この規格ページの目次
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R 1705 : 2016
5.1.2.5 クリーンベンチ 微生物試験用のもので,送風を停止できるもの。
5.1.2.6 白金耳 先端のループが約24 mmのもの。
5.1.2.7 培養器 目的とする温度±2 ℃を保持できるもの。
5.1.2.8 ガラス板 微生物の発育に影響を及ぼさない材質のもの。
5.1.2.9 ピペット JIS K 0970又はJIS R 3505のクラスAに適合又は同等の精度のもの。
5.1.2.10 試験管ミキサー 理化学実験用のもの。
5.1.2.11 超音波洗浄器 実験器具洗浄用の小形のもので,周波数が3050 kHz前後のもの。
5.1.2.12 ストマッカー袋 微生物試験用のもの。
5.1.2.13 密着フィルム JIS R 1702に規定する,微生物の発育に影響を及ぼさない材質で,吸水性がなく,
密着性がよく,340380 nmの透過率が85 %以上のフィルム。
5.1.2.14 保湿用ガラス JIS R 1702に規定する,厚みが1.1 mm以内で,340380 nmの透過率が85 %以
上のガラス板をシャーレ全面が覆えるサイズに切断したもの。
5.1.2.15 保存シャーレ 内径約90 mmのJIS K 0950に規定する90A号又は90B号に適合するもの。
5.1.2.16 調湿用ろ紙 JIS P 3801に規定する微生物の発育に影響を及ぼさないろ紙で,試験片を置くシャ
ーレに入るよう裁断されたもの。
5.1.2.17 ガラス管・ガラス棒 JIS R 3644に規定するガラス管又はJIS R 3645に規定するガラス棒を保存
シャーレに入るよう切断したものか,U字状に折り曲げたもの。
5.1.2.18 紫外線蛍光ランプ JIS R 1709に規定するもの。
5.1.2.19 光照射装置 JIS R 1702に規定するもの。
5.1.2.20 紫外放射照度計 JIS R 1709に規定するもの。
注記 試験管,ピペット,ピンセットなどは,アルカリ性洗剤又は中性洗剤で丁寧に洗浄し,水で十
分にすすぎ,乾燥してから乾熱殺菌又は高圧蒸気殺菌する。
5.2 殺菌方法
5.2.1 乾熱殺菌
殺菌しようとするものを,160180 ℃の乾熱殺菌器に入れ,3060分間加熱する。乾熱殺菌終了後,
殺菌対象物の綿栓,包装紙などが水でぬれたときは,その器具は使用してはならない。
5.2.2 高圧蒸気殺菌
オートクレーブに水を入れ,殺菌しようとする器具などを金網かごに入れてオートクレーブ内の棚に載
せる。オートクレーブの蓋を固く締めて加熱を開始し,温度121 ℃(圧力103 kPa相当)で1520分間加
熱する。加熱を止めて100 ℃以下まで自然冷却した後,排気弁を開いて残存する蒸気を抜き取り,蓋を開
けて殺菌した器具などを取り出す。殺菌済みの器具などは,必要に応じてクリーンベンチ内で更に冷却す
る。
なお,オートクレーブ内部は,培地,加工薬剤などからの汚染を防ぐため,必要に応じて洗浄して常に
清浄にする。
5.2.3 火炎殺菌
殺菌しようとするものを,ガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は,十分に赤熱し,試験
管口の場合は,回しながら全体的に23秒間火炎に当てる。
5.2.4 薬剤殺菌
手指などの場合は,エタノール(7781 %),日本薬局方消毒用エタノール,塩化ベンザルコニウム溶
液(0.11 %)又はこれらを組み合わせた薬剤を用いて殺菌する。
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5.3 培地
5.3.1 ポテト・デキストロース寒天培地(PDA培地)
大粒できずの少ないジャガイモを水でよく洗って皮をむき,芽の部分は,深くえぐって周囲約10 mmま
で除去した上で,約10 mmのさい(賽)の目切りにする。その200 gをとり,精製水1 000 mLを加えて直
火で1時間煮沸する。内容物を直ちに数枚のガーゼでろ別し,精製水を加えて1 000 mLとしたものにグル
