JIS R 9101:2018 せっこうの化学分析方法 | ページ 8

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このろ液を試料溶液(C)とし,水溶性りん酸,塩素及び遊離酸の定量に用いる。
b) 試料溶液(C)から20 mLを分取して250 mLの全量フラスコに移し,水で標線までうすめる。その溶
液の水溶性りん酸の含有率に応じて表6に示す量を分取して100 mLの全量フラスコに移し,20.2.4 a)
と同様の操作によって酸濃度を調節する。
c) 20.2.4 b)と同様の操作で呈色させ,20.2.4 c)の操作で吸光度を測定する。
表6−試料溶液の分取量
水溶性りん酸の含有率% 分取量mL
0.10未満 25
0.10以上 0.50未満 10
0.50以上 5
21.2.6 検量線の作成
20.2.5と同様の方法で検量線を作成する。
21.2.7 計算
21.2.6で作成した検量線を用い,21.2.5 c)で測定した吸光度から五酸化りんの濃度を求め,次の式によっ
て試料中の水溶性りん酸の含有率を算出する。
C 103 300 250
GsP = 100
s v 20
ここに, GsP : 水溶性りん酸の含有率(%)
C : 吸光度から求めた五酸化りんの濃度(mg/100 mL)
s : 21.2.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 21.2.5 b)の試料溶液の分取量(mL)

21.3 りんバナドモリブデン酸吸光光度法

21.3.1 要旨
21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)を用い,メタバナジン酸アンモニウム及びモリブデン酸アンモニウム
を加えて,りんバナドモリブデン酸として呈色させ,その吸光度を測定する。
21.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) フェノールフタレイン溶液(10 g/Lエタノール溶液) 17.3 b)で調製したもの。
b) アンモニア水 (1+1)
c) 硝酸 (1+1)
d) 発色試薬溶液 20.3.2 f)で調製したもの。
e) 五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L) 20.2.2 f)で調製したもの。
21.3.3 装置
装置は,吸光光度分析装置を用いる。
21.3.4 操作
定量操作は,次の手順による。
21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)の水溶性りん酸の含有率に応じて表6に示す量を分取して100 mLの
全量フラスコに移し,20.3.5のc)及びd)の操作によって,吸光度を測定する。
21.3.5 検量線の作成
20.3.6と同様の方法で検量線を作成する。

――――― [JIS R 9101 pdf 36] ―――――

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21.3.6 計算
21.3.5で作成した検量線を用い,21.3.4で測定した吸光度から五酸化りんの濃度を求め,次の式によって
試料中の水溶性りん酸の含有率を算出する。
C 103 300
GsP = 100
s v
ここに, GsP : 水溶性りん酸の含有率(%)
C : 吸光度から求めた五酸化りんの濃度(mg/100 mL)
s : 21.2.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 試料溶液(C)からの分取量(mL)

22 塩素の定量方法

22.1 方法の区分

  塩素の定量は,次のいずれかの方法による。
a) 硝酸銀滴定法
b) イオン電極法

22.2 硝酸銀滴定法

22.2.1 要旨
21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)を用い,クロム酸カリウムを指示薬として硝酸銀標準溶液で滴定する。
22.2.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) 炭酸カルシウム
b) 硝酸 (1+10)
c) クロム酸カリウム溶液(50 g/L)
d) 0.05 mol/L硝酸銀標準溶液 硝酸銀8.5 gを水1 Lに溶かし,褐色瓶に保存する。
なお,市販の硝酸銀標準溶液を用いることができる。この溶液は,次のようにして標定する。
500650 ℃で4050分間乾燥した後放冷した塩化ナトリウム約2.9 gを0.1 mgまで正しくはかり
とり,適量の水に溶かして1 Lの全量フラスコに移し,水で標線までうすめる。この溶液25 mLを分
取し,クロム酸カリウム溶液(50 g/L)0.5 mLを加えて硝酸銀標準溶液で滴定し,溶液の色が黄色か
ら赤になったときを終点とする。次の式によって0.05 mol/L硝酸銀標準溶液1 mLの塩素相当量を算
出し,小数点以下5桁に丸める。
m .0606 6.0025
E=
v
ここに, E : 0.05 mol/L硝酸銀標準溶液1 mLの塩素相当量(g)
m : はかりとった塩化ナトリウム質量(g)
v : 0.05 mol/L硝酸銀標準溶液の使用量(mL)
22.2.3 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)から2050 mLの適量を分取してビーカー(200 mL)に入れ,水
を加えて約100 mLとする。
b) 試料溶液のpHが710であることを確認した後,クロム酸カリウム溶液(50 g/L)1 mLを加え,0.05
mol/L硝酸銀標準溶液で滴定し,溶液の色が黄色から赤になったときを終点とする。

