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試験結果は,8.3で報告する。
表2−引張強さの分類
単位 N
クラス 平均引張強さ
3 500以上
2 180以上 500未満
1 30以上 180未満
5.6 材料の引裂強さ
材料の引裂強さは,JIS L 1913の6.4.2(トラぺゾイド法)によって試験を行い,たて方向及びよこ方向
の両方について,5枚の測定値の平均から,表3のクラスに分類する。
防護服に裏地・中綿が付いているなど材料が複数の層で構成されているときは,最外層の材料を試験す
る。複数の異なる材料で構成される防護服は,材料のそれぞれについて試験する。
試験結果は,8.3で報告する。
表3−引裂強さの分類
単位 N
クラス 平均引裂強さ
3 100以上
2 40以上 100未満
1 10以上 40未満
6 縫合部試験
6.1 洗濯による前処理
製造業者が洗濯可能であるとする縫合部の試験に用いる試験片は,試験する前に,洗濯のサイクル間の
乾燥を除き(洗濯と洗濯との間に必ずしも防護服を乾燥させる必要はない。),製造業者が指定する方法で
洗濯による前処理を行う[8.2 a) 参照]。
指定のない場合は,ISO 6330に基づき,受渡当事者間で洗濯方法を協議し,前処理する。
洗濯及び/又は保守について製造業者が特別な条件を設定しているときは,8.1 i) に基づき,その内容を
表示する。
前処理のための洗濯回数は,製造業者が指定し,表示した回数とする。ただし,製造業者が洗濯回数を
指定していない防護服の洗濯回数は,30回とする。
6.2 縫合部の耐液体浸透性
6.2.1 耐液体浸透性(アトマイザー試験)
レベル1a防護服の縫合部の耐液体浸透性は,EN 14786によって試験を行う(附属書B参照)。
試験片を中央に置き,3枚の測定値の平均から合否を判定する。3枚の測定値の平均が最低要求事項限界
値の10 %以内(すなわち,試験結果が5.5 %以下である場合)であるときには,更に3枚の試験を行い,6
枚の測定値の平均から合否を判定する。防護服に複数のタイプの縫合部が用いられているときは,それぞ
れについて試験を行い,最も低い性能レベルから合否を判定する。
試験液は,標準試験液及び/又は指定濃度に希釈した散布に使用する農薬(実剤)とする。ただし,ISO
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27065に基づく製品との比較を行う場合に用いる試験液は,それが材料及び縫合部について同等の性能を
満たすものに限って,標準試験液A剤と別の試験液を用いてもよい。使用した試験液,試験片などの汚染
物は,国及び地方自治体の規則に基づいて廃棄する。
試験結果は,8.3で報告する。
6.2.2 耐液体浸透性(ピペット試験)
レベル1b防護服及びレベル2防護服の縫合部の耐液体浸透性は,JIS T 8034のA法によって,0.2 ml
の試験液で試験を行う。
試験液が直接滴下するように,試験片をたて方向に沿って中央に置いて試験する。試験液が縫合部に直
接滴下しなかったときは,試験片を破棄し,新しい試験片を使って試験をやり直す。3枚の浸透測定値の
平均から縫合部を分類する。3枚の測定値の平均が最低要求事項限界値の10 %以内(例えば,要求性能が
5 %以下であるとき,試験結果が5.5 %以下である場合)であるときには,更に3枚の試験を行い,6枚の
測定値の平均から縫合部を分類する。防護服に複数のタイプの縫合部が用いられているときは,それぞれ
について試験を行い,最も高い浸透率から性能レベルを分類する。
試験液は,標準試験液及び/又は指定濃度に希釈した散布に使用する農薬(実剤)とする。ただし,ISO
27065に基づく製品との比較を行う場合に用いる試験液は,それが材料及び縫合部について同等の性能を
満たすものに限って,標準試験液A剤と別の試験液を用いてもよい。使用した試験液,試験片などの汚染
物は,国及び地方自治体の規則に基づいて廃棄する。
また,分析的手法であるJIS T 8034のB法を用いて有効成分を定量してもよい(5.2.2参照)。
試験結果は,8.3で報告する。
6.3 縫合部の加圧下における耐液体浸透性
レベル3防護服の縫合部の加圧下における耐液体浸透性は,JIS T 8031の手順E(任意手順)によって3
枚の試験片を用いて試験を行う。
試験液は,標準試験液及び/又は指定濃度に希釈した散布に使用する農薬(実剤)とする。
この規格における手順Eは,次のとおりとする。まず0 kPaの圧力において試験片を1分間放置する。
次いで,この圧力を毎分1 kPaずつ増やし,最大15 kPaまで観察する。3枚の試験片の全てが14 kPaを超
えたとき(すなわち,浸透が見られなかったとき),縫合部は試験に合格とする。ただし,ISO 27065に基
づく製品との比較を行う場合に用いる試験液は,それが材料及び縫合部について同等の性能を満たすもの
に限って,標準試験液A剤と別の試験液を用いてもよい。使用した試験液,試験片などの汚染物は,国及
び地方自治体の規則に基づいて廃棄する。
防護服に複数のタイプの縫合部が用いられているときは,それぞれについて試験を行い,最も低い性能
から合否を判定する。
試験結果は,8.3で報告する。
6.4 縫合部の耐透過性
