JIS T 6514:2015 歯科修復用コンポジットレジン | ページ 2

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価なX線造影性をもつ厚さ1 mmの材料は,象牙質と等価なX線造影性をもつと扱われてい
る。
表2−物理的及び化学的性質
材料のクラス 操作時間 硬化時間 光硬化深さa) 吸水量 溶解量
秒 分 mm μg/mm3 μg/mm3
クラス1 90以上 5以下 − 40以下 7.5以下
クラス2 − − 1.0以上(オペークシェード) 40以下 7.5以下
1.5以上(その他)
クラス3 90以上 10以下 − 40以下 7.5以下
注a) 製造販売業者が特定の光硬化深さの値を包装又は添付文書に表示又は記載した場合には,光硬化深さ
は,表2に適合し,かつ,表示又は記載した値よりも0.5 mm以上浅くてはならない。

5 サンプリング

  試験に供するコンポジットレジンは,同一ロットで,市販用直接容器に包装されたものから試験を行う
のに十分な量を採取する。

6 試験方法

6.1 試験条件

  試験条件は,次による。
a) 試験は,特に指定のない限り,温度23±1 ℃,相対湿度3070 %で行う。コンポジットレジンが保
管のため冷蔵されている場合には,コンポジットレジンの温度が23±1 ℃に達した後,試験を行う。
b) クラス3の場合には,操作時間及び硬化時間の試験は,重合を開始させる光照射又は加熱を排除した
条件下で行う。
注記1 環境光は,自然光・人工光共に,この材料の重合を開始させる。良好な制御を行うには,
黄色の光フィルタを透過させた人工光照明下の暗室で試験することが望ましい。
注記2 黄色の光フィルタに適する市販フィルタの一例として,ポリエステルフィルタ101(Lee
Filters,UK)がある。この一例は,この規格の使用者の便宜のために提供するもので,こ
の規格がこの製品を推奨するものではない。

6.2 水

  試験に用いる水は,蒸留水又は精製水とする。

6.3 確認

  箇条7及び箇条8に規定した項目の確認は,目視によって行う。

6.4 試験片の作製

  6.1及び製造販売業者が指定する方法によって,コンポジットレジンを調製する。クラス2及びクラス3
のコンポジットレジンの硬化に用いる光照射器又は加熱重合器は,製造販売業者が指定する方法による。
光照射器又は加熱重合器は,正常な動作状態になければならない。硬化した試験片は,目視観察したとき,
気泡,空洞,亀裂又は割れがなく均一でなければならない。
注記 コンポジットレジンが金属に対して親和性をもつ場合には,金属製成形型を用いると試験片の
取出しが困難になる。このようなコンポジットレジンを調製する場合には,硬化反応を妨げな
い分離剤を用いるか,又は非金属材料(例えば,高密度ポリエチレン)で製作した成形型を用

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いる場合もある。

6.5 操作時間(クラス1及びクラス3)

6.5.1  装置
6.5.1.1 熱電対装置 熱電対装置は,次による(図1参照)。
a) この装置は,ポリアミド製又は同等の性能のブロックの上に位置する高密度ポリエチレン製又は同等
の性能の管からなる。ポリエチレン製の管は,長さ8 mm,内径4 mm,厚さ1 mmとする。
b) ポリアミド製のブロックのはめ込み部分は,直径4 mm,高さ2 mmとする。高さ6 mm,直径4 mm
の試料充部を形成する。ポリアミド製のブロックの孔に熱電対を収めたステンレス鋼製の管を挿入
する。
c) 熱電対の先端は,試験後の試料の取出しを容易にするため,円すい状で試料充部の底部に1 mm突
き出た構造に,はんだで作製する。
d) 上記の寸法の許容差は,±0.1 mmとする。
e) 熱電対は,温度変化を0.1 ℃以内の精度で検出できる素材(例えば,銅/コンスタンタン)を用いて
作製した直径0.20±0.05 mmのワイヤからなる。
f) この熱電対を,温度を0.1 ℃以内の精度で記録できる記録装置(例えば,電圧計,チャートレコーダ)
に接続する。
単位 mm
許容差 ±0.1 mm
A ポリエチレン製の管 C ステンレス鋼製の管
B ポリアミド製のブロック D 熱電対の先端
図1−熱電対装置

