JIS Z 4343:2015 体内放射能測定装置―γ線放出核種(エネルギー100keV以上3 000keV以下) | ページ 2

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3.5
指示誤差,ΔM(error of indication)
ファントム又は試験用線源を測定したときの正味の指示値Msと取決め真値Mtとの差。指示誤差は,次
の式によって求める。
ΔM Ms Mt
注記 取決め真値Mtは,放射能の取決め真値Atに対応した指示値である。
3.6
相対指示誤差,I(relative error of indication)
指示誤差の取決め真値に対する比の百分率(%)。相対指示誤差は,次の式によって求める。
I 100
t
3.7
相対基準誤差,E(relative intrinsic error)
基準条件の下で,放射線源などを用いたときの相対指示誤差と取決め真値の不確かさとの和。相対指示
誤差を±I,取決め真値の相対拡張不確かさをU(包含係数k=2)とすると相対基準誤差は,±(|I |+U)で
表す。
注記 不確かさは,拡張不確かさで表す。拡張不確かさは,合成標準不確かさに包含係数を乗じて求
める。合成標準不確かさは,各不確かさの成分の標準偏差(標準不確かさ)の自乗和の平方根
である。
3.8
レスポンス,R(response)
ファントム又は試験用線源を測定したときの正味の指示値Msの,取決め真値Mtに対する比。レスポン
スは,次の式によって求める。
MS
R
Mt
3.9
有効測定範囲(effective range of measurement)
装置がこの規格の性能を満たす測定量の範囲。
3.10
エネルギー分解能(energy resolution)
スペクトルにおいて着目するエネルギーに関わる全エネルギー吸収ピークの半値幅(FWHM),又はそ
の値のピークエネルギーに対する比の百分率で表したもの。ここで,半値幅とは,ピークの最高値の1/2
における分布の幅をいう。

4 分類

4.1 使用形態による分類

  装置の使用形態による分類は,次による。
a) 据置形 使用場所に永続的に設置して測定するもの。
b) 可搬形 異なる場所に移動することが可能なもの。ただし,移動中は測定しない。
c) 携帯形 携帯して測定することが可能なもの。

――――― [JIS Z 4343 pdf 6] ―――――

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4.2 性能による分類

  箇条5に規定する性能によって,I形,II形及びIII形に分類する。それぞれの特徴及び代表的な使途は,
次による。
a) 形 核種弁別機能をもち,指示値を内部被ばく線量の評価に用いるもの。
b) I形 核種弁別機能をもち,通常,内部被ばくの有無及び/又は程度を判定するスクリーニングに用
いるもの。
c) II形 核種弁別機能をもたない装置で,II形と同様にスクリーニングに用いるもの。

5 性能

5.1 相対基準誤差

  相対基準誤差は,7.2.2によって試験したとき次による。
− I形 ±(20+USA) %
− II形 ±(30+USA) %
− III形 ±(40+USA) %
注記 この箇条及び7.2.2において,USAはファントムの放射能の取決め真値の相対拡張不確かさ(k
=2)である。

5.2 直線性

  直線性は,7.2.3によって試験したとき,任意の2測定点の相対指示誤差Iの差がいずれも(2 F1+USR)
を超えず,かつ,各測定点の相対基準誤差Eが(F1+USA)を超えてはならない。
ここに, F1 : 許容値(I形の場合は±20 %,II形の場合は±30 %,III形の場
合は±40 %)
USR : 2測定点で用いたファントム又は試験用線源の放射能の取決
め真値の比の相対拡張不確かさ(k=2)
USA : ファントム又は試験用線源の放射能の取決め真値の相対拡張
不確かさ(k=2)

5.3 基準核種以外の測定対象核種に対する相対基準誤差

  基準核種以外の測定対象核種に対する相対基準誤差は,7.2.4によって試験し製造業者が規定しなければ
ならない。ここで,相対基準誤差を規定する基準核種以外の測定対象核種は,受渡当事者間の協定によら
なければならない。
なお,この規定は,III形の装置及び測定対象核種が限定されているII形の装置に適用する。

5.4 測定エネルギー範囲

  測定エネルギー範囲は,7.2.5によって試験したとき,1003 000 keVに調整できなければならない。
なお,この規定は,I形及びII形の装置に適用する。

5.5 積分非直線性

  積分非直線性は,7.2.6によって試験したとき次による。
なお,この規定は,I形及びII形の装置に適用する。
a) 形の装置について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 0.5 %以下
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 0.2 %以下
b) I形の装置について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 1.0 %以下

――――― [JIS Z 4343 pdf 7] ―――――

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− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 0.3 %以下
137Cs検出効率
5.6
137Cs検出効率は,7.2.7によって試験を行い,製造業者が明示しなければならない。この規定は全身を
測定対象とする装置だけに適用する。
131I検出効率
5.7
131I検出効率は,7.2.8によって試験を行い,製造業者が明示しなければならない。
60Co検出効率
5.8
60Co検出効率は,7.2.9によって試験を行い,製造業者が明示しなければならない。この規定は受渡当事
者間の協定によって適用する。