材料に対し特定の農薬についての追加の試験が要求されるときは,縫合部の耐透過性を,JIS T 8030の
8.9(試験片の目視評価)を含めJIS T 8030のA法によって評価する。
試験液には,使用時の希釈度に精製水で希釈した特定の農薬を用いる。3枚の試験片を試験し,測定値
の平均を標準破過時間とする。防護服に複数のタイプの縫合部が用いられているときは,それぞれについ
て試験を行い,最も低い性能から合否を判定する。
標準破過時間は,開放回路系試験のときには,標準透過速度が毎分1 μg/cm2に達したとき,閉鎖回路系
試験のときには,標準透過質量が2.5 μg/cm2に達したときとする。
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注記 精製水で希釈した農薬が,乳濁又は懸濁する混合物である場合は,試験中に,試験液投入側セ
ル隔室をかくはん(攪拌)する必要が生じることがある。また,有効成分を検出するために,
特定の検出装置が必要になることもある。
試験液及び試験結果は,8.3で報告する。
6.5 縫合部強さ
縫合部強さは,主要直線縫合部をJIS L 1093の7.1(グラブ法)によって試験し,最も低い強さの測定
値から,表4のクラスに分類する。ただし再使用可能防護服に使用される材料で,伸度が50 %を超える材
料には,この要求事項は適用しない。
試験結果は,8.3で報告する。
注記 JIS L 1093の7.1(グラブ法)に規定する試験法は,二つの材料が結合する縫合部だけに適用さ
れる。
表4−縫合部強さの分類
単位 N
クラス 平均縫合部強さ
3 300以上
2 150以上 300未満
1 30以上 150未満
7 防護服完成品試験
7.1 洗濯による前処理
製造業者が洗濯可能であるとする防護服は,試験する前に,洗濯のサイクル間の乾燥を除き(洗濯と洗
濯との間に必ずしも防護服を乾燥させる必要はない。),製造業者が指定する方法で洗濯による前処理を行
う[8.2 a) 参照]。
洗濯及び/又は保守について製造業者が特別な条件を設定しているときには,8.1 i) に基づき,その内容
を表示する。
前処理のための洗濯回数は,製造業者が指定し,表示した回数とする。ただし,製造業者が洗濯回数を
指定していない防護服の洗濯回数は,30回とする。
7.2 実用性能
上下服形防護服及び一体形全身防護服は,外観検査及び実用性能試験を行う。実用性能試験は,附属書
Aに定める手順で,外観検査を終えた防護服に対して行う。
防護服は,次の基準に適合しなければならない。
a) 農薬の防護服内部への浸入を可能にする構造でない。
外付ポケットは,ポケットの内部に農薬が浸入しないこと又は付着しないことが保証されるときに限
って,認められる。
注記 この要求事項に適合する外付ポケットは,フラップ付きなどのポケットである。
b) 試験運動中,防護服は被験者の作業の実施を妨げるものでない。
c) 防護服の開閉具は完全に密閉される構造である。試験運動中に,液体の浸入を可能にする間隙及び/
又は開口部が開閉具に生じてはならない。
防護服が支障となり被験者のいずれかの動作ができなかったとき,被験者の動作によって防護服に大き
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な損傷が生じたとき,又は試験終了まで開閉具の密閉が維持されなかったときは,不合格とし,試験を中
止する。
快適性を含む,実用性能試験中に被験者が述べたコメントを記録する。否定的なコメントがこの試験の
不合格に必ずしもつながるものではない。
快適性に関する否定的なコメントは,8.2 e) に示す製造業者が取り組む事項であり,被験者が提供する
これ以外の情報は,将来の改善に向けて収集するものである。
7.3 耐液体浸透性
7.3.1 低レベルスプレー試験(ミスト試験)
レベル2防護服は,附属書Aに定める手順で,着用による前処理を行う。次いで,ISO 17491-4のA法
で試験を行ったとき,防護服に基準汚染面積の3倍を超える浸透があってはならない。試験は,二人の被
験者がそれぞれ別の防護服を用いて行い,共に合格しなければならない。試験結果は,8.3で報告する。
低レベルスプレー試験に用いる試験液は,(52±7.5)×10−3 N/mの表面張力の試験液とする[ISO 17491-4
の箇条5(Liquid for application in the form of a spray)参照]。
7.3.2 高レベルスプレー試験(スプレー試験)
レベル3防護服は,附属書Aに定める手順で,着用による前処理を行う。次いで,ISO 17491-4のB法
で試験を行ったとき,防護服に基準汚染面積の3倍を超える浸透があってはならない。試験は,二人の被
験者がそれぞれ別の防護服を用いて行い,共に合格しなければならない。試験結果は,8.3で報告する。
高レベルスプレー試験に用いる試験液は,(30±5)×10−3 N/mの表面張力の試験液とする[ISO 17491-4
の箇条5(Liquid for application in the form of a spray)参照]。
7.4 人間工学
必要であれば,最大連続着用時間などの,熱ストレス予防を目的とした事項を取扱説明書に記載する[8.2
