この規格ページの目次
- 3.30 アイドルモード (idle mode) :
- 4. 音響環境
- 4.1 一般事項
- 4.2 試験環境の適正基準
- 4.3 暗騒音の基準
- 5. 測定器
- 5.1 一般事項
- 5.2 校正
- 5.3 マイクロホンの風防
- 6. 測定対象機器の設置及び作動
- 6.1 一般事項
- 6.2 測定対象機器の配置
- 6.3 測定対象機器の据付け
- 6.3.1 手持ち形機器
- 6.3.2 床置き形及び壁掛け形機器
- 6.3.3 卓上形機器
- 6.3.4 ラック据付け形機器
- 6.3.5 サブアセンブリ
- 6.4 補助装置
- 6.5 測定対象機器の作動
- 7. 音圧レベルの測定
- 7.1 測定表面の選択
- 7.2 半球測定表面
- 7.2.1 半球測定表面の面積及び基本マイクロホン位置
- 7.2.2 半球測定表面上の追加マイクロホン位置
- JIS Z 8733:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS Z 8733:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS Z 8733:2000の関連規格と引用規格一覧
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Z 8733 : 2000
測定対象機器が所定の機器を果たしている状態。
3.30 アイドルモード (idle mode) :
必要なウォームアップの後,測定対象機器に通電してはいるが,作動していない,一つ又は複数の安定
な状態。
4. 音響環境
4.1 一般事項
この規格による測定に適した試験環境とは,次のとおりである。
a) 反射面上の自由音場を備えた精密実験室*
参考* JIS Z 8732に適合する半無響室と考えられる。
b) 4.2及び附属書Aの要件を満足する平坦な屋外空間
c) 測定表面上での音圧に対する残響場の寄与が,その音源による直接場のそれに比べて小さい室内
備考16.
上記c)に規定する条件は,壁と天井に十分な吸音材を施した小さな室内はもちろんのこと,通常,非
常に大きな室の内部で満足される。
4.2 試験環境の適正基準
音源が反射面上の自由音場内に音又は騒音を放射できるようにするため,実際的である限り,試験環境
は反射面以外の反射物からの影響がないものとする。附属書Aは,理想的な条件からの逸脱を考慮するた
めの環境補正値K2の大きさの算出手順を規定する。この規格の目的のためには,環境補正値K2A(表0.1
及び8.4参照)は,数値的には2dB以下でなければならない。この規格に従い周波数バンドごとの音響パ
ワーレベルを算出するには,対象周波数バンドごとのK2が,2dBを超えてはならない。
備考17.
K2Aが2dBを超えるような空間で測定を行わざるをえないとき,表0.1及び8.4を参照するか,若しく
はISO 3746又はJIS Z 8736-1,-2を参照。
4.3 暗騒音の基準
複数のマイクロホン位置上でパワー平均した暗騒音のレベルは,測定されるべき音圧レベルよりも,少
なくとも6dBは低くなければならなく,できることならば15dB以上低いことが望ましい(表0.1及び8.3
参照)。
備考18.
暗騒音の音圧レベルと測定対象機器による音圧レベルとの差が6dB未満のときは,表0.1及び8.3を
参照するか,又はISO 3746を参照。暗騒音を増加させるかもしれない風の影響を最小限にすることが
望ましい。
5. 測定器
5.1 一般事項
マイクロホン及びケーブルを含む計測システムは,JIS C 1505に適合するものとする。使われるフィル
タはIEC 61260のクラス1の要件を満足するものとする。
5.2 校正
一連の測定ごとに,対象周波数範囲内の一つ又は複数の周波数において,測定システム全体の校正を検
証するために,±0.3dBの精度(JIS C 1515に規定するクラス1)をもつ音響校正器をマイクロホンに適用
――――― [JIS Z 8733 pdf 16] ―――――
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する。
校正器は,1年に1回,JIS C 1515への適合性を検証し,測定システム全体では,少なくとも2年に1
回,JIS C 1505への適合性を,該当するJISに対し,トレーサビリティのある校正を行える試験機関で検
証する。
該当JISへの適合性を最後に検証した日付を記録する。
5.3 マイクロホンの風防
屋外でマイクロホンを使うときは,風防を使用することを推奨する。風防が計測システムの精度に影響
を与えないように注意しなければならない。
6. 測定対象機器の設置及び作動
6.1 一般事項
