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T 9241-3 : 2015
附属書A
(規定)
油圧装置・空圧装置
A.1 油圧装置
A.1.1 油圧アクチュエータ(ホース,パイプ,連結部,その他圧力に関連する部品を含む。)は,圧力に
よって生じる全ての負荷に対して耐えられるよう考慮されていなければならない。
さらに,それらの部品は,使用する作動油(油圧機器又は油圧系統に使用する液体)と適合していて,
ねじれ,振動及び物理的損傷によって生じる直接的応力を考慮して設計しなければならない。
A.1.2 油圧装置は,次の規定を満足しなければならない。
a) 外部シリンダの設計は,JIS B 8361に従って設計しなければならない。計算時に静圧(流線に平行な
面に及ぼす液体の圧力)だけを用いて計算する場合には,計算圧は,実際の静圧の1.8倍に達しなけ
ればならない。
b) 剛性パイプ及び管継手の設計についてもJIS B 8361に従う。計算時に静圧だけを用いて計算する場合
には,計算圧は,実際の静圧の2倍に達するものとする。
c) たわみ管路は,JIS B 8360又はJIS B 8364によって製造する。
A.1.3 ポンプ側の圧力が,最低作動圧力(機器の作動を保障できる最低の圧力)以下になったとき,昇降
機のレベルがどこの位置であっても,許容質量を維持するために,逆止め弁(一方向だけに流体の流れを
許し,反対方向には流れを阻止するバルブ)を設置しなければならない。
A.1.4 逆止め弁の閉鎖は,昇降用油圧アクチュエータ側の圧力と,少なくとも一つのガイドスプリング又
は重力によってできなければならない。
A.1.5 使用圧力(機器又はシステムを実際に使用する場合の圧力)の1.5倍で作動するように調整した,
リリーフバルブ(回路内の圧力を設定値に保持するために,液体の一部又は全部を逃がす圧力制御弁)を
装備し,これによって,回路内の最大圧力を,使用圧力の1.5倍以下に調節しなければならない。リリー
フバルブから放出された加圧油は油タンクに戻さなければならない。
A.1.6 油圧装置は,空気を排出する(エアー抜き)機能をもっていなければならない。
A.1.7 駆動油圧システムは,タンクの油量を容易にチェックできなければならない。
A.2 空圧装置
A.2.1 空圧装置は,A.1に規定する要求事項によるほか,次による。
a) 空圧アクチュエータ(空圧ホース,パイプ,管継手,その他の空圧部品を含む。)の設計は,JIS B 8370
に従い,圧力によって生じる全ての負荷に対して耐えられるよう考慮しなければならない。
b) 安全弁は,最大質量を加えたときの静圧の1.5倍まで調整できなければならない。安全弁は,認めら
れた者以外の者が操作できないようにしなければならない。
――――― [JIS T 9241-3 pdf 26] ―――――
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附属書B
(参考)
定期点検事項
B.1 リフトの定期点検は,製造業者の指定する間隔(少なくとも,年1回)で行わなければならない。
定期点検とは,目視検査を意味し,特に耐荷重構造及びブレーキの付いたもの,制御,安全装置,身体支
持具などの昇降機構に対する機能試験並びにブレーキの調整及びねじ類の増し締めのようなメンテナンス
を行う。最大質量の状態で,1昇降サイクルの負荷稼働試験も行う。
B.2 定期点検は,リフトの設計,使用及び管理に詳しい者が行うこととし,定期点検については取扱説
明書に記載する。
B.3 リフトの安全性にとって重要な全ての観察結果は,記録簿に記載し,記録簿はリフトの保守管理責
任者が管理する。記載された観察結果に対して行った調整などは,その日付も記録簿に記録する。
B.4 点検の日付及び点検結果は,点検簿に記録し点検者が署名する。目視検査を完了した着脱式剛性身
体支持具には照合のためのマークを付し,その結果を記録簿に記録する。家庭,施設などの使用環境につ
いても記録する。
B.5 定期点検の結果,リフトの安全性を損なうような欠陥,摩耗,損傷などを発見したときは,直ちに
所有者に知らせる。安全性に対する危険が差し迫っているときは,直ちにリフトの使用をやめて,欠陥が
取り除かれるまでリフトを使用禁止にする。
B.6 定期点検と定期点検との間に重大な欠陥及び損傷が生じ,調整を行ったリフトは,記録簿にその内
容を記録する。
B.7 欠陥,損傷などは,対策のため製造業者に報告し,記録簿に記録する。
B.8 スリングの定期点検は,少なくとも半年ごとに,製造業者の指定する間隔で行う。スリングが普通
以上の頻度で使われ,又は洗濯されている場合には,より頻度の高い定期点検が必要となる。
B.9 定期点検は,適切かつ厳密に資格を得,リフトのデザイン,使用法及び取扱いに精通した者によっ
て行う。
B.10 定期点検の記録簿は,偶然起きる事故に備えて安全に保管する。
B.11 定期点検の記録簿には,次の事項を含める。
− 点検日
− 身体支持具の固体識別の詳細及びシリアル番号
――――― [JIS T 9241-3 pdf 27] ―――――
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− 身体支持具の状況についての情報
− 次回の決められた点検日
− 点検者の身分証明及び署名
――――― [JIS T 9241-3 pdf 28] ―――――
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附属書JA
(参考)
表示・添付文書
JA.1 表示・添付文書
JA.1.1 製造業者が提供する情報
製造業者が提供する情報は,次による。
