JIS K 5701-1:2000 平版インキ―第1部:試験方法 | ページ 3

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さらに,性能の分かった標準インキを用いて日常的に試験することが望ましい。
f) 試験準備 試料は,均質でなければならず,粗い粒子を含んでいてはならない。
g) 試験手順 試験するインキをインキピペットを用いてタックメータのローラー上に均一に分散する。
ローラー上に着けるインキの量は,メーカーのすすめに従うものとする。試験試料は,低速で30秒間
分散させる。測定時の回転に達し,ローラー速度が一定になったとき,最初のタックを読取り,1分
経過後2度目の読取りを行うものとする。
h) 洗浄 試験終了後,ローラーシステムとピペットを適切な洗浄剤で直ちに洗浄する。別の試料を試験
する前に,装置を少なくとも3分間以上低速で運転するのが望ましい。
手や布が巻き込まれないよう安全に十分注意しながら,適切な溶剤をしみ込ませた布をしっかり持
ち,駆動ローラー又はローラーニップに当てて,インキを表面から除去する。高タックのインキを洗
浄する場合は,あらかじめローラー上に少量の溶剤をつけるとよい。十分に拭き取ることが必要なら
ば,これらの方法を繰り返してもよい。最後に機械を止めてインキ及び余分な溶剤をふき取る。
4.2.4 記録方法 次の内容を記録する。
a) 試料名称
b) タック値
c) 測定(装置)温度
d) タックメータの形式
e) インキの使用量又は膜厚
f) ローラー表面速度 (m/min) 又は回転数 (rpm)
g) 試料分散の経過時間(30秒でなかったとき)
h) 読み取りまでの経過時間
i) この規格からはずれた場合は,その内容
j) 試験月日
k) 試験担当者

4.3 練和度

4.3.1  要旨 溝の深さが25              ヰ            線的に連続して変化しているグラインドメータのゲージ
盤上に試料を置き,スクレーパーを用いて試料の膜を作り,そこに生じた線から試料中の粒の大きさを測
定し,試料の練和度を推定する。
4.3.2 グラインドメータ グラインドメータは,ゲージ盤とスクレーパーからなり,図5のような形状と
し,焼き入れした鋼で作り,表面はすべて滑らかに仕上げたものとする。焼き入れ焼きもどしの硬さは
HRC61以上とする。スクレーパーの刃をゲージ盤の上面に直角に当てて滑らせたときに,溝以外の部分に
すき間ができてはならない。二本の溝はそれぞれ幅25mm,長さ160mmで,深さが25 ヰ
連続して変化するように,底面を一様な傾斜に削って仕上げたものとする。
ゲージ盤の上面には,溝の深さを表す目盛を刻み,0 25 010の間を10等分して0, 1,
2, 3······と印を付けたものとする。
備考1. 焼き入れした鋼はJIS G 4404に規定するSKS 2のもの
2. 焼き入れ焼きもどし硬さはJIS Z 2245に規定するHRC61以上のもの

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図5 グラインドメータの一例
溝の深さとスクレーパーの刃の先とは4.3.3の方法でときどき検定しなければならない。各目盛の位置で,
溝の深さに規定の寸法よりも2 上の過不足が認められた場合は,そのゲージ盤を使用しない。また,
刃の先はラップ仕上定盤(精度1 一 上)に当てて光が透けて見える場合は,そのスクレーパー
を使用しない。
4.3.3 校正 グラインドメータは,メーカーの指示に従って校正を行わなければならない。
4.3.4 洗浄 グラインドメータを適切な溶剤をしみ込ませた,けばのない布で洗浄する。
4.3.5 試験方法 上面を平面に仕上げた丈夫な台を,上面が水平になるようにして,拡散昼光のもとに固
定する。グラインドメータを清浄にした後,試験者に対して,目盛10が先方に,目盛0が手前になるよう
に,ゲージ盤が台の上を滑らないようにして置く。試料をゲージ盤の溝の深いところに,溝全体を満たす
よりも幾らか多目に置く。スクレーパーの上部の両端に近いところを指先でもち,刃先がゲージ盤の溝の
深いところで,溝の長手の方向に,直角に横切るようにして当て,スクレーパーがゲージ盤の上面にほぼ
直角になるように押し付ける。刃先を押し付けたまま,目盛0の方向に均等な速さで4秒以上かけて引き
動かす。二つの溝の試料面に現れたそれぞれの線の位置を読む。

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4.3.6 判定 スクレーパーの運動でできた10mm以上連続した線が,一つの溝について3本以上現れたと
ころの目盛の位置A及び10本以上現れた目盛の位置Bの二つの数値を読み取る。
4.3.7 記録方法 練和度は,4.3.6によるA及びBの数値で表し,次のように記録する。
例 練和度 A4 B1

4.4 乾燥性

4.4.1  要旨 試料が乾燥して,圧力をかけても展色用紙に試料が移らなくなるまでの時間を測定して,試
料の乾燥性を調べる。この試験には,C形乾燥試験機による方法とガラス板による方法との2種類がある。
4.4.2 試験場所の条件 試験は温度 (25±2) ℃,湿度 (60±5) %の室内で行う。これと異なる条件の場合
には,その条件を試験の記録に付記する。
4.4.3 C形乾燥試験機による方法 C形乾燥試験機による方法は,次のとおりとする。
a) 原理 C形乾燥試験機は,一定速度で回転するドラムの円周上に,展色試料と当て紙を重ねて巻き付
け,この上に一定荷重の押し圧歯車を載せ,ドラムの回転とともにこれをドラムの軸方向に移動させ,
当て紙に移る押し圧歯車の押し跡で試料の乾燥時間,裏移りの状態などを測定する装置である。
b) 装置,器具及び材料
1) 構造及び形状 C形乾燥試験機は次の各項目に適合することが望ましい。これと異なる条件の場合
には,その条件を試験の記録に付記する。
なお,装置の一例を図6に示す。
1.1) ドラム
回転数 101rpm
1.2) 押し圧歯車
形 状 図7に一般的な形状を示す。
押し圧 ドラム上にかかる荷重は7.36N±0.20Nであり,荷重点は回転ドラムの中心を通る垂直線
上にあるものとする。
1.3) 送りねじ
回転数 101rpm
ピッチ 押し圧歯車の押し跡が,互いに重なり合わない長さとする。