測定対象機器の設置及び作動方法によって,その機器によって放射される音響パワーが大きく影響され
ることがある。この箇条は,測定対象機器の設置及び作動条件に起因する音響パワー出力の変動を最小に
する条件を規定する。設置及び作動条件が問題となる場合,個別規格の指示があるときは,それを遵守す
る。
特に大形の機器に対しては,コンポーネント,サブアセンブリ,補助装置,動力源などのどれが基準箱
に含まれるかを個別規格で規定することが重要である。
6.2 測定対象機器の配置
測定対象機器は,通常の目的で設置されるのと同じように,一つ又は複数の反射面上の,一か所又は複
数か所に設置する。設置条件が複数存在したり,又は典型的な条件が不明なときは,騒音試験のための条
件を取り決め,試験報告書にそれを記載する。試験環境に機器を配置するには7.1に従い,その機器を包
むことができるよう十分なスペースを確保することが重要である。
測定表面に関し,附属書Aの要件を満足するため,測定対象機器は,反射性の壁又は天井若しくはあら
ゆる反射物から十分な距離をおいて配置する。
機器によっては,典型的な設置条件において,二つ以上の反射面が必要であったり(図C.7及び図C.8
参照。例えば,壁を背にして設置される機器),(例えば,ホイストのように)フリースペースが必要であ
ったり,又は(垂直な面の両側において放射が起こってもよいように)他の反射面内に開口部が必要であ
ったりする。設置条件及びマイクロホン配置の構成に関する詳細な情報は,この規格の一般的な要件及び
そのような機器のための個別規格に基づくことが望ましい。
通常の利用において,実際に典型的であるときに限り,測定対象機器を二つ以上の反射面の近くに設置
する。
6.3 測定対象機器の据付け
多くの場合,放射される音響パワーは,測定対象機器の支持又は据付け条件に依存する。測定対象機器
のための典型的な据付け条件が存在する場合は,いつでもその条件を使うか,又はシミュレートすること
が適当であるときは,それを行う。
典型的な据付け条件が存在しないか又は試験目的で利用できない場合は,試験のために採用された据付
け方法に起因して,音源の音響出力が変化することのないように注意を払わなければならない。測定対象
機器が据え付けられる構造体からの音響放射を少なくするようなあらゆる手だてを講ずるものとする。
備考
19. それら自身は,特段強い低周波音を放射するわけではなくても,機器の据付け方法によっては,
――――― [JIS Z 8733 pdf 17] ―――――
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多くの小形音源からの振動のエネルギが放射体として考えれば十分に大きな表面に伝達することによ
り,もっと低い周波数を放射することがある。そのような場合,実際的であるならば,支持するもの
への振動の伝達と音源側への反作用の両方を最小にするように,両者の間に弾性支持体を挿入するの
がよい。この場合,据付け基礎は,余分に振動したり音を発したりしないよう,十分に高い機械イン
ピーダンスをもつものが望ましい。測定対象機器が,典型的な使用設置場所において,弾力性のある
据え付けをされるものでないときは,そのような据え付けを使うべきではない。
20. 例えば,駆動部分と被駆動部分との関係のように,結合条件が,測定対象機器の音響放射に極め
て大きな影響を及ぼすことがある。
参考 複数の反射面の近傍に据え付けられる機器の場合,その機器によって放出される音響パワーは,
その位置及び向きに依存することがある。測定対象機器の特定の位置及び特定の向きでの放射
音響パワーを算出することと,複数の位置及び複数の向きに対する平均に基づいて放射音響パ
ワーを算出することの,いずれか,又は両方が試験の対象となることがある。機器ごとの設置
条件の詳細は,該当する個別規格で規定することが望ましい。
6.3.1 手持ち形機器
測定対象機器に含まれないアタッチメントを介して固体伝搬音が伝わらないようにするため,手持ち形
機器は,釣り提げるか又は手で支持する。測定対象機器の作動のために支持構造物を必要とする場合,そ
の支持構造物は,測定対象機器の一部とみなせる程度に小さくなければならず,その機器のための個別規
格に記載する。
6.3.2 床置き形及び壁掛け形機器
床置き形及び壁掛け形機器は,(音響的に硬い)反射面(床,壁)上に置く。壁の前に設置されることだ
けを意図した床置き形機器は,音響的に硬い壁面の前の音響的に硬い床面上に設置する。
参考 次の6.3.36.3.5は,原国際規格にはない規定であるが,試験対象機器の設置条件をより明確に
するため,コンピュータ及び事務機器分野の個別規格であるISO/DIS 7779をもとに作成した。
6.3.3 卓上形機器
卓上形機器は,その作動のためにテーブル又は机を必要とするもの*でない限り,試験室の壁から少なく
