JIS Z 4321:1995 放射線測定用タリウム活性化よう化ナトリウムシンチレータ | ページ 3

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10.5 温度サイクル試験 供試NaI (Tl) シンチレータを設定温度範囲が040℃で,空そう時,すべての
温度範囲において1時間に20℃以上の温度変化速度をもち,温度を自動制御できる可変恒温槽内に適当な
防振ゴムを敷き,その上に配置する。
温度範囲を040℃とし,温度変化は20℃/hとして24時間中サイクルを3回繰り返し,常温常湿にお
いて3か月放置した後,10.2,10.3及び10.8の試験を行い,供試NaI (Tl) シンチレータの損傷の有無を調
べる。
10.6 加圧試験 加圧装置に供試NaI (Tl) シンチレータを入れ,槽内の圧力を0.2MPa{2kgf/cm2}に加圧
し,そのまま30分間保ち,常温常湿において3か月放置した後,10.2,10.3及び10.8の試験を行い,NaI (Tl)
シンチレータの損傷の有無を調べる。ただし,平板形は行わない。
10.7 損傷漏れ試験
10.7.1 減圧損傷試験 減圧装置に供試NaI (Tl) シンチレータを入れ,1.3mPa [{10−5Torr}] まで減圧して30
分間保ち,供試NaI (Tl) シンチレータの損傷の有無を調べる。ただし,平板形は行わない。
なお,この試験は,10.7.2耐湿漏れ試験の前に行う。
10.7.2 耐湿漏れ試験 40±3℃に固定された恒温槽内に,表面積300mm×300mm以上のほうろう引きバ
ットに水を満たし,その上に金網状の台を置き,供試NaI (Tl) シンチレータを配置する。この状態で1週
間保ち,常温常湿において3か月放置した後10.2,10.3及び10.8の試験を行い,供試NaI (Tl) シンチレー
タの損傷の有無を調べる。
なお,試験中バットの水がなくならないよう,また,恒温槽内に結露した水滴が直接供試NaI (Tl) シン
チレータに接触しないように注意する。
10.8 分解能試験 図4において指定された回路で,次の各項によりエネルギー分解能を試験する。
(1) 用NaI (Tl) シンチレータ まず10.1の条件によりパルス波高値Aがパルス波高分析器のフルスケ
ールの約80%になるように増幅器の増幅度(又は波高分析器の入力変換器)を調整する。図6及び(1)
式により総分解能 (%) を求め,その値から1(3)を引いて固有分解能とする。
R 100(%) (1)
ここに, R : 総分解能
A : による全吸収ピークの最大計数のパルス波高値(図6参照)
B : 計数が最大計数の21になる幅(図6参照)
注(3) “1”は,光電子増倍管などの測定系によるエネルギー分解能の広がりの影響に相当する。
(2) 線用NaI (Tl) シンチレータ 55Feによる全吸収分布が広いため,全吸収ピークのパルス波高が波高
分析器のフルスケールのほぼ中央になるように増幅度(又は波高分析器の入力変換器)を調整し,図
6及び(1)式により総分解能 (%) を求め,その値から7(4)を引いて固有分解能とする。
なお,光電子増倍管は,光電面スペクトル特性がS-11又はこれと同等以上のもので,光電面は試験
されるNaI (Tl) シンチレータの光学窓全面を覆えるものが望ましい。
注(4) “7”は,光電子増倍管などの測定系によるエネルギー分解能の広がりの影響に相当する。

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図6
10.9 自然計数率試験 10.1において指定された回路で自然計数率を試験する。ただし,この場合は,図5
の測定台を鉛等量8cm以上の材料で遮へいする。
まず,供試NaI (Tl) シンチレータを指定の光電子増倍管にシリコーン油を用いて光学的に接合し,20keV
に相当する波高値以上の自然計数を統計誤差が問題にならないくらい十分な時間計数し,計数値の総和か
ら算出された単位容積当たりの毎分計数率を求める。
10.10 温度特性試験 NaI (Tl) シンチレータ及び光電子増倍管それぞれを設定温度に対し±0.5℃の精度で
温度制御可能な恒温槽に入れ,150mm長のアクリル樹脂製ライトパイプを介して光電子増倍管とシリコー
ン油で接続する。その際,恒温槽の断熱壁の中心とライトパイプの先端から75mmの点を一致させて設定
し,両端のライトパイプの恒温槽内への突出長は40mm以上が望ましい。
次に,光電子増倍管は20℃近辺の一定点に,NaI (Tl) シンチレータは0℃及び40℃に設定し,十分恒温
に達したことを確認の上,各温度における光電子増倍管の電流出力から,蛍光量温度係数を算出する。た
だし,パルス出力によって波高値を測定する場合の時定数は,2 獎 上とする。
11. 検査方法 形式検査及び受渡検査の各項目について,10.の方法により試験を行い,5.,8.及び9.の規
定に適合するかどうかを判定する。
(1) 形式検査(5)
(a) 外形寸法
(b) 外観
(c) 耐振動性
(d) 温度変化に対する耐久性
(e) 耐圧性
(f) 気密性
(g) エネルギー分解能
(h) 自然計数率(低自然計数率のものに限る。)
(i) 温度特性
(2) 受渡検査(6)
(a) 外形寸法
(b) 外観
(c) エネルギー分解能

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(d) 自然計数率(低自然計数率のものに限る。)
注(5) 形式検査とは,製品の品質が設計で示されたすべての特性を満足するかどうかを判定するため
の検査をいう。
(6) 受渡検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造に係る製品の受渡しに際して,
必要と認められる特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査をいう。
12. 表示 NaI (Tl) シンチレータ及びその包装には,見やすいところに容易に消えない方法で,次の事項
を表示しなければならない。ただし,高さ12.7mm以下のもの及びX線用平板形は,(3)を省略することが
できる。
(1) 形名
(2) 製造業者名又は略号
(3) 製造年月又は略号
(4) 製造番号又は略号
13. 取扱い上の注意
(1) 急激な温度変化を与えると,シンチレータ結晶が破壊されたり,光学接続の分離等が起こることがあ
るので注意すること。
(2) 衝突,落下等の機械的ショックを与えると,シンチレータが破壊したり,光や湿気の浸入の原因とな
るので慎重に扱うこと。
(3) 日光等の強い光にさらされると,シンチレーションノイズが増加するので,暗所保存が望ましい。
付図1 付図2

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付図3

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付図4
付図5 付図6

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