JIS A 1905-1:2015 小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法―第1部:一定ホルムアルデヒド濃度供給法による吸着速度測定 | ページ 3

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11.3.1 低減量の性能試験
試験を開始した後に,事前に設定した時間に従い,11.4によって空気捕集を開始する。室内空気に面す
る単位面積当たりの試験建材がホルムアルデヒドを空気中から除去する低減量を測定する。ただし,測定
条件は,7.2による。チャンバーを流れる積算空気流量及び空気の漏れのないことを確かめ,空気捕集の間
の出口流量が,入口流量から空気捕集時の流量を差し引いた数値であることを確認する。空気捕集は,通
常,試験開始から1日,3日,7日,(14±1) 日及び (28±2) 日経過後に採取するものとし,追加の空気捕
集を行ってもよい。
試験の目的に応じて,これらの測定日数を選んでもよい。持続性能のデータが必要な場合,空気捕集は
試験開始から28日経過以降も採取する。持続性能が当初の1/2又はなくなった場合には,試験を終了して
もよい。
VOCなどの化学物質が放散する場合,JIS A 1901によって放散速度を確認する。
11.3.2 長期の低減効果の持続性能
11.3.1の測定を低減量の性能が当初の1/2となる時間を測定する。低減効果が物理吸着,化学吸着,試験
建材に含有する化学物質との化学反応によって生じることが明らかなものについては,ガイドライン値の
供給濃度における飽和除去量を簡易に求めることができる。
11.3.3 低減効果への影響に対する性能
11.3.1の低減量の性能測定の条件に対し,各種環境因子を1種類だけ変動させて測定を各種環境要素ご
とに行う。測定条件は,7.2による。

11.4 空気捕集

  通常,対象化学物質の捕集にはDNPHカートリッジを使用する。空気捕集の方法は,JIS A 1901に準じ
る。ただし,捕集管は,JIS A 1962の6.1.1(サンプリングカートリッジ)による。

12 ホルムアルデヒドの分析

  DNPHカートリッジ内のホルムアルデヒドのDNPH誘導体は,アセトニトリルを用いて溶解して脱離さ
せる。対象化学物質の分析法は,JIS A 1962の9.3(試料の分析)又はJIS K 0124の箇条8(操作)による。

13 吸着速度,積算吸着量及び換気量換算値の算出及び結果の表現方法

  対象化学物質のチャンバーへの供給濃度及び出口濃度を測定する。チャンバー換気量及び試験片の表面
積から単位面積当たりの吸着速度Fm[μg/(m2・h)]を算出する。
in, t Q
out, t
Fm (1)
A
ここに, Fm : 単位面積当たりの吸着速度[μg/(m2・h)]
ρin,t : 経過時間tにおける対象化学物質のチャンバーへの供給
濃度(μg/m3)
ρout,t : 経過時間tにおける対象化学物質のチャンバー出口濃度
(μg/m3)
Q : チャンバーの換気量(m3/h)
A : 試験片の表面積(m2)
濃度低減が清浄空気による換気量の増大によって達成されるとして,換気量換算値Fv,eq[m3/(h・m2)]を
算出する。

――――― [JIS A 1905-1 pdf 11] ―――――

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in, t
1 Q
out,t
Fv,eq (2)
A
吸着速度及び経過時間から,積算吸着量ρAc(μg/m2)を算出する。
Ac Fm,i te, i
ただし, tie,
te, i tie,
1 (3)
i
単位面積当たりの飽和除去量ρAa(μg/m2)は,積算吸着量と同じになる。
Aa Ac (4)

14 報告書

  試験報告書には,通常,次の内容を記載する。
a) 試験機関
− 試験機関の名称及び所在地
− 試験責任者名
b) 製品の種類
− 製品の種類(可能な場合は商品名)
− サンプルの選択プロセス(抜取方式など)
− 製品の経緯(製造年月日,ロット番号,試験機関到着日,包装から取り出した日時,試験片を準備
した日時など)
c) 結果
− 規定の経過時間における対象化学物質の吸着速度,積算吸着量及び換気量換算値
− 持続性能及び飽和除去量並びに妨害に対する性能
d) データ分析 測定されたチャンバー濃度から特定の吸着速度Fmを算出するときは,用いた方法(数
学的モデル及び/又は数式)
e) 試験条件
− チャンバー条件(温度,相対湿度,換気回数,物質伝達率及び供給濃度)
− 試験片の面積及び試料負荷率
− シール工程の有無
− ホルムアルデヒドの空気捕集に関する情報(使用した捕集管,空気捕集量,チャンバーに入れてか
らの空気捕集時間の長さ,回数など)
− 低減効果の持続性能試験条件(温度,相対湿度及び供給濃度)
f) 測定機器 使用した器具及び方法に関する情報(チャンバー,シール材・シールボックス,試験空気
供給装置,空気清浄装置,温度・湿度制御装置,積算流量計,空気捕集装置,オーブン,分析装置な
ど)
g) 品質管理・品質保証 品質保証及び品質管理は,附属書Bによるほか,次による。
− 対象化学物質のバックグラウンド濃度及びトラベルブランク
− 対象化学物質のシンク効果を評価するための回収率データ
− 測定回数
− 複数回空気捕集を行った場合はその個々の分析結果

