JIS Z 9110:2010 照明基準総則 | ページ 2

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JIS Z 9122 屋内運動場の照明基準
JIS Z 9123 屋外,屋内の水泳プールの照明基準
JIS Z 9124 スキー場及びアイススケート場の照明基準
JIS Z 9125 屋内作業場の照明基準
JIS Z 9126 屋外作業場の照明基準
CIE 112 Glare evaluation system for use within outdoor sports and area lighting
CIE 117 Discomfort glare in interior lighting

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8113によるほか,次による。
3.1
維持照度(m)
ある面の平均照度を,使用期間中に下回らないように維持すべき値。
3.2
照度均斉度(Uo)
ある面における平均照度に対する最小照度の比。
3.3
屋内統一グレア評価値(Unified Glare Rating,UGR)
1995年にCIEが屋内照明施設のために規定した不快グレア評価方法に基づく値(以下,UGRという。)。
3.4
屋内統一グレア制限値(UGRL)
照明施設に対して許容できるUGR値の上限値(以下,UGR制限値という。)。
3.5
屋外グレア評価値(Glare Rating,GR)
1994年にCIEが屋外スポーツ及び広場照明施設のために規定した不快グレア評価方法に基づく値(以下,
GRという。)。
3.6
屋外グレア制限値(GRL)
屋外照明施設に対して許容できるGR値の上限値(以下,GR制限値という。)。

4 照明設計基準

4.1 一般原則

  照明は,人間が活動するのに不可欠なものである。照明は明るさ感覚を向上させるだけでなく,犯罪を
抑制し,安全で健康的な生活環境を提供するとともに,人々の諸活動の安全性及び円滑性を確保し確実性
を高めるものでなければならない。また同時に,活動の場の雰囲気(例えば,楽しさ,華やかさ,活気,
くつろぎ,開放感)など,人々の複雑,かつ,高度な欲求の充足にも大きく寄与する必要がある。したが
って,照明要件は,種々の作業又は活動ごとに,適切に定める必要がある。

4.2 照明環境

  照明設計においては,諸活動又はその場の雰囲気に対する欲求を,より少ない資源とエネルギーで実現
することを目指さなければならない。特に,明るさ,雰囲気の適否などの判断は,その場の照明だけでな

――――― [JIS Z 9110 pdf 6] ―――――

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く,他の同類の作業領域及び周辺環境の照明との相互影響の上で構成されている。照明設計において周辺
環境と調和した照明を実現するには,個々の作業領域だけでなく周辺環境を含めた照明レベルを,社会的
合意の上で設定する必要がある。
良い照明環境を得るために照明設計では,次の事項を考慮する。
a) 人々の活動目的に合致した照明レベルの設定
b) エネルギーの有効利用
c) 周辺環境との調和
特に,照明レベルの設定においては,照度,照度分布,輝度,輝度分布,陰影,グレア,光色,演色性
など,諸活動の状況に応じて求められる照明の量と質とをともに満たすことが重要である。
この規格では,基準の設定が可能な中で最も重要な照度,照度均斉度,不快グレア及び演色性について
の基準を示す。ただし,作業領域における主な視対象が自発光によって視認される場合(液晶画面,蓄光
材などの場合)は,輝度を考慮する。人々の活動に対する基本的な照明要件を表5表8に,個々の作業
又は活動についての照明設計基準を,表9表25に示す。

