JIS Z 2320-1:2017 非破壊試験―磁粉探傷試験―第1部:一般通則

JIS Z 2320-1:2017 規格概要

この規格 Z2320-1は、強磁性体の磁粉探傷試験のための一般的な通則について規定。試験体表面の処理,磁化方法,検出媒体への要求事項及び適用方法,並びに結果の記録及びその解釈を含むが,判定基準については規定しない。

JISZ2320-1 規格全文情報

規格番号
JIS Z2320-1 
規格名称
非破壊試験―磁粉探傷試験―第1部 : 一般通則
規格名称英語訳
Non-destructive testing -- Magnetic particle testing -- Part 1:General principles
制定年月日
2007年1月20日
最新改正日
2017年3月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 9934-1:2015(MOD)
国際規格分類

ICS

19.100
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 溶接 I(基本) 2021, 溶接 II(製品) 2021, 熱処理 2020, 非破壊検査 2020
改訂:履歴
2007-01-20 制定日, 2011-10-20 確認日, 2017-03-21 改正
ページ
JIS Z 2320-1:2017 PDF [29]
                                                                                  Z 2320-1 : 2017

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 試験技術者の資格及び認証・・・・[2]
  •  5 安全上の予防措置・・・・[2]
  •  6 試験手順書・・・・[3]
  •  7 前処理・・・・[3]
  •  8 磁化・・・・[3]
  •  8.1 一般・・・・[3]
  •  8.2 磁化の確認・・・・[5]
  •  8.3 磁化方法・・・・[5]
  •  9 検出媒体・・・・[7]
  •  9.1 検出媒体の特性及び選択・・・・[7]
  •  9.2 検出媒体の性能試験・・・・[8]
  •  9.3 検出媒体の適用・・・・[8]
  •  10 磁粉模様の観察・・・・[8]
  •  11 総合性能試験・・・・[8]
  •  12 磁粉模様の分類,記録及びきずに関する情報・・・・[9]
  •  12.1 磁粉模様の分類・・・・[9]
  •  12.2 疑似模様の確認・・・・[9]
  •  12.3 きずによる磁粉模様の分類・・・・[9]
  •  12.4 磁粉模様の記録・・・・[10]
  •  13 脱磁・・・・[10]
  •  14 清掃及び防食・・・・[10]
  •  15 試験報告書・・・・[10]
  •  附属書A(参考)各種磁化方法に対して指定された試験体表面に平行な磁界の強さを達成するために必要な電流の決定の例・・・・[18]
  •  附属書JA(規定)標準試験片及び対比試験片・・・・[21]
  •  附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[25]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 2320-1 pdf 1] ―――――

Z 2320-1 : 2017

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
非破壊検査協会(JSNDI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS Z 2320-1:2007は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 2320の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 2320-1 第1部 : 一般通則
JIS Z 2320-2 第2部 : 検出媒体
JIS Z 2320-3 第3部 : 装置

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 2320-1 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 2320-1 : 2017

非破壊試験−磁粉探傷試験−第1部 : 一般通則

Non-destructive testing-Magnetic particle testing- Part 1: General principles

序文

  この規格は,2015年に第2版として発行されたISO 9934-1を基とし,国内の事情に合わせるため,技
術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。

1 適用範囲

  この規格は,強磁性体の磁粉探傷試験のための一般的な通則について規定する。磁粉探傷試験は表面き
ず,特に割れの検出に適用できる。表面直下のきずも検出できるが,その検出感度はきずの位置が表面か
ら深くなると急激に低下する。また,この規格は,試験体表面の処理,磁化方法,検出媒体への要求事項
及び適用方法,並びに結果の記録及びその解釈を含むが,判定基準については規定しない。個別製品につ
いての特別な追加要求は,製品規格(関連する規格を参照)によって規定される。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9934-1:2015,Non-destructive testing−Magnetic particle testing−Part 1: General principles
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 2504 電磁軟鉄
JIS G 0431 鉄鋼製品の雇用主による非破壊試験技術者の資格付与
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2305 非破壊試験技術者の資格及び認証
注記 対応国際規格 : ISO 9712,Non-destructive testing−Qualification and certification of NDT personnel
(MOD)
JIS Z 2320-2 非破壊試験−磁粉探傷試験−第2部 : 検出媒体
注記 対応国際規格 : ISO 9934-2,Non-destructive testing−Magnetic particle testing−Part 2: Detection
media(MOD)