――――― [JIS A 1905-1 pdf 12] ―――――

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− 温度,相対湿度及び換気量の精度
− 品質保証の報告
h) 追加事項 塗材などの塗布形の試験建材に関しては,次の内容も追加して記載する。
− 試験片の数
− 単位面積当たりの質量
− 厚さ
− 試験の結果に影響を及ぼす可能性のあるその他の事項(乾燥条件,時間経過,保存,水分含有量,
表面加工など)
− 塗布量(g/m2)
− 塗布面積
− 塗布方法

――――― [JIS A 1905-1 pdf 13] ―――――

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附属書A
(規定)
低減効果の持続性能 破過試験
A.1 原理
A.1.1 一般
試験建材の対象化学物質濃度低減効果が28日を超えるようであれば,物理吸着,化学吸着,分解反応に
基づきρAaを求めるための破過試験をしてもよい。
長期間の対象化学物質低減効果を確認する破過試験は,破過容量wsを評価する方法の一つである。
注記 多くの場合,チャンバーによって評価されるρAaは,破過試験によって得られるρAaよりも小さ
くなる。
A.1.2 物理吸着の場合
飽和除去量ρAaは,粉砕(直径2 mm以下)された試験片(以下,試料という。)をガラスチューブへ充
し,対象化学物質を含有する空気を流通させ,破過時間での吸着容量からwsを算出する。
A.1.3 化学吸着又は分解反応
飽和除去量ρAaは,A.1.2に規定された方法で破過時間での吸着容量からwsを算出する。化学反応が既知
であれば,化学吸着量又は分解反応を計算によって求めることができる。反応式を用い吸着化学物質のモ
ル数から除去量を算出するため,吸着化学物質の組成又は配合率が明らかなものだけが対象となる。それ
らが不明な天然物などは対象とならない。
A.2 器具
飽和除去量の測定に必要な装置及び器具は,主として次のとおりである。飽和除去量測定装置の例を,
図A.1に示す。
図A.1−飽和除去量測定装置の例
− 試料チューブ(ガラス管などに粉砕した試料を詰めたもの)
− 試験空気供給装置
− 温度・湿度制御装置

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− 積算流量計
− 検出部
− 恒温槽
A.2.1 試料チューブ 装置及び試料にあったものを選定する。試料チューブは縦方向に設置する。
注記 この試験専用の試料チューブは,特に市販されていない。
A.2.2 試験空気供給装置 6.5による方法のほかに,JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド液,又はパ
ラホルムアルデヒドを用いた発生法も可能である。その場合,供給が安定であることを確認する。
A.2.3 温度・湿度制御装置 6.6による。
A.2.4 積算流量計 試料チューブ前段又は最下流に設置し,正確なホルムアルデヒドガス流量を測定する。
積算流量計と同等以上の性能をもつ装置を用いてもよい。
A.2.5 検出部 試料チューブ出口に設置し,供給濃度に対し0.5 %の濃度の対象化学物質を検出できるも
の。熱伝導度検出器,ホルムアルデヒドガス検出装置,質量検出器などが使用できる。センサーの場合は,
対象化学物質濃度及びセンサーの応答の校正を実施して用いる。また,試料チューブ出口にDNPHカート
リッジを取り付け,時間刻みで捕集したものを分析してもよい。
A.2.6 恒温槽 試験温度±1.0 ℃に調節できるもの。
A.3 試験条件
A.3.1 供給濃度
対象化学物質の供給濃度はガイドライン値での測定が望ましいが,困難な場合,ガイドライン値の10
倍程度の高濃度で試験を行う。
注記 対象化学物質の供給濃度が低濃度である場合,破過に時間を要し,吸着等温線を得るために長
期間かかってしまう可能性があるため,高濃度での測定を行い推定する。そのとき,あまり高
濃度で行うと,複数点の濃度での測定結果の回帰曲線の信頼性が低くなるので注意する。
A.3.2 温度・相対湿度
供給空気は,乾燥空気とする。試験温度は,通常,(28±1.0) ℃とする。相対湿度は,結果に影響を受け
る。乾燥空気を供給しない場合,供給空気の相対湿度は,試験期間中 (50±5) %として記録する。
一般的に物理吸着の場合,低減化性能は温度に依存するため,7.3.2に規定する2段階において試験され
ることが望ましい。
A.4 試験方法
A.4.1 試料の前処理
試験片は,試料チューブに入るよう粉砕する。ただし,二次構造が破壊されない程度の粉砕とし,微粉
は取り除く。粉砕した試料は,適切な乾燥剤を入れたデシケータ中で1日養生を行う。試料の種類によっ
ては,加熱した後デシケータへ移し養生することもできる。
注記 細孔の10倍くらいの半径であれば,二次構造は変わらない。
A.4.2 試料チューブの作製
試料をひょう量してからチューブに入れ,試料が脱落しないように石英ウール,金属メッシュなどで保
持する。
チューブ径が太くなる場合,ガスを均一に拡散させるため,入口側にメッシュサポートを置く。
A.4.3 調整濃度の決定

――――― [JIS A 1905-1 pdf 15] ―――――

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JIS A 1905-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 16000-23:2009(MOD)

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