JIS Z 4321:1995 放射線測定用タリウム活性化よう化ナトリウムシンチレータ

JIS Z 4321:1995 規格概要

この規格 Z4321は、γ線及びX線の測定に使用する,直径及び高さが127mm(5in)以下の大きさのタウリム活性化よう化ナトリウム結晶を密封容器に入れたシンチレータ(Nal(Tl)シンチレータ)について規定。

JISZ4321 規格全文情報

規格番号
JIS Z4321 
規格名称
放射線測定用タリウム活性化よう化ナトリウムシンチレータ
規格名称英語訳
Thallium-activated sodium iodide scintillator for radiation detection
制定年月日
1971年5月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

17.240
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1971-05-01 制定日, 1974-04-01 確認日, 1977-04-01 改正日, 1983-11-01 確認日, 1989-03-01 確認日, 1995-03-01 改正日, 2000-06-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 4321:1995 PDF [17]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 4321-1995

放射線測定用タリウム活性化よう化ナトリウムシンチレータ

Thallium-activated sodium lodide scintillator for radiation detection

1. 適用範囲 この規格は,       及びX線の測定に使用する,直径及び高さが127mm (5in) 以下の大きさ
のタリウム活性化よう化ナトリウム結晶を密封容器に入れたシンチレータ[以下,NaI (Tl) シンチレータ
という。]について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7507 ノギス
JIS C 0911 小形電気機器の振動試験方法
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H 4170 高純度アルミニウムはく
JIS Z 4001 原子力用語
2. この規格の中で [{}] を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので,参考と
して併記したものである。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4001によるほか,次のとおりとする。
(1) シンチレータ 放射線に対して能率のよい蛍光体。蛍光の減衰時間が比較的短く,放射線計測用とし
て適当なものをいう。
(2) 最大蛍光量波長 NaI (Tl) シンチレータ特有の波長分布のうち,蛍光量最大に対応する波長。
(3) 蛍光量温度係数 単位温度変化に対する蛍光量の変化。%/℃で表す。
(4) 全吸収ピーク NaI (Tl) シンチレータ内で と物質との相互作用により波高分布が得られるが,その
中で の全エネルギーが吸収されたことに対応するピーク。このピークを光電ピーク又はフォトピー
クともいう。
(5) 蛍光量減衰時間 NaI (Tl) シンチレータは,放射線によって励起されると,その後蛍光を放出するが,
N t
その時間的変化は, exp −で表される。ここに, 衰時間といい,光量がe1になるまでの時間を
表す。なお,Nは総蛍光量とする。
(6) エネルギー分解能とNaI (Tl) シンチレータの固有分解能 単一エネルギーの放射線の全吸収ピーク
のパルス波高分布は,統計誤差が問題にならない程度まで十分に計数された場合,一般に正規分布に

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Z 4321-1995
近い形になる。この波高分布において計数が最大計数の21になる幅を最大計数のパルス波高値で割っ
たもので全吸収ピークの鋭さを表し,これをエネルギー分解能という。これから光電子増倍管などの
測定系によるエネルギー分解能の広がりの影響を除いた残りの分解能をNaI (Tl) シンチレータの固有
分解能という。
(7) 自然計数率 遮へい内においてNaI (Tl) シンチレータ及び光電子増倍管自身に含まれている放射性物
質や,宇宙線などからの放射線による単位時間当たりの計数。
(8) 光学窓 NaI (Tl) シンチレータにおいて,放射線によりシンチレータ内で発生した蛍光をNaI (Tl) シ
ンチレータ外に取り出すための窓(図1参照)。
(9) 入射窓 NaI (Tl) シンチレータ外部から入射する放射線を,シンチレータ内に透過させるために設け
られた気密容器の一部(図1参照)。
(10) 密封容器 タリウム活性化よう化ナトリウム結晶を封入する光学窓と入射窓をもつ気密な容器(図1
参照)。
3. 種類及び等級
3.1 用途,形状,大きさ及びフランジによる種類 NaI (Tl) シンチレータは,用途,形状,大きさ及び
フランジによって,表1のとおり分類する。
表1
種類 記号 用途 形状 大きさ フランジ 備考
A形 A 用 円柱形 小形 A式 原則として直径76.2mm以下のものに使用する。
B形 B B式 −
C形 C 大形 C式 −
D形 D D式 取付穴つき
WA形 WA 井戸形 小形 A式 直径44.5mm (43
1in) 及び50.8mm (2in)
WB形 WB B式 直径44.5mm (43
1in) 及び50.8mm (2im)
WIA形 WIA A式 直径76.2mm (3in) 井戸寸法I(井戸内径19.1mm)
WIIA形 WIIA A式 直径76.2mm (3in) 井戸寸法II(井戸内径28.6mm)
WC形 WC 大形 C式 −
X形 X X線用 平板形 − − −
3.2 容器材料及び入射窓材料による種類 NaI (Tl) シンチレータは,容器材料及び入射窓材料によって,
表2のとおり分類する。
表2
種類 記号
アルミニウム −
ステンレス鋼 S
銅 C
ベリリウム B
(入射窓材料)
3.3 光学窓材料による種類 NaI (Tl) シンチレータは,光学窓材料により,表3のとおり分類する。

