JIS Z 1402:2020 木箱の構造 | ページ 10

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Z 1402 : 2020
d) 滑材及びすり材の下面などに用いるボルトは,沈頭しなければならない。
e) 径9 mmのラグスクリューは,部材に径6 mmの下穴をあけてねじ込む。
f) ラグスクリューは,通常,保持材にねじ部が全部入る長さ以上とする。

――――― [JIS Z 1402 pdf 46] ―――――

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Z 1402 : 2020
附属書A
(規定)
負荷床材の許容曲げ荷重
A.1 概要
この附属書は,負荷床材の許容曲げ荷重について規定する。
A.2 等分布荷重
表9及び表10の負荷床材の許容曲げ荷重は,図A.1のとおり,負荷床材の長さ方向に等分布荷重が働く
単純はりとして,式(A.1)によって算出する。
W=wl(N)
w : 単位長さ当たりの荷重
図A.1−負荷床材の等分布荷重
2
4bhf
W b
102 (A.1)
3l
ここに, W : 負荷床材の許容曲げ荷重(N)
b : 負荷床材の幅(cm)ただし,表9では1 cmとする。
h : 負荷床材の厚さ(cm)
fb : 木材の許容曲げ強さ(10.5 MPa)
l : 外側滑材の内のり間隔(cm)
A.3 中央集中荷重
中央集中荷重が働くときの負荷床材の許容曲げ荷重は,式(A.2)によって算出する。
2
2bhf
W b
102 (A.2)
3l
1
したがって,この場合の許容曲げ荷重は,表9及び表10の値の となる。
2
A.4 2点集中荷重
W
図A.2のように,負荷床材の点a及び点bに の2点集中荷重が働くとき,
2

――――― [JIS Z 1402 pdf 47] ―――――

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Z 1402 : 2020
図A.2−負荷床材の2点集中荷重
llWl
1 2 1
a点の曲げモーメントは Ma 1 となり,
l 2
l2 lWl
1 2
b点の曲げモーメントは Mb 1 となる。
l 2
ここに,l1≧l2であれば,Ma≧Mbである。
Wl
等分布荷重の場合の曲げモーメントは M d であるから,l1>l2のとき,その比は式(A.3)となる。
8
Md l2
(A.3)
Ma 4 llll
1 2 1
また,l1=l2のとき,それをl0とすれば,式(A.3)は式(A.4)となる。
Md l
(A.4)
Ma 4l0
l0のいろいろな場合の式(A.4)の値(倍数)は,表A.1のようになる。
表A.1−l0対する倍数
0l
l 倍数
1
10以下
2.5
18以下
2
16以下
1.5
14以下
1 a)
13以下
0.75
12以下
0.5 b)
注a) 等分布荷重と同じ。
b) 中央集中荷重と同じ。
式(A.3)又は式(A.4)による倍数を表9及び表10の値に乗じて許容曲げ荷重とする。ただし,倍数は2.5
を最大限度とする。

――――― [JIS Z 1402 pdf 48] ―――――

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Z 1402 : 2020
A.5 中間滑材の許容曲げ荷重
中間滑材を用い,ヘッダとボルト締めするときは,中間滑材の許容曲げ荷重を式(A.5)によって算出し,
これを内容品による荷重から差し引いて負荷床材の寸法を決めてもよい。
2
2bhf
W b
102 (A.5)
3l
ここに, W : 中間滑材の許容曲げ荷重(N)
b : 中間滑材の総幅(cm)
h : 中間滑材の厚さ(cm)
fb : 木材の許容曲げ強さ(10.5 MPa)
l : 内のり長さ(cm)

――――― [JIS Z 1402 pdf 49] ―――――

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Z 1402 : 2020
附属書B
(規定)
木材の試験強さ及び許容強さ
B.1 概要
この附属書は,木材の試験強さ及び許容強さについて規定する。
B.2 木材の試験強さ,許容強さ及び比重
通常,木箱に用いる木材の試験強さ,許容強さ及び比重は,表B.1による。
表B.1−木材の試験強さ,許容強さ及び比重
樹種 曲げ強さ 圧縮強さ 引張強さ 気乾比重
fb(MPa) fc(MPa) ft(MPa)
試験 許容強さ 試験 許容 試験 許容
強さ 強さ 強さ 強さ 強さ
もみ 63.74 9.7 7.5 39.23 7.3 98.07 15.0 0.45·0.50·0.60
とど松 63.74 9.7 7.5 32.36 6.0 107.87 16.5 0.32·0.40·0.48
杉 63.74 9.7 7.5 34.32 6.3 88.26 13.5 0.30·0.38·0.45
えぞ松 68.65 10.5 8.1 34.32 6.3 117.68 17.9 0.35·0.43·0.52
ラジアタ松 68.65 10.5 8.1 32.36 6.0 98.07 15.0 0.49
赤ラワン 71.59 10.9 8.4 41.19 7.6 − − 0.56
つが 73.55 11.2 8.6 44.13 8.2 107.87 16.5 0.45·0.50·0.60
ひのき 73.55 11.2 8.6 39.23 7.3 117.68 17.9 0.34·0.44·0.54
米つが 75.71 11.6 8.9 39.72 7.3 − − 0.46
から松 78.45 12.0 9.2 44.13 8.2 83.36 12.7 0.40·0.50·0.60
米松 80.91 12.3 9.5 44.62 8.3 − − 0.48
黒松 83.36 12.7 9.8 44.13 8.2 137.29 20.9 0.44·0.54·0.67
赤松 88.26 13.5 10.4 44.13 8.2 137.29 20.9 0.42·0.52·0.62
ぶな 98.07 15.0 11.5 44.13 8.2 132.39 20.2 0.50·0.65·0.75
シベリアから松 100.52 15.3 11.8 44.62 8.3 167.69 25.6 0.51
アピトン 105.42 16.1 12.4 49.52 9.2 − − 0.74
注記1 数値は,常温気乾時(含水率15 %)のものを示している。
注記2 試験強さは,独立行政法人森林総合研究所の資料による。
B.3 木節及び木節群並びに木理の傾斜度と強さとの関係
木節及び木節群並びに木理の傾斜度と強さとの関係は,次による。
a) 木材の強さは,使用する材の木節及び木節群の大きさの割合,並びに木理の傾斜度によって大きく影
響する。また,引張り,圧縮及び曲げによってもその影響は違ってくる。表B.2は,それぞれの場合
の強さの低下率を示している。

――――― [JIS Z 1402 pdf 50] ―――――

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JIS Z 1402:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 1402:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA5508:2009
くぎ
JISB1180:2014
六角ボルト
JISB1181:2014
六角ナット
JISG3141:2017
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISG3141:2021
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JISZ0107:2014
木箱用語
JISZ0108:2012
包装―用語
JISZ1514:1994
ポリエチレン加工紙