JIS R 9101:2018 せっこうの化学分析方法 | ページ 2

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3.1
水分
せっこう中の化合水を除く付着水。
3.2
ICP発光分光分析
誘導結合プラズマによって測定対象元素を気化励起し,得られる原子スペクトル線の発光強度を測定す
ることによって定量する分析方法。
3.3
標準原液
試薬を用いて直接,調製した標準溶液又は化学分析用に用いるファクターが明記されている市販の標準
溶液。
3.4
標準溶液
標準原液を希釈した溶液。

4 分析項目

  この規格で規定する分析項目は,次とする。
a) 水分,Wf
b) 化合水,Wc
c) 二酸化けい素+不溶残分,GS,i
d) 酸化アルミニウム+酸化鉄(III),GAF
e) 酸化鉄(III),GF
f) 酸化カルシウム,GC
g) 酸化マグネシウム,GM
h) 三酸化硫黄,Gs3
i) 二酸化硫黄,Gs2
j) 二酸化炭素,Gc2
k) 酸化ナトリウム及び酸化カリウム,GN,GK
l) ふっ素,Gf
m) 全りん酸,GtP
n) 水溶性りん酸,GsP
o) 塩素,Gc
p) 遊離酸,GH
q) H

5 試料の調製及び保存

  試料は,次によって採取調製し,外気の影響を受けない気密な容器に保存する。
a) 天然せっこう 試料は,JIS M 8100によって採取し,水分定量用試料は約4 mm以下の細かさとし,
水分以外の分析用試料は,JIS Z 8801-1に規定する標準網ふるい250 μmを全量通過したものとする。
採取した試料が著しく湿っていて粉砕・縮分に適さない場合には,粉砕・縮分できるまで自然乾燥

――――― [JIS R 9101 pdf 6] ―――――

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によるか,又は40±2 ℃の空気浴で24時間以上乾燥を行う。
なお,250 μmでは,試料の均一性を保証できない場合は,150 μmを全量通過したものとする。
b) 化学せっこう a)と同様に採取・調製する。
c) 焼せっこう JIS R 9112の箇条3(試料の採取方法)に規定する方法によって調製した試料を水分定
量用試料とする。また,これを40±2 ℃に調節した空気浴で恒量になるまで乾燥し,水分以外の分析
用試料とする。

6 一般事項

  分析方法に共通な一般事項は,通常,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116,JIS K 0121,JIS K 0122及
びJIS Z 8802による。
警告 各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければならない。

7 分析結果のまとめ方

  分析値のまとめ方は,次による。分析を行うに当たっては,全操作を通じて空試験(blank test)を行い,
測定値を補正する。分析操作を参考として附属書Aに示す。
a) 水分は,受け入れたままの試料に対する百分率で表し,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。
b) 化合水,酸化カルシウム及び三酸化硫黄は,乾燥した試料に対する百分率で表し,JIS Z 8401によっ
て小数点以下1桁に丸める。
c) 二酸化けい素+不溶残分,酸化アルミニウム+酸化鉄(III),酸化鉄(III),酸化マグネシウム,二酸
化硫黄,二酸化炭素,酸化ナトリウム,酸化カリウム,ふっ素,全りん酸,水溶性りん酸,塩素及び
遊離酸は,乾燥した試料に対する百分率で表し,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
d) Hは,JIS Z 8401によって小数点以下1桁に丸める。

8 水分の定量方法

8.1 方法の区分

  水分の定量は,質量法による。ただし,天然せっこう及び化学せっこうの場合と焼せっこうの場合とで,
試料のはかりとり量が異なる。

8.2 要旨

  試料を40±2 ℃で恒量となるまで乾燥したときの減量をはかり,水分の付着率を求める。

8.3 天然せっこう及び化学せっこう

8.3.1  試料はかりとり量
試料は,約200 gを0.1 gまで正しくはかりとる。
8.3.2 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 試料を質量既知の適切な乾燥皿にはかりとり,乾燥しやすいように10 mm程度の厚さの薄層に広げ
る。これを40±2 ℃に調節した空気浴で2時間乾燥し,デシケーター中で冷却した後,質量をはかる。
b) 以降1時間乾燥し,質量をはかり,前後の質量差が0.5 g以下になるまで繰り返し,減量を求める。
8.3.3 計算
試料中の水分の付着率は,次の式によって算出する。