とも1.5m離して,床の上に設置する。作動時にテーブルなどを必要とする機器は,標準試験卓の上面の
中央に設置する。いずれの場合も,測定表面は床面上で終了する。
参考* 作動時にテーブルなどが必要な機器としては,例えば,床の上から給紙したり,床の上に排紙
したりするプリンタが挙げられる。標準試験卓の例がJIS Z 8737-1の附属書Bで与えられてい
る。
6.3.4 ラック据付け形機器
ラック据付け形機器は,その機器のための設置仕様書に適合するきょう体内部に設置する。きょう体内
部のすべてのユニットの配置を記述する。機器自身には冷却用のファンを含んではいないが,試験時にそ
れを必要とするラック据付け形機器は,製造業者が提供するものか,又は推奨するとおりにそのような冷
却機器とともに試験を行う。
数種類のエンドユース用のきょう体の内部で使うことのできるラック据付け形機器は,きょう体ごとに
独立した機能ユニットとしてもよいし,又はある一つの完結したシステムとして試験を行い,報告しても
よい。
6.3.5 サブアセンブリ
サブアセンブリは,振動を絶縁するものを使って反射面の上方に支持する。その支持具は,空気伝搬音
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の伝搬を妨げてはならない。反射面までの距離については,各製品分野ごとの個別規格で規定する。使わ
れた据付け条件の詳細を試験報告書に記載する。
6.4 補助装置
測定対象機器に繋がれた電気配管,パイプ又は空気ダクトが,試験環境内に非常に大きな音のエネルギ
を放射することがないように注意を払う。
測定対象機器の作動に必要ではあるが,その一部分ではない補助装置(6.1参照)は,可能であれば,試
験環境の外側に配置する。
外側に配置できないときは,その補助装置を基準箱に含めるものとし,試験報告書に記載する。
6.5 測定対象機器の作動
測定対象機器のための個別規格が存在するときは,測定中,その個別規格に規定する作動条件を使う。
個別規格が存在しない場合は,可能な限り,通常の利用において典型的であるような方法で測定対象機器
を作動される。そのような場合,次の作動条件の一つ又は複数を選択する。
− 規定した負荷及び作動条件
− (上記と異なるときは)最大負荷条件
− 無負荷条件(アイドリング)
− 通常利用の代表的なもので,最大の音を発生するものに対応する作動条件
− 注意深く定義した条件のもとで作動することをシミュレートした負荷条件
− 測定対象機器に特有の作動サイクルでの作動条件
必要とする作動条件(すなわち,負荷条件,機器の速度,温度など)の任意の組み合わせに対し,測定
対象機器の音響パワーレベルが算出されるであろう。これらの試験条件をあらかじめ選択し,試験中一定
に保つものとする。騒音測定を行う前に,測定対象機器は希望する作動条件になければならない。
処理する材料の種類又は使用する工具のような,二次的な作動パラメータに騒音放射が依存するとき,
それが実際的である限りにおいては,変動を最小に抑え,かつ,典型的な作動となるよう,それらのパラ
メータを選択するものとする。特定の種類の機器のための個別規格により,試験のための工具及び材料を
規定する。
試験の目的に応じて,同じ種類の機械からの騒音放射の再現性が高く,かつ,その種の機械に対して最
も共通で典型的である作動条件となるように,一つ又は複数の作動条件を定義することが適切である。こ
のような作動条件は,該当する個別規格で定義するものとする。
シミュレートした作動条件を使うときは,測定対象機器の通常利用の典型となる音響パワーレベルを与
えるように選択する。
それが適切である場合は,個々に定義された作動別時間内に終わる複数の独立した作動条件からなる複
合的な作動条件に対し,その試験結果は,個々の条件を組み合わせ,エネルギ平均を使って合成する。
音響測定中の測定対象機器の作動条件を,試験報告書に詳細に記載する。
7. 音圧レベルの測定
7.1 測定表面の選択
測定表面上のマイクロホン位置の配置を容易にするために,仮想的な基準箱を定義する。この基準箱の
寸法を定義するときには,測定対象機器から突き出た要素のうち,際立って大きな音響エネルギを放射し
ていないものを除外してもよい。これらの突起した要素の取り扱いは,測定対象機器の種類ごとに,該当
する個別規格で特定することが望ましい。マイクロホン位置は,測定表面上にあり,この測定表面とは,
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基準箱のように音源を包み,反射面上で終了する面積Sの仮想的な面である。
測定対象機器の配置,測定表面及びマイクロホン位置は,基準箱の長さ方向及び幅方向に平行な床面内
にある水平軸x及びyによる座標系によって定義される。特性音源寸法d0を図1に示す。