コース20 gと寒天20 gとを加えて,更に内容物を十分に溶解させた後,オートクレーブによって殺菌を行
う。また,同組成の市販粉末培地又は市販平板培地を,それぞれの調製方法に従い用いてもよい。
5.3.2 斜面培地(スラント)
乾熱殺菌した試験管の中に,あらかじめ加温して完全に溶解した5.3.1のポテト・デキストロース寒天培
地を適量注ぎ込み,綿栓をしてオートクレーブで殺菌する。殺菌後,熱いうちに試験管を水平から15°程
度傾けて固定し,培地を固化させる。この角度によって試験管内の培地の角度及び表面積が変化するが,
傾けすぎて培地が綿栓に接触しないようにする。
完全に冷却した斜面培地は,510 ℃で保存する。斜面培地は,調製してから30日間以上経過したもの
は用いてはならない。
5.4 かびの保存及び使用
5.4.1 かびの保存
試験用のかびの移植及び胞子の取扱いは,クリーンベンチ又はクリーンベンチと同等の清浄さを保った
環境で行う。元株の試験管及び移植用試験管の綿栓及び首部は,火炎殺菌又は5.2.4の薬剤による拭き取
りを行い,試験管立てに立ててクリーンベンチの中に入れる。次に,元株から1白金耳程度をか(掻)き
取り,培地斜面下端の凝結水に,白金耳にかき取ったかび胞子を分散し,ここから培地斜面上端まで直線
又は波状にかび胞子をなす(擦)り付ける(図1参照)。白金耳は,異なったかびを移植するたびに火炎
殺菌する。プラスチック製殺菌白金耳の場合は,移植のたびに白金耳を替える。移植した斜面培地は,培
養器に入れ26±2 ℃で,アスペルギルス ニゲルは7日間,ペニシリウム ピノヒルムは14日間培養し,
十分に胞子を産生していることを確認した後,510 ℃で保存する。
移植してから90日以内に培養株から新しい斜面培地に移植して培養保存し,以後,90日以内ごとに移
植を繰り返す。移植してから90日を超えて経過したものは,次の移植に用いてはならない。
図1−斜面培地への移植
5.4.2 かびの使用
5.5の胞子懸濁液に用いるかびは,5.4.1によって保存されたかびを新しい斜面培地に移植し,26±2 ℃
で,アスペルギルス ニゲルは7日間,ペニシリウム ピノヒルムは14日間培養する。培養後,510 ℃
で保存し,10日以内に使用する。
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5.5 胞子懸濁液
5.5.1 湿潤液・回収液・希釈液の調製
ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム(Dioctyl sodium sulfosuccinate)50 mg及び塩化ナトリウム9 gを
精製水1 000 mLに溶解し,三角フラスコなどに小分けしてオートクレーブで殺菌する。
5.5.2 胞子数の計測
胞子数は,ヘモサイトメーター(血球計算盤)を用いて,顕微鏡下で計測する。
5.5.3 胞子懸濁液の調製
5.4.2の保存培養試験管内に5.5.1の湿潤液を適量注ぎ入れ,ピペッティング又は白金耳のループを利用
して培養面を軽くこす(擦)って胞子を離脱させ,数枚の殺菌したガーゼ又は脱脂綿でろ過する。ろ過後,
ペニシリウム ピノヒルムについては,更にピペッティング又は試験管ミキサーによって十分に胞子を分
散させる。アスペルギルス ニゲルについては胞子が凝集しやすいため,超音波洗浄器を用いて周波数30
50 kHzで5分間超音波による処理を行い,胞子を十分に分散させる。
調製した胞子懸濁液の胞子数を5.5.2の方法で計測する。この計測のときに,胞子が凝集して胞子塊又は
連鎖をしていないかを確認する。胞子の凝集又は連鎖が多数認められた場合は,分散の作業をやり直す。
計測値から希釈率を算出して胞子濃度5.0×105個/mLに,5.5.1の希釈液を用いて希釈する。実際の胞
子数は,8.5.1の胞子懸濁液接種直後の試験片の測定で確認する。
調製した胞子懸濁液は,使用するまで510 ℃で保存する。調製後,24時間以上経過した胞子懸濁液は,
試験に用いてはならない。
