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A 1905-1 : 2015
試料チューブを接続する前に,ラインに検出器を接続し,対象化学物質供給濃度を測定する。
A.4.4 破過時間の測定
試料チューブを接続し,対象化学物質濃度を調整した試験空気を供給して吸着させ,供給濃度に対し,
0.5 %の濃度の破過が得られた時間tbを記録し,破過容量wsを求める。
測定を行うことが望ましいが,サンプルに含まれる吸着化学物質の物質量及びホルムアルデヒドの反応
が明確であれば,反応の理論値から低減効果の持続性能を評価することができる。
注記1 対象化学物質の供給濃度はガイドライン値での測定が望ましいが,困難な場合,1 000 μg/m3
などの高濃度で複数濃度測定し,それぞれの濃度と吸着量の関係を直線又は曲線で結び,ガ
イドライン値での飽和吸着量を推定する。対象化学物質の供給濃度が低濃度である場合,破
過に時間を要し,吸着等温線を得るために長期間かかってしまう可能性があるため,高濃度
での測定を行い推定する。そのとき,あまり高濃度で行うと,複数点の濃度での測定結果の
回帰曲線の信頼性が低くなるので注意する。
注記2 供給する対象化学物質濃度を何段階かに変えて同様の操作を繰り返すと,その試験温度にお
ける吸着等温線が得られる。供給濃度のガイドライン値100 μg/m3の飽和除去量を直線又は
曲線で近似する。
注記3 負荷量を変化させて濃度依存性を求め,温度を変化させてアレニウスプロットから活性化エ
ネルギーを求め,濃度の経時変化から反応速度を用いて半減期を求める。
A.4.5 結果の算出及び表現方法
A.4.5.1 破過容量の算出
式(A.1)によって破過容量wsを求める。
s qs tb
ws (A.1)
1 000 m
ここに, ρs : 飽和除去量測定時の対象化学物質の供給濃度(μg/m3)
qs : 対象化学物質のガス流量(L/min)
tb : 供給濃度に対し0.5 %の濃度の破過が得られた時間(min)
m : 試験片の質量(g)
A.4.5.2 飽和除去量の算出
式(A.2)によって飽和除去量ρAaを求める。
Aa ws A (A.2)
ここに, ρA : 試験建材の単位面積当たりの質量(g/m2)
――――― [JIS A 1905-1 pdf 16] ―――――
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附属書B
(規定)
品質保証及び品質管理システム
B.1 一般
吸着性建築材料によるホルムアルデヒドの濃度低減性能に対するチャンバー試験は,QAPP(品質保証
計画)に沿って実施しなければならない。QAPPは,品質保証計画の記述,データの品質目標及び許容基
準,QA/QC(品質保証/品質管理)の取組み内容及び活動に対する監査項目を含んでいる。
B.2 品質保証計画の説明
要約には,試験される建築材料,試験方法及びこの品質保証計画に関する責任者を記載する。実験計画
には,QAPPが実施されるために必要な事項を含むことが望ましい。
B.3 データの品質目標及び許容基準
この項目は,測定される各々のパラメータに要求される精度,精確さなどについて規定する。
B.4 QA/QCの取組み内容
QAPPで規定することができるQA/QCは,例えば,機器の適切な操作法及び測定値が保証できる管理記
録体制を含む。QC活動は,全ての作業工程に必要なフィードバックが与えられるために,標準化された
方法でこれらに関わる担当者によって実行される。例えば,次のような活動がある。
a) 事業導入時に行うもの
1) 作業工程及びプロジェクトで使用される全ての機器に対するマニュアルの整備。
2) NPHカートリッジのQCバリデーション。
b) 日常的に行うもの
1) 作業工程及びプロジェクトで使用される全ての機器に対するマニュアルの整備。
2) 試験体の受入れ,保管,処分などの記録。
3) 材料試験に関する詳細な記録。例えば,使用チャンバー,使用温湿度制御装置,分析機器類のID
番号など。
4) NPHカートリッジのブランク値に関する記録。
5) 分析に用いた標準液の調製記録。
6) チャンバーシステムの正常な運転に関する日常記録(例えば,管理図など)。
7) 分析装置キャリブレーションの記録。
8) システムブランクの測定。
9) 吸着管のQC確認。
10) 全てのサンプルに添加される内標準物質の回収率の適宜モニタリング,又はQCチェックサンプル
の測定。
11) 二重測定の実施。
12) 文書の保管位置に電子ログを移設すること及び電子データとして保管されたデータの内容。
c) 定期的に行うもの
――――― [JIS A 1905-1 pdf 17] ―――――
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A 1905-1 : 2015
1) 機器チャンバーシステムの保守及び修理の記録。
2) 分析装置の定期的な保守点検,校正及び記録。
B.5 QA/QCの監査
QA/QCプログラムは,QAPPのコンプライアンスを評価するため,QA監査員による定期的な監査を含
む。
――――― [JIS A 1905-1 pdf 18] ―――――
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附属書C
(参考)
低減効果の持続性能 カラム破過試験の例
この附属書は,低減効果の持続性能 カラム破過試験の例について記載するものであり,規格の一部で
はない。これらは,今後集積される新たな知見及びそれらに基づく国際的な評価作業の進捗に伴い,将来
