JIS K 5701-1:2000 平版インキ―第1部:試験方法 | ページ 2

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は,直径で0.05mm以下とする。さらにピストンを引き下げたとき,ピストンの上端面から固定板
上表面までの距離が6.37mm±0.02mmあり,かつ,ピストンを押し上げたとき,その上端面と固定
板の上表面との高さの差は0.03mm以内とする(1)。
6) 荷重板をセットしたときの固定板との間隔は20mm±1mmとする。
注(2) 荷重板の質量が異なる場合は記録する。
(3) 固定板上の2本の対角線の交点で,固定板の重心と一致しなければならない。
(4) 試料量は,0.5ml±1.0%以内とする。
c) 試験方法
1) 試験条件
1.1) 試験は25℃±2℃で管理された部屋で行うことが望ましい。
1.2) 試験前に,均質で粗い粒子を含まない試料をへらでとり,試験環境温度下で放置し,試料を試験
環境温度と等しくしておく。
2) 操作
2.1) スプレッドメータを振動のない台に載せ,水平に固定する。
2.2) 荷重板と荷重板支持棒を外す。
2.3) へらでよく練った試料(5)を試料孔に気泡やすき間が残らないように詰め,固定板の上面に沿って
へらの直線部分でかき取り,試料の上面と固定板の上面が同一平面になるようにする。
2.4) 荷重板支持棒と荷重板をセットし,ピストンを押し上げる。この操作で,試料の全量は固定板の
上面に移動し,同時にピストン押し棒が外れて荷重板支持棒と荷重板が落下する。試料は荷重板
の自重で固定板上で同心円状に押し広げられる。
2.5) ここで,荷重板が試料に接したときから一定時間後の試料の広がり直径(6)を,素早く読み取りス
プレッドメーター値(7)とする。
2.6) 測定終了後,機器は適切な溶剤で洗浄する。
注(5) チキソトロピーを評価する場合,へら練りをしない方法もある。
(6) 最大広がり直径は,試料の流動性によって異なるが,実用的には約30分後の広がり直径を代用
しても差し支えない。
(7) スプレッドメータ値の読み方,評価方法はd)参照。
図2 時間と広がり直径との関係

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(D=S log t+IC)
d) 計算 スプレッドメータによって得られる流動性の特性値には,4種類あり,それぞれ次の方法によ
って求める。
1) スプレッドメータ直径D 60秒後の広がり直径。
2) スプレッドメータ傾斜(8) S 次の式によって算出する。
D2 D1
S
log 10 (T2 /T1 )
ここに, D1 : T1秒後の広がり直径 (mm)
D2 : T2秒後の広がり直径 (mm)
T1, T2 : 測定時間(秒) T2>T1, 5≦T1及びT2≦100, T= (T2−T1)
>40
3) スプレッドメータ切片IC 横軸に時間 (T1, T2) の対数,縦軸にそのときの広がり直径 (D1, D2) をと
り,2点を結ぶ直線を引き,この延長線上の縦軸との交点 (T=1) をスプレッドメータ切片ICとす
る。
4) スプレッドメータ降伏値YV 次の式によって算出する。
8.4 W V G
YV 2 5
D
ここに, YV : スプレッドメータ降伏値 (Pa)
W : 荷重板の質量 (kg)
V : 試料容積 (m3)
G : 標準自由落下加速度 (m/s2)
D∞ : 最大広がり直径 (m)
注(8) 各時間ごとに測定した広がり直径を片対数グラフにプロットし,その各点を結ぶと,一般に直
線にほぼ近い線が得られる。
e) 記録方法 試験条件が本文に規定及び推奨する条件と異なる場合は,その試験条件を記録する。
4.1.3 L形粘度計による方法
a) 要旨 L形粘度計を用い,インキの粘度及び降伏値を測定する。
なお,この測定は,見掛けの粘度範囲が2Pa・sから200Pa・s間でのインキに適用する。
b) 原理 この試験の原理は,垂直ロッドがリングを通過するときの相対速度の測定にある。ロッドの下
部をリングに入れ,試料で満たしたギャップをロッドが通過するときに応力が発生する。ロッドに異
なったおもりを載せることで,ロッドの落下時間が変化し,異なったずり速度が得られる。それぞれ
のずり速度とずり応力の関係に回帰直線を当てはめることによって粘度及び降伏値が計算できる。
c) 装置
1) 形粘度計 粘度計の構成は,次のものからなる。

――――― [JIS K 5701-1 pdf 7] ―――――

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図3 L形粘度計
1.1) ロッド 金属又は他の硬い素材から作られる円筒形ロッド(図3)で,ステンレス製ロッドの質量
は130g±1gが望ましい。
1.2) リング 金属リング(図4)は円筒状と円すい状の部分からなる。リングを支柱の上に固定し,温
度調節することが望ましい。
なお,ロッドとリング孔の直径は非常に重要なために,狭い許容範囲のもとで製造されたものを
使用し,これらの許容範囲及び寸法は製造業者が示すものとする。また,ギャップの誤差を最小に
するために,決められたロッドとリングとの組合せで使用しなければならない。
図4 リング
1.3) 重り 一連の荷重はおもりの組合せで行い,次の質量のおもりを用いることが望ましい。
A : 5 000,4 000, 3 000,2 000,1 000

