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試験管の前面から目視によって比較し,硫酸塩の質量 (mg) を求める。
(5) 計算 硫酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
C 100 1000
ここに, C : 硫酸塩の含有率 (ppm)
A : 比濁によって求めた硫酸塩の質量 (mg)
100 : 試料の質量 (g)
4.5 亜硫酸塩 (SO3)
(1) 要旨 試料によう化カリウム溶液とでんぷん溶液を加え5mmol/lよう素溶液で滴定し,その消費量か
ら亜硫酸塩の含有量を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 溶存酸素を含まない水 JIS K 8001の3.6(4)に規定するもの。
(b) よう化カリウム溶液 (100g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(c) でんぷん溶液 JIS K 8001の4.4に規定するもの。
(d) 0.05mol/lよう素溶液 JIS K 8001の4.5(24)に規定するもの。
(e) 5mmol/lよう素溶液 0.05mol/lよう素溶液100mlを全量フラスコ1 000mlに正確にとり塩酸 (2+1)
0.5mlを加え,水を標準まで加える。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) ビーカー 呼び容量500mlのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) ビーカー500mlに溶存酸素を含まない水400mlを入れ,塩酸 (2+1) 7ml,よう化カリウム溶液
(100g/l) 1ml及びでんぷん溶液2mlを加えて穏やかにかき混ぜる。
(b) 穏やかにかき混ぜながらわずかに青が現われるまで5mmol/lよう素溶液を滴加する。
(c) (b)の液を穏やかにかき混ぜながら,試料100gを徐々に加える。これを5mmol/lよう素溶液で滴定
を行う。終点は,液にわずかに青が現れる点とする。
(5) 計算 亜硫酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
.00004003 a f 6
C 10
100
ここに, C : 亜硫酸塩の含有率 (ppm)
a : 5mmol/lよう素溶液の滴定量 (ml)
f : 5mmol/lよう素溶液のファクター
100 : 試料の質量 (g)
0.000 400 3 : 5mmol/lよう素溶液1mlの亜硫酸塩の相当量 (g)
4.6 遊離塩素 (Cl)
(1) 要旨 試料によう化カリウム溶液を加え,遊離塩素によって遊離するよう素を二硫化炭素で抽出し,
二硫化炭素層が紅色にならないことによって遊離塩素が一定値以下であることを確認する。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) よう化カリウム溶液 (20g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(b) 二硫化炭素 JIS K 8732に規定するもの。
(c) 溶存酸素を含まない水 JIS K 8001の3.6(4)に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
――――― [JIS K 9902 pdf 6] ―――――
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(a) 共通すり合わせ三角フラスコ 呼び容量200mlのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 共通すり合わせ三角フラスコ200mlに溶存酸素を含まない水50mlを入れ,試料60gを加え穏やか
に振り混ぜる。
(b) 約20℃に冷却した後,よう化カリウム溶液 (20g/l) 0.1mlを加えて穏やかに振り混ぜた後,二硫化炭
素1mlを加える。
(c) 10秒間激しく振り混ぜた後,30秒以内に二硫化炭素層に紅色が現われないことを確認する。
4.7 水銀 (Hg)
(1) 要旨 試料を水で薄め,テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液を加える。この液に通気して水銀蒸気を
発生させ,原子吸光分析装置に導入して指示値を読み取り,水銀の含有量を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) よう化カリウム溶液 (200g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(b) テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (6g/l) テトラヒドロほう酸ナトリウム(純度96%以上のもの)
1.5gとJIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム1.25gを水に溶かし,水を加えて250mlとしたもの。
(c) 塩酸 (1+19) 塩酸(1)50mlに水を加えて1lとしたもの。
(d) 硝酸 (1+1) IS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸50mlに水を加えて100mlとしたもの。
(e) 水銀標準液 (1 最 最一 2)に規定する水銀標準液 (0.001mgHg
(f) 水銀標準液 (1 ngHg/ml) (e)の水銀標準液 (1 最 最一 フラスコ1 000mlにとり
(1+1) 10mlを加え,水を標線まで加えたもの (0.001最 最一
注(1) 空試験値がこの試験に支障がないもの。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 原子吸光分析装置
(b) 水銀還元気化装置 図1に示す還元気化装置。
(c) はかり瓶 JIS R 3503に規定する筒型はかり瓶45×60 mmのもの。
(d) 還元容器 呼び容量200mlのガラス瓶又は三角フラスコ(100mlの位置に印を付けておく)。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 還元気化装置を組み立てる。