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なお,試料溶液のpHが7以下であるときは,溶液に少量の炭酸カルシウムを加えて酸を中和し,
煮沸して炭酸を除き,冷却した後滴定する。pHが10以上であるときは,硝酸 (1+10) を滴下して僅
かに酸性とした後,上記のように炭酸カルシウムで中和する。
22.2.4 計算
試料中の塩素の含有率は,次の式によって算出する。
v1 E 300
Gc = 100
s v2
ここに, Gc : 塩素の含有率(%)
v1 : 0.05 mol/L硝酸銀標準溶液の使用量(mL)
E : 0.05 mol/L硝酸銀標準溶液1 mLの塩素相当量(g)
s : 21.2.4ではかりとった試料の質量(g)
v2 : 試料溶液(C)からの分取量(mL)

22.3 イオン電極法

22.3.1 要旨
21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)を用い,緩衝溶液を加えてpHを5に調節し,塩化物イオン電極を用
いて電位を測定する。
22.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) 緩衝溶液(pH5) 硝酸カリウム100 g及び酢酸50 mLを水500 mLに加えて溶かし,これに水酸化ナ
トリウム溶液(40 g/L)を加え,pH計を用いてpH5に調節し,水を加えて1 Lとする。
b) 塩化物イオン標準原液(1 000 mg/L)
22.3.3 装置
装置は,次による。
a) 電位差計 19.3.3 a)と同じもの。
b) 塩化物イオン電極
c) 参照電極 19.3.3 c)と同じもの。ただし,外筒液には硝酸カリウム溶液(100 g/L)を用いる。
d) マグネチックスターラー 19.3.3 d)と同じもの。
22.3.4 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)から100 mLを分取して,ビーカー(200 mL)に入れる。試料溶液
が酸性の場合には,水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)を用い,アルカリ性の場合には,酢酸 (1+10) を
用いて,あらかじめpHを約5に調節する。また,硫化物イオンが含まれている場合には,酢酸亜鉛
溶液(100 g/L)を加え,硫化物を固定してろ過した後,ろ液をpH5に調節する。これに,緩衝溶液(pH5)
10 mLを加えた後,塩化物イオン電極と参照電極とを浸し,マグネチックスターラーを用いて,泡が
電極に触れない程度に強くかき混ぜる。
b) 液温の測定を行い,電位差計で電位を測定する。塩化物イオン電極の応答時間は,塩化物イオンの濃
度が5 mg/L以上ならば1分間以内である。
22.3.5 検量線の作成
a) 塩化物イオン標準原液(1 000 mg/L)20 mLを200 mLの全量フラスコに分取し,水で標線までうすめ
て,塩化物イオン標準溶液(100 mg/L)を調製する。
b) 塩化物イオン標準溶液(100 mg/L)20 mLを200 mLの全量フラスコに分取して,塩化物イオン標準溶

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液(10 mg/mL)を調製し,更にこれを10倍にうすめて塩化物イオン標準溶液(1 mg/mL)を調製する。
c) 段階的に調製した塩化物イオン標準溶液(11 000 mg/L)のそれぞれ100 mLをビーカー(200 mL)
にとり,緩衝溶液(pH5)10 mLを加える。
d) それぞれの塩化物イオン標準溶液の液温を試料溶液の液温の±1 ℃以内になるように調節し,22.3.4
のa)及びb)と同じ操作で電位を測定する。
e) 片対数方眼紙の対数軸に塩化物イオンの濃度を取り,均等軸に電位を取って,塩化物イオン濃度
(mg/L)と電位との関係線を作成して検量線とする5)。
注5) 塩化物イオン標準溶液(10 mg/L)及び塩化物イオン標準溶液(1 000 mg/L)との電位の差は,
110120 mVの範囲に入り,塩化物イオンの濃度11 000 mg/Lの間の検量線は直線になる。
22.3.6 計算
22.3.5で作成した検量線を用い,22.3.4で測定した電位から塩化物イオン濃度を求め,次の式によって試
料中の塩素の含有率を算出する。
C 103 300
Gc = 100
s 100
ここに, Gc : 塩素の含有率(%)
C : 測定電位から求めた塩化物イオン濃度(mg/100 mL)
s : 21.2.4ではかりとった試料の質量(g)