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B : 3 000,2 000, 1 500, 500
C : 1 500,1 000, 800, 500
D: 800, 600, 400, 200
E: 400, 300, 200, 100
F: 200, 100, 50, 0
なお,おもりの許容範囲は±0.2gとする。
1.4) 測定距離 距離の測定許容差は±0.2mmとする。
なお,センサーは,目盛の位置に設置してもよい。
1.5) 水準器
1.6) 計時装置 測定の許容範囲は±0.1秒とするが,±0.01秒が望ましい。
2) へら 粘度計を傷付けないへらを用意する。
3) 粘度計校正用標準液 JIS Z 8809に規定する中から少なくとも2種類用意する。
d) 校正
粘度計を設置するときは風の当たらない場所で,堅固な台の上に置き,正確に垂直にするために水
準器を用いる。計時装置とセンサー間距離は,設置時に校正する。計時装置は,定期的に校正するこ
とが望ましい。
粘度計は,粘度計校正用標準液を用いて校正を行う。
e) 試験方法
1) 試験条件 試験は,温度制御された試験環境で行わなければならない。一定温度の部屋か,温度調
節された恒温ボックスに粘度計を設置して作業する。
なお,恒温ボックスで測定する場合は,内部の温度は試験温度から±0.5℃以内が望ましい。測定
室の温度は,試験温度から±2℃まで許容される。標準試験温度は25℃±0.2℃とする。
2) 操作
2.1) 試験準備 試験前に試料約5gをへらで練り,温度を一定にし試料を均一にする。予想される結果
から妥当なおもりの組合せを選ぶようにする。最も大きい荷重での落下時間は,通常4秒から10
秒の範囲にすることが望ましい。
ロッドと孔を覆うのに十分な量の試料をロッドの下部に塗り付ける。ロッドを回転して一様に試
料を付ける。最も重い荷重で1回落下させロッドと孔を試料でぬらす。試験開始前はロッドを孔に
入れ,留め金具で止めておく。
2.2) 測定 試料は,おもりの組合せの重いほうから試験し,落下時間は60秒を超えてはならない。各
測定ごとにロッドのインキをへらでかき取り,ロッドの下部に塗り直し,試験中は試料を追加し
てはならない。
試験の始めと終わりに試料の温度を確認する。
チキソトロピーの高い試料のときは,1回目の測定値は捨て,2回目の測定値を採用する。
3) 清掃 試験後,装置はけばのでない紙又は布で適切な溶剤を用いて直ちに洗浄する。
f) 計算 附属書1の定義及び流動モデルを参照して計算を行う。
g) 記録方法 次の内容を記録する。
1) 25℃の基準温度に相当する粘度データ
2) 試料名称
3) 25℃でないときは,その試験温度

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4) 計算に使用した流動モデル
5) 粘度計の形成
6) ステンレス製でないときは,そのロッド材質
7) この規格からはずれた場合はその内容
8) 試験月日
9) 試験担当者

4.2 粘着性

4.2.1  要旨 この規格は,試験に必要な時間において低揮発性及び室温条件下での反応性のないインキの
タック値を測定する試験方法について規定する。この規格は,最も一般的に使われているロータリータッ
クメータの基本的な記述を含んでいる。
4.2.2 定義 タックは二つの回転するローラーの表面上のインキ膜が,せん断されることによって生じる
あらかじめ決められた幅のローラー間の復元力である。
備考1. 流体の内部凝集力,物理的特性及び化学的特性を示すパラメーターである。
2. 見掛けのタックという用語は,すべてのタックが本来装置に特有であることから望ましくな
い。
4.2.3 試験方法
a) 原理 ロータリータックメータは少なくとも三つのローラーシステムからなっている。一つめのロー
ラーは,モーターで駆動する。その一つめのローラーが駆動している間に,センサーに接続している
二つめのローラーは,平衡状態の位置からローラーの位置が変化するときの応力を測定する。三つめ
のローラーは,試料の分散用ローラーである。タックは,駆動ローラーと測定用ローラー間のインキ
膜のせん断によって引き起こされる復元力の測定によって求められる。このタックは装置固有の値で
ある。
b) 装置 試験に用いられる装置は,次のものからなる。
1) ロータリータックメータ
2) インキピペット 試料容量±1%の精度で採取できるもの。
3) 温度調節器 設定温度±0.2℃でローラー温度を制御できるもの。
4) ストップウオッチ又はタイマー
5) 洗浄溶剤 洗浄溶剤は,合成ゴムローラーの状態を変化させないもの。
6) 校正装置
7) /t レコーダー オプションとして含まれる場合がある。
c) 温度 試験は23℃±2℃の室温で行う。さらに,試験は一定の装置温度で行わなければならない。一
般に広く使われている温度調節器の設定温度は,30℃又は32℃である。
d) タックメータの調整 新しい装置又は新ローラーが導入された場合,使用前に試験する材料で繰り返
し測定して合成ゴムローラーを安定させる必要がある。これらの操作は,インキの試験で安定した結
果が得られるまで繰り返さなければならない。標準的な使用法として,タックメータは,試験するイ
ンキを用いて慣らし運転を行い,あらかじめローラーを適切に安定化させておかなければならない。
もし,試験するインキがローラー材料に影響を与える場合(例えば,放射線硬化インキ)は別セット
のローラーを使用する。
e) 校正 タックメータは,通常の使用前にメーカーの指導に従って校正を行っておかなければならない。

――――― [JIS K 5701-1 pdf 10] ―――――

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JIS K 5701-1:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11628:1995(MOD)
  • ISO 12040:1997(MOD)
  • ISO 12040:1997(MOD)
  • ISO 12634:1996(MOD)
  • ISO 12644:1996(MOD)
  • ISO 2837:1996(MOD)
  • ISO/FDIS 2834:1999(MOD)
  • ISO/FDIS 2836:1999(MOD)

JIS K 5701-1:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 5701-1:2000の関連規格と引用規格一覧