6 生残胞子数の測定
生残胞子数の測定は,次の10倍希釈法による混釈平板培養によって行う。
8.5.1の回収原液(洗い出し液)を殺菌したピペットで1 mL採取し,5.5.1の希釈液9.0±0.1 mLの入っ
た試験管に加えて十分にかくはんする。この操作を,順次,繰り返して10倍希釈系列液を作製し,回収原
液及び各希釈系列液を,それぞれ別のシャーレ2枚に新しい殺菌ピペットで1 mL入れる。ここに,45
48 ℃に保温した5.3.1のポテト・デキストロース寒天培地1520 mLを注ぎ入れ,シャーレを軽く水平に
回して蓋をした後,15分間室温で静置する。培地が固化したら26±2 ℃で,通常7日間培養する。培養後,
1099個のコロニーが現れた希釈系列のシャーレのコロニー数を計測する。また,回収原液でコロニー数
が19個の場合は,それを計測する。回収液の生残胞子濃度を,式(1)によって有効数字2桁まで求める。
S=K×D (1)
ここに, S : 胞子濃度(個/mL)
K : 2枚のシャーレのコロニー数の平均値(個)
D : 希釈倍率
回収原液のコロニー数が“<1”の場合の胞子数は,平均値を“1”として計算する。
なお,コロニーの発育が良好で7日間の培養では計測不能と予想された場合は,7日以内の培養で計測
してもよい。ただし,コロニーが全く現れない場合は,必ず7日間培養して確認する。
7 光照射方法
7.1 紫外放射照度の測定及び試験片設置位置の準備
光照射装置の床面に紫外放射照度計の受光部を据え付け,受光部の上に試験に使用するフィルム及びガ
ラス板を置く。指示値を読み取りながら,7.2に規定する紫外放射照度が得られる位置を決め,試験片の設
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置位置とする。
なお,紫外放射照度を測定するときは,紫外放射照度を安定化させるため,照射装置の光源を15分間以
上予備点灯しておく。
7.2 光照射条件
紫外放射照度は,実際に製品が使用される状況に応じて0.8 mW/cm2を上限として試験を行う。
注記 この試験に用いる光照射装置の紫外放射照度の上限は,約1.0 mW/cm2である。しかし,0.8
mW/cm2以上の場合,紫外線ランプからの放熱及びそれに伴う胞子懸濁液の乾燥によって,胞
子が死滅するおそれがある。このため,0.8 mW/cm2を上限として,紫外放射照度を設定する。
7.3 胞子懸濁液を接種した試験片の光照射
胞子懸濁液を接種した試験片(光触媒抗かび加工した試験片3個及び光触媒抗かび加工していない試験
片3個)の入った保存シャーレを温度25±5 ℃で,24時間光照射する。
注記 光触媒抗かび加工製品が実際に使用される状況を考慮して,光照射時間を短くしてもよい。
7.4 胞子懸濁液を接種した試験片の暗条件での保存
胞子懸濁液を接種した試験片(光触媒抗かび加工した試験片3個及び光触媒抗かび加工していない試験
片3個)の入った保存シャーレを温度25±5 ℃で,7.3と同じ時間,暗所で保存する。
注記1 保存シャーレを覆う保湿用ガラスの代わりに,保存シャーレの蓋を代用してもよい。
注記2 暗所で保存する場合,試験片に光が当たらないように,保存シャーレをアルミニウムはくで
被覆したり,暗箱などに保存してもよい。
8 試験方法
8.1 試験片の採取
平板状製品の平たんな部分を50±2 mm角(厚さ10 mm以内)の正方形に切り取り,これを標準の大き
さの試験片とする。この試験片の大きさで,光触媒抗かび加工していない試験片を9個,光触媒抗かび加
工された試験片を6個準備する。ただし,平板状製品を50±2 mm角(厚さ10 mm以内)の正方形に切り
取ることが困難な場合又は不可能な場合,表面積4001 600 mm2のフィルムが被覆できる試験片の大きさ
であれば,ここに規定する形状及び大きさ以外の試験片を使用してもよい。また,光触媒抗かび加工して
いない試験片が準備できない場合は,同じ大きさのガラス板を代用してもよい。試験片の調製に当たって
は微生物汚染,製品間の相互汚染及び汚れの付着に十分注意する。試験片は製品自体から採取することが
