JIS K 7181:2011 プラスチック―圧縮特性の求め方 | ページ 4

14
K 7181 : 2011
附属書B
(参考)
座屈限界
オイラー(Euler)によると,両端を固定した長さlの試験片が座屈し始めるときの軸方向限界圧縮力F*
は,試験材料の圧縮応力−ひずみ挙動が線形であると仮定すると,次の式(B.1)のように表される。
2
EcI
F (B.1)
l2
ここに, F* : 座屈開始時の軸方向限界圧縮力(N)
I : 断面二次モーメント(mm4)
Ec : 圧縮弾性率(N/mm2)
l : 圧縮力に平行な試験片の長さ(mm)
限界の力は,次の式(B.2)のように,対応する圧縮呼びひずみに置き換えることができる。
F Ec A b (B.2)
ここに, A : 断面積(mm2)
εb : 圧縮座屈呼びひずみ(無次元)
この式(B.2)から,次の式(B.3)に示すような,試験片の寸法だけに依存する限界座屈ひずみが得られる。
2 I (B.3)
b
Al2
異なる形状の試験片に対しては,式(B.3)は次のようになる。
a) 直方体
2 2
lh (B.4)
b
12
b) 円柱又は円管
2 2
2
lr ri
b 1 (B.5)
4 r
ここに, l : 直方体,円柱又は円管の圧縮力に平行な長さ(mm)
h : 直方体断面の短辺の長さ(mm)
r : 円柱又は円管の外半径(mm)
ri : 円管の内半径(円柱の場合は0)(mm)
肉厚が薄い円管では,ここに記述のない様式の座屈も起こるので,式(B.5)を使用する意味がなくなる。
式(B.4)及び式(B.5)に具体的な数値を入れて計算すると,係数は,それぞれ0.8及び0.6になる。これらの
式から得られるのは,座屈ひずみの粗い推定値にすぎないので,6.1.1で示した一般的な不等式(1)で近似で
きる。この式では,座屈を避けるため,係数を低くしている。

――――― [JIS K 7181 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
K 7181 : 2011
附属書C
(規定)
コンプライアンス補正
加圧板間距離の減少量ΔLが直接測定できないため,試験機のクロスヘッド間距離の減少量sで読み替
える場合には,距離の変化を試験機のコンプライアンスCMで補正しなければならない(注記参照)。CM
は,参照材料として圧縮弾性率が既知で非常に高い剛性をもつ鋼板のような材料から作製した,平行な面
をもつ短冊又は角柱を用いて求める。たわみ量sは,次の式を用いて計算する。
L s CMF (C.1)
及び
sR LR
CM (C.2)
F (bRdR ) EcR
ここに, ΔL : 加圧板間距離の減少量(mm)
s : 試験機で選択した2点間距離の減少量(mm)
CM : 選択した2点間の,試験機のコンプライアンス
(mm/N)
sR : 参照試験片を用いたときの,選択した2点間距離
の減少量(mm)
F : 力(N)
EcR : 参照材料の圧縮弾性率(MPa)
LR : 加圧板間の初めの距離(mm)
bR : 参照試験片の幅(mm)
dR : 参照試験片の厚さ(mm)
CMは,測定に使用する力の範囲では一定であることを確認する。試験機などの要因で設置状態が影響を
受ける場合には,仮定した単純な直線関係(s=CM×F)は使えない。
注記 試験機の三つの部分がコンプライアンスCMに影響を及ぼす。影響は試験機の力伝達部,力変
換器,フレームの順に小さくなる。

――――― [JIS K 7181 pdf 17] ―――――

                                                                                                                                              K7
2
附属書JA
18
(参考)
1 : 2
JISと対応国際規格との対比表
011
JIS K 7181:2011 プラスチック−圧縮特性の求め方 ISO 604:2002 Plastics−Determination of compressive properties
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 この規格は,プラス 1 この規格は,プラスチッ 削除 技術的差異はない。
国際規格で,規定を表さない表
囲 チックの圧縮特性 クの圧縮特性の求め方に 現は,適用範囲から削除し,関
(圧縮強さ,圧縮弾 ついて規定する。 係する箇条に記載した。
性率及び圧縮応力 この規格では,推奨試験 表現を簡潔にした。
−ひずみ曲線)の求 片を規定しているが,こ
め方について規定 の試験片の長さは,試験
する。また,試験速 結果に影響を及ぼす座屈
度の範囲について を防止するように決めら
規定する。 れている。また,試験速
度の範囲について規定す
る。
この規格は,試験片の圧
縮挙動を調べる目的並び
に規定された条件下での
圧縮強さ,圧縮弾性率,
及び圧縮応力−ひずみ曲
線から得られる他の特性
を測定する目的に用い
る。

