JIS Z 8750:2009 真空計校正方法 | ページ 3

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的に閉じているために,排気口が容器の軸に円筒対称ではなくなる場合も含む。),温度こ
う(勾)配,時間変動,収着,脱離,気体放出,真空計の排気速度,微少リークなどがあ
る。後半の五つの要因の場合には,すべての部品は,必要な到達圧力に応じた清浄化及び
/又は加熱脱ガスを施し,真空計の排気速度が,ポンプの有効排気速度の1/100であり,
リークテストを施していると仮定している。
c) 時間変動による校正圧力の不確かさ
注記3 この不確かさは,目的の校正圧力値での参照真空計の読み値を,校正に必要な時間観察す
ることで見積もることができる。
d) 参照真空計の測定の不確かさ 校正証明書に与えられている不確かさに加えて,真空計の長期不安定
性,分解能,表示値のばらつき,オフセット値の測定の不正確さ,オフセット変動,環境条件による
影響,参照真空計として使う場合と校正したときとの校正容器の温度差,温度変動,真空計同士の相
互作用による影響などを含む。
e) 被校正真空計の表示値の読みの不確かさ 分解能,表示値のばらつき,オフセット値(又はゼロ点)
の測定の不正確さ,オフセット(又はゼロ点)変動,校正中の温度変動及び真空計同士の相互作用を
含む。
f) 校正気体の純度の不確かさ
g) 測定の繰返し性 校正証明書には,拡張不確かさU = ku (k =2) を記述する。これは,正規分布を仮定
すると95 %の信頼区間に相当する。

8 校正証明書

  校正証明書は,JIS Q 17025に従って作成する。加えて,この規格による真空計の校正結果において特に
記述すべき項目は,次のとおりである。
− 参照真空計及び被校正真空計の識別(真空計の形式及び製造業者,並びに真空測定子,関連制御計測
部などの製造番号)
− 環境温度(校正中の変動及び不確かさ)
− 真空容器の温度(校正中の変動及び不確かさ)
− 校正気体の種類
− 到達圧力[7.1.5のa) 1)及びb) 3)参照]
− 真空計の設定条件(制御計測部などを含む。)
− 真空計の設置条件(測定子の向き,校正容器の中の位置,場合によっては,測定子の配管の形又はフ
ランジの形など)
校正結果は,それぞれの校正圧力値に対して表1のような表を作成する。

――――― [JIS Z 8750 pdf 11] ―――――

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表1−校正証明書に付加する表の例
pcal pind など e,CF,Sなど U (k = 2)
参照真空計の読みの ゼロ点などの補正を 校正から求めた値(例7.3によって求めた前
施した被校正真空計
平均値に,校正証明書 えば,読み値の誤差 欄の値の校正時の拡
による補正及び校正 e,補正係数CF,V/Pa
の表示値の読み(場合 張(絶対又は相対)不
中の条件での必要な のような感度係数S
によっては,繰返し測 確かさ。
補正を施した校正圧 定の平均値)。 など)。
力。
簡単のために,すべての範囲を一つの不確かさで与えることを顧客及び校正室が同意した
場合には,その範囲での最も大きな不確かさで表現する。
それぞれの校正圧力値ではなく,所定の圧力範囲の平均値として一つの値(例えば,スピニングロータ
真空計の有効運動エネルギー授受係数,電離真空計の補正係数,電離真空計の感度係数)を求める場合,
圧力範囲を明記し,平均値の不確かさを与える。

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附属書A
(参考)
校正システムの構成の一例

序文

  この附属書は,校正システムの構成の一例を記載するものであって,規定の一部ではない。
図A.1は,必ずしも実際の装置の構造を示したものではない。
図A.1−校正システムの構成の一例
注記1 図記号の意味については,JIS Z 8617-1JIS Z 8617-9に規定されている。
注記2 バッファ容器は,可変リークバルブの出口での安定性(一定の流量)を得るために設置する。

