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表3−試験条件
項目 試験条件(照射時間又は摩擦回数)
I−a) Ia) II
紙,繊維及び無機質材 プラスチック
退色性試験 10時間 20時間 40時間
摩擦色落 乾燥摩擦 縦 往復12回 往復25回 往復50回
ち度試験 試験 横 往復12回 往復25回 往復50回
湿潤摩擦 縦 往復3回 往復5回 往復25回
試験 横 往復3回 往復5回 往復25回
注a) −又はIについては,壁紙の特性によって選択する。
表4−摩擦色落ち度の判定基準
等級 判定基準 参考色差NBS単位
1級 色の変化が汚染用グレースケールの1号又はその程度を超えるもの 32.0±3.0
2級 色の変化が汚染用グレースケールの2号程度のもの 16.0±1.5
3級 色の変化が汚染用グレースケールの3号程度のもの 8.0±0.7
4級 色の変化が汚染用グレースケールの4号程度のもの 4.0±0.3
5級 色の変化が汚染用グレースケールの5号程度のもの 0.2以下
6.3.3 隠蔽性試験
隠蔽性試験は,試験片の裏面に隠蔽性用グレースケールを密着させて,左右又は前後に移動し,透過し
て見える程度を表5によって評価する。
隠蔽性用グレースケールは,2種類の無彩色色票を台紙に交互に張り付けたもので,形状及び寸法は図2
による。図2における色票aは,明度が9.4±0.1の無彩色とし,色票bは,明度が8.8±0.1の無彩色とす
る。また,色票の用紙及び塗料は,蛍光がなく,経時変化の少ないものを用い,表面の状態は均一で,ほ
ぼ無光沢でなければならない。ただし,色票の明度は,JIS Z 8722に規定する方法によって求めた色度座
標x,y,zの値からJIS Z 8721の付表2(三属性による表色系の基準)を用いて求める。また,色票の用
紙には,プラスチックフィルムなどを用いてもよい。
試験場所の明るさは,直射日光を避け,北窓昼光に相当する540 lx以上の照明とする。“あらかじめ接
着剤,粘着剤などを塗布した壁紙”については,離型紙をがした後,厚さ : 100 μm以下,ヘイズ[濁度
(曇度)] : 10 %以下(JIS K 7136参照)の物性をもつフィルムに,できる限り空気が入らないよう張り付
けたものを試験片とし,評価する。
表5−隠蔽性の判定基準
隠蔽性 判定基準
1級 明瞭に顕出する。
2級 顕出する。
3級 ごく僅かに顕出する。
4級 顕出しない。
――――― [JIS A 6921 pdf 6] ―――――
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単位 mm
図2−隠蔽性用グレースケール
6.3.4 施工性試験
施工性試験は試験片に,JIS A 6922に規定する2種1号若しくは2種2号の接着剤,又はでん粉のり80 %,
酢酸ビニル系エマルジョン20 %の割合で作成しその30 %の質量の水を加えて粘度を調整した接着剤を約
20 g(固形分)均一に塗布し,約5分間放置した後,図3に示すように試験台に張り付ける。試験台の用
材はラワン,ほお又はかつらのいずれかそれらの寄せ木,又は合板とする。合板の場合は,日本農林規格
(JAS)の合板の普通合板に規定されるもので,節,割れ,隙間,きずなどのないものを使用する。用材
の含水率は15 %以下とする。張り付けた後,24時間後に,図3のA,B,Cの各部分について,試験片と
試験台との接着状態を観察する。
なお,“あらかじめ接着剤,粘着剤などを塗布した壁紙”については上記の接着剤を用いず,それぞれの
使用方法に従って試験台に張り付け,上記に準じて接着状態を観察する。
単位 mm
図3−試験台
6.3.5 湿潤強度試験
湿潤強度試験は,試験片を5分間水に浸せきした後取り出し,吸取紙3)3枚を重ねて置いた上に載せ,
それに吸取紙1枚をかぶせ,軽く押さえて過剰の水分を除き,手早く引張試験を行う。
なお,水を除去する際の加圧は,試験値をばらつかせるおそれがあるので,試験片の表面に多少の付着
水が認められる程度とする。
この場合の引張試験は,JIS P 8113の箇条5(装置)に規定する試験機を用いて,JIS P 8113の箇条9(操
作)によって少なくとも10枚の試験片について測定し,縦と横のそれぞれの平均値を求める。引張速度は