a) 安全上の注意 情報には,用具単体の情報及びその他の用具又は形式の用具と組み合せて使用できる
かの助言並びに使用者の安全性を確実にするために必要な注意事項又は制限として,少なくとも次の
事項を含まなければならないが,これらに限定するものではない。
− 高温,低温表面に関する注意事項についての警告及び助言
− 可動部分と固定部分間との安全距離に関する注意事項についての警告及び助言
− 用具の折り畳み方法,調整法の説明,並びにリスク要因を避けるために必要な注意事項についての
警告及び助言
− 安全なつり上げ及び扱いに関する助言
− 液体の浸入に対する電気機器の保護レベル。意図した使用環境及び関連した安全推奨策に関する助
言
− 危険な器具の組合せについての情報(例えば,リフトのスリング用ハンガーは特定製品だけに使用
できる。)
b) 字を読むことが困難な人の使用を意図している場合,提供する情報は,それらを理解できる形で行わ
なければならない。視力障害のある人が使用することを製造業者が意図している用具については,触
知可能(例えば,点字)又は可聴様式でなければならない。
c) 情報には,点検・保守及びクリーニングに関する指示,又は依頼先を含めなければならない。用具が
クリーニングされることを想定している場合,腐食を避けるのに必要な方法及び適切なクリーニング
剤。用具が消毒されるようになっている場合,腐食を避けるのに必要な方法及び適切な薬剤。
d) 用具の強度及び耐久性が,被懸ちょう者又は介助者の体重に関連している場合,製造業者の情報及び
ラベルには使用限界値としての質量を記載しなければならない。
e) 用具が防炎性ではない場合,使用者又は介助者の安全性を確保するのに必要な注意事項が必要であり,
器具が不燃性でないことを示すラベルをその用具に貼付しなければならない。
f) 用具が電磁気エミッションの影響を受ける可能性のある場合は,その情報には次の事項を含めなけれ
ばならない。
− 意図した使用環境及び危険であると分かっている環境(例えば,無線送信機の至近距離)について
の助言及びリスク要因の説明
− 動作不良を是正する方法についての指針
g) 用具がリスク要因となる騒音を発生する可能性がある場合,高出力騒音レベルに関する注意事項につ
いての警告及び助言
h) 洗浄方法及び洗浄後の管理方法,並びに使用する洗浄材料
i) 消毒方法及び消毒後の管理方法,並びに使用する消毒材料
j) 取扱説明書に用具の目的,強度,耐久性,安全性などの仕様を記載し,機能特性,使用条件及び使用
――――― [JIS T 9241-3 pdf 29] ―――――
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例を記載する。
注記1 この情報を準備するときには,JIS S 0137を考慮することが望ましい。
注記2 製造業者は,使用,処方,技術的見地,医療関連,その他の補完情報などを個別の形で提供
することが望ましい。
参考文献 JIS L 0001 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法
JIS S 0137 消費生活用製品の取扱説明書に関する指針
CISPR 14-1,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and
similar apparatus−Part 1: Emission
CISPR 14-2,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and
similar apparatus−Part 2: Immunity−Product family standard
――――― [JIS T 9241-3 pdf 30] ―――――
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JIS T 9241-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10535:2006(MOD)
JIS T 9241-3:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.10 : 移動用介護用具
JIS T 9241-3:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0641-1:2020
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
- JISB8360:2015
- 液圧用の鋼線又は繊維補強ゴムホースアセンブリ
- JISB8361:2013
- 油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISB8364:2000
- 液圧用繊維補強ゴムホースアセンブリ
- JISB8370:2013
- 空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISS0101:2000
- 消費者用警告図記号
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JIST0601-1-2:2018
- 医用電気機器―第1-2部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:電磁妨害―要求事項及び試験
- JIST9241-5:2015
- 移動・移乗支援用リフト―第5部:リフト用スリング
- JIST9241-6:2015
- 移動・移乗支援用リフト―第6部:立ち上がり用リフト
- JIST9241-7:2015
- 移動・移乗支援用リフト―第7部:浴槽設置式リフト