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7.2.2 寸法
測定値はmm単位で,数値の丸め方はJIS Z 8401によって,長さは1,厚さは0.1の単位で丸める(附
属書E参照)。
a) 手袋の長さ(L) 図1に示すように,中指の先端から袖口までの長さを測定する。
b) 袖ぐりの長さ(P) 袖ぐり形手袋は,図1のb)に示すとおり,袖口の縁から袖ぐり部の弧の中心点
までの距離を測定する。また,袖口が傾斜形のものは,手袋の長さの最大値と最小値との差を測定す
る。
c) 厚さ 厚さは,JIS B 7503に規定する器具を用いて一つの完成手袋で実施しなければならない。ただ
し,測定器具の目盛精度は0.02 mm以上のもので,接触面の直径は5 mm,接触する力は0.78 Nとす
る。測定箇所は縫合せ部分を除いて,次のとおりとする。
1) 掌側で4か所(ただし,胴部分のない長さ270 mmの手袋では2か所)
2) 甲側で4か所(ただし,胴部分のない長さ270 mmの手袋では2か所)
3) 親指及び人差し指の指紋部分で1か所
7.2.3 外観及び仕上がり
手袋の外観及び仕上がり状況を目視検査で確認する。
7.3 機械的試験
7.3.1 引張強さ及び切断時の伸び
a) 材質が加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーで作られた手袋にあっては,JIS K 6251に定める方法によ
って,引張試験機の引張速度を500±50 mm/分で,ダンベル状3号形試験片を引っ張り,引張強さTS
(MPa)及び切断時の伸びEb(%)を測定する。
布張手袋にあっては,引張試験機の引張速度をJIS K 6772に定める200±20 mm/分で,JIS K 6251
に定めるダンベル状2号形試験片を引っ張り,最大引張力Fm(N)及び切断時の伸びEb(%)を測定
する。
なお,布製部分と絶縁材料部分とが構造的に分離できる布張手袋にあっては,布製部分に関しては
前述したような方法で最大引張力と切断時との伸びを,絶縁材料部分に関しては加硫ゴム又は熱可塑
性エラストマーで作られた手袋と同様な方法で引張強さと切断時の伸びを測定する。
いずれの試験結果も,判定は測定結果の平均値で行う。
b) ダンベル試験片の採取箇所及び採取数は,掌側で1個,甲側で1個,胴部分で2個とする。ただし,
手袋の長さが270 mmの手袋の場合は,掌側及び甲側で各1個とする。
c) 引張強さTS(MPa)及び切断時の伸びEb(%)は,JIS K 6251で示された次の式で求める。
Fm
TS (MPa) (1)
Wt
Lb L0
Eb 100 (%) (2)
L0
ここに, TS : 引張強さ(MPa)
Fm : 最大引張力(N)
W : 初期の標線間の幅(mm)
t : 初期の厚さ(mm)
Eb : 切断時の伸び(%)
Lb : 切断時の標線間距離(mm)
L0 : 初期の標線間距離(mm)
――――― [JIS T 8112 pdf 11] ―――――
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7.3.2 引張永久ひずみ
材質が加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーで作られた手袋にあっては,7.3.1と同様に試験片を作製し,
標線間の距離が100 mmになるまで210 mm/秒の速度で引っ張り,10分間その位置に保持した後,210
mm/秒の速度で引っ張りを開放する。速やかに試験片を引張試験機から外し,平板上に置き,10分後の標
線間距離を求め,次の式によって引張永久ひずみEp(%)を算出する。
判定は,測定値の平均値で行う。
L1 L0
Ep 100 (%) (3)
Ls L0
ここに, Ep : 引張永久ひずみ(%)
L0 : 初期の標線間距離(mm)
Ls : 引っ張りを加えたときの標線間距離(mm)
L1 : 収縮させ10分間放置後の標線間距離(mm)
7.3.3 耐貫通性
a) 手袋のなるべく平らな部分から直径50 mm以上の試験片2枚を切り取り,直径50 mmの平らな金属
製の試験用平板2枚に挟んで固定する。
b) 試験用平板及び貫通用のステンレス鋼棒の構造は,次のとおりとする。
1) 上部試験用平板には中央に直径6 mmの孔を,下部試験用平板には中央に直径25 mmの孔を設ける。
