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R 9101 : 2018
C 103 500
Gf = 100
s v
ここに, Gf : ふっ素の含有率(%)
C : 吸光度から求めたふっ化物イオンの濃度(mg/50 mL)
s : 19.2.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 19.2.5 f)の試料溶液の分取量(mL)
19.3 イオン電極法
19.3.1 要旨
19.2.5と同じ操作で水蒸気蒸留を行い,その留出液を用い,緩衝溶液(全イオン強度調節液)を加えて,
pH5.05.5に調節した後,ふっ化物イオン電極を用いて電位を測定する。
19.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) 緩衝溶液(pH5.2)4) 塩化ナトリウム58 g及びクエン酸水素アンモニウム二水和物1 gに水500 mL
を加えて溶かし,酢酸50 mLを加え,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を滴下して,pH計を用いて
pH5.2に調節した後,水を加えて1 Lとする。
b) ふっ化物イオン標準原液(1 000 mg/L)
注4) 緩衝溶液として,次の組成のものを使用してもよい。
1) 水500 mLに酢酸57 mL,塩化ナトリウム58 g,1,2-シクロヘキサンジアミン四酢酸
(CyDTA)4 gを加えて溶かし,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を滴下し,pH計を用
いてpH5.05.5に調節した後,水を加えて1 Lにする。
2) 水500 mLに酢酸57 mL,塩化ナトリウム58 g,クエン酸ナトリウム二水和物0.3 gを加
えて溶かし,水酸化ナトリウム溶液(200 g/L)を加え,pH計を用いてpH5.05.5に調
節した後,水を加えて1 Lにする。
19.3.3 装置
装置は,次による。
a) 電位差計 最小目盛1 mVの高入力抵抗電位差計(例えば,デジタル式pH-mV計,拡大スパン付pH-mV
計,イオン電極用電位差計など)。
b) ふっ化物イオン電極
c) 参照電極 二重液絡型(又は塩橋)参照電極(ダブルジャンクションのスリーブ型参照電極又はセラ
ミック型参照電極で抵抗の小さいもの)。内筒液には塩化カリウム溶液(3.3 mol/L又は飽和溶液)を
入れる。外筒液には塩化カリウム溶液(3.3 mol/L又は飽和溶液)又は硝酸カリウム溶液(100 g/L)を
入れる。
d) マグネチックスターラー 回転による発熱で液温に変化を与えないもの。
19.3.4 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 19.2.5のa) e)と同じ操作で水蒸気蒸留を行い,留出液を500 mLの全量フラスコに受けた後,水を標
線まで加える。この試料溶液から100 mLをビーカー(200 mL)に分取し,緩衝溶液(pH5.2)10 mL
を加える。
b) これにふっ化物イオン電極と参照電極とを浸し,マグネチックスターラーを用いて,泡が電極に触れ
ない程度に強くかき混ぜる。
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なお,ふっ化物イオン電極の感応膜に傷がつくと,検量線の勾配(電位勾配)が小さくなり,応答
速度も遅くなるので注意する。また,イオン電極の感応膜が汚れると,反応速度が遅くなるので,脱
脂綿にアルコールを含ませて汚れを拭き取るか,又は柔らかい紙(ティッシュペーパーなど)で汚れ
を拭き取り,水で洗浄する。
c) 液温の測定を行い,電位差計で電位を測定する。ふっ化物イオン電極の応答時間は,ふっ化物イオン
濃度が0.1 mg/Lで約1分間,1 mg/L以上では約30秒間である。
19.3.5 検量線の作成
検量線の作成は,次の手順による。
a) ふっ化物イオン標準原液(1 000 mg/L)を水で正しく10倍にうすめ,ふっ化物イオン標準溶液(100
mg/L)を調製する。
b) ふっ化物イオン標準溶液(100 mg/L)20 mLを200 mLの全量フラスコに分取し,水を標線まで加えて,
ふっ化物イオン標準溶液(10 mg/L)を調製する。
c) ふっ化物イオン標準溶液(10 mg/L)20 mLを200 mLの全量フラスコに分取して,ふっ化物イオン標
準溶液(1 mg/L)を調製し,更にこれを10倍にうすめて,ふっ化物イオン標準溶液(0.1 mg/L)を調
製する。
d) 段階的に調製したふっ化物イオン標準溶液(0.1100 mg/L)のそれぞれ100 mLをビーカー(200 mL)
にとり,緩衝溶液(pH5.2)10 mLを加える。
e) それぞれのふっ化物イオン標準溶液の液温を試料溶液の液温の±1 ℃以内になるように調節し,19.3.4
のb)及び c)と同じ操作で電位を測定する。
f) 片対数方眼紙の対数軸にふっ化物イオンの濃度をとり,均等軸に電位をとって,ふっ化物イオン濃度
(mg/L)と電位との関係線を作成して検量線とする。ふっ化物イオン標準溶液(1 mg/L)と同溶液(100
mg/L)との電位の差は,110120 mVの範囲に入り,ふっ化物イオンの濃度0.1 mg/Lから100 mg/L
の間の検量線は直線になる。
19.3.6 計算