――――― [JIS K 7181 pdf 18] ―――――

     (I)   JISの規定                (II)      (III)国際規格の規定             (IV)   JISと国際規格との技術的差異の箇条(V)   JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 − 1 この規格では,規定の寸 削除
囲(続き) 法に成形した試験片,多
目的試験片(JIS K 7139
参照)の中央部分から機
械加工によって作製した
試験片又は型成形品,押
出成形板若しくは注型板
などの製品又は半製品か
ら機械加工によって作製
した試験片を用いて行
う。
この試験方法では,試験
片の推奨寸法を規定す
る。異なる寸法の試験片
又は異なる条件で調製さ
れた試験片による試験結
果は,互いに比較できな
い。試験速度,試験片の
状態調節など,その他の
因子も試験結果に影響を
及ぼす。このため,比較
可能なデータが必要な場
合には,これらの因子を
注意深く管理し,また,
それらを記録しなければ
ならない。
JIS K 6900 − 追加 技術的差異はない。
国際規格では,参考文献であっ
K7
JIS K 7018 た規格を,規定に追加するた
18
JIS K 7132 め,引用規格にも追加した。
1 : 2
JIS K 6254
0
ISO 3597-3
11
2

――――― [JIS K 7181 pdf 19] ―――――

                                                                                                                                              K7
2
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
1
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
81 : 2
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
01
及び題名 の評価
1
5 装置 5.1.3 5 追加 国際規格にない規格(JIS B 技術的差異はない。
0182)を,利用者の利便性のた
めに,追加した。
6 試験片 6.1.1 6 試験片は,角柱,円柱又 追加 規定を追加した。 技術的差異はない。
試験片は,角柱,円 は管状のものを用いる。
柱又は管状で,試験
中に座屈しない寸
法とする。
6.1.2 JIS K 7139を追加した。 対応するISO規格が変わったた
めで技術的差異はない。
6.2.3 JIS B 0182を追加した。 技術的差異はない。
8 状態調 JIS K 7100の最も適 8 ISO 291の最も適切な条 追加 ISO規格には記載のない許容 技術的差異はない。
節 切な条件(3級は除 件で行う。 差を,利用者の利便性のため
く。)で行う。 に,追加した。
9 手順 9.1 9 ISO 291に規定された標 追加 ISO規格には記載のない許容 技術的差異はない。
JIS K 7100に規定さ 準雰囲気下で試験を実施 差を,利用者の利便性のため
れた標準雰囲気下 する。 に,追加した。
(3級は除く。)で試
験を実施する。
10 試験結 10.5 有効数字 10 追加 ISO規格には記載のない規格 技術的差異はない。
果 (JIS Z 8401)を,利用者の利
便性のために,追加した。
− − 11 この試験法の精度は,試 削除 箇条を削除した。 精度データが得られたときに,記
験室間のデータがないた 載する。
め,不明である。そのデ
ータが得られた時点で,
次の改正版に精度を追加
する。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 604:2002,MOD

――――― [JIS K 7181 pdf 20] ―――――

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JIS K 7181:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 604:2002(MOD)

JIS K 7181:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 7181:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0182:1993
工作機械―試験及び検査用語
JISK6254:2016
加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―応力―ひずみ特性の求め方
JISK6272:2003
ゴム―引張,曲げ及び圧縮試験機(定速)―仕様
JISK6900:1994
プラスチック―用語
JISK7018:2019
繊維強化プラスチック―積層板の面内圧縮特性の求め方
JISK7100:1999
プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
JISK7132:1999
硬質発泡プラスチック―規定荷重及び温度条件下における圧縮クリープの測定方法
JISK7139:2009
プラスチック―試験片
JISK7140-1:2008
プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示―第1部:成形材料
JISK7140-2:2007
プラスチック―比較可能なシングルポイントデータの取得及び提示―第2部:長繊維強化プラスチック
JISK7144:1999
プラスチック―機械加工による試験片の調製
JISK7151:1995
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の圧縮成形試験片
JISK7152-1:1999
プラスチック―熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片―第1部:通則並びに多目的試験片及び短冊形試験片の成形
JISK7154-1:2002
プラスチック―熱硬化性樹脂成形材料の射出成形試験片―第1部:通則及び多目的試験片の成形
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ9041-2:1999
データの統計的な解釈方法―第2部:平均と分散に関する検定方法と推定方法