JIS K 0222:1997 規格概要
この規格 K0222は、排ガス中のガス状水銀を分析する方法について規定。
JISK0222 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0222
- 規格名称
- 排ガス中の水銀分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for determination of mercury in stack gas
- 制定年月日
- 1981年3月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 13.040.40, 71.040.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 環境測定 I-1 2021, 環境測定 I-2 2021, 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 1981-03-01 制定日, 1986-07-01 確認日, 1991-06-01 確認日, 1997-08-20 改正日, 2002-07-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0222:1997 PDF [13]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0222-1997
排ガス中の水銀分析方法
Methods for determination of mercury in stack gas
1. 適用範囲 この規格は,排ガス中のガス状水銀を分析する方法について規定する。
備考1. 水銀濃度は,標準状態における乾きガス中の水銀の濃度で表す。
2. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 0211及びJIS K 0095によるもののほか,次
のとおりとする。
(1) 排ガス 燃料などの燃焼,鉱石のばい焼,金属製錬,汚泥や廃棄物の処理などによって,煙道,煙突,
ダクトなど(以下,ダクトという。)に排出されるガス。
(2) ガス状水銀 排ガス中に気体として存在する水銀及びその化合物の総称。
3. 共通事項 共通事項は,JIS K 0050,JIS K 0095,JIS K 0121,JIS K 8001及びJIS Z 8808による。
4. 分析方法の種類 分析方法の種類は,次の3種類とする。
(1) 湿式吸収−還元気化原子吸光分析法 試料ガス中のガス状水銀を硫酸酸性過マンガン酸カリウム溶液
に吸収,捕集した後,吸収液中の水銀を還元し,この溶液に通気して発生する水銀を原子吸光分析法
によって定量する。
この方法は,すべての排ガス中のガス状水銀の定量に適用できる。定量範囲は水銀として,11
000ngとする。
(2) 金アマルガム捕集−加熱気化原子吸光分析法 試料ガス中の水銀を金アマルガムとして捕集した後,
捕集された水銀を加熱気化炉で加熱し,発生する水銀を原子吸光法によって定量する。
この方法は,処理後の排ガスの分析に用いられ,排ガス中の金属水銀の定量に適用する。定量範囲
は水銀量として,0.011 000ngとする。
(3) 連続測定法 試料ガスを直接吸収セルに導き,還元気化させて原子吸光分析法で連続的に定量する。
この方法は,都市ごみ清掃工場からの排ガスに適用する。定量範囲は水銀濃度として,1 最一
5mg/m3とする。
5. 湿式吸収−還元気化原子吸光分析法
5.1 試料ガス採取 試料ガスの採取方法の一般的事項はJIS K 0095による。
5.1.1 採取位置 流速の分布が均一な位置を選ぶ。
5.1.2 試料採取装置 JIS K 0095の4.(試料採取装置)に規定するほか,次のとおりとする。試料採取装
置の構成の一例を図1に示す。
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K 0222-1997
図1 試料採取装置の構成(一例)
(1) 採取管 ほうけい酸ガラス,石英ガラス,チタン又はセラミック製とする。
(2) 導管 四ふっ化エチレン樹脂製とする。加熱の必要がない場合には,特殊塩化ビニル樹脂製の導管を
用いることができる。
(3) 捕集瓶 JIS K 0095の4.7(保温又は加熱)による。なお,吸収瓶は容量250 mlのものを2個直列に
つなぐ(1)。
注(1) 通常,吸収瓶は1本で十分である。
5.1.3 試料採取 JIS K 0095の5.1〔吸収瓶法[試料ガス量をガスメータで計測する[図2(a)]場合]〕に
よるほか,次のとおりとする(2)。
注(2) 鉱石などのばい(焙)焼ガスなど二酸化硫黄の濃度の高い排ガスでは,水酸化カリウムなどの
吸収液による洗浄を行う。
(1) 吸収液 等溶の過マンガン酸カリウム溶液 (3g/l) と硫酸 (1+15) とを混合する。着色ガラス瓶に保存
する。
(2) 採取管,導管 排ガス中の水分が採取管,導管などに凝縮しないように,必要に応じて加熱又は保温
する。
(3) 吸収瓶 吸収瓶はあらかじめ硝酸 (1+9) 及び水で洗浄し乾燥したもの。吸収液を100ml入れ,冷却
槽に入れて冷却する。吸収瓶は2本を直列に連結する。
(4) 吸引量 吸引流速を0.51.0l/minとし,吸引量は20l程度とする。ただし,吸収液の過マンガン酸カ
