JIS T 9241-3:2015 移動・移乗支援用リフト―第3部:設置式リフト | ページ 5

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単位 mm
400 400
60%
15% 25%
1
主要項目
1 頭部端
図8−懸ちょう式のストレッチャにおける負荷の位置
g) リフトの昇降数を合計11 000サイクルとし,次の手順によって試験を行う。
1) 無負荷,最大速度でリフトの中央懸ちょう点を1 000サイクル昇降させ,上部位置停止装置を働か
せる。
2) リフト昇降範囲の下限位置において最大質量を加え1 000サイクルの昇降を行う。電動リフトでは,
昇降サイクルごとに約1秒間下部位置停止装置を働かせる。ハンガーの水平回転軸が一つだけであ
るリフトにおいては,試験はハンガーの片側に負荷の1/3,もう片側に2/3の負荷を加える。
3) リフトの昇降範囲の上限位置において最大質量を加え1 000サイクルの昇降を行う。電動のリフト
では,昇降サイクルごとに約1秒間上部位置停止装置を働かせる。
4) リフトの昇降範囲の中間位置において最大質量を加え,8 000サイクルの昇降を行う。
注記 上記の試験は,リフトの“通常使用状態”を模擬するためのものである。
h) 昇降試験中,負荷が垂直方向へ向くように調整することは差し支えないが,その調整のための振り運
動によって生じる力は無視できる程度とする。
7.7.2 剛性身体支持具の耐久性
7.7.1の耐久性試験後,剛性身体支持具及びその固定装置は,製造業者の指定する機能を維持しているか
を確認する。
着脱式身体支持具の固定装置は,最低1 000回の着脱試験を行う。

7.8 静的強度試験方法

7.8.1  据置式の静的強度
リフト及び昇降装置には,製造業者の指示に従って静的負荷を加える。リフトには,通常使用を反映す
るように負荷を加える。リフトは,10°の傾斜角度のついた試験面に設置し,転倒は防ぐが変形は妨げな
いように固定する。アーム/昇降機構は最も不利な位置にセットする。その後,最大質量の1.25倍の負荷
を5分間加える。試験面を水平にし,最大質量の1.5倍の負荷を加え,20分間静置する。

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7.8.2 据置式以外の静的強度
リフトは,製造業者の指示どおりに建物に取り付け,リフトに最大質量の1.5倍の負荷を加え,20分間
静置する。

7.9 静的安定性試験方法

  静的安定性試験方法の手順は,次による。
7.9.1 一般事項
静的安定性試験方法に関する一般事項は,次による。
試験は,中央懸ちょう点,ベース,及びブレーキの位置を最も不利な位置に設定して行う。
7.9.2 無負荷時
無負荷状態のリフトを試験面に置き(図9参照),試験面をリフトが平衡(バランス)を失うまで徐々に
試験面を傾け,その傾斜角度を記録する。
さらに,その逆方向及び直行する2方向で試験を繰り返す。
7.9.3 負荷時
最大質量の負荷を中央懸ちょう点に加え,それが自由に動けるようにする。無負荷時の試験と同様の手
順で試験を繰り返す。剛性身体支持具が付いたリフトでは,負荷の重心が図6aに示した位置になるよう
に負荷を置く。ただし,重心が座部の前端から350 mmを超える場合は,重心の位置は座部の前端から350
mmとする。
試験荷重
安定角=10°
図9−据置式リフトの静的安定性試験

7.10 安全性に関する特定要求事項

  安全性に関する特定要求事項の試験方法は,次による。
a) 切替装置は,機能試験,製造業者の設置説明書との照合及び目視によって判定する。
b) 直進速度は測定によって判定する。
c) 水平方向に手動方式で動くリフトについては,リフトに負荷を乗せて,レールの最終端まで1.5 m/s
の速さで100回動かす。電動モーターを用いるリフトについては,最大並進速度でレールの最終端ま
で100回動かす。
d) リミット装置は,正規のリミットスイッチを作動できないようにした場合に,別系統の装置が作動す
るかどうかを確認する。
e) 緊急下降装置は,実地試験及び目視によって判定する。
f) 最大たわみ量は,製造業者の指示によって取り付けたレールに最大質量負荷をかけたとき,各レール
固定箇所の間のたわみを測定する。

――――― [JIS T 9241-3 pdf 22] ―――――

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7.11 騒音

  昇降機構から水平に1 m離れ,高さ1 mの位置で,最大質量を加えて1昇降サイクルさせたときの騒音
レベルを7.1.2 e) に規定する騒音計で測定する。

8 検査方法

  リフトの検査は,形式検査1)と受渡検査2)とに区分し,検査項目はそれぞれ次による。検査は,箇条5
及び箇条6に適合したものを合格とする。
なお,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議による。
a) 形式検査項目
1) リスクマネジメントによる設計
2) 外観
3) 構造
4) 性能
5) 表示及び取扱説明書
b) 受渡検査項目
1) 外観
2) 表示
注1) 製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。