毎分20±5 mmに設定する。
――――― [JIS A 6921 pdf 7] ―――――
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“あらかじめ接着剤,粘着剤などを塗布した壁紙”については,離型紙をがし試験片を5分間水に浸
せきした後取り出し,離型紙の上に接着剤,粘着剤などを塗布した面を載せる。それに吸取紙を3枚かぶ
せ軽く押さえて離型紙と壁紙との間にある水分を押し出し,過剰な水分を除き,離型紙からがし,手早
く引張試験を行う。
注3) 吸取紙は,JIS P 8222の5.4(吸取紙)に規定する坪量250±25 g/m2のもの,又は同等以上の紙,
布等が望ましい。
6.3.6 ホルムアルデヒドの放散量試験
デシケーター法によるホルムアルデヒドの放散量試験は,図4に示すガラス製デシケーターを用いて行
う。ホルムアルデヒド放散量は,デシケーター内に蒸留水を入れ,表2に規定する試験片を設置し,23±
1 ℃の条件で24時間後の蒸留水に吸収されたホルムアルデヒド濃度から求める。“あらかじめ接着剤,粘
着剤などを塗布した壁紙”については,離型紙等をがし,試験を行う。蒸留水に吸収されたホルムアル
デヒド濃度測定の原理は,ホルムアルデヒドがアンモニウムイオンとアセチルアセトンによって反応し,
ジアセチルジヒドロルチジン(DDL)が生成するハンチ(Hantzsch)反応に基づいている。
試験片の保管及びホルムアルデヒドの捕集は,次による。
a) 試験片の保管 試験片は製造後,直ちにポリエチレン袋で包み,常温(20±15 ℃)で試験時まで保管
する。ただし,保管期間の限度は4週間とする。
b) ホルムアルデヒドの捕集 JIS R 3503に規定する呼び寸法240 mmのデシケーターの底部に,300 mL
の蒸留水を入れた直径12 cm,高さ6 cmのガラス結晶皿を置き,その上に金網を敷いて所定枚数の試
験片を図4に示すように載せ,23±1 ℃の条件で24時間放置し,蒸留水にホルムアルデヒドを吸収さ
せて試料溶液とする。
注記 試験片(F1及びF2)は,円筒形に丸めて,適切な金具を用いて支持するとよい。
図4−ホルムアルデヒドの捕集方法
c) ホルムアルデヒドの定量方法 試料溶液中のホルムアルデヒドの濃度は,アセチルアセトン法によっ
て光電分光光度計を用いて定量する。
1) アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液 酢酸アンモニウム150 gを蒸留水800 mLに溶かし,こ
れに氷酢酸3 mL及びアセチルアセトン2 mLを加え,よく振り混ぜた後,蒸留水を加えて1 Lとし,
――――― [JIS A 6921 pdf 8] ―――――
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褐色瓶に入れて保存する。試験に用いる試薬は全て特級とする。
2) 定量の操作 100 mL共栓付き三角フラスコに試料溶液25 mLを入れ,次にアセチルアセトン−酢
酸アンモニウム溶液25 mL(調整後数日以内のもの)を加えてよく振る。これに栓をして65±2 ℃
の温浴中で10分間加温する。また,これに並行して試料溶液の代わりに蒸留水を用い,同様の操作
をして対照液を作成する。検液及び対照液を室温まで冷却して吸収セルに移す。対照液を用いて
412 nm付近の波長によって吸光度0の調整を行う。次に検液の吸光度を測り,あらかじめ作成した
検量線からホルムアルデヒドの濃度(mg/L)を求める。
注記 412 nm以外の波長で最大吸収が発生する場合は,検量線作成を含む全ての測定はこの波長
で測定してもよい。
3) 検量線の作成
3.1) ホルムアルデヒド標準原液及び検定 ホルムアルデヒド液(ホルムアルデヒド36.038.0 %)1 mL
を蒸留水で1 Lに薄めて標準原液とし,次の方法で検定を行う。
50100 mLの共栓付き三角フラスコに標準原液5 mLを取り,0.01 mol/Lよう素溶液20 mL及
び5 mol/L水酸化カリウム溶液1 mLを加え,栓をして常温で15分間放置する。並行して蒸留水
5 mLを同様に操作しブランクとする。2.5 mol/L硫酸2 mLを徐々に加え,栓をして5分間常温で