4.3 照度

4.3.1  一般
人々の作業領域又は活動領域における照度及びその分布は,その諸活動を,安全,容易,かつ,快適に
行うための主要因である。この規格で規定する照度は,維持照度である。
注記 これらの照度値は,通常の視覚条件に対して有効であり,次に示す要因を考慮している。
− 安全性
− それぞれの作業又は活動に対して要求される条件
− 視覚快適性又は心地よさのような心理的・生理的な要因
− 経済性
− 実際の経験
4.3.2 推奨照度
作業領域又は活動領域における推奨照度は,箇条5による。推奨照度は,基準面の平均照度である。基
準面は,水平面,鉛直面,傾斜した面,曲面などである。基準面を特定できない場合には,床上0.8 m(机
上視作業),床上0.4 m(座業),又は床若しくは地面のいずれかを基準面と仮定する。
作業領域,又は活動領域の設計照度は,推奨照度を基に定める。設計照度は,照明設備の経年数及び状
態にかかわらず維持すべき値である。もし,視覚条件が通常と異なる場合には,設計照度の値は,推奨照
度の値から4.3.3に示す照度段階で少なくとも1段階上下させて設定してもよい。
次に示す場合には,設計照度を高く設定することが望ましい。
a) 対象となる作業者又は活動者の視機能が低いとき
b) 視作業対象のコントラストが極端に低いとき
c) 精密な視作業であるとき
次に示す場合には,設計照度を低く設定してもよい。
d) 対象が極端に大きい,又は対象のコントラストが高いとき
e) 領域での作業時間又は活動時間が極端に短いとき
4.3.3 照度段階
照度の違いを感覚的に認識できる最小の照度の差異を,ほぼ1.5倍間隔とする。照度段階は,次による。

――――― [JIS Z 9110 pdf 7] ―――――

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1, 2, 3, 5, 10, 15, 20, 30, 50, 75, 100, 150, 200, 300, 500, 750, 1 000, 1 500, 2 000, 3 000, 5 000, 7 500, 10 000,
15 000, 20 000 lx
4.3.4 照度均斉度
雰囲気を重視する場所以外では,照度の変化は緩やかでなければならない。このような作業領域,又は
活動領域における対象とする面の,照度均斉度の最小値を,箇条5に示す。照度均斉度は,この値未満と
してはならない。

4.4 グレア

4.4.1  一般
グレアとは,視野内の不適切な輝度分布又は極端な輝度対比によって生じる感覚であり,不快感及び見
る能力の低下を伴う。グレアには,その生じ方によって直接グレア,反射グレア及び光沢面によって生じ
る光幕反射がある。これらのグレアは,作業上の誤り,疲労,事故などの原因になるので,抑制する。
4.4.2 不快グレア(屋内)
屋内照明施設に対する不快グレアの評価は,屋内統一グレア評価方法に基づいて,次の式によって求め
る。照明施設のUGRは,表5及び表9表19に示すUGR制限値(UGRL)を超えないことが望ましい。
屋内統一グレア評価方法の詳細は,CIE 117を参照。
.025 L2
UGR 8 log
Lb p2
ここに, Lb : 背景輝度(cd/m2)
L : 観測者の目の方向に対するそれぞれの照明器具の発光部の
輝度(cd/m2)
ω : 観測者の目の方向に対するそれぞれの照明器具の発光部の
立体角(sr)
p : それぞれの照明器具の視線からの隔たりに関するGuthの
位置指数
それぞれのUGR段階とグレアの程度との関係は,表1による。
表1−UGR段階とグレアの程度との関係
UGR段階 グレアの程度
28 ひどすぎると感じ始める
25 不快である
22 不快であると感じ始める
19 気になる
16 気になると感じ始める
13 感じられる
10 感じ始める
4.4.3 不快グレア(屋外)
屋外照明施設に対する不快グレアは,屋外グレア評価方法に基づいて,次の式によって求める。照明施
設のGRは,表6表8及び表20表25に示すGR制限値(GRL)を超えないことが望ましい。屋外グレ
ア評価方法の詳細は,CIE 112を参照。

――――― [JIS Z 9110 pdf 8] ―――――

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Lv
GR 27 24 log10 9.0
Lve
ここに,Lv : 個々の照明器具(Lv = Lv1 + Lv2 +···Lvn)によって生じる等価光幕
輝度(cd/m2)の合計
Lvn(cd/m2) : 個々の照明器具の光幕輝度,Lvn = 10×( Eeye/θ 2)
Eeye : 観測者の視線に対して垂直な面の照度(lx)(図1 : 水平下方2°)
θ : 観測者の視線と個々の照明器具とのなす角度(°)
Lve : 環境の等価光幕輝度(cd/m2),Lve = 0.035×ρ×Ehav/π
ρ : 領域(地面など)の平均反射率
Ehav : 領域(地面など)の平均照度(lx)
図1−視線方向と個々の照明器具との角度
それぞれのGR段階とグレアの程度との関係は,表2による。
表2−GR段階とグレアの程度との関係
GR段階 グレアの程度
90 耐えられない
70 じゃまになる
50 許容できる限界
30 あまり気にならない
10 気にならない