リウムの色が消失するまで吸引してはならない。
5.1.4 分析試料の調製
(1) 試薬 試薬は必要に応じ,有害金属分析用又は精密分析用を用いる。
(a) 硫酸 (1+1) 水1容をビーカーにとり,これを冷却し,かき混ぜながらJIS K 8951に規定する硫
酸1容を徐々に加える。
(b) 過マンガン酸カリウム溶液 (50 g/l) JIS K 8247に規定する過マンガン酸カリウム50gを水に溶か
し,ガラスろ過器 (G4) でろ過した後,水を加えて1lとする。着色ガラス瓶に保存する。
(c) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (200 g/l) IS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモニ
ウム20gを水に溶かして100mlにする。
(d) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (20 g/l)塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (20g/l) 10mlに
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硫酸 (1+1) 数滴を加え,水で100mlとする。
(2) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) フラスコ ガラス製。500mlフラスコで,還流冷却器をすり合わせで装着できるもの。
(b) 還流冷却器 長さ約30cmのもの。
(3) 操作 操作は,次の手順で行う。
(a) 試料ガスを通じた吸収液をフラスコに移す。吸収瓶を少量の塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液
(20g/l) 及び水で洗い,フラスコに加える(3)。
注(3) 試料ガス中に有機物を含まない場合には,(b) の操作は省略できる。この場合には,(a)の吸収
液を適当なビーカーに移し(c)以下の操作を行う。
(b) 還流冷却器を取り付け,突沸を避けながら静かに加熱し,1時間煮沸する。この間に,過マンガン
酸カリウムの色が消失する場合(4)には,温度を約60℃に下げ,過マンガン酸カリウム溶液 (50g/l)
2mlを加え,再び煮沸し,過マンガン酸カリウムの色が約10分間残るまでこの操作を繰り返す。温
度を40℃以下に冷却する。
注(4) 過マンガン酸カリウムの色が消失しても,二酸化マンガンが生成しているときは過マンガン酸
カリウム溶液の追加は行わない。
(c) 溶液を振り混ぜながら塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (200g/l) を滴加し,過剰の過マンガン酸
カリウムを分解する(5)。
注(5) 過剰の塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液の添加は避ける。
(d) 冷却後,溶液を全量フラスコ500mlに移し,水を標線まで加え,試料溶液とする。
(e) 試料採取に用いたと同量の吸収液について,(a)(d)と同様な操作を行い,空試験用溶液とする。
5.2 分析方法
(1) 試薬 試薬は必要に応じ,有害金属分析用又は精密分析用を用いる。
(a) 硫酸 (1+35)
(b) 塩化すず (II) 溶液 JIS K 8136に規定する塩化すず (II) 二水和物10gに硫酸 (1+20) 60mlを加え,
かき混ぜながら加熱して溶かす。冷却後,水を加えて100mlとする。
この溶液は調製後1週間以内に使用する。
(c) 水銀希釈用溶液 L-システイン10mgを全量フラスコ1 000mlに入れ,水を加えて振り混ぜて溶か
し,JIS K 8541に規定する硝酸2mlを加え,水を標線まで加える。
(d) 水銀標準液 (100 mgHg/l) JIS K 8139に規定する塩化水銀 (II) 67.7mgを全量フラスコ500mlに入
れ,水銀希釈溶液に溶かし,さらに,水銀希釈溶液を標線まで加え,原液とする。原液は冷蔵庫中
に保存する。
標準溶液は,使用時に,この原液を水銀希釈溶液で希釈して調製する。
(2) 装置 装置は,原子吸光測定装置,還元容器,吸収セル,空気ポンプ,流量計,乾燥管,連結管など
で構成する。
図2に密閉循環方式及び図3に開放送気方式の装置の一例をそれぞれ示した。各構成部品の詳細は,
次のとおりとする。
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図2 密閉循環方式の装置の構成(一例)
図3 開放送気方式の装置の構成(一例)
(a) 原子吸光分析装置 原子吸光分析装置又は水銀用原子吸光分析装置。
(b) 還元容器 通気管に気泡発生用フィルターをもつもの。容量は測定装置によって定められた量とす
る。
(c) 吸収セル 長さ100300mmの石英ガラス,ガラス又はプラスチック(水銀を吸着しないもの。)
製の管の両端に石英ガラス窓を付けたもの。
(d) 空気ポンプ 0.53 l/minの送気能力をもつダイアフラムポンプ又は同等の性能をもつ空気ポンプ。
密閉循環方式の場合,水銀の吸着に注意する必要がある。
(e) 流量計 0.53l/minの流速が測定できるもの(6)。
