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また,力価は日時の経過とともに変化するので,使用の都度標定する。
参考 市販のカールフィッシャー試薬を用いてもよい。
(3.2) 酒石酸ナトリウム JIS K 8540[酒石酸ナトリウム二水和物(試薬)]に規定する酒石酸ナトリウム
の溶液から再結晶させ,結晶に付着した水分を除去し,水分調整用デシケーターに入れ,1030℃
において48時間以上保ったもの。
(3.3) カールフィッシャー滴定用溶剤メタノール JIS K 8891[メタノール(メチルアルコール)(試薬)]
に規定するメタノール1 000mlを滴定フラスコに取り,JIS K 8876[マグネシウム末(試薬)]に規
定するマグネシウム末5gを加え,JIS K 8125[塩化カルシウム(水分測定用)(試薬)]に規定する
塩化カルシウムを入れた水分吸収管及び還流冷却器を滴定フラスコ上端に取り付けて,穏やかに加
熱する。必要なときは,JIS K 8920[よう素(試薬)]に規定するよう素0.5gを加えて反応を促進さ
せる。
ガスの発生が停止した後,滴定フラスコ上部に凝縮器及び上記の水分吸収管を取り付けた捕集瓶
を連結して,メタノールを蒸留し,密封して保存する。
なお,本品1ml中の水分は,0.2mg以下とする。
参考 メタノールを主成分とする市販のカールフィッシャー滴定用溶剤を使用してもよい。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(4.1) カールフィッシャー試薬の標定 メタノール50mlを滴定フラスコに取り,これにカールフィッシ
ャー試薬を滴定終点まで正しく加えておく。次に,この溶液に水約50mgを0.1mgまで量って速や
かに加えるか,又は酒石酸ナトリウム約150mgを0.1mgまで量って加え,直ちによくかき混ぜなが
らカールフィッシャー試薬で終点まで滴定する。
カールフィッシャー試薬1mlに対応する水の質量 (mg) (力価)は,次の式によって算出する。
W
水を用いた場合 F
a
360.
Z
酒石酸ナトリウムを用いた場合 F 2301.
a
ここに, F : 力価 (mgH2O/ml)
W : 水の質量 (mg)
Z : 酒石酸ナトリウムの質量 (mg)
a : 滴定に用いたカールフィッシャー試薬の容量 (ml)
(4.2) 試料採取 試料採取は,注射器又はピペットのいずれかを用いて行う。
(4.2.1) 注射器を用いる場合
(a) 注射筒と注射針はあらかじめ洗浄し,乾燥した後,デシケーター中に保管する。
(b) デシケーターから注射筒と注射針を取り出し,接続して速やかに注射針の先端をゴム栓に差し込む。
(c) 密封容器中の試料の温度が室温になった後,その試料を振り混ぜて均一にし,密封容器の栓を開く。
(d) 注射器のゴム栓を外し,ピストンを十分に押し下げてから,表3によって試料を手早く採取し,直
ちに注射針をゴム栓に差し込む。このとき,若干の気泡が注射筒に残っても差し支えない。
――――― [JIS K 2438 pdf 6] ―――――
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表3 試料採取量
予想水分 0.1%未満 0.10.5% 0.51%
試料採取量 1020ml 510ml 2ml
(e) (d) の操作を終了した後,直ちに注射器全体の質量を0.1mgまで量る。
備考 注射器を試料で共洗いする必要のあるときは,注射針を試料に浸したままピストンを上下
させ,共洗いから試料採取までの操作をできるだけ短時間で終了させる。
(4.2.2) ピペットを用いる場合
(a) ピペットは,あらかじめ洗浄し,乾燥しておく。
(b) 密封容器中の試料の温度が室温になった後,その試料を振り混ぜて均一にした後,密封容器の栓を
開ける。
(c) 表1によって決めた量の試料を手早く採取し,標線を合わせる。
備考 試料の容量から質量を求めるには,試料採取時の温度における密度を用いて,次の式によ
って算出する。
試料の質量 (g) =密度 (g/ml) ×試料の容量 (ml)
(4.3) 滴定 カールフィッシャー試薬による滴定は湿気を避け,これを標定したときの温度とほぼ同一の
温度で行う。
(4.3.1) 前滴定 カールフィッシャー滴定用溶剤メタノール2050mlを,容量100250mlの滴定フラスコ
に入れ,カールフィッシャー試薬を用いて終点まで滴定し,滴定フラスコ内を無水状態にする。こ
のとき,消費されたカールフィッシャー試薬の量は,計算に用いないので読み取る必要はない。
(4.3.2) 本滴定
(4.3.2.1) 注射器を用いる場合
(a) (4.2.1)によって採取した試料を,試料注入口から,(4.3.1)の操作で無水状態にした滴定フラスコ内に
注入する。
(b) 注射針の先端を再びゴム栓で密封し,その質量を0.1mgまで量り,試料注入前後の注射器の質量差
から注入した試料の質量を求める。
(c) 滴定フラスコ中の溶液をよくかき混ぜながら,カールフィッシャー試薬を用いて終点まで滴定する。
(4.3.2.2) ピペットを用いる場合
(a) (4.2.2)によって採取した試料を,(4.3.1)によって無水状態にした滴定フラスコの試料注入口を開けて
注入し,直ちに閉じる。
(b) 滴定フラスコ中の溶液をよくかき混ぜながら,カールフィッシャー試薬を用いて終点まで滴定する。
(c) 空試験は,(4.3.1)によって無水状態にした滴定フラスコの試料注入口を,試料注入に要した時間だ
け開けてから再び閉じる。その後,滴定フラスコ中の溶液を約1分間かき混ぜ,カールフィッシャ