19.3.5で作成した検量線を用い,19.3.4で測定した電位からふっ化物イオン濃度を求め,次の式によって
試料中のふっ素の含有率を算出する。
C 103 500
Gf = 100
s 100
ここに, Gf : ふっ素の含有率(%)
C : 測定電位から求めたふっ化物イオン濃度(mg/100 mL)
s : 19.2.4ではかりとった試料の質量(g)
20 全りん酸の定量方法
20.1 方法の区分
全りん酸の定量は,次のいずれかの方法による。
a) モリブデン青吸光光度法 この方法は,五酸化りんの含有率1.0 %未満の試料に適用する。
b) りんバナドモリブデン酸吸光光度法 この方法は,五酸化りんの含有率0.0l %以上の試料に適用する。
20.2 モリブデン青吸光光度法
20.2.1 要旨
10.5 d)で保存した試料溶液(A)を用い,水酸化ナトリウム及び硫酸で酸濃度を調節した後,モリブデ
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ン酸アンモニウム及びアスコルビン酸を加え,加熱して呈色させ,その吸光度を測定する。
20.2.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) -ニトロフェノール指示薬(2 g/L)
b) 水酸化ナトリウム溶液(100 g/L) ポリエチレン瓶に保存する。
c) 硫酸 (1+1)
d) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム溶液四水和物2 gを温水約20 mLに溶か
し,必要ならばろ過し,硫酸 (1+1) 60 mLを加えた後,水で100 mLにうすめる。
e) アスコルビン酸溶液(50 g/L) 12.3.2 a)で調製したもの。
f) 五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L) りん酸二水素カリウムを105110 ℃で3時間乾燥し,デシ
ケーター中で放冷した後,0.192 gをはかりとって水に溶かし,1 Lの全量フラスコに移して水で標線
までうすめる。
20.2.3 装置
装置は,吸光光度分析装置を用いる。
20.2.4 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 10.5 d)で保存した試料溶液(A)から全りん酸の含有率に応じて表4に示す量を分取して,100 mLの
全量フラスコに移し,p-ニトロフェノール指示薬(2 g/L)1滴を加え,溶液の色が黄色になるまで水
酸化ナトリウム溶液(100 g/L)を滴加し,次に硫酸 (1+1) を滴加して無色とした後,2,3滴過剰に
加える。
b) これにモリブデン酸アンモニウム溶液10 mL及びアスコルビン酸溶液(50 g/L)2 mLを加え,水で標
線までうすめる。沸騰水中に浸し15分間加熱した後,流水中で室温まで冷却する。
c) この溶液の一部を吸光光度分析装置の吸収セルにとり,波長830 nm付近で吸光度を測定する。
表4−試料溶液の分取量
全りん酸の含有率 % 分取量 mL
0.10未満 25
0.10以上 0.50未満 10
0.50以上 5
20.2.5 検量線の作成
20.2.2 f)の五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L)を水で正しく10倍にうすめ,その020 mL(五酸化り
んとして00.20 mg)を100 mLの全量フラスコに段階的にとり,20.2.4のa),b)及びc)の手順に従って操
作して吸光度を測定し,その吸光度と五酸化りんの濃度との関係線を作成して検量線とする。
20.2.6 計算
20.2.5で作成した検量線を用い,20.2.4 c)で測定した吸光度から五酸化りんの濃度を求め,次の式によっ
て試料中の全りん酸の含有率を算出する。
C 103 250
GtP = 100
s v
ここに, GtP : 全りん酸の含有率(%)
C : 吸光度から求めた五酸化りんの濃度(mg/100 mL)
――――― [JIS R 9101 pdf 33] ―――――
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s : 10.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 試料溶液(A)からの分取量(mL)
20.3 りんバナドモリブデン酸吸光光度法
20.3.1 要旨
試料に塩酸及び硝酸を加え,加熱し溶かした後,ろ過し,ろ液にメタバナジン酸アンモニウム及びモリ
ブデン酸アンモニウムを加えて,りんバナドモリブデン酸として呈色させ,その吸光度を測定する。
20.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) 塩酸
b) 硝酸
c) フェノールフタレイン溶液(10 g/Lエタノール溶液) 17.3 b)で調製したもの。
d) アンモニア水 (1+1)
e) 硝酸 (1+1)
f) 発色試薬溶液 メタバナジン酸アンモニウム1.12 gを適量の水に溶かし,硝酸250 mLを加える。こ
の溶液に,モリブデン酸アンモニウム27 gを水に溶かして加え,更に水を加えて1 Lとする。この溶
液は褐色瓶に入れて保存する。
g) 五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L) 20.2.2 f)で調製したもの。