e) 参照]。8.2 e) には,実用性能試験中に被験者が提供した防護服の快適性に関するコメント(7.2参照)
を含めてもよい。
8 表示及び製造業者による製品情報
8.1 表示
防護服には,本体の見やすい場所に見やすい大きさの文字で,少なくとも次の事項を恒久的な方法で表
示する。
a) 製造業者名若しくは輸入業者名,又はその商標若しくはその他の識別手段
b) 製品の名称,及び/又は製品品番
c) この規格(JIS T 8126)の番号及び年号
d) 防護レベル(レベル1a,レベル1b,レベル2又はレベル3)及び使用した試験液(標準試験液A剤,
標準試験液B剤及び/又はその他の試験液)。ただし,使用した試験液の種類(希釈度を含む。)が多
数となる場合は,主なものを表示し,試験したその他の結果は,8.2及び/又は8.3に記載する。
e) 限定使用又は再使用可能であることの別
f) JIS L 4004,JIS L 4005又はJIS T 8005に基づくサイズ表示
g) IS L 0217又はISO 3758に基づく繊維製品の取扱いに関する表示記号
h) 製造年又はその略号,ただし,有効保管期間が24か月未満の製品は製造年月。
注記 この情報は,製品への表示に代えて,販売用包装単位ごとに表示してもよい。
i) 製造業者が洗濯は不可とする防護服又は洗濯回数を30回以下とする防護服は,製品寿命に関する注意
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事項を利用者に伝える警告。
j) 従わなかったときに防護服の防護性能に影響を与える可能性がある,洗濯又は保守に関する注意事項。
注意事項の例としては,特殊な洗剤の使用,タンブル乾燥又ははっ水仕上げを再活性化するためのア
イロン掛けなど熱の使用などがある。
8.2 取扱説明書
防護服には,8.1の各事項[ただし,h) 製造年又はその略号は除く。]及び次の事項を含む取扱説明書を
個別の防護服又は少なくとも販売用のこん包単位に,添付しなければならない。また,製造業者は,不適
切な環境での防護服の使用及び誤用を防ぐための情報を,必要に応じて,警告として示さなければならな
い。
a) 洗濯並びに除染に関する指示及び注意事項
1) 材料の性能を回復させるための処置を含む,洗濯,除染及び保守に関する手順。
2) 必要に応じて,材料の性能を保持できる最大洗濯回数。
3) 完全に洗濯・乾燥が終わっていない防護服を着用してはならないことを利用者に助言する文言。
b) 必要に応じて,廃棄基準及びその確認方法(例えば,はっ水性を測定するなど)。
c) 農薬の原液を大量に浴びるなど,極めて高いリスクの場合には,直ちに防護服を脱衣する旨の指示。
d) 経年変化があるものは,その保管期間。
e) 必要に応じて,熱ストレスが生じる可能性に関する警告並びに防護服の選択及び使用に関する注意事
項。
f) 防護服の防護性能を大幅に低減させる条件又は要素を含む,使用制限(使用可能分野,使用不可能分
野)についての記載。
g) 必要に応じて,着脱手順。
h) 使用前に行う,目視による擦り切れ及び/又は摩耗の検査を含む,検査項目。
i) 製造業者が損傷の修理を認めているときは,その修理方法。
j) 廃棄に関する注意事項
8.3 製品技術情報
8.3.1 一般
製造業者は,規格に規定する試験結果及び分類についての情報を示さなければならない。この情報は,
8.2に加えてもよい。
8.3.2 耐薬品性に関する情報
試験した浸透試験データなど耐薬品性に関する情報は,表形式などで記載する。これには,試験に使用
した農薬の情報を含める。
例 ペンディメタリン37.4 %の乳剤を5 % a.i. に希釈した液(標準試験液A剤)を使用した。
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JIS T 8126:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 27065:2011(MOD)
JIS T 8126:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.10 : 防護服
JIS T 8126:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISL0217:1995
- 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法
- JISL1093:2011
- 繊維製品の縫目強さ試験方法
- JISL1096:2010
- 織物及び編物の生地試験方法
- JISL1913:2010
- 一般不織布試験方法
- JISL4004:2001
- 成人男子用衣料のサイズ
- JISL4005:2001
- 成人女子用衣料のサイズ
- JIST8005:2015
- 防護服の一般要求事項
- JIST8030:2015
- 化学防護服―防護服材料の耐透過性試験
- JIST8031:2010
- 化学防護服―防護服材料の加圧下における耐液体浸透性試験
- JIST8034:2008
- 化学防護服―防護服材料の液状農薬に対する耐浸透性(反発性,吸収性及び浸透性)の測定方法
- JIST8115:2015
- 化学防護服