ー試薬を用いて終点まで滴定する。
(5) 計算 水分は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
F (V B)
W 100
S 1000
ここに, W : 水分 (%)
F : カールフィッシャー試薬の力価 (mgH2O/ml)
V : 試料の滴定に用いたカールフィッシャー試薬の容量 (ml)
S : 試料の質量 (g)
B : 空試験に用いたカールフィッシャー試薬の容量 (ml)
(ピペットを用いた場合に限る。)
――――― [JIS K 2438 pdf 7] ―――――
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4.5.2 電量滴定法
(1) 要旨 よう素の代わりに,よう化物イオンを混合したカールフィッシャー試薬(電解液という。)に試
料を加え,電気分解に要する電気量を測定して水分を求める。
(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(2.1) 試料採取器具 4.5.1 (2) (2.1)に示すもの。ただし,ピペットは用いない。
(2.2) 化学はかり 4.5.1 (2) (2.2)に示すもの。
(2.3) 自動電量滴定装置 自動電量滴定装置は,双白金電極を備えた電解セルから成る滴定部と,マイク
ロコンピューターによる滴定制御機能,データ処理機能及び終点検出機能をもつ測定制御部並びに
表示部から構成される。ガラス器具の連結部はすり合わせとし,グリース(カールフィッシャー試
薬と反応したり,溶解しないもの)を塗って大気からの吸湿を防ぐ。図2に,構成例を示す。
図2 自動電量滴定装置の構成例
(2.4) 電解セル 容量約200mlのガラス製容器で,それぞれ白金網電極を備えた陽極室及び陰極室から成
り,両室は,セラミック,イオン交換膜などの隔膜で仕切られ,試料注入口はステンレス鋼又は四
ふっ化エチレン樹脂製ストッパーの付いたもの。
また,電解セルの陽極室には,双白金電極を取り付け,陽極室及び陰極室の大気に接する開口部
には,シリカゲルなどの乾燥剤を入れた乾燥管を取り付ける。
(2.5) 双白金電極 4.5.1 (2) (2.5)による。
(2.6) 電解制御部 終点近くで水分量に応じて電気量を漸減又は断続できる比例制御機能をもつもの。
(3) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(3.1) 電解液
――――― [JIS K 2438 pdf 8] ―――――
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(a) 陽極液(発生液) よう化物イオン,二酸化硫黄,ピリジン又はそれに代わる塩基及びメタノール
などの有機溶剤との混合液。
(b) 陰極液(対極液) よう化物イオン,二酸化硫黄,ピリジン又はそれに代わる塩基などの電解質と
メタノールなどの有機溶剤との混合液。
参考1. 電解液の組成は,JIS C 2101(電気絶縁油試験方法)の19.3.3 (1)及びJIS K 0113(電位差・
電流・電量滴定方法通則)の6.4.2 (6)に一例が記載されている。
2. 電解液は,市販品を使用してもよい。
(3.2) チェック液 JIS K 8895[2−メトキシエタノール(エチレングリコールモノメチルエーテル)(試
薬)]に規定する2−メトキシエタノールに水を加え,その溶液1mlが水約4mgを含むように調製
する。
参考 チェック液は,市販品を使用してもよい。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(4.1) 試料採取方法 注射器を用い,4.5.1 (4) (4.2) (4.2.1)によって行う。ただし,試料採取量は表4による。
表4 試料採取量
予想水分 0.05%未満 0.050.1% 0.10.2% 0.20.5%
試料採取量 5ml 2ml 1ml 0.5ml
(4.2) 滴定
(4.2.1) 前滴定(3)
(a) 電解セルの陽極室に陽極液(発生液)約100ml,陰極室に陰極液(対極液)約5mlを入れ,電解セ
ルを密封した後,装置にセットする。
(b) 電解セル内の陽極液をかき混ぜながら電解電流(4)を流し,よう素を陽極液側に発生させて電解セル
内を無水の状態にする。この場合,水分の質量は計算に用いない。
注(3) 装置を校正するときは,電解セル内を無水状態にした後,水5 イクロシリンジで陽極
液に注入し,終点まで電量滴定を行い,水分の質量を求める。この操作を2回以上繰り返し
て行い,水分の質量の平均値を求める。この値が5 000±25 囲内であれば,正常に作
動しているとしてよい。
(4) 陽極液に遊離よう素が存在するときは,電解が行われない。このときは,チェック液又は
水を適量加えてわずかに水過剰の状態 (2 0003 000 最 ‰ 瀰
(4.2.2) 本滴定
(a) (4.1)によって採取した試料を,試料注入口から(4.2.1)の操作で無水状態にした電解セル中の陽極液
に注入する。
(b) 注射針の先端を再びゴム栓で密封し,その質量を0.1mgまで量る。試料注入前後の注射器の質量差
から注入した試料の質量を求める。
(c) 陽極液の水分を終点まで電量滴定する。
(5) 計算 水分は,次の式によって算出し,小数点以下2けたに丸める。
W 106 100
ここに, W : 水分 (%)
G : 水分の質量 ( 最
S : 試料の質量 (g)
――――― [JIS K 2438 pdf 9] ―――――
