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A 1424-1 : 2015
7.2 用途
供試給水器具によって生じる発生音は,試験装置の総合的物理特性を含んだものであるので,異なった
試験室での測定結果とそのまま比較することはできない。比較を可能にするためには,各試験室における
INSの発生音を供試給水器具の代わりに測定用給水管の管末に取り付けて測定する必要がある。
INSの発生音の測定には,供試給水器具の試験に使うものと同じ吐出口に,図5に示す接続方法の一つ
を用いて取り付ける。
INSの正常な吐水を保持するために,吐水口の排水ノズルに長さ約500 mmのたわみやすいホースを接
続することが望ましい。
INSの0.3 MPaの給水圧におけるオクターブバンド音圧レベルLsrnの基準値を表1に示す。また,基準A
特性音圧レベルLsrは,45 dBである。
表1−0.3 MPaの給水圧におけるINSのオクターブバンド音圧レベル
オクターブバンド中心周波数 基準オクターブバンド音圧レベルLsrn
Hz dB
125 35
250 39
500 42
1000 42
2000 37
4000 25
a) NSを水平に取り付けた場合
b) NSを垂直に取り付けた場合
図5−INSの取付図
――――― [JIS A 1424-1 pdf 11] ―――――
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8 測定手順及び計算
8.1 一般事項
8.1.1 試験装置内の空気
試験装置に含まれている空気は,例え少量でも測定結果に重大な影響を与えるため,試験前及び必要な
らば試験中を通して,空気が混入していないことを確認しなければならない。試験装置の空気を抜くため
に必要箇所に空気抜弁を取り付ける。
単水栓のような流入口1か所の給水器具を試験するときには,二つの吐出口の使用しない方を完全に塞
がなければならない。
8.1.2 マイクロホンの位置
必要な測定精度を得るためには,複数位置にマイクロホンを設置して測定する必要がある。これは試験
室における予備測定によって決定する。
なお,マイクロホン設置位置は,試験室の壁面から1 m以上離さなければならない。
8.1.3 供試給水器具の数
評価の目的に給水器具発生音レベルの値を求めるときは,同一型式の製品系列の中から,3体を選定す
る。
8.2 測定方法及び計算
8.2.1 測定条件
供試給水器具のハンドル開度などの設定は,JIS A 1424-2による。
8.2.2 発生音が定常的な場合
供試給水器具の発生音が定常的な場合又はINSの発生音である場合は,対象音のある吐水時間内におけ
る等価音圧レベルを測定する。等価音圧レベルは,式(5)で与えられる。
なお,音圧レベル測定器の時間重み付け特性は,Fとする。
L(t)
1 P2 (t)
t2
1 t2
10
Leq 10 log10 2
dt 10 log10 10 dt (5)
T t1P0 T t1
ここに, Leq : 等価音圧レベル(dB)
T : 測定時間(t1t2)(s)
P(t) : 発生音の瞬時音圧(Pa)
P0 : 基準音圧(20 懿
L(t) : 瞬時音圧レベル(dB)
注記 発生音が定常的な給水器具の例としては,単水栓,混合水栓などの給水栓がある。
8.2.3 発生音が大きく変動する場合
供試給水器具の発生音の変動が大きい場合は,単発暴露音圧レベル,又は吐水時間内における瞬時最大
音圧レベルLF,max及び吐水継続時間を測定する。単発暴露音圧レベルは,式(6)で与えられる。
なお,音圧レベル測定器の時間重み付け特性は,Fとする。
L(t)
1 P2 (t)
t2
1 t2
10
LE 10 log 2
dt 10 log 10 dt (6)
T0 t1 P0 T0 t1
ここに, LE : 給水器具発生音の単発暴露音圧レベル(dB)
t1t2 : 測定時間(瞬時最大音圧レベルより10 dB低いレベル以上の区
間)(s)
T0 : 基準時間(1s)
――――― [JIS A 1424-1 pdf 12] ―――――
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P(t) : 発生音の瞬時音圧(Pa)
P0 : 基準音圧(20 懿
L(t) : 瞬時音圧レベル(dB)
注記 作動サイクル中の発生音の変動が大きい給水器具の例としては,ボールタップ,洗浄弁などの
給水栓がある。
8.2.4 試験室内の平均音圧レベルの算出
試験室内のオクターブバンド音圧レベル平均値及びA特性音圧レベルの平均値は,式(7)で与えられる。
n Li
1
L 10log10 1010 (7)
n i1
ここに, L : オクターブバンド音圧レベルの平均値又はA特性音圧レベル
の平均値(dB)
Li : 測定点iにおけるオクターブバンド音圧レベル又はA特性音
圧レベル(dB)
n : 測定点の数
8.3 給水器具発生音レベルLapの算出
3.4に示したように,Lapは125 Hz4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドで,当該試験装置におけ
る音圧レベル差(Lsn−Lsrn)が±2 dB以内で一定であれば,式(3)を使って平均A特性音圧レベルL及びLs
の測定から算出できる。
上の条件が成り立たない試験装置では,次の方法のいずれかを用いる。
a) オクターブバンド音圧レベルの平均値Ln及びLsnの測定を,125 Hz4 000 Hzの中心周波数で順次行
い,Lapを式(2)によって計算する。
b) )のような順次測定ではなく,調整可能な等価フィルタ(すなわち,オクターブバンド加算フィルタ)
を用いてもよい。このフィルタは,(Lsn−Lsrn)が125 Hz4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンド
で,±1 dB以内で一定であるように調整し,LapをL及びLsから式(3)を使って計算する。
また,(Lsn−Lsrn)の値が125 Hz4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドにおいて±1 dB以内で
あれば,INS発生音のA特性音圧レベルが,Ls=45 dBになるように等価フィルタを調整することに
よって簡易に測定することができる。この場合,供試給水器具のA特性音圧レベルLは,給水器具発
生音レベルLapと等しい。
c) コンピューターを利用して,等価フィルタに対応した数値補正(試験の前又は試験中に決定された