――――― [JIS R 9101 pdf 7] ―――――

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m
Wf = 100
s
ここに, Wf : 水分の付着率(%)
m : 減量(g)
s : 8.3.1ではかりとった試料の質量(g)

8.4 焼せっこう

8.4.1  試料はかりとり量
試料は,約10 gを0.01 gまで正しくはかりとる。
8.4.2 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 試料を質量既知の平形ひょう(秤)量瓶(60 mm×30 mm)にはかりとり,これを40±2 ℃に調節し
た空気浴で2時間乾燥し,デシケーター中で冷却した後,質量をはかる。
b) 以降1時間乾燥し,質量をはかり,前後の質量差が0.02 g以下になるまで繰り返し,減量を求める。
8.4.3 計算
試料中の水分の付着率は,次の式によって算出する。
m
Wf = 100
s
ここに, Wf : 水分の付着率(%)
m : 減量(g)
s : 8.4.1ではかりとった試料の質量(g)

9 化合水の定量方法

9.1 方法の区分

  化合水の定量は,質量法による。

9.2 要旨

  試料を240260 ℃で恒量になるまで加熱したときの減量をはかり,化合水の含有率を求める。

9.3 試料はかりとり量

  試料は,約1.0 gを0.1 mgまで正しくはかりとる。

9.4 操作

  定量操作は,次の手順による。
a) 試料を質量既知の筒形ひょう(秤)量瓶(30 mm×45 mm)にはかりとり,緩く蓋をして240260 ℃
に調節した電気炉で1時間加熱し,デシケーター中で冷却した後,質量をはかる。
b) 以降30分間乾燥し,質量をはかり,前後の質量差が0.2 mg以下になるまで繰り返し,減量を求める。

9.5 計算

  試料中の化合水の含有率は,次の式によって算出する。
m
Wc = 100
s
ここに, Wc : 化合水の含有率(%)
m : 減量(g)
s : 9.3ではかりとった試料の質量(g)

――――― [JIS R 9101 pdf 8] ―――――

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10 二酸化けい素+不溶残分の定量方法

10.1 方法の区分

  二酸化けい素+不溶残分の定量は,質量法による。

10.2 要旨

  試料を塩酸及び過塩素酸で溶かした後,加熱して二酸化けい素を脱水し,不溶性とした後,可溶分をろ
過する。ろ紙上の二酸化けい素+不溶残分は,加熱して質量をはかる。

10.3 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) 塩酸 (1+1)
b) 過塩素酸(60 %)

10.4 試料はかりとり量

  試料は,約1.0 gを0.1 mgまで正しくはかりとる。

10.5 操作

  定量操作は,次の手順による。
a) 試料をビーカー(200 mL)にはかりとり,少量の水を加えてスラリー状とし,時計皿で覆って塩酸 (1
+1) 5 mLをビーカーの縁から少しずつ加える。
なお,ふっ素を含有している試料については,四ふっ化けい素によるふっ素の揮散を防ぐため,ほ
う酸約1 g及び水約20 mLを加えてスラリー状とし,加熱してほう酸を溶かし,四ふっ化けい素の気
散を防いだ後,塩酸を加える操作に移る。
b) 時計皿を除き,過塩素酸(60 %)5 mLを加えてかき混ぜ,砂浴の温度が砂の中程に温度計を差し込ん
だときに180200 ℃を示すように調節した砂浴上で加熱し,過塩素酸(60 %)の濃い白煙が出始め
たら,再び時計皿で覆い,引き続き10分間加熱する。
c) ビーカーを砂浴から降ろして放冷した後,塩酸 (1+1) 5 mL及び温水約50 mLを加えてかき混ぜ,水
浴上で約15分間加熱する。この間,時々かき混ぜ,ガラス棒の先で固まりを潰して可溶分を完全に溶
かす。
d) ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄する。
なお,洗浄が不十分であると,ろ紙の灰化時に飛散するおそれがある。特に,不溶解物が多い場合
は注意する必要がある。ろ液及び洗液はビーカー(300 mL)に受け,室温まで冷却した後,250 mL
の全量フラスコに洗い移し,水で標線までうすめる。
この溶液を試料溶液(A)とし,酸化アルミニウム+酸化鉄(III),酸化鉄(III),酸化マグネシウ
ム,酸化ナトリウム及び酸化カリウム,全りん酸などの定量に用いる。
e) 不溶解物はろ紙とともに磁器るつぼに入れて乾燥し,緩く蓋をして加熱して,炎の出ないように注意
しながらろ紙を灰化した後,1 000±50 ℃に調節した電気炉で1時間均熱保持し,デシケーター中で
放冷した後,質量を0.1 mgまで正しくはかる。