9 表示及び取扱説明書

9.1 一般

  表示及び取扱説明書は,JIS S 0101及び附属書JAによるとよい。

9.2 表示

9.2.1  一般
この規格の全ての要求事項に適合したリフト機構部及び身体支持具には,容易に消えない方法で見やす
い箇所に次の事項を表示する。また,制御操作部にはその目的機能を表示しなければならない。
a) 製品の名称,規格番号及び種類
b) 製造業者又は販売業者の名前及び住所
c) 種類
d) ロット番号又はシリアル番号
注記 トレーサビリティ及び検査記録の視点から,シリアル番号が望ましい。
e) 製造年月
f) 電動機以外の動力源(例えば,水圧/空圧駆動,操作圧の範囲)の詳細
g) 最大持ち上げ質量
h) 適用身長
i) 着脱式ハンガーには,リフトの最大持ち上げ質量
j) 製品の保護等級(IPコード)[適用する場合 : 6.1 f) 参照]
9.2.2 身体支持具の表示

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身体支持具の製造業者は,リフト又はハンガーのいずれにも適合していて安全な組合せであることを確
認するための表示をしなければならない。
9.2.3 剛性身体支持具の表示
製造業者は,剛性身体支持具の上に,少なくとも次の事項を記載したラベルを容易にはがれないよう
に付けなければならない。ただし,d) h) については,取扱説明書に記載してもよい。
a) 警告/注意を促す表示で,介護者にリフト及び身体支持具の利用に当たっては取扱説明書を参照する
ことを示す表示
b) 身体支持具が,ある特定のタイプのリフトにだけ使用が適用されるかどうかを示す表示
c) 身体支持具の洗浄,消毒の方法などの保守情報
注記 例えば,洗浄の場合は,洗濯に関するJIS L 0001の記号がある。
d) 身体支持具個々の適用分野,取扱い方
e) つり上げ方法でも特に姿勢,座位姿勢か,側が(臥)位か,又はその両方か,更に機種選択,デザイ
ン,使用方法に関するその他一切の重要情報
f) 身体支持具が特定の被懸ちょう者に適合しない場合には,その具体的な障害の部位及びその症状
g) 損傷又は摩耗が激しい場合には使用を中止することの警告
h) 適応可能な場合は,身体支持具の寸法

9.3 取扱説明書

9.3.1  一般
リフト及び/又は身体支持具の購入者には,少なくとも次の情報を含む取扱説明書を提供しなければな
らない。
a) 製造業者,取扱業者又は代理店の名称,住所及び電話番号
b) 使用前のチェックリスト
c) リフトの使用方法
d) リフト及び身体支持具の使用目的及び使用場所
e) ) に規定する主要項目寸法を示すための図/イラスト
f) アフターサービスを受ける際の連絡先の名称,住所及び電話番号
g) 洗浄,消毒の方法などの保守情報
h) 故障及び対応の詳細
i) 技術仕様
− 寸法(必要に応じて図1に示されるものを含む。)
− 最大持ち上げ質量
例 もし,リフト機構,ハンガー,身体支持具のそれぞれの最大持ち上げ質量が異なる場合には,
最も低い最大持ち上げ質量を常に使用しなければならない。
− 安全警告
− 無負荷時のリフトの全質量と,そして必要に応じて取外し可能(例えば,輸送などのため)な主な
部分の質量
− ハンガーとの組合せで使用される身体支持具のデザイン及び形
j) 計器の誤差及び注意・警告表示の付いている製品については,その詳細
k) 装置が正しく組み立てられ,そして正しく安全に操作できるかを確認するのに必要な情報と,装置が
常に正しく安全に動くことを確実にするために必要な保守の種類及び頻度(附属書B参照)

――――― [JIS T 9241-3 pdf 24] ―――――

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l) 問合せに対して,提供できる取替え可能部品のリスト。
m) リスクマネジメントに基づいた全ての警告
例 被懸ちょう者に横方向の力が加わったときに起こる安定性の問題など
n) 前方移動の方向の表示
o) 製造業者はリフトの設置者に,接続箇所に加える負荷に関する詳細な情報を提供しなければならない。
p) リフトが被懸ちょう者自身によって使用されるときには,緊急時に被懸ちょう者が助けを呼べるよう
に,何らかのコミュニケーション機器がリフトの使用範囲に取り付けられていなければならない。
注記 例えばこれは,取扱説明書に注意書きとして記載する,警報装置を付ける,適切な場所に電
話を置く,などである。
q) 適用身長
9.3.2 身体支持具の取扱説明書
身体支持具の接続及び取外しの方法を,取扱説明書に明確に記載しなければならない。
9.3.3 ハンガーの取扱説明書
ハンガーに関する取扱説明書は,次による。
a) 取扱説明書には,ハンガーと一体となって使われる身体支持具の形及びデザイン,例えば,取付箇所
の数,寸法,取付部の材料についての情報を表示しなければならない。
注記 この情報は,ハンガー上に記載してもよい。
b) 着脱式ハンガーには,リフトの最大持ち上げ質量を表示しなければならない。
9.3.4 剛性身体支持具の取扱説明書
剛性身体支持具の取扱説明書は,9.3.1に加えて,要求事項を規定する。製造業者は,次の詳細を提供し
なければならない。
− 身体支持具の構造に使用されている材料
− 身体支持具の調整及び取外し方法
− 適応可能な場合は,身体支持具の寸法
取扱説明書には,被懸ちょう者のために使用する身体支持具が正しいサイズ,タイプ及び形であること
を確認するために,誤使用による安全性への影響を使用者に警告する記述を記載しなければならない。

――――― [JIS T 9241-3 pdf 25] ―――――

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JIS T 9241-3:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10535:2006(MOD)

JIS T 9241-3:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 9241-3:2015の関連規格と引用規格一覧