125 Hz4 000 Hzのオクターブバンドに対応する数値補正値による。)を行うことができる。
さらに,1/3オクターブバンド分析装置(例えば,実時間分析器)でLnとLsnを測定することが可能
である。この場合,補正(Lsn−Lsrn)及びA特性重み付けk(A) nを適用する前に,測定結果をエネルギ
ー和によってオクターブバンド音圧レベルに合成すれば,オクターブバンド測定と等価な値を得るこ
とが可能である。
1/3オクターブバンド測定結果にA特性重み付けを直接適用すれば,僅かな誤差は生じるがLapの値
を得ることができる。このときの1/3オクターブバンドにおけるINSの基準値は,表2で与えられる。
――――― [JIS A 1424-1 pdf 13] ―――――
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表2−0.3 MPaの給水圧におけるINSの1/3オクターブバンド音圧レベルa)
基準1/3オクターブバンド音圧レベル
1/3オクターブバンド中心周波数
Hz dB
100 28.0
125 30.0
160 31.8
200 33.0
250 34.0
315 35.4
400 36.6
500 37.5
630 37.5
800 37.5
1000 37.5
1250 36.6
1600 34.6
2000 32.0
2500 27.4
3150 23.2
4000 19.0
5000 14.4
注a) 特性音圧レベルが45 dBに等しく,三つの隣接する1/3オクターブ
バンド値のエネルギーベースによる和が,オクターブバンド基準値
を(0.025 dB以内の精度で)与えるという条件で,滑らかな補完(外
挿)特性を用いて,表1に与えられる基準値から計算された。
給水器具発生音レベルLapは,JIS Z 8401によって整数に丸める。
9 測定精度
表3に,オクターブバンドごとの給水器具発生音レベルLapnの再現性に関する標準偏差の推定値を示す。
給水器具発生音レベルLapの再現性に関する標準偏差SRは,0.5 dBとする。発生音が小さい通常の給水器
具は,再現性に関する標準偏差を1.5 dBと大きくすることができる。
表3−再現性の標準偏差,SR
オクターブバンド中心周波数 再現性の標準偏差,SR
Hz dB
125 1.5
250 1.0
500 1.0
1000 1.0
2000 1.0
4000 1.0
10 結果の表示
試験室の音響特性がINS及び供試給水器具の測定中に変化しなければ,給水器具の発生音は3.4に定義
するように給水器具発生音レベルLapによって表示する。
――――― [JIS A 1424-1 pdf 14] ―――――
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評価の目的に使われる給水器具発生音レベルの値は,次によって算出する。
a) 三つの供試給水器具の任意の一試料のLapの最大値が,全ての試料のLapの最大値の算術平均から3 dB
以上違わなければ,この平均値を使用する。
b) )に規定した条件が満たされない場合,全ての試料のLapのうち最大値を使用する。
11 試験報告書
試験報告書には,次の項目について記載する。
a) 試験年月日
b) 測定実施機関の名称及び住所
c) 試験室容積
d) 125 Hz4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドにおける試験室の残響時間
e) 音響放射壁の寸法,面密度及び種類
f) apの算出方法
g) 供試給水器具と測定用給水管との継手の種類についての詳細
h) 評価目的のためのLapの値及び供試給水器具の三つの試料のそれぞれに対するLap
i) 供試給水器具の名称,製造業者,形式及び品番
j) 測定条件に関する特記事項。給水温度,吐水時間・発生音の継続時間など,その他必要事項。
測定結果を表示するときの図の目盛は,次の規則を適用する。給水器具発生音レベルの周波数特性を図
で示す場合は,横軸に周波数を1オクターブ幅=15 mmにとり,横軸には音圧レベルを10 dB=20 mmに
なるようにとる。
給水器具発生音レベルと給水圧又は流量との関係を図で示す場合は,横軸に試験給水圧又は流量を対数
目盛で10 : 1=50 mmにとり,縦軸には音圧レベルを10 dB=20 mmになるようにとる。
――――― [JIS A 1424-1 pdf 15] ―――――
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JIS A 1424-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3822-1:1999(MOD)
- ISO 3822-1:1999/AMENDMENT 1:2008(MOD)
JIS A 1424-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.20 : 機械及び設備による騒音の発生
JIS A 1424-1:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1424-2:1998
- 給水器具発生音の実験室測定方法―第2部:給水栓及び混合水栓の取付け方法並びに作動条件
- JISB0202:1999
- 管用平行ねじ
- JISB0203:1999
- 管用テーパねじ
- JISB0401-2:2016
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第2部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表
- JISB0601:2013
- 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
- JISB2301:2013
- ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手
- JISB2401-1:2012
- Oリング―第1部:Oリング
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1513:2002
- 音響・振動用オクターブ及び1/3オクターブバンド分析器
- JISG3452:2019
- 配管用炭素鋼鋼管
- JISZ8106:2000
- 音響用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方