――――― [JIS Z 8750 pdf 13] ―――――

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附属書B
(参考)
校正上の注意点
B.1 ゼロ点設定
真空計の中にはゼロ点を調節する機構をもつものがある。この場合,校正容器が到達圧力のときに,製
造業者の説明書に従って真空計の読みをゼロに合わせる方がよい。到達圧力が被校正真空計又は参照真空
計の分解能よりも高い場合には,考慮しなくてはならない。
ゼロの調節は,レンジ,ゲインなどを変えた場合,その都度行い,校正の最後に再確認した方がよい。
注記1 校正範囲が1けた(桁)以上にわたる場合,けたが変わったときにゼロ点を確認する。
真空計の中にはフルスケールを大気圧で調節する機構をもつものがある。この場合,真空計の測定子だ
け,又は校正容器も同時に大気圧にして製造業者の説明書に従って調節する方がよい。
注記2 ゼロ点調節又は大気圧でのフルスケールの調節を行うことによって,校正の値を保証できな
くなる場合も考えられる。その場合には調整は行わずそれぞれの値を記録して補正する。
B.2 校正気体の純度
校正容器内での気体の純度は,残留ガス分析計で確かめることができる。校正の場合には分析計は動作
させないことが望ましい。
B.3 校正の圧力点
校正の圧力点は,依頼者と校正者とで合意することが望ましい。指定がない場合は,1けたに少なくと
も3点,通常は1けたごとに対数目盛で等間隔になるように3点(1,2,5又は2,5,9)を測定するのが
望ましい。
B.4 測定の繰返し
測定の繰返し回数は,校正の正確さとコストとの競合で決まるため,依頼者及び校正者で合意すること
が望ましい。測定の間(一連の校正作業又はそれぞれの校正点の間)に到達圧力に戻す校正システムの場
合には,測定を繰り返す。
1回の測定しか行わない場合,校正者は,校正結果の繰返し性を見積もる手順をもっていることが望ま
しい。例えば,あらかじめ同じモデルの真空計の校正を繰り返し,測定結果のばらつきから標準不確かさ
を見積もり,合成不確かさの計算に見込んでもよい。
B.5 残留気体の低減化
安定な低い到達圧力を得るためには,校正容器を加熱脱ガスするのがよい。校正容器を大気圧にする場
合には,乾燥窒素を使うことが望ましい。校正などに用いていないときにも,校正容器は真空に保つほう
がよい。
B.6 汚染
汚染された真空計の測定子は,校正装置を汚染する可能性がある。校正容器に真空計を取り付ける場合

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には,注意深く洗浄し乾燥することが望ましい。ただし,洗浄を行う場合,この操作によって真空計の感
度が変わる可能性があるので,依頼者に事前に知らせることが望ましい。
熱フィラメントなどのように高温になる部分をもつ真空計の場合,この真空計を汚染された装置に取り
付けると,高温部分の酸化及び/又は分解した油の蒸気などの付着などによる真空計の特性変化の可能性
が大きい。
B.7 温度の影響
真空計の温度による影響を考慮するために,製造業者の説明書,真空の参考書を参照することが望まし
い。
B.8 振動の影響
真空計の種類によっては振動に敏感な場合がある。製造業者の説明書に従って,振動の許容範囲又は影
響の大きさを確認する。振動するポンプと校正容器との間に防振部品を入れることによって振動の振幅の
減衰が可能な場合がある。
B.9 真空計の取扱い及び相互干渉
低圧力用で精度の高い真空計(測定範囲の上限が大気圧以下の場合)では,真空計を大気圧にすると校
正値が変化する可能性がある。その場合,バルブを取り付けて校正容器内の圧力が真空計の測定の上限値
を超える場合にバルブによって遮断する。
永久磁石を使用した真空計[例えば,冷陰極(ペニング形)真空計の測定子]を取り付ける場合,他の
真空計と磁気的な相互作用がないように注意する。
電離真空計の場合,一方の真空計で発生した荷電粒子が他の真空計へ直接入射しないよう考慮する。
B.10 参照真空計
少なくとも二つの独立な参照真空計を使用し,その測定結果を比較することで,どちらか一方の参照真
空計の感度変化などの不調を検知することが可能になる。その結果がそれぞれの測定の不確かさの範囲で
一致しない場合,参照真空計は再校正する。制御計測部を兼用する場合は完全に独立とは言えないので注
意する。測定範囲が重複する他方式の真空計を使用し,共通の測定範囲でそれぞれの測定結果を比較する
ことが望ましい。
B.11 再校正周期
清浄な真空系で用いている参照真空計は,おおよそ12か月ごとに校正することが望ましい。より厳しい
条件下では,再校正周期は6か月,又はそれより短い間隔が望ましい。
長期間安定なことの十分な実績データがあって,校正装置を恒常的に真空排気している場合には,参照
真空計の校正間隔は2年(長時間安定性に伴う不確かさの増加はある。)に延ばせる可能性が出てくる。
校正間隔の最適な期間を選択するための更なる情報は,ISO 10012を参照。

――――― [JIS Z 8750 pdf 15] ―――――

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JIS Z 8750:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/TS 3567:2005(MOD)

JIS Z 8750:2009の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8750:2009の関連規格と引用規格一覧