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4.6 ピリジン類の定量方法 ガスクロマトグラフ分析によって,ピリジン類各成分の定量を行う。別に,
不揮発分及び水分を測定し,各成分の含量又は純度を補正する。ガスクロマトグラフ分析における一般事
項は,JIS K 0114(ガスクロマトグラフ分析のための通則)による。
4.6.1 ピリジン類各成分の定量方法
(1) 要旨 ピリジン類中に含まれるピリジン類の同族体又は異性体などをガスクロマトグラフ分析によっ
て測定し,各成分の含量を求める。
(2) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(2.1) ガスクロマトグラフ
(a) 検出器 水素炎イオン化検出器。0.01%のピリジンを含む試料0.6 入したとき,ピリジンが十
分に分離溶出し,ピーク高さは,雑音信号の2倍以上であり,かつ3 噎 上であること。
備考 検出器は,試験の目的を満足するものであれば,熱伝導度検出器を用いてもよい。
(b) カラム用管 内径3mm,長さ2mの硬質ガラス管又はステンレス鋼管。
(c) 試料導入部 液体試料導入口及び気化器を備えたもの。
(2.2) マイクロシリンジ 容量110
(3) 充てん剤及びキャリヤーガス 充てん剤及びキャリヤーガスは,次のとおりとする。
(3.1) 充てん剤 充てん剤は,次のいずれかとする。
(a) 沸点が約200℃以下の成分を主な対象とする場合 担体(5)に平均分子量約6 000のポリエチレング
リコールを25%保持したもの又は同等以上のもの。
注(5) 粒度177250 8060メッシュ)又は149177 10080メッシュ)のけい藻土を処
理したものなどがある。
参考1. 市販の充てん剤には,PEG-6 000を担持したものなどがある。
2. 市販の担体には,シマライト301,クロモソルブPなどがある。
(b) 沸点が約200℃以上の成分を主な対象とする場合 担体(6)に平均分子量約20 000のポリエチレング
リコールを5%保持したもの又は同等以上のもの。
注(6) 粒度177250 8060メッシュ)又は149177 10080メッシュ)のけい藻土を処
理したものなどがある。
参考1. 市販の充てん剤は,PEG−HTを5%保持したものなどがある。
2. 市販の担体には,ユニポートRなどがある。
(3.2) キャリヤーガス 窒素又はヘリウムを用い,純度は99.99%以上のもの。
(4) 充てん剤の準備
(4.1) 充てん剤の充てん方法 バイブレーターを用いてカラム用管に充てん剤を均一に充てんし,両端に
JIS K 8251[ガラスウール(試薬)]に規定するガラスウールを詰める。
(4.2) 充てん剤の前処理方法 前処理は,キャリヤーガスを通じながら,室温で約1時間,次に80100℃
で約1時間保持し,更に設定温度より約10℃高い温度で数時間エージングして,残存する溶媒を十
分に除去する。
備考1. 溶出ガスは,検出器を汚染するおそれがあるから,検出器を通してはならない。
2. この前処理は,設定最高感度における基線が安定するまで行う。
3. 充てん剤中の空気を十分にキャリヤーガスで置換しないで昇温すると分離ができない場
合がある。通常1時間キャリヤーガスを通気すればよい。
(5) 操作 (2.2)のマイクロシリンジを使用して,試料約0.6 入し,クロマトグラムを記録する(7)。
――――― [JIS K 2438 pdf 10] ―――――
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JIS K 2438:1990の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2438:1990の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7525:1997
- 密度浮ひょう
- JISC2101:1950
- 絶縁油試験方法
- JISC2101:1999
- 電気絶縁油試験方法
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0066:1992
- 化学製品の蒸留試験方法
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0068:2001
- 化学製品の水分測定方法
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2420:1993
- 芳香族製品及びタール製品試料採取方法
- JISK8125:1994
- 塩化カルシウム(水分測定用)(試薬)
- JISK8129:2016
- 塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
- JISK8163:1994
- ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム(試薬)
- JISK8251:2020
- ガラスウール(試薬)
- JISK8514:2011
- 臭化ナトリウム(試薬)
- JISK8540:2016
- (+)-酒石酸ナトリウム二水和物(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8876:2018
- マグネシウム粉末(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8895:2013
- 2-メトキシエタノール(試薬)
- JISK8920:2008
- よう素(試薬)