23 遊離酸の定量方法

23.1 方法の区分

  遊離酸の定量は,水酸化ナトリウム滴定法による。

23.2 要旨

  21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)を用い,フェノールフタレインを指示薬として,水酸化ナトリウム標
準溶液で滴定する。

23.3 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) フェノールフタレイン溶液(10 g/Lエタノール溶液) 17.3 b)で調製したもの。
b) ブロモチモールブルー溶液(1 g/L)
c) 0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液 水酸化ナトリウム約4.5 gを水1 Lに溶かし,これに新しく作
った水酸化バリウム飽和溶液を沈殿が生じなくなるまで振り混ぜながら加え,密栓をして23日間放
置した後,上澄み液をとり,ポリエチレン瓶に保存する。
なお,市販の水酸化ナトリウム標準溶液を用いることができる。この溶液は,スルファミン酸又は
標定済みの0.1 mol/L塩酸標準溶液を用いて標定する。
スルファミン酸を用いる場合は,次のようにして標定する。あらかじめデシケーター中に約48時間
放置して乾燥したスルファミン酸(標準試薬)2.02.5 gを0.l mgまで正しくはかりとり,適量の水
に溶かして250 mLの全量フラスコに入れ,水で標線までうすめる。この溶液25 mLを分取し,ブロ
モチモールブルー溶液(1 g/L)3,4滴を加え,0.1 mo1/L水酸化ナトリウム標準溶液で滴定し,次の
式によってファクターを算出し,小数点以下3桁に丸める。
m 1.0
f=
1
v .0009 709

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ここに, f1 : 0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液のファクター
m : はかりとったスルファミン酸の質量(g)
v : 0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液の使用量(mL)

23.4 操作

  定量操作は,次の手順による。
a) 21.2.5 a)で保存した試料溶液(C)から,100 mLを分取してビーカー(300 mL)に入れる。
b) フェノールフタレイン溶液(10 g/Lエタノール溶液)2,3滴を加え,0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準
溶液で滴定し,溶液の色が無色から微紅色になったときを終点とする。
なお,終点が分かりにくいときは,試料溶液(C)からの分取量を少なくし,水でうすめた後,滴
定する。

23.5 計算

  試料中の遊離酸の含有率は,これを全て硫酸(H2SO4)とみなし,次の式によって算出する。
v1 f1 .0004 90300
GH = 100
s v2
ここに, GH : 硫酸とみなして表示した遊離酸の含有率(%)
v1 : 0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液の使用量(mL)
f1 : 0.1 mol/L水酸化ナトリウム標準溶液のファクター
s : 21.2.4ではかりとった試料の質量(g)
v2 : 試料溶液(C)からの分取量(mL)

24 pHの測定方法

24.1 方法の区分

  pHの測定は,ガラス電極pH計を用いて行う。

24.2 要旨

  試料を水中でかき混ぜ,その試料懸濁液のpHをガラス電極pH計を用いて測定する。

24.3 試薬

  試薬は,JIS Z 8802の箇条7(pH標準液)に規定するpH標準液を用いる。

24.4 装置

  装置は,次による。
a) ガラス電極pH計 JIS Z 8802の8.1(pH計の試験)b)(直線性試験)に規定するpH計のうちで,標
準液のpHの値を測定したとき,繰返性が±0.1のもの。
b) マグネチックスターラー 19.3.3 d)と同じもの。

24.5 試料はかりとり量

  試料は,5.0 gをはかりとる。

24.6 操作

  測定操作は,次の手順による。
a) 試料5.0 gをはかりとり,あらかじめ水100 mLを入れたビーカー(200 mL)中に投入し,直ちにマグ
ネチックスターラーを用いて4分間かき混ぜる。
b) H計の電極を試料懸濁液に浸し,引き続きかき混ぜ,試料投入時から5分間経過したときのpHの値
を読み取る。

――――― [JIS R 9101 pdf 40] ―――――

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