間程度の濃度の溶液
b) 測定 測定は,次による。
1) 装置製造業者から提示された方法を参考にして装置の最適化を行う。
2) 検量線用空試験液a)1)を10回連続測定し,表示値の平均値(X b)と標準偏差(s b)とを算出する。
3) 検量線用溶液a)2)を5回連続測定し,表示値の平均値(X1)を算出する。
c) 計算 次の式によって算出する。
ILOD =3×sb/ k
ここに, k : 検量線の傾き[(X1−X b) / C1]
C 1 : a) 2)の溶液濃度
なお,ILODの単位は,C 1の濃度単位と同じものとする。
3.2 方法定量下限 (MLOQ) 方法定量下限 (MLOQ)の求め方は,次による。
a) 準備 次の試験液を調製する。
1) 操作用空試験液(1)
2) 分析対象元素を,検量線の直線範囲の中間の濃度程度に含んだ溶液
注(1) 分析対象元素又は干渉物質の,分析室環境,試薬及び器具からの汚染の有無を調べるため,分
析操作中に使用する器具類及び装置との接触,並びに溶媒及び試薬の添加を含めて,試料と全
く同様に処理された水又は分析対象元素を含まないマトリックス液。
b) 測定 測定は,次による。
1) 装置製造業者から提示された方法を参考にして,装置の最適化を行う。
2) 操作用空試験液a) 1)を10回連続測定し,表示値の平均値(X l b)と標準偏差(S d)とを算出する。
3) ) 2)の溶液を5回連続測定し,表示値の平均値(Xl1)を算出する
c) 計算 次の式によって算出する。
MLOQ 2 10 Sd / k
ここに, k : 検量線の傾き [(Xl1−X b) / C2]
C2 : a)2)の溶液濃度

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なお,MLOQの単位は,C2の濃度単位と同じものとする。
3.3 短時間安定性 短時間に繰返し測定を行って得られる結果の一致の程度を推定するために,次の方
法によって相対標準偏差を求めて判定の指標とする。
a) 準備 分析対象元素の検量線用溶液のうち,直線範囲の中間程度の濃度の溶液を準備する。
b) 測定 測定は,次による。
1) 装置製造業者から提示された方法を参考にして,装置の最適化を行う。
2) )の溶液を10回連続測定し,表示値の平均値(X i)と標準偏差(s i)とを算出する。
c) 計算 次の式によって算出する。
相対標準偏差(%)=(s i / X i)×100
3.4 長時間安定性 長時間安定性は,機器の設置環境及び測定条件によって影響される。この試験で求
めた相対標準偏差から機器の校正及び標準化の頻度を決定する。試験方法の一例を,次に示す。
a) 準備 分析対象元素の検量線用溶液のうち,直線範囲の中間程度の濃度の溶液を準備する。
b) 測定 測定は,次による。
1) 装置製造業者から提示された方法を参考にして,装置の最適化を行う。
2) 標準化などの校正を行わずに,30分間隔で3回の繰返し測定を3時間にわたり計7回行う。
c) 計算 繰返し測定の平均値7回分から相対標準偏差を算出する。
3.5 検量線の妥当性 検量線の妥当性は,分析対象元素の濃度が異なる4種類以上の検量線作成用溶液
の吸光度を測定し,作成した検量線の直線性から判断する。高濃度域で直線性が得られない場合は,試料
の希釈処理などによって直線領域で測定することが望ましい。

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