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M 8706 : 2015
この規格で規定していないふるい分けの一般通則は,JIS Z 8815による。
受入れ試料の検査及び外観の記録
試料を乾燥するか・
ふるい分けは乾式か湿式か・
試料を脱磁するか・
試料は操作過程で粉化するか・
試料質量の推定
βPM選定(JIS M 8702)
ふるい分け最小質量の計算(6.2.2参照)
いいえ はい
試料の質量 >>最小質量
縮分するか・
不要 要
併行精度及び測定結果の許容差(9.3参照)
機器,ふるい分け時間及びふるい分け手順の選定(箇条4参照)
粒度測定手順の実行
図1−粒度測定手順の選択に関する決定の例
――――― [JIS M 8706 pdf 6] ―――――
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4.2 試験目的
粒度試験の主な目的は,次の二つとする。
a) 一つ以上の規定粒度を測定するふるい(以下,規定ふるいという。)のふるい下又はふるい上の試料質
量を測定し,質量分率(%)を算出すること。ふるいの目開きの選択は,要求される規定粒度によっ
て決定するが,最大粒度及び装入量の制約を満足するために,中間目開きの必要性も考慮して決定し
なければならない(4.5及び4.6参照)。
b) 全粒度分布曲線を作成すること。ふるいの目開きの選択は,要求される曲線精度及び装入量の制約を
満足する条件を考慮して行う。
4.3 鉱石類の特性の影響
4.3.1 水分含有量の影響
粒度試料の水分含有量が縮分及びふるい分けに及ぼす影響を,粒度測定手順を決める前に検討しておく
のがよい。
試料が粘着性をもつか又は過度の水分を含んでいることによって,縮分又はふるい分けを行うことが困
難な場合は,試料を恒量まで乾燥しなければならない。その乾燥手順は7.1による。
粒度試料を部分乾燥することは,残留水分の影響によって粒度区分ごとに適切にふるい分けることがで
きないおそれがある。したがって,粒度試料の部分乾燥は,受入れ時水分基準の場合を除いて行ってはな
らない。
4.3.2 粉化の影響
一部の鉄鉱石,特に塊鉱石及び還元鉄では,サンプリング及び粒度試験中に著しく粉化するものがある。
粉化の程度はサンプリング及び粒度試験の仕方によって異なり,したがって同一ロットの試験結果に大き
な差異が生じる。ハンドリング,サンプリング及び粒度試験の設備設計を適切にし,試料の粉化を最小に
抑えるとともに,サンプリング設備は,JIS M 8702及びISO 10835に規定するガイドラインに従って設計
するのがよい。
4.3.3 磁性の影響
ハンドリング過程で使用した磁石の影響で,著しい磁性をもつ鉄鉱石類の粒度試料は,脱磁するか又は
非磁性のふるいを使用するのが望ましい。
4.4 試料の状態
試料は大口試料,数個の小口試料又はインクリメントの形で受け入れる。
JIS M 8702及びISO 10835に規定する試料のサンプリングでは,通常,試験に必要な量より多い試料を
採取するため,全量をふるい分けるのが適切でない場合は,次の試料を縮分してもよい。
a) 大口試料
b) 小口試料
c) インクリメント
d) ふるい分けの途中で得られる試料の一部
縮分及びふるい分け試料の質量に関する規定は,箇条6による。
4.5 ふるい分け方法の選択
4.5.1 粒度測定には,次の二つのふるい分け方法を用いる。
a) 乾式ふるい分け : 水を使用しないふるい分け(附属書I参照)。
b) 湿式ふるい分け : ふるい目より小さい粒子が,そのふるい目を確実に通過するよう,十分な量の水を
使用するふるい分け。
――――― [JIS M 8706 pdf 7] ―――――
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試料調製及びふるい分けの手順のまとめを附属書Bに示す。
4.5.2 乾式ふるい分け及び湿式ふるい分けの結果は,同じにならないことがある。この規格では,この二
つの方法には特に優劣をつけない。還元鉄に対しては,乾式ふるい分けが望ましい。
4.5.3 各粒度区分において,乾式ふるい分け又は湿式ふるい分けを選択する場合(4.5.5参照),規定の試
験精度(11.1参照)を満たすよう決定する。手順の詳細は,作業記録に残さなければならない。
4.5.4 一つの全粒度分布での異なる区分で,乾式ふるい分け及び湿式ふるい分けを組み合わせて採用した
場合は,各区分で採用した方法を報告書に明示しなければならない(箇条10参照)。
4.5.5 乾式ふるい分け又は湿式ふるい分けの選択を行う場合は,次の点を考慮することが望ましい。