――――― [JIS Z 2320-1 pdf 3] ―――――

2
Z 2320-1 : 2017
JIS Z 2320-3 非破壊試験−磁粉探傷試験−第3部 : 装置
注記 対応国際規格 : ISO 9934-3,Non-destructive testing−Magnetic particle testing−Part 3: Equipment
(MOD)
JIS Z 2323 非破壊試験−浸透探傷試験及び磁粉探傷試験−観察条件
注記 対応国際規格 : ISO 3059,Non-destructive testing−Penetrant testing and magnetic particle testing
−Viewing conditions(IDT)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。
3.1
探傷有効範囲(effective testing region)
1回の探傷操作(検出媒体の適用)で試験できる範囲。
3.2
衝撃流(impulse current)
ごく短い時間に衝撃的に流れる電流。
3.3
軸通電法(longitudinal direct contact technique)
電極の間に試験体を挟んで軸方向に電流を流して磁化する方法。
3.4
プロッド法(prods technique)
試験体の表面に2個の電極(プロッド)を押し当て,電流を流して磁化する方法。
3.5
直角通電法(cross current flow technique)
試験体の軸に対して直角な方向に直接電流を流して磁化する方法。

4 試験技術者の資格及び認証

  試験は,十分な能力及び資格をもつ技術者によって遂行されなければならない。資格が適切であること
を証明するためには,JIS Z 2305,JIS G 0431又はそれと同等な公的に認知された規格によって認証され
た資格者であることが望ましい。

5 安全上の予防措置

  試験の実施に当たっては,健康,安全及び環境については,国内法令に準拠しなければならない。
磁粉探傷試験は,試験体及び磁化装置の周囲に強い磁界を作る。これらの磁界に影響されやすい器具類
は,この領域の外に置く必要がある。
磁粉探傷試験は,有害,可燃性又は揮発性の材料を使用する場合があるため,安全に注意し,一般的に
は次のような予防措置を講じなければならない。
a) 皮膚又は粘膜が,有機溶剤分散検査液,有機分散媒及びコントラストペイントに広範に,かつ,繰り
返し触れることは避ける。
b) 試験区域は,労働安全衛生法及び消防法の法的規制に従って適正に換気し,熱源,火花及び火炎から
離れた場所に設置する。

――――― [JIS Z 2320-1 pdf 4] ―――――

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Z 2320-1 : 2017
c) 検出媒体及び探傷装置は,製造業者が提供する使用説明書に従って使用する。
d) 紫外線照射装置を用いる場合は,紫外線が試験技術者の目に直接入らないように注意する。また,A
領域紫外線の放射照度(紫外線強度)が強い場合又は長時間の作業の場合は,作業時に長袖,手袋な
どを着用し,皮膚を紫外線から保護する必要がある。紫外線フィルタは,常に良好な状態に維持する。

6 試験手順書

  全ての試験は承認された手順書に従って実施するか又は関連する規格を参照して実施しなければならな
い。
検査仕様書などによって要求があった場合には,磁粉探傷試験は文書化された手順書に従って実施しな
ければならない。
手順書は,この規格及びほかの適切な規格を参照した簡潔な技術シートの形式のものでもよい。また,
試験が反復可能なように,試験条件を詳細に指定する。

7 前処理

  前処理は,次による。
a) 前処理の範囲は,試験範囲より広くとる。
b) 試験体表面には,検出感度に影響する汚れ,スケール,離性のさび,溶接スパッタ,グリース,油
及びほかの異物が付着していてはならない。
c) 表面の状態に対する要求の程度は,検出すべききずの大きさ及び方向に依存する。疑似模様と磁粉模
様とを区別できるように,試験体表面を処理する。
d) 試験体は,組立部品で,分解が可能であるものは通常,単一部品に分解して探傷する。
e) 探傷に影響するような強い残留磁気が残っている場合など,必要に応じて脱磁する。
f) 試験体の焼損を防ぎ,電流が流れやすくなるようにするために,プロッド法など直接試験体に通電す
る方法では接触部分をきれいに磨き,また,必要に応じて電極に接触パッドを取り付ける。
g) 油孔,その他の孔などで試験後に内部の磁粉を除去するのが困難な箇所には,試験前に,磁粉が入ら
ないように処置をしておく。
h) 密着しているペンキ層のように,およそ厚さ50 mまでの非磁性のコーティングは,通常,検出感度
に影響しないが,より厚いコーティングは,感度を低下させるおそれがあるため,感度の確認を行う。
i) 磁粉模様と試験面との間には,十分な視覚的なコントラストがなければならない。非蛍光磁粉を用い
る場合は,コントラストペイントを用いてもよい(均一な薄い層に塗る。)。
j) 乾式用磁粉を用いる場合は,表面をよく乾燥しておく。

8 磁化

8.1 一般

  磁化するときは,装置の特性,試験体の磁気特性,形状,寸法,表面状態及び予測されるきずの性質な
どによって,磁化の時期,必要な磁界の方向・強さ及び探傷有効範囲を決定し,磁化方法,磁化電流の種
類(直流,脈流,交流,衝撃流)及び電流値を選定する。
探傷有効範囲においては,磁界の方向は試験面になるべく平行にする。また,反磁界を少なくするよう
磁化方法を考慮する。
連続法は試験体を磁化しながら検出媒体を適用する方法であり,残留法は磁化終了後に検出媒体を適用

――――― [JIS Z 2320-1 pdf 5] ―――――

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