両孔とも曲率半径0.8 mmで縁取りする(図2参照)。
2) 直径5 mmのステンレス鋼棒の一端を開先角度12゜でテーパ加工し,先端は曲率半径0.8 mmで丸
みを付ける(図2参照)。
c) 試験用平板に挟まれた試験片の中央上部に,ステンレス鋼棒を垂直にセットし,500±50 mm/分の速
度で連続的に降下させて,試験片が貫通するために要する力を測定する。
d) 手袋の材質が天然ゴム及び熱可塑性エラストマーの場合は,計測した荷重(力)を単位厚さ当たりに
換算する。
e) 判定は,2枚の試験片から得られた測定値の平均値で行う。
――――― [JIS T 8112 pdf 12] ―――――
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単位 mm
a) 耐貫通性試験用平板 b) ステンレス鋼棒
図2−貫通性試験用平板及びステンレス鋼棒
7.4 電気的試験
7.4.1 一般
a) 耐電圧試験及び充電電流の測定は,手袋の指先を下にして,内外の水位が同一となるように水槽に垂
直に浸し,手袋の内外の水を電極として表8に規定した電圧を加える。水は抵抗率が100 μS/cm以下
の水道水とし,手袋外側の水を接地する。
b) 水が手袋の内面を電気的に劣化するおそれのある手袋 (例えば,布張手袋)については,注水の代わ
りに,4 mm(又は3 mm)のニッケル・ステンレス製の鋼球で満たしてもよい。
c) 手袋の縁(開口部)から水面までの部分には水滴が付いていなく,その距離は表9のとおりとする。
d) 耐電圧試験装置及び測定計器は,JIS T 8010に規定されたものを使用する。
表9−手袋開口部から水面までの沿面距離
手袋の種類(クラス)開口部から水面までの沿面距離(mm)
J00 1540
J0 2040
J01 3540
J1 3565
袖ぐりのある手袋については,袖ぐりの最もえぐられた部分を手袋
の縁とする。
7.4.2 耐電圧試験
a) 試験電圧は,最初低い電圧を加え,徐々に表8に示した耐電圧値に達するまで,約1 000 V/秒の速度
で昇圧する。
なお,手動昇圧の耐電圧試験機を使用する場合等では,耐電圧値の75 %まで速い速度で昇圧させ,
――――― [JIS T 8112 pdf 13] ―――――
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以後は約1 000 V/秒の速度で昇圧させてもよい。
b) 試験時間は,耐電圧値に達したときから起算して連続1分間以上とする。
c) 試験終了時は,速やかに降圧した後,試験回路を開放する。
7.4.3 充電電流の測定
a) 手袋を水槽に配置して浸水させた後,7.4.2の耐電圧試験終了直前の充電電流を,一般に接地側に接続
した電流計によって測定する。
b) 手袋を水槽に配置して浸水させた後,電圧を加えることなく6時間保った後,7.4.2と同様な方法で電
圧を加えて充電電流を測定する。
c) 試験電源の周波数が50 Hzの場合は,次の式によって換算する。数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
50
I60 60 (4)
50
ここに, 50 : 試験電源の周波数(Hz)
I60 : 60 Hzにおける充電電流(mA)
I50 : 50 Hzにおける充電電流(mA)
7.5 老化試験
a) 手袋から7.3.1 a)及び7.3.1 b)と同様にダンベル形試験片をとり,JIS K 6257に規定する方法によって,
温度70±2 ℃で連続168時間空気中で加熱させる。
なお,試験片どうしの最小間隔及び試験片と加熱器内面との最小間隔を10 mm以上確保する。
b) 加熱時間終了後,試験片を空気加熱器から取り出し,少なくとも24時間以上自然冷却させた後,7.3.1
a)と同様な方法で引張強さ(又は最大引張力)及び切断時の伸びを求め,次の式によって老化前の引
張強さ(又は最大引張力)及び伸びに対する保持率を算出する。
TB
RT 100 (%) (5)
B
ここに, RT : 引張強さの保持率(%)又は最大引張力の保持率(%)
TB : 老化試験前の引張強さ(MPa)又は老化試験前の最大
引張力(N)
TB' : 老化試験後の引張強さ(MPa)又は老化試験後の最大
引張力(N)
EB
RE 100 (%) (6)
B
ここに, RE : 伸びの保持率(%)
EB : 老化試験前の伸び(%)