a) 受入れ時水分基準用試料の乾式ふるい分けを行う場合は,測定値に著しい誤差が生じないように,装
入試料の水分含有量を十分に低くしなければならない。
b) 湿式ふるい分けは,次の場合に用いるのがよい。
1) かなりの割合の粉が塊に付着する傾向にある又は乾燥すると固まる傾向にある試料。
2) 粉がふるい分け操作中に静電気を帯び,ふるいに強く付着する傾向をもつ試料。
4.6 装入試料の最大粒度
ふるいの破損を避けるため,装入試料の最大粒度は,10×W 0.7を超えてはならない。ここに,Wはふる
いの目開き(mm)である。
ふるいの目開きと装入試料の最大粒度との関係の例を,表1に示す。
表1−ふるいの目開きと装入試料の最大粒度との関係の例
単位 mm
ふるいの目開き 装入試料の最大粒度
W
25 95
11.2 55
4 26
1 10
0.250 3.8
0.045 1.2
4.7 ふるい装入量
4.7.1 一般
単独のふるい,段重ねふるい又は連続式機械ふるいへの試料の装入量は,4.7.2及び4.7.3に規定する制
限があるので,試験対象の粒度分布について,あらかじめ情報を得ておくのが望ましい。
4.7.2 単独のふるい又は段重ねふるいによる非連続式ふるい分けでの装入量
4.7.2.1 一般
ふるいに装入する試料の質量は,ふるい上の試料質量自体の規制及び粉化防止の点から制約を受ける。
試料を幾つかの部分に分けてふるい分けなければならない場合もあるが,結果は一つにまとめなければな
らない。ふるい上試料の最大残留質量は,附属書Cに規定する値,又は4.7.2.2若しくは4.7.2.3による。
試料の最大装入量は,ふるい上試料の最大残留質量に対応して決まるが,ふるい上試料の最大残留質量
の2倍を超えてはならない。
4.7.2.2 ふるいの目開きが4 mm以上の場合
――――― [JIS M 8706 pdf 8] ―――――
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ふるいへの装入量は,ふるい分け完了時点のふるい上試料の最大残留質量が,次のa) 若しくはb) の式
で求めた値以下か,又はc) の目視基準を満たすものでなければならない。これらの式は,ふるいの開口
率(不完全なふるい目は,ふるい目とみなさない。)が40 %を超える場合にだけ適用する。40 %未満の開
口率の場合は,mの値は開口率に比例させて小さくしなければならない。
a) ふるいの目開きが22.4 mmより大きい場合
m=(0.005+0.000 4W) 戀 A
b) ふるいの目開きが4 mm以上22.4 mm未満の場合
m=0.000 7W× 戀 A
a) 及びb) の式において, W : ふるいの目開き(mm)
A : ふるいの面積(m2)
拿 試料のかさ密度(kg/m3)(ISO 3852によって
求める。)
m : ふるい上試料の最大残留質量(kg)
c) ふるい分けの終了時点で,粒子を単一層にひろ(拡)げたとき,ふるい面の3/4を超える面積が覆わ
れてはならない。
4.7.2.3 ふるいの目開きが4 mm未満の場合
4 mm未満のふるいにおける,ふるい上試料の最大残留質量は,附属書Cによる。
4.7.3 連続式ふるい分け機での装入量
連続式ふるい分け機の場合,装入速度は一定に,かつ,ふるい分け作業を通して試料がふるい面の50 %
を超える面積を覆わないように,調整しなければならない。
4.8 ふるい分け時間
4.8.1 ふるい分け時間の決定
ふるい分け時間は,主に次の要素の影響を受ける。
a) 試料の性状
b) 最初の装入試料の体積
c) ふるい分けの強さ
d) ふるいの公称目開き
e) 精度の許容限界
ふるい分けが終了する時間を正確に決めることはできないが,その決定において,終点基準(4.8.2)の
適用が可能な場合は,その基準に厳密に基づかなければならない。終点基準を厳密に適用することが現実
的でない場合は,経験に基づく一定時間のふるい分けを行ってもよい。
品質が安定した鉄鉱石類に対する乾式非連続ふるい分け時間の一般的な例を,表2に示す。
表2−非連続ふるい分けによる鉄鉱石類の乾式ふるい分け時間の例
ふるいの目開き ふるい分け時間
mm min
4以上 3
1以上 4未満 5
1未満 20
――――― [JIS M 8706 pdf 9] ―――――
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4.8.2 終点基準
ふるい分けの終点基準(ふるい分けの終点を決定する手順)は,7.6による(附属書I参照)。
注記 この手順は,JIS Z 8815に基づく。
4.8.3 連続式ふるい分け機の場合の滞留時間