20.3.3 装置
装置は,吸光光度分析装置を用いる。
20.3.4 試料はかりとり量
試料は,約2.5gを0.1 mgまで正しくはかりとる。
20.3.5 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 試料をビーカー(300 mL)に正しくはかりとり,塩酸30 mL及び硝酸10 mLを加えて加熱し,約20
分間煮沸する。
なお,煮沸中,試料溶液の蒸発が進んだ場合は,せっこうの結晶が析出することがある。そのとき
は,水又は塩酸を加え,ろ過前に加熱して溶かす必要がある。
b) 温水約100 mLを加えて可溶分を溶かした後,直ちにろ紙(5種B)でろ過し,水で数回洗浄する。冷
却した後,ろ液及び洗液を250 mL全量フラスコに移し,水で標線までうすめる。
c) 試料溶液の全りん酸の含有率に応じて表5に示す量を分取して100 mL全量フラスコに移し,フェノ
ールフタレイン溶液(10 g/Lエタノール溶液)を1,2滴加え,アンモニア水 (1+1) を加えて中和し,
硝酸 (1+1) を滴下して微酸性とする。水を加えて全量を約70 mLとした後,発色試薬溶液20 mLを
加え,水で標線までうすめ,約30分間放置する。
d) この溶液の一部を吸光光度分析装置の吸収セルにとり,波長400420 nmで吸光度を測定する。
表5−試料溶液の分取量
全りん酸の含有率 % 分取量 mL
0.1未満 25
0.1以上 1.0未満 10
1.0以上 5
――――― [JIS R 9101 pdf 34] ―――――
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20.3.6 検量線の作成
20.3.2 g)の五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L)020 mL(五酸化りんとして02.0 mg)を100 mLの
全量フラスコに段階的にとり,20.3.5のc)及びd)の手順に従って操作して吸光度を測定し,その吸光度と
五酸化りん濃度との関係線を作成して検量線とする。
20.3.7 計算
20.3.6で作成した検量線を用い,20.3.5 d)で測定した吸光度から五酸化りんの濃度を求め,次の式によっ
て試料中の全りん酸の含有率を求める。
C 103 250
GtP = 100
s v
ここに, GtP : 全りん酸の含有率(%)
C : 吸光度から求めた五酸化りんの濃度(mg/100 mL)
s : 20.3.4ではかりとった試料の質量(g)
v : 20.3.5 c)の試料溶液の分取量(mL)
21 水溶性りん酸の定量方法
21.1 方法の区分
水溶性りん酸の定量は,次のいずれかの方法による。
a) モリブデン青吸光光度法 この方法は,五酸化りんの含有率1.0 %未満の試料に適用する。
b) りんバナドモリブデン酸吸光光度法 この方法は,五酸化りんの含有率0.01 %以上の試料に適用する。
21.2 モリブデン青吸光光度法
21.2.1 要旨
試料に20倍量の水を加えて水溶性物質を溶出させ,不溶解物をろ過する。そのろ液を用い,水酸化ナト
リウム及び硫酸で酸濃度を調節し,モリブデン酸アンモニウム及びアスコルビン酸を加え加熱して呈色さ
せ,その吸光度を測定する。
21.2.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) -ニトロフェノール指示薬(2 g/L)
b) 水酸化ナトリウム溶液 (100 g/L)
c) 硫酸 (1+1)
d) モリブデン酸アンモニウム溶液 20.2.2 d)で調製したもの。
e) アスコルビン酸溶液(50 g/L) 12.3.2 a)で調製したもの。
f) 五酸化りん標準原液(100 mgP2O5/L) 20.2.2 f)で調製したもの。
21.2.3 装置
装置は,吸光光度分析装置を用いる。
21.2.4 試料はかりとり量
試料は,約15.0 gを0.1 gまで正しくはかりとる。
21.2.5 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 試料をはかりとり500 mLの振とうフラスコに入れ,正しく水300 mLを加え,30分間よく振り混ぜ
た後,乾いたろ紙(5種B)でろ過する。
――――― [JIS R 9101 pdf 35] ―――――
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JIS R 9101:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.10 : セラミック原材料
JIS R 9101:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0122:1997
- イオン電極測定方法通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISM8100:1992
- 粉塊混合物―サンプリング方法通則
- JISR9112:2015
- 陶磁器型材用せっこうの物理試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8801-1:2019
- 試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい
- JISZ8802:2011
- pH測定方法