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図6 C形乾燥試験機の一例
図7 押し圧歯車
2) 展色用紙・当て紙用紙
c) 操作 展色用紙上に試料を展色して展色試料を作製し,直ちに,当て紙用紙を展色試料の展色面に重
ね合わせ,当て紙用紙が外側になるように回転ドラムに巻き付ける。
おもり及び押し圧歯車の付いた支持棒を,送りねじの左側に移動し,押し圧歯車を当て紙用紙の上
に静かにおろす。変則レバーを所定の回転数の位置にセットし,駆動スイッチを入れる。
送りねじが右端まで移動しスイッチが切れたら,当て紙用紙を重ねた展色試料を取り外し,当て紙
用紙に押し圧歯車の歯形がほとんど移らなくなった時間を記録する。
d) 判定 当て紙用紙に試料がほとんど移らなくなる時間とする。
なお,必要に応じて受渡当事者間で判定基準を定めることができる。
e) 記録方法 次のように乾燥時間と使用した展色用紙及び当て紙用紙を記録する。
例 C形乾燥試験機乾燥時間 : 350分 展色用紙 : アート紙 当て紙用紙 : 上質紙
4.4.4 ガラス板による方法 ガラス板による方法は,次のとおりとする。
a) 器具
1) ガラス板

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2) 転写用用紙
3) アプリケーター すきまが0.075mm±0.002mmのもの。
4) ゴム栓など転写物
b) 操作 アプリケーターを用いて,試料の膜厚がガラス板上で75 殊 鉗 0歟 き延
ばす。一定時間経過後,引き延ばされた試料面にゴム栓など転写物を強く押し付け,直ちに,このゴ
ム栓など転写物を転写用用紙に押し付けて,試料が移る状態を調べる。
同様な操作を一定時間ごとに繰り返して,転写用用紙にインキが移らなくなるまで続け,移らなく
なるまでに要した時間を測定する。
c) 判定 転写用用紙に試料がほとんど移らなくなるまでの時間とする。
なお,必要に応じて受渡当事者間で判定基準を定めることができる。
d) 記録方法 次のように乾燥時間を記録する。
例 ガラス板乾燥時間 : 480分

5. 展色試料の作製

5.1   要旨 展色装置及び展色器具を用いて用紙上にインキを均一な膜厚に展色して展色試料を作製する
方法である。この方法で作製される展色試料は光学的特性試験,物理的耐性試験及び化学的耐性試験に利
用される。
5.2 装置,器具及び材料
5.2.1 展色装置及び展色器具 展色試料を作製する展色装置及び展色器具として次に規定するものから,
試験の目的に応じたものを用いる。
a) プリンタビリティーテスター 印刷速度及び印刷線圧が指定の条件で制御でき,印刷版が展色前後で
秤量できる着脱可能な装置で,その印刷版の表面は平滑でよく研磨された金属製又は,8085のショ
アA硬度をもつエラストマーやゴムブランケットで覆われたもの。
b) 簡易展色機 印刷速度及び印刷線圧のいずれか一つ,又はいずれも指定の条件で制御はできないもの
の,一定の条件下で均一な膜厚で展色できる装置。
c) 簡易展色器具 印刷速度及び印刷線圧のいずれも指定の条件で制御はできないものの,均一な膜厚で
展色できるバーコーターやアプリケーターなどの器具。
5.2.2 インキピペット 規定量の試料を採取するための器具で,±0.01mlの精度で採取できるもの。
5.2.3 はかり ±0.1mgの精度でひょう量できるもの。
5.2.4 用紙 相対比較試験に使用する用紙は,その用途に合った用紙を使用するが,光学的特性試験に使
用する場合は,附属書2に記載の用紙を使用することが望ましい。
5.3 操作
5.3.1 プリンタビリティーテスターによる展色 展色試料は次の手順に従って作製する。
a) インキ付けローラーの温度は24℃±1℃になるようにし,インキピペットを用いて必要量のインキを
インキ付けローラーに付け,均一に分散させる。ただし,ヒートセットインキは,分散時間が20秒を
超えないようにする。
b) インキが均一に分散後,印刷速度1m/s±0.1m/s,印刷線圧225N/cm±25N/cmで展色を行う。
c) 展色後,インキ付けローラーと印刷版を,溶剤をしみ込ませたけばのない布で洗浄する。
備考 溶剤は,印刷版に浸透する可能性があるので,確実に溶剤が揮発するまで待つか,二つの印刷
版を交互に使うことを勧める。

――――― [JIS K 5701-1 pdf 15] ―――――

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JIS K 5701-1:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11628:1995(MOD)
  • ISO 12040:1997(MOD)
  • ISO 12040:1997(MOD)
  • ISO 12634:1996(MOD)
  • ISO 12644:1996(MOD)
  • ISO 2837:1996(MOD)
  • ISO/FDIS 2834:1999(MOD)
  • ISO/FDIS 2836:1999(MOD)

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