10.6 計算

  試料中の二酸化けい素+不溶残分の含有率は,次の式によって算出する。
m
GS,i = 100
s
ここに, GS,i : 二酸化けい素+不溶残分の含有率(%)
m : 不溶解物の質量(g)

――――― [JIS R 9101 pdf 9] ―――――

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s : 10.4ではかりとった試料の質量(g)

11 酸化アルミニウム+酸化鉄(III)の定量方法

11.1 方法の区分

  酸化アルミニウム+酸化鉄(III)の定量は,質量法による。

11.2 要旨

  10.5 d)で保存した試料溶液(A)を用い,塩化アンモニウム及びアンモニア水を加えて,アルミニウム
を鉄などとともに沈殿させて,ろ過する。
沈殿物は加熱して質量をはかり,酸化アルミニウム+酸化鉄(III)の含有率を求める。
注記 試料中にりん酸,チタンなどを含有する場合は,これらが共沈する。

11.3 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) 硝酸
b) 塩化アンモニウム飽和溶液
c) アンモニア水 (1+1)
d) 硝酸アンモニウム洗浄液(20 g/L) 硝酸アンモニウム洗浄液は,メチルレッド溶液2,3滴を加え,
溶液の色が赤から黄に変わるまでアンモニア水 (1+1) を滴加して用いる。この溶液を加熱したとき
色が赤に戻ったら,更にアンモニア水 (1+1) を滴加し黄色にしたものを用いる。
e) メチルレッド溶液 調製方法は,JIS K 8001のJA.5(指示薬)による。

11.4 操作

  定量操作は,次の手順による。
a) 10.5 d)で保存した試料溶液(A)から100 mLをビーカー(300 mL)に分取し,硝酸1,2滴を加えて
数分間煮沸する。
b) 塩化アンモニウム飽和溶液10 mL及びメチルレッド溶液1,2滴を加え,かき混ぜながら溶液の色が
赤から黄に変わるまでアンモニア水 (1+1) を滴加し,更に1,2滴過剰に加える。
c) 加熱して12分間煮沸した後,熱源から降ろし,沈殿が沈降したら直ちにろ紙(5種A)でろ過し,
硝酸アンモニウム温洗浄液(20 g/L)で沈殿を約8回洗浄する。
d) 沈殿はろ紙とともに磁器るつぼに入れて乾燥し,緩く蓋をして緩やかに加熱して炎の出ないように注
意しながら,ろ紙を灰化した後,1 000±50 ℃に調節した電気炉で1時間均熱保持し,デシケーター
中で放冷した後,質量を0.1 mgまで正しくはかる。

11.5 計算

  試料中の酸化アルミニウム+酸化鉄(III)の含有率は,次の式によって算出する。
m 250
GAF = v100
s
ここに, GAF : 酸化アルミニウム+酸化鉄(III)の含有率(%)
m : 沈殿の質量(g)
s : 10.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 試料溶液(A)からの分取量(mL)

――――― [JIS R 9101 pdf 10] ―――――

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