5.9 バックグラウンド

  バックグラウンドは,7.2.10によって試験を行い,製造業者が定める値を超えてはならない。

5.10 決定しきい値

  決定しきい値は,5.65.8に示す核種について,7.2.11によって試験を行い,製造業者が明示しなければ
ならない。このとき,試験時のバックグラウンドによる線量率を併記しなければならない。
なお,決定しきい値に相当する放射能は,7.1.1に示す基準条件において次の値を満足することが望まし
い。
a) 形の装置について
60Coについて
− 20 Bq以下
137Csについて
− 40 Bq以下
b) I形及びIII形の装置について
60Coについて
− 100 Bq以下
137Csについて
− 200 Bq以下

5.11 最大計数率

  最大計数率は,7.2.12によって試験を行い,製造業者が明示しなければならない。

5.12 安定性

  安定性は,7.2.13によって試験したとき,次による。
a) 形又はII形の装置の不安定性について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 2 %以下
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 0.2 %以下
b) II形の装置の変動係数について
0.04以下

5.13 エネルギー分解能

  エネルギー分解能は,7.2.14によって試験したとき,次による。
なお,この規定は,I形及びII形の装置に適用する。
a) シンチレーション検出器を備えた装置の場合
137Csのγ線(662 keV)において
− 9 %以下
b) ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合
137Csのγ線(662 keV)において
− 2 keV以下
60Coのγ線(1 333 keV)において
− 4 keV以下
ただし,検出器有効体積100 cm3以下の装置については

――――― [JIS Z 4343 pdf 8] ―――――

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60Coのγ線(1 333 keV)において
− 3 keV以下

5.14 静電気放電イミュニティ特性

  静電気放電イミュニティ特性は,7.2.15によって試験したとき,レスポンスの変化の許容範囲は±10 %
とする。また,警報機能があるものについては,警報は作動してはならない。

5.15 放射無線周波電磁界イミュニティ特性

  放射無線周波電磁界イミュニティ特性は,7.2.16によって試験したとき,受渡当事者間の協定による範
囲内でなければならない。

5.16 サージ及びリング波イミュニティ特性

  サージ及びリング波イミュニティ特性は,7.2.17によって試験したとき,レスポンスの変化の許容範囲
は±10 %とする。また,警報機能があるものについては,警報は作動してはならない。

5.17 無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性

  無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性は,7.2.18によって試験したとき,
レスポンスの変化の許容範囲は±10 %とする。また,警報機能があるものについては,警報は作動しては
ならない。ただし,受渡当事者間の協定があればこの限りではない。

5.18 温度特性

  温度特性は,7.2.19によって試験したとき,許容範囲は次による。
なお,この規定は,装置の使用環境における温度が標準試験条件から5 ℃を超えて外れる可能性がある
場合に適用する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
1) 据置形の装置について,温度範囲1035 ℃において
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±5 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.2 %
2) 可搬形又は携帯形の装置について,温度範囲540 ℃において
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±10 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.4 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
1) 据置形の装置について,温度範囲1035 ℃において±5 %
2) 可搬形又は携帯形の装置について,温度範囲540 ℃において±5 %

5.19 湿度特性

  湿度特性は,7.2.20によって試験したとき,積分非直線性又はレスポンスの変化の許容範囲は,次によ
る。
a) 据置形の装置について相対湿度範囲4085 %(35 ℃)において
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±5 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.3 %
b) 可搬形又は携帯形の装置について相対湿度範囲4093 %(40 ℃)において
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±10 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.6 %

5.20 外部磁界特性

  外部磁界特性は,7.2.21によって試験したとき,許容範囲は次による。
なお,この規定は,装置の使用環境における外部磁界が標準試験条件を超える可能性がある場合に適用

――――― [JIS Z 4343 pdf 9] ―――――

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する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±10 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.1 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
±2 %

5.21 耐温度衝撃性

  耐温度衝撃性は,7.2.22によって試験したとき,許容範囲は次による。この規定は,受渡当事者間の協
定によって可搬形及び携帯形の装置に適用する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±10 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.4 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
±10 %

5.22 保管温度特性

  保管温度特性は,7.2.23によって試験したとき,許容範囲は次による。この規定は,受渡当事者間の協
定によって可搬形及び携帯形の装置に適用する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±5 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.2 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
±5 %

5.23 耐振動性

  耐振動性は,7.2.24によって試験したとき,許容範囲は次による。この規定は,可搬形及び携帯形の装
置に適用する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±5 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.2 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
±5 %

5.24 耐衝撃性

  耐衝撃性は,7.2.25によって試験したとき,許容範囲は次による。この規定は,可搬形及び携帯形の装
置に適用する。
a) 形又はII形の装置の積分非直線性の変化について
− シンチレーション検出器を備えた装置の場合 ±5 %
− ゲルマニウム検出器を備えた装置の場合 ±0.2 %
b) II形の装置のレスポンスの変化について
±5 %

――――― [JIS Z 4343 pdf 10] ―――――

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JIS Z 4343:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61582:2004(MOD)

JIS Z 4343:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4343:2015の関連規格と引用規格一覧