4.5 光色及び演色

4.5.1  一般
白色に近いランプの色の属性は,次の二つの特性によって特徴付けられ,これらは,別々に考えなけれ
ばならない。
a) ランプ自体の光色
b) ランプによって照明された物の色の見え方(演色)
4.5.2 光色
ランプの光色は,ランプが放射する光の見掛けの色(ランプの色度)に関係し,相関色温度(TCP)によ
って表現する。ランプは,相関色温度(TCP)に応じて,通常,表3のように3グループに分類する。光色
の選択は,心理状態及び,美的感覚にかかわる問題で,自然に見えるように考慮する。

――――― [JIS Z 9110 pdf 9] ―――――

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注記 光色の選択は,照度,部屋又は家具の色,周囲の気候,その使い方などに依存し,暖かい気候
では,一般に涼しい色温度の光色が好まれ,寒い気候では,暖かい色温度の光色が好まれる。
表3−ランプの相関色温度(TCP)
光色 相関色温度(TCP)
暖色 3 300 K 未満
中間色 3 3005 300 K
涼色 5 300 K を超える
4.5.3 演色
光源の演色性を客観的に示すために,JIS Z 8726による平均演色評価数(Ra)を用いる。平均演色評価
数の最大値を100とし,この値は,演色の質の低下に伴って減少するものとする。平均演色評価数の推奨
最小値は,箇条5による。また,JIS Z 9101による安全色彩は,常に認識でき,明確に識別できなければ
ならない。

4.6 保守

  推奨照度は,保守率を見込んだ維持すべき照度である。保守率は,選定した光源,選定した照明器具,
環境及び特定の保守計画を基に定める。
注記 保守率の算出方法には,照明学会の技術指針JIEG−001を参照。
設計者は,保守率を導き出した条件を明らかにするとともに,ランプの交換頻度,照明器具の清掃頻度,
清掃方法などを含む,包括的な保守計画を提示することが望ましい。

4.7 エネルギーへの配慮

  照明設備は,エネルギーの浪費がなく,作業領域又は活動領域の照明要件を満たすことが望ましい。し
かしながら,照明設備の視覚的側面を,エネルギー消費を減らすことで妥協しないことが重要である。こ
のためには,適切な光源,点灯回路,照明器具,制御及び昼光利用を考慮する。

4.8 視覚表示装置を使用する視作業のための照明

  視覚表示装置(Visual Display Terminal : 以下,VDTという。)のための照明は,作業領域で行われるす
べての作業(例えば,VDT画面上と紙面上の文字を読む,紙面に書く,キーボード操作など)に適切でな
ければならない。
そこで,これらの領域では照明の基準及びシステムは,箇条5の照明要件一覧表から領域,作業又は活
動の種類に合わせて選ばなければならない。VDT画面,及びある環境下ではキーボードも,反射による減
能グレア及び不快グレアが生じることになる。このため,妨害となる高い輝度の反射を避けるように照明
器具を選択し,照明器具を配置し,照明器具の輝度を制御することが必要である。
設計者は,差し障りのある照明器具の設置位置を明らかにし,適切な輝度を選び,妨害反射(映込み)
を起こさない設置位置を計画しなければならない。
VDT画面への映込みを起こす照明器具の平均輝度の限界値は,表4による。垂直又は15度傾いた表示
画面を通常の視線方向(水平)で使用するところでは,照明器具の下半球光束による輝度の限界値は,照
明器具の鉛直角65度以上の平均輝度に適用する。

――――― [JIS Z 9110 pdf 10] ―――――

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JIS Z 9110:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 9110:2010の関連規格と引用規格一覧