注(6) 密閉循環方式の場合には,流量計に水銀が吸着するおそれがあるため,流量計は装着しない。
流量はあらかじめ空気ポンプの流量を調節し,最適流量とする。
(f) 乾燥管 電子冷却式によるもの。又は,直管若しくはU字管に粒状の乾燥剤を充てんしたもの(7)。
注(7) 吸収セル内の温度が周囲の温度よりも約10℃高くなるようにすれば乾燥管は用いなくてもよい。
(g) 連結管 軟質の塩化ビニル樹脂とする。
(h) 水銀除去装置 過マンガン酸カリウム (50g/l) を含む硫酸 (1+4) を入れたガス洗浄瓶。
(3) 操作 操作は,次によって行う。
(a) 試料溶液の適量(8)を還元容器にとり,硫酸 (1+35)(9)を試料に添加する。
注(8) 試料採取量は,測定装置によって定められた量を採取する。
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(9) 硫酸添加量は,測定装置によって定められた量を添加する。
備考 塩化物イオンを多量に含む試料では,試料溶液の調製時に,過マンガン酸カリウムによる処理
において,塩化物イオンが酸化されて塩素となり,光を吸収して正の誤差を与える。この場合,
塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液を過量に加え,塩素を還元しておく。
また,還元容器中に存在する塩素は,窒素などによってあらかじめ追い出しておく。
(b) 塩化すず (II) 溶液を(a)の溶液の201量を手早く添加し,空気ポンプを作動させてあらかじめ設定した
最適流速(10)で空気を流し,発生した水銀を吸収セルに導く。
注(10) 最適流量は装置によって異なるので,あらかじめ最適流量を求めておく。
(c) 波長253.7nmにおける吸収を測定する(11)。
注(11) 開放送気方式の場合,試料によって反応速度が異なることがあるので,吸収ピークの積分値を
測定する。
(d) 密閉循環方式の場合,バイパスコックを回してバイパス状態とし,吸収の指示値が元の値になるま
で通気を続ける(12)。
注(12) 水銀除去装置を通して大気中に放出する。
(e) 空試験溶液について,試料溶液採取量と同量の溶液をとり,(a)(d)の操作を行って吸収の指示値を
求め,試料について得られた指示値を補正する。
(f) 検量線を用いて試料中の水銀の質量を求め,試料ガス中の水銀濃度を次の式によって算出する。
1
C A
1 Vs
ここに, C : 水銀濃度 ( 最一
A : 検量線から求めた水銀の質量 (ng)
v : 試料溶液の体積 (ml)
v1 : 分取した試料溶液の体積 (ml)
Vs : 試料ガス採取量 (l)
(g) 検量線の作成は,水銀標準液を段階的に還元容器にとり(13)(a)の試料溶液と同表の水及び硫酸 (1+
35) を添加し(a)(d)の操作を行う。
使用した水及び硫酸 (1+35) について(a)(d)の操作を行い,空試験値を求め,指示値を補正す
る。
補正された指示値と水銀の質量との関係線を作成し,検量線とする。検量線の作成は試料測定時
に行う。
注(13) 水銀標準液の採取量は装置によって異なるが,水銀として1 李 下となるように採取する。
6. 金アマルガム捕集−加熱気化原子吸光分析法
6.1 試料ガス採取
6.1.1 採取位置 5.1.1による。
6.1.2 試薬
(1) 水銀捕集剤 420590 3gに,JIS K 8127に規定するテトラクロロ金 (III) 酸1gを水
2030mlに溶かした溶液を加え,混和して均一にする。約80℃に加熱し,乾燥させた後,管状炉に
入れ,空気を流しながら約800℃で30分間加熱する。
(2) 緩衝液 JIS Z 8802に規定する中性りん酸塩pH標準液。
6.1.3 試料採取装置 試料採取装置の構成の一例を図4に示す。
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JIS K 0222:1997の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.40 : 固定施設からの発生ガス
JIS K 0222:1997の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0095:1999
- 排ガス試料採取方法
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8127:2020
- テトラクロリド金(III)酸四水和物(試薬)
- JISK8136:2017
- 塩化すず(II)二水和物(試薬)
- JISK8139:2007
- 塩化水銀(II)(試薬)
- JISK8201:2006
- 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)
- JISK8247:2015
- 過マンガン酸カリウム(試薬)
- JISK8541:2015
- 硝酸(試薬)
- JISK8541:2021
- 硝酸(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK9502:2020
- L(+)-アスコルビン酸(試薬)
- JISZ8802:2011
- pH測定方法
- JISZ8808:2013
- 排ガス中のダスト濃度の測定方法