EB' : 老化試験後の伸び(%)
7.6 低温試験
a) 手袋及びポリエチレン製の試験用平板2枚(200 mm×200 mm,厚さ5 mm)を,温度−25±3 ℃の冷
凍室内に1時間放置する。
b) 冷凍室から取り出した手袋を,1分以内に手首の部分で折り曲げて,同時に冷凍した2枚の試験用平
板に挟み,100 Nの力で30秒間加圧する(図3参照)。
c) 加圧試験を実施した後,7.4.2に定めた方法で耐電圧試験を実施する。
――――― [JIS T 8112 pdf 14] ―――――
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図3−低温試験における折り曲げ
7.7 特殊物性の試験
7.7.1 耐酸性(種類Aの手袋)
a) 手袋の外表面を温度23±2 ℃で8±0.5時間,32ボーメ度の硫酸溶液(約37 %の硫酸濃度)に浸せき
(漬)する[手袋の内側は浸せき(漬)しない。]。
b) 浸せき(漬)後,手袋を取り出して水で洗浄し,温度約70 ℃で2±0.5時間乾燥する。
c) 乾燥終了後,速やかに,次の試験を行う。
1) 乾燥終了から45±5分以内に,7.4で定める電気的試験。
2) 7.3.1で定める引張強さ及び切断時の伸びの測定。
7.7.2 耐油性(種類Hの手袋)
a) 試験用の手袋を温度23±2 ℃,相対湿度50±5 %の大気中に3±0.5時間放置する(前処理)。
b) 前処理された手袋を,温度70±2 ℃で24±0.5時間,溶剤102又はJIS K 6258で規定されたNo.1オ
イル,又はIRM901オイル(附属書B参照)に浸せき(漬)する。ただし,浸せき(漬)面は,手袋
の外側だけでよい。
c) 浸せき(漬)後,手袋を取り出し,羽毛がない清浄な布で油分を拭き取る。
d) 乾燥終了後,速やかに,次の試験を行う。
1) 乾燥終了から45±15分以内に,7.4で定める電気的試験。
2) 7.3.1で定める引張強さ及び切断時の伸びの測定。
7.7.3 耐オゾン性(種類Zの手袋)
a) 試験用の手袋を,標準大気圧101.3 kPaでオゾン濃度1±0.01 mg/m3(体積で0.5×10−6±0.05×10−6
m3/m3)のオーブンに,温度40±2 ℃で3±0.5時間放置する。
b) 次に,温度23±2 ℃,相対湿度50±5 %の室内で48±0.5時間保管した後,次の試験を行う。
1) 目視検査。
2) 7.4で定める電気的試験。
7.7.4 超低温耐久性(種類Cの手袋)
a) 手袋及びポリエチレン製の試験用平板2枚(200 mm×200 mm×厚さ5 mm)を,温度−40±3 ℃の冷
凍室内に24±0.5時間放置する。
b) 冷凍室から取り出した手袋を,1分以内に手首の部分で折り曲げて,同時に冷凍した2枚の試験用平
――――― [JIS T 8112 pdf 15] ―――――
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JIS T 8112:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60903:2002(MOD)
JIS T 8112:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.40 : 手及び腕の保護
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.260 : 電気衝撃に対する防御.活線作業
JIS T 8112:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISK6251:2017
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方
- JISK6257:2017
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―熱老化特性の求め方
- JISK6258:2016
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―耐液性の求め方
- JISK6772:1994
- ビニルレザークロス
- JIST8010:2017
- 絶縁用保護具・防具類の耐電圧試験方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態