滞留時間は,試料の装入速度,試料がふるい目を通り抜ける速さ及びふるい面の表面に沿って進む速さ
によって決まる。これらは,装置の種類,ふるい面の傾斜及びふるい分ける試料の特性に依存する。
5.2に規定する要求事項を満足するために,装置の諸設定は,粉化を最小限に抑え,ふるい分け効率が最
大となるよう,最適化しなければならない。
5 装置
5.1 ふるい面
5.1.1 ふるい目の形状
ふるい目の形状は,JIS Z 8801-1及びJIS Z 8801-2に規定する正方目とする。
5.1.2 ふるいの目開き
ふるいの公称目開きは,ISO 565に規定するR 20及びR 40/3の系列から選ぶ(附属書D参照)。
注記 JIS Z 8801-1ではR 20/3及びR 40/3(ただし,一部R 20及びR′ 10を含む。)の系列を,JIS Z 8801-2
ではR 20の系列を規定している。
5.1.3 ふるい面の材料
ふるい面の材料は,JIS Z 8801-1及びJIS Z 8801-2によるものとし,その使用方法の区別は,次による
(附属書I参照)。
a) 4 mm以下の目開きに対しては,金属製織網(以下,織網という。)を用いる。
b) 4 mmを超え16 mm以下の目開きに対しては,織網又は打抜き鋼板のいずれかを用いる[d) 参照]。
c) 16 mmを超える目開きに対しては,打抜き鋼板を用いることが望ましい。織網を用いてもよいが,目
開きの許容誤差が打抜き鋼板より大きいことを考慮に入れておかねばならない。
d) 一つの粒度測定において,織網から打抜き鋼板に1回だけ切り替えてよい。この切替え点は,それぞ
れの粒度測定の操作ごとに定め,その後の全ての測定に適用しなければならない。
5.1.4 手動又は機械段重ねふるい分けのふるいの枠
手動ふるい分け又は機械段重ねふるい分けに使用する試験用ふるいには,JIS Z 8801-1及びJIS Z 8801-2
に規定する枠を付ける。枠は円形又は四角とする。代表的な段重ねふるい分け装置を附属書Eに示す。
試験用ふるい以外のふるいは,互いに,また,蓋及び受け器と隙間無く重なるような枠を付けなければ
ならない。枠は滑らかで,粒子の挟まりや粉の損失がないような構造であることが望ましい。
5.2 ふるい分け装置
ふるい分け装置は,対象とする規定粒度又は指定されたふるいの目開きでの測定結果が,7.4.3又は7.4.4
に示す基準方法による測定結果に対し偏りがなければ使用してよい。基準方法に対する偏りの検証は,JIS
M 8709に規定する手順によって行う。ふるい面は目詰まりがないよう管理しなければならない(附属書F
参照)。
5.3 湿式ふるい分けの附属品
湿式ふるい分けを行うときは,5.1及び5.2で規定した装置に加え,附属品として,制御可能な給水装置,
散水ノズル及び適切な場所に設置した集水タンクを準備する。図2にこれら附属品を組み合わせた湿式ふ
るい分け装置の簡単な構成の例を示す。125 満の目開きのふるいで湿式ふるい分けを行う場合は,次
――――― [JIS M 8706 pdf 10] ―――――
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JIS M 8706:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 4701:2008(MOD)
JIS M 8706:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.10 : 鉄鉱石
JIS M 8706:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISM8700:2013
- 鉄鉱石及び還元鉄―用語
- JISM8702:2019
- 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法
- JISM8704:2015
- 鉄鉱石―ロットの質量及び品質特性値の決定方法
- JISM8705:2015
- 鉄鉱石―ロットの水分決定方法
- JISM8708:2005
- 鉄鉱石―サンプリング,試料調製及び測定の精度を確認する実験方法
- JISM8708:2021
- 鉄鉱石―サンプリング,試料調製及び測定の精度を確認する実験方法
- JISM8709:2006
- 鉄鉱石―サンプリングの偏りを調査する実験方法
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
- JISZ8801-2:2000
- 試験用ふるい―第2部:金属製板ふるい
- JISZ8815:1994
- ふるい分け試験方法通則