望ましいが,製品の形状などから試験片の調製が困難な場合は,同じ原材料及び加工方法で,別途,平板
状に加工したものから試験片を調製してもよい。また,試験片の表面が有機物で汚染されている場合は,
汚染有機物を除去するための予備作業として,0.8 mW/cm2程度の光源で24時間を上限として照射しても
よい。
8.2 試験片の用途
光触媒抗かび加工をしていない製品又はガラス板から切り取った試験片9個のうち,3個は胞子懸濁液
接種直後の生残胞子数測定用に,3個は所定時間光照射後の生残胞子数測定に,残りの3個は所定時間暗
所に保存した後の生残胞子数測定用に用いる。
光触媒抗かび加工された試験片6個のうち,3個は所定時間光照射後の生残胞子数測定用に,残りの3
個は所定時間暗所に保存した後の生残胞子数測定用に用いる。
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8.3 試験片の清浄化及び設置
8.3.1 試験片の清浄化
8.1の試験片全面をエタノール又は日本薬局方消毒用エタノールを吸収させたガーゼ又は脱脂綿で軽く2,
3回拭いた後,十分に乾燥させる。
これらの処理によって,試験片の軟化,塗装の溶解,成分の溶出などの変化が起こり,これが原因で試
験の結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,8.1によって紫外放射によって清浄化するか,又は
清浄化せずにそのまま試験に用いる。
8.3.2 試験片の設置
殺菌済み保存シャーレの底に,殺菌済み調湿用ろ紙を置き,殺菌水を適量入れ,試験片とろ紙とが直接
触れないようにガラス管又はガラス棒を置き,その上に光触媒抗かび加工が施されている面を上にして試
験片を置く(図2参照)。
単位 mm
図2−試験片及び保湿ガラスなどの組立
試験面は光触媒抗かび加工された製品の表面とする。内部まで光触媒抗かび加工された製品であっても,
切断面は試験面としない。
注記 殺菌水の量は,ろ紙の種類によって吸水量が異なるため,57 mLの範囲で調整するとよい。
8.4 胞子懸濁液の接種
胞子懸濁液をピペットで正確に0.1 mL採取し,これを8.3.2の各試験片に滴下する。滴下した胞子懸濁
液の上に殺菌した密着フィルムをかぶせ,胞子懸濁液がフィルムの端からこぼれないように注意しながら
液が密着フィルム全体にいきわたるように軽く押さえた後,保湿用ガラスを載せ(図2参照),7.3及び7.4
の試験を行う。
なお,標準の大きさ以外の試験片の胞子接種量は,被覆した密着フィルムの面積比で案分する。標準の
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JIS R 1705:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13125:2013(MOD)
JIS R 1705:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.30 : ニューセラミックス
JIS R 1705:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0950:1988
- プラスチック製滅菌シャーレ
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8263:2020
- 寒天(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR1600:2011
- ファインセラミックス関連用語
- JISR1702:2020
- ファインセラミックス―光触媒抗菌加工材料の抗菌性試験方法及び抗菌効果
- JISR1709:2014
- ファインセラミックス―紫外線励起形光触媒試験用光源
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISR3644:1998
- ガラス管類
- JISR3645:1998
- ガラス棒