必要があれば変更されるものである。
室内濃度の低減効果が1年など相当の時間持続する試験建材の性能測定に対して,対応する時間経過の
間測定を継続する代わりとして,カラム破過法によって低減効果の持続する時間を評価してもよいことと
なっている。ここでは,カラム破過試験の例を示す。
C.1 器具
次の器具を準備し,図C.1の飽和除去量測定装置の例のとおり接続し,飽和除去量測定装置を組み立て
る。
− 試料チューブ AIST抽出ガラス容器 チューブ直径1.2 cm(シグマアルドリッチジャパン社の例)
− 汚染空気供給装置 パーミエーターPD-1B-2(ガステック)ホルマリンを用いて調整
− ホルムアルデヒド濃度計 ホルムテクターXP-308B(新コスモス電機株式会社)
写真で示す例ではデータロガーを取り付け,データを連続取込みしている。
あらかじめ濃度既知のホルムアルデヒドガスを測定し,実濃度と表示値との差を把握する。
− オーブン
− ポンプ(積算計内蔵)
ポンプ
汚染空気供給装置
試料チューブ
スタンド ホルムアルデヒド濃度計
データロガー
注記 写真撮影のため,オーブンの外に試料チューブを取り出している。通常は試料チューブ及びスタンドはオーブ
ンの中に設置されている。
図C.1−飽和除去量測定装置の例
C.2 手順
C.2.1 試料チューブの作成
――――― [JIS A 1905-1 pdf 19] ―――――
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試料は粉砕機を用いて粉砕する。壁面影響を避けるため,試料チューブと試料粒子径との比は10以上と
することが望ましい。したがって,直径が1.2 cmの試料チューブを用いる場合,試料は粉砕し1.2 mm以
上程度にして供する。粉砕後の試料は加熱又は真空乾燥によって水分を除去する。試料をひょう量し,試
料チューブに充する。
C.2.2 ホルムアルデヒド供給濃度の測定
試料チューブを接続する前に,空の試料チューブを接続し,出口にDNPHカートリッジを取り付けて対
象化学物質を捕集し,供給濃度を測定する。
C.2.3 吸着量の測定
試料チューブと,出口に検出器としてホルムアルデヒド濃度計を接続し,対象化学物質ガスを供給する。
対象化学物質ガスの線速度は4.78 cm/sec程度とする。したがって,直径1.2 cmの試料チューブを用いる場
合,流量は324 cm3/min(324 mL/min)程度となる。ホルムアルデヒド濃度計にデータロガーを取り付け,
経時の濃度を記録する。供給濃度に対し,0.5 %の濃度の破過が得られた時間を求める。
C.3 破過容量の算出
約5 mg/m3(5 000 μg/m3)の対象化学物質を供給した工業用活性炭の試験の例を示す。工業用活性炭の
破過曲線の例を,図C.2に示す。
試料 : 工業用活性炭(粉砕機で1.2 mm程度に粉砕)
供試量 : 1 g
対象化学物質供給濃度 : 5 000 μg/m3
対象化学物質ガス流量 : 300 mL/min(0.3 L/min)
この場合,濃度の0.5 %は25 μg/m3である。試料チューブ出口で25 μg/m3が検出された時間破過時間と
して記録する。この例では開始後128分で検出された。この場合破過容量は式(A.1)から
5 000 (μg/m3)×0.3 (L/min)×128 (min) / 1 000×1 (g)=192 μg/g
と求められる。
図C.2−破過曲線の例(工業用活性炭)
――――― [JIS A 1905-1 pdf 20] ―――――
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JIS A 1905-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16000-23:2009(MOD)
JIS A 1905-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS A 1905-1:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1901:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法―小形チャンバー法
- JISA1902-1:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第1部:ボード類,壁紙及び床材
- JISA1902-2:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第2部:接着剤
- JISA1902-3:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第3部:塗料及び建築用仕上塗材
- JISA1902-4:2015
- 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製及び試験条件―第4部:断熱材
- JISA1962:2015
- 室内及び試験チャンバー内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量―ポンプサンプリング
- JISK0124:2011
- 高速液体クロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8872:2008
- ホルムアルデヒド液(試薬)
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態