(b) 試料20gをはかり瓶に0.1gのけたまではかりとり,あらかじめ水50mlを入れた還元容器に振り混
ぜながら徐々に加え,はかり瓶内を少量の水で洗い,洗液も還元容器に移し入れ,水を加えて100ml
とする。
(c) この溶液に手早くよう化カリウム溶液 (200g/l) 5mlと塩酸 (1+19) 4mlを加え,更にテトラヒドロほ
う酸ナトリウム溶液 (6g/l) 2mlを加えて還元容器を直ちに還元気化装置に取り付ける。あらかじめ
設定した最適流量で空気ポンプを作動させ,発生した水銀蒸気を吸収セルに導き,波長253.7nmの
指示値を読み取る。
(d) バイパスコックを開いて指示値が元に戻るまで通気を続ける。
(e) 空試験は,還元気化器に水100mlを入れ,同様に(c)(d)の操作を行って指示値を読み取る。この指
示値を用いて(b)で得た指示値を補正する。
(f) 還元容器に水銀標準液 (1ngHg/ml) 020mlを段階的にとり,水を加えて100mlとした後,(b)(c)
の操作を行い,指示値を読み取る。この指示値を水銀標準液 (1ngHg/ml) 0mlについて得た空試験の
指示値で補正した後,水銀の質量 (ng) と指示値との関係線を作成し,検量線とする。検量線の作
――――― [JIS K 9902 pdf 7] ―――――
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成は,試料測定時に行う。
(5) 計算 水銀の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。
V
C
20
ここに, C : 水銀の含有率 (ppb)
V : 検量線から求めた水銀の質量 (ng)
20 : 試料の質量 (g)
図1 還元気化装置の一例
4.8 けい素 (Si)
(1) 要旨 試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に水酸化ナトリウム溶液を加えて溶かし,水で一定量に薄めた
後,誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定してけい素の含有量を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/l) IS K 8576に規定する水酸化ナトリウム4gをとり,水に溶かし
て1lとする。使用時に調製する。
(b) けい素標準液 (0.01mgSi/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 誘導結合プラズマ発光分光分析装置
(b) 白金皿 JIS H 6202に規定する100番のもの。
(c) 加熱板 電熱ホットプレートなど。
(d) 目盛付試験管 容量20mlの合成樹脂製のもので,5mlの標線における体積を確認して用いる。
(4) 誘導結合プラズマ発光分光分析装置の操作条件 操作条件は,JIS K 8007の9.(3.2)による。
(5) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料100gを白金皿に1gのけたまではかりとり,加熱板上で蒸発乾固して冷却する。
(b) 蒸発残留物に水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/l) 0.5mlを加えて加熱して溶かす。
(c) 冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れる。白金皿を少量の水で洗い,洗液も目盛
付試験管に移し入れる。水を5mlの標線まで加えて,よく振り混ぜる。
――――― [JIS K 9902 pdf 8] ―――――
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(d) この溶液を,誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,251.612nmにおける発光強度を測定す
る。
(e) 空試験は,同様に(b)(d)の操作を行って発光強度を測定し,この発光強度を用いて(d)で得た発光
強度を補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)。
(f) けい素標準液 (0.01mgSi/ml) 02mlを段階的に数個の白金皿にとり,(b)(d)の操作を行って発光強
度を測定する。この発光強度をけい素標準液 (0.01mgSi/ml) 0mlについて得た空試験の発光強度で補
正した後,けい素の質量 (mg) と発光強度との関係線を作成し検量線とする。検量線は,試料測定
時に作成する。
(6) 計算 けい素の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
C 100 1000
ここに, C : けい素の含有率 (ppm)
V : 検量線から求めたけい素の質量 (mg)
100 : 試料の質量 (g)
4.9 その他の金属元素
4.9.1 電気加熱方式原子吸光法
(1) 要旨 試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加えて加熱して溶かし,水で一定量に薄めて電気加熱
方式原子吸光分析装置に導入して指示値を読み取り,各元素の含有量を求める。
測定する元素は,リチウム,ナトリウム,カリウム,銅,銀,金,ベリリウム,マグネシウム,カ
ルシウム,ストロンチウム,バリウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,インジウム,タリウム,
鉛,バナジウム,クロム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト及びニッケルの24元素とする。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硝酸 (1mol/l) IS K 9901に規定するものを用いて調製する。
(b) 王水 塩酸(1)とJIS K 9901に規定するものを使用時に体積比で3 : 1に混合して用いる。
(c) 標準液 JIS K 8001の4.3(2)に規定するもの,又はJISに規定する金属標準液。市販のものを用い
てもよい。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 電気加熱方式原子吸光分析装置 バックグラウンド補正が可能なもの。発熱体は,黒鉛製(又はパ