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6.5.2 手順
製造販売業者が指定する方法によってコンポジットレジンを練和する。試料充部の周囲温度を23±
1 ℃に保ち,練和開始から30秒後に,試料充部に練和したコンポジットレジンを入れ,コンポジットレ
ジンの温度(T0)を記録する。検出温度の上昇を確認できるまで,温度を連続して記録する。この測定を
5回行う。
注記 試験結果は,コンポジットレジン充部の周囲温度に大きく依存し,許容温度23±1 ℃の範囲
内の僅かな温度の変動によっても数秒の時間変動が生じるので,注意する。
6.5.3 温度変化記録の処理
6.5.2によって得た温度曲線において,温度T0±0.1 ℃の基準直線を引き,温度曲線がこの基準直線から
高温側に離れる点における,練和開始から計った時間を操作時間(tw)とする。
注記 典型的な温度曲線を図2に示す。コンポジットレジンを試料充部に入れると,すぐに温度が
僅かに上昇し(T1),その後下降して一定温度(T0)になり,その後上昇し始める。温度が上昇
し始める現象は,硬化反応の開始を表しており,これをもってコンポジットレジンが操作可能
な時間の終わりとする。
a 練和開始
b 入直後
注記 この概略図は,入直後に,僅かに上昇した後の温度(T1),その後下降して一定となった
温度(T0)及び重合反応の開始によって,温度上昇が始まるまでの操作時間(tw)を示す。
図2−操作時間の温度曲線
6.5.4 評価
操作時間の評価は,4.2.2に適合した数によって評価し,次による。
a) 4個以上の場合は,合格とする。
b) 2個以下の場合は,不合格とする。
c) 3個の場合は,試験全体を繰り返し,5個全てが4.2.2に適合した場合に,合格とする。

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6.6 硬化時間(クラス1及びクラス3)

6.6.1  装置
装置は,6.5.1による。
6.6.2 手順
製造販売業者が指定する方法によってコンポジットレジンを練和する。試料充部の周囲温度を37±
1 ℃に保ち,練和開始から30秒後に,試料充部に練和したコンポジットレジンを入れ,検出温度の上昇
がピークを過ぎたことを確認できるまで,温度を連続して記録する。この測定を5回行う。
6.6.3 温度変化の記録
6.6.2によって得た温度曲線(図3参照)において,最高温度(T2)の水平直線と,温度上昇の直線を延
長した直線との交点を求め,練和開始から,この交点に到達するまでの時間を求め,この時間を硬化時間
(ts)とする。
a 練和開始
注記 T2及びtsは,硬化時の最高温度及び硬化時間を示す。
図3−硬化時間の温度曲線
6.6.4 評価
硬化時間の評価は,4.2.3に適合した数によって評価し,次による。
a) 4個以上の場合は,合格とする。
b) 2個以下の場合は,不合格とする。
c) 3個の場合は,試験全体を繰り返し,5個全てが4.2.3に適合した場合に,合格とする。

6.7 環境光安定性(クラス2)

6.7.1  器具
6.7.1.1 照明器

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照明器は,次のa) 又はb) のいずれかを用いる。
a) 歯科診療用照明器(照度8 000±1 000 lx,色温度2 7006 500 K)
b) キセノンランプ又はこれと同等の性能をもつ光源(JIS Z 8902及びJIS T 6003に規定されているもの)
で,次に示す色温度変換フィルタ及び紫外線フィルタを挿入したもの。
1) 色温度変換フィルタ3) は,図4に示した内部透過率と±10 %以内で一致する内部透過率をもつもの
とする。
注3) R 12フィルタ(Schott AG Advanced Materials,Germany)は,この目的に適する市販フィ
ルタの一例である。この情報は,この規格の使用者の便宜のために提供されるもので,こ
の規格がこの製品を推奨するものではない。
2) 紫外線フィルタは,ほうけい(硼硅)酸ガラス製で,300 nm以下の波長は,透過率が1 %未満であ
り,370 nm以上の波長では,透過率が90 %を超えるものとする。
注記 このフィルタは,キセノンランプ又はこれと同等の性能をもつ光源の波長分布を歯科診療
用照明器の波長分布に近似させるために用いる。色温度を3 6006 500 Kの範囲内に保持
するため,両フィルタ及び光源出力を定期的に確認することが望ましい。
図4−色温度変換フィルタの内部透過率
6.7.1.2 スライドグラス 顕微鏡用のスライドグラスを2枚一組で用いる。
6.7.1.3 照度測定装置 8 000±1 000 lxを測定できる照度計とする。
6.7.1.4 支持台 照度測定装置の受光部を規定の照度になる位置に支持するための台とする。
注記 高さ可変のものが望ましい。
6.7.1.5 カバー 照度測定装置の受光部からの光の反射を防ぐための厚さの薄い,黒色艶消しカバーとす
る。
6.7.1.6 タイマ 精度が1秒以内のものとする。
6.7.2 手順
次の手順によって,3回の試験を行う。また,試験ごとに新しいコンポジットレジンを用いる。
a) 暗室内において,照明器の照射光下で,高さ可変の支持台に照度測定装置の受光部を光源に向けて載

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JIS T 6514:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4049:2009(MOD)

JIS T 6514:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 6514:2015の関連規格と引用規格一覧