測定表面としては,次の二つのうちの一方を使用する。
a) 半径rの仮想的な半球面又は部分半球面
b) 基準箱の側面に平行な矩形平行六面体。この場合,測定距離dは測定表面と基準箱との間の距離であ
る。
(例えば,たくさんの反射物,高い暗騒音のような)好ましくない音響条件の室内又は空間に通常設置
されるか及び/又は測定せざるを得ない機器に対しては,小さな測定距離を選択することが適当であって,
その場合,通常,平行六面体の測定表面となる。音響的に満足のいく,開放された大きな空間に通常据え
付けられるか及び/又は測定される機器に対しては,通常,大きな測定距離が選択されるが,この場合,
半球形の測定表面が望ましい。指向性測定のためには,半球又は部分半球測定表面が必すである。
同様の機器の一連の測定(例えば,同じ型式の機械又は同じ種類の機械)に対しては,同じ形の測定表
面の利用が必すである。
備考21.
詳細な情報を得るために,分析対象である機器のための個別規格を参考にするとよい。
測定距離d又は半球の半径r同様に,基準箱の構造,測定表面の大きさ及び形を試験報告書に記載する。
7.2 半球測定表面
反射面を介して基準箱と接する鏡像からなる箱の中央(図1の点Q)に半球の中心がくるものとする。
半球測定表面の半径rは,特性音源距離d0の2倍以上とし,1m未満であってはならない。
備考22.
半球の半径r(単位はメートル)は,1,2,4,8,10,12,14又は16のいずれか一つが望ましい。こ
れらの半径の幾つかは,大きすぎて,附属書Aに規定する環境的な要件を満足できないことがある。
そのように大きな値の半径は利用しなくてもよい。
7.2.1 半球測定表面の面積及び基本マイクロホン位置
反射面が一つだけのとき,マイクロホン位置は,測定対象機器を包み,反射床上で終了する面積S=2
の仮想的な半球測定表面上にある。測定対象機器が壁の前にあるとき,S= 定対象機器が隅
にあるときは,S=0.5 定表面の基本マイクロホン位置を,附属書Bの図B.1及び図B.2
に示す。図B.1は,10か所の基本マイクロホン位置を規定しており,それぞれが半径rの半球測定表面上
の等しい面積に対応する。図B.1及び図B.2の半球面上の配列は,マイクロホンに直接入射する音波と反
射面からの反射波との干渉によって発生する誤差を最小にするように選択されている状態。
測定対象機器が二つ以上の反射面に接して設置されるときは,適切な測定表面及びマイクロホン位置を
定義するため,附属書Bの図B.3 a)及び図B.3 b)を引用しなければならない。
(例えば,建設機械のように,移動中及び稼働モード時に測定しなければならない機器のような)ある
種の特別な場合には,マイクロホン位置の数及び配置を通常のものとは異なったものにできる。しかしな
がら,これは,事前に行われた詳細な実験によって,この規格に規定する配列を使って算出した値と,そ
れとは異なる配列によって得られた音響パワーレベルの値が同じであるか,又は大きくてもその差が1dB
未満であることが示されたときだけ可能である。
7.2.2 半球測定表面上の追加マイクロホン位置
次の場合,半球測定表面上の追加マイクロホン位置での音圧レベル測定が必要である。
――――― [JIS Z 8733 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8733:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3744:1994(MOD)
JIS Z 8733:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.01 : 音響測定及び雑音除去一般
JIS Z 8733:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1409:1998
- 残響室法吸音率の測定方法
- JISC1502:1990
- 普通騒音計
- JISC1505:1988
- 精密騒音計
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器
- JISZ8732:2000
- 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―無響室及び半無響室における精密測定方法
- JISZ8732:2021
- 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―無響室及び半無響室における精密測定方法
- JISZ8737-1:2000
- 音響―作業位置及び他の指定位置における機械騒音の放射音圧レベルの測定方法―第1部:反射面上の準自由音場における実用測定方法