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表3
種類 記号
光学ガラス −
ほうけい酸ガラス P
石英 Q
3.4 固有分解能による等級 NaI (Tl) シンチレ−夕は,固有分解能により,表4のとおり分類する。
表4
等級 記号
A級 A
B級 −
3.5 自然計数率による種類 NaI (Tl) シンチレータは,自然計数率により,表5のとおり分類する。
表5
種類 記号
一般用 −
低自然計数率 L
4. 形名 形名は,3.の記号及びNaI (Tl) シンチレータの結晶の大きさを表す数字を4項目の組合せで構
成し,その配列及び表し方は次の各項による。
(1) 形名の配列 形名の配列は,次による。
1項 2項 3項 4項
(数字) (文字) (数字) (文字)
(2) 形名の表し方 (1)の各項の内容は,次による。
1
in
(a) 1項の数字 NaI (Tl) シンチレータの結晶の直径を6.35mm 4 を単位とした倍数で表し,その値を
記す。
例 50.8mm (2in) であれば 8
76.2mm (3in) であれば 12
(b) 2項の文字 3.1の記号を記す。
1
(c) 3項の数字 NaI (Tl) シンチレータの結晶の高さを6.35mm 4
inを単位とした倍数で表し,その値を
記す。
ただし,X形の結晶の場合は,1mmを10とする。
(d) 4項の文字 3.23.4の種類又は等級の記号を列記する。ただし,標準形(1)の場合及び記号が規定さ
れていない種類又は等級については,特に記さないものとする。
なお,列記の順序は,容器材料(X形の場合は入射窓材料),光学窓材料,固有分解能,自然計数
率の順とする。
注(1) 標準形とは,容器材料及び入射窓材料がアルミニウム,光学窓材料が光学ガラス,固有分
解能がB級,自然計数率が一般用の組合せをいう。
例 D形直径127.0mm (5in),高さ127.0mm (5in) で容器に銅を用い,石英の光学窓をもち,分解
能がA級で,低自然計数率用の場合,20 D 20 CQALと表す。
5. 性能
5.1 耐振動性 10.4の方法により試験を行ったとき,器体に損傷があってはならない。

――――― [JIS Z 4321 pdf 3] ―――――

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5.2 温度変化に対する耐久性 10.5の方法により試験を行ったとき,器体に損傷があってはならない。
5.3 耐圧性 10.6の方法により試験を行ったとき,器体に損傷があってはならない。
5.4 気密性 10.7の方法により試験を行ったとき,器体に損傷があってはならない。
5.5 エネルギー分解能 エネルギー分解能は,次の各項に適合しなければならない。
(1) 用NaI (Tl) シンチレータ 10.8(1)の方法により試験を行ったとき,662keVの全吸収ピークの固有
分解能は,表6及び表7を満足すること。
表6 直径が76.2mm (3in) 以下の場合
単位%
等級 A B
形状
円柱形 6.5以下 9.0以下
井戸形 9.0以下 11.0以下
表7 直径が76.2mm (3in) を超え127mm (5in) 以下の場合
単位%
等級 A B
形状
円柱形 8.0以下 10.0以下
(2) 線用平板形NaI (Tl) シンチレータ 10.8(2)の方法により試験を行ったとき,5.9keVの全吸収ピーク
の固有分解能は,表8を満足すること。
表8
単位%
等級 A B
分解能 70以下 80以下
5.6 自然計数率 10.9の方法により試験を行ったとき,結晶1cm3当たりの毎分計数率は表9を満足し,
更に,40Kなどの天然放射性物質以外の顕著なピークが認められてはならない。ただし,X形(平板形)
は,この限りでない。
表9
種類 計数率
低自然計数率 (L) 1 以下
一般用 2.5以下
5.7 温度特性 10.10の方法により試験を行ったとき,蛍光量温度係数は+0.1−0.2%/℃の範囲内でな
ければならない。
6. 特性
6.1 結晶の成分及び物理的性質 NaI (Tl) シンチレータに用いる結晶は,Tlを含むNaI結晶で,その成
分及び物理的性質は,表10の値を満足しなければならない。
表10
平均密度 Tl含有量 最大蛍光量波長 蛍光量減衰時間 屈折率
g/cm3 %(質量百分率) nm (410nmにおいて)
約3.67 約0.1 約410 約0.25 1.8
6.2 使用エネルギー範囲 NaI (Tl) シンチレータの使用エネルギー範囲は,表11を満足しなければなら
ない。

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表11
単位keV
形状 入射窓
ベリリウ アルミニウム ステンレス鋼 銅

150 30 0.8mm 2.0mm 0.8mm 2.0mm 0.8mm 2.0mm
円柱形 − − 25以上 35以上 80以上 150以上 100以上 150以上
井戸形 − − 25以上 35以上 80以上 150以上 100以上 150以上
平板形 5以上 10以上 − − − − − −
備考 表11の数値は,入射窓に対し垂直に入射する平均光子数の減衰率がe1以下である限界を示す。
7. 構造 NaI (Tl) シンチレータは,光学窓とNaI (Tl) を光学接続し,その形状及び放射線の入射方向に
より,各々次の構造をもつものでなければならない。
(1) 円柱形 円柱形NaI (Tl) シンチレータは,図1(a)に示すように,光学窓以外の全密封容器が入射窓と
なり,シンチレータ内に放射線が入射しやすい構造であること。
(2) 平板形 平板形NaI (Tl) シンチレ−夕は,図1(b)に示すように,密封容器の特定部分だけを入射窓と
し,入射窓を直視する方向からだけシンチレータ内に入射する構造であること。
(3) 井戸形 井戸形NaI (Tl) シンチレ−夕は,図1(c)に示すように,シンチレータの一部分をくり抜き,
くり抜き部に沿って入射窓を設けた構造であること。
図1
8. 形状,寸法及び材質
8.1 結晶寸法 結晶寸法の範囲は,表12のとおりとする。

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