イロコーティングしたもの)又は耐熱金属製を用いる。
(b) 平底蒸発皿 呼び容量100mlの石英ガラス製のもの。
(c) 加熱板 電熱ホットプレートなど。
(d) 目盛付試験管 容量20mlの合成樹脂製のもので,10mlの標線における体積を確認して用いる。
(e) プッシュボタン式液体用微量体積計 JIS K 0970に規定する容量10100
(4) 電気加熱方式原子吸光分析装置の操作条件 操作条件は,JIS K 0121によって次の項目について設定
するほか,取扱説明書による。
(a) 分析線波長 表2による
――――― [JIS K 9902 pdf 9] ―――――
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表2 分析線波長
単位 nm
リチウム 670.8 カルシウム 422.7 鉛 283.3
ナトリウム 589.0 460.7
ストロンチウム バナジウム 318.4
カリウム 766.5 バリウム 553.6 クロム 357.9
銅 324.8 亜鉛 213.9 モリブデン 313.3
銀 328.1 カドミウム 228.8 マンガン 279.5
金 242.8 アルミニウム 309.3 鉄 248.3
ベリリウム 234.9 インジウム 325.6 コバルト 240.7
マグネシウム 285.2 タリウム 276.8 ニッケル 232.0
(5) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料100gを平底蒸発皿に1gのけたまではかりとり,加熱板上で蒸発乾固し,冷却する。
(b) 蒸発残留物に硝酸 (1mol/l)(2)5mlを加え,加熱して溶かす。
(c) 冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れ,少量の水で蒸発皿を洗い,洗液も試験管
に入れる。水を10mlの標線まで加え,よく振り混ぜる(A液)(リチウム,カリウム,銅,銀,金,
ベリリウム,ストロンチウム,バリウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,インジウム,タリウ
ム,鉛,バナジウム,クロム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト及びニッケル測定用)。
(d) 液1mlを目盛付試験管に正確にとり,水を10mlの標線まで加えてよく振り混ぜる(B液)(ナト
リウム,マグネシウム及びカルシウム測定用)。
(e) 液,B液の一定量をプッシュボタン式液体用微量体積計を用い,目的元素の条件に設定した電気
加熱方式原子吸光分析装置に導入し,各元素の分析線波長における指示値を読み取る。
(f) 空試験は,同様に(b)(e)の操作を行って指示値を読み取り,この指示値を用いて(e)で得た指示値を
補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)。
(g) 各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計を用いて,段階的に数個の目盛付試験管にと
り,硝酸 (1mol/l)(2)5mlを加え,水を10mlの標線まで加えてよく振り混ぜた後,(e)の操作を行う。
この指示値を(f)で得た空試験の指示値で補正した後,元素の質量 (mg) と指示値との関係線を作成
し,検量線とする。検量線は,試料測定時に作成する。
注(2) 金の定量の場合には,硝酸 (1mol/l) 5mlに代えて王水1mlを用いる。
(6) 計算 各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。
6
C 10
ここに, C : 元素の含有率 (ppb)
V : 検量線から求めた元素の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.9.2 誘導結合プラズマ発光分光分析法
(1) 要旨 試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加えて加熱して溶かし,水で一定量に薄めて誘導結合
プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定して各元素の含有量を求める。
測定する元素は,リチウム,銅,ベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリ
ウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,チタン,ジルコニウム,バナジウム,モリブデン,マンガ
ン,鉄及びコバルトの17元素とする。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硝酸 (1mol/l) 4.9.1(2)(a)による。
――――― [JIS K 9902 pdf 10] ―――――
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JIS K 9902:1994の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 9902:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8007:1992
- 高純度試薬試験方法通則
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8355:2006
- 酢酸(試薬)
- JISK8355:2021
- 酢酸(試薬)
- JISK8371:2006
- 酢酸ナトリウム三水和物(試薬)
- JISK8506:2017
- 臭化カリウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8732:2011
- 二硫化炭素(試薬)
- JISK8800:2012
- フェノールレッド(試薬)
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISR1302:1980
- 化学分析用磁器蒸発ざら
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方