放置した後,ミクロビュレットを用いて0.01 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。標準原
液1 mL中のホルムアルデヒド量は,式(1)によって求める。
0.150 1B−S f
C= (1)
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ここに, C : ホルムアルデヒドの量(mg/mL)
B : ブランクの滴定量(mL)
S : ホルムアルデヒド標準原液の滴定量(mL)
f : チオ硫酸ナトリウム原液の力価
0.01 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液は,JIS K 8001のJA.5.2(滴定用溶液の調製,標定及び計算)
t) 3)による。
3.2) 検量線の作成 3.1)で検定した標準原液の計算量を全量フラスコに取り,蒸留水で薄めて,1 mL
中にホルムアルデヒド0.1 mgを含有するように調製する。同液0.5 mL,1.0 mL,1.5 mLを取り,
各々蒸留水で希釈し50 mLとし,標準液とする。
これらの標準液25 mLを100 mL共栓付き三角フラスコに取り,これにアセチルアセトン−酢酸
アンモニウム溶液を25 mL加え,6.3.6 c)に述べた方法で吸光度を測定する。求めた吸光度とホル
ムアルデヒド濃度との関係線を作成し,グラフ又は計算によってこの関係線の傾きを求める。
3.3) 計算 試験片についてデシケーター内の蒸留水に吸収されたホルムアルデヒドの濃度は,式(2)に
よって計算する。
G=F×(Ad−Ab) (2)
ここに, G : 試験片のホルムアルデヒド濃度(mg/L)
Ad : 試験片を入れたデシケーター内の溶液の吸光度
Ab : バックグラウンドのホルムアルデヒドの吸光度
F : ホルムアルデヒド標準溶液についての検量曲線の傾き
(mg/L)
ホルムアルデヒド濃度は,JIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸める。
なお,このほかにチャンバー法によるホルムアルデヒドの放散量試験について,参考として附属書Aに
――――― [JIS A 6921 pdf 9] ―――――
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示す。
7 検査
検査は,合理的な抜き取り方式で,箇条3箇条5に適合したものを合格とする。ただし,箇条3の性
能検査は,性能に影響を及ぼすような技術的生産条件が変更された場合に行う。
8 表示
この規格の全ての要求事項に適合した製品には,1巻きごとに包装の見やすい箇所に次の事項を表示す
る。
a) 寸法(有効幅及び有効長さ)
b) ロット番号又は製造年月
c) 製造業者名又はその略号
d) ホルムアルデヒド放散量 等級の記号(F☆☆☆☆)を表示する。
e) 退色性・摩擦色落ち度 選択した試験条件のI−,I,IIを示す。
例 退色性・摩擦色落ち度I
f) 材料 適用範囲に示す材料を含有率の高いものから順次記載する。
なお,プラスチックについては,樹脂名で表示する(印刷インキ及び表面処理剤は除く)。“あらか
じめ接着剤,粘着剤などを塗布した壁紙”は,その旨を明記する。
例1 塩化ビニル樹脂/繊維/紙
例2 無機質材/アクリル樹脂(接着剤)/紙
9 添付文書
試験条件I−を選択した場合は,次に示す注意事項を添付しなければならない。
a) 退色性及び摩擦色落ち度が劣ることによる取扱い上の注意事項
b) 運搬及び保管上の注意事項
c) その他必要な注意事項
――――― [JIS A 6921 pdf 10] ―――――
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JIS A 6921:2014の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 6921:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA6922:2003
- 壁紙施工用及び建具用でん粉系接着剤
- JISA6922:2021
- 壁紙施工用及び建具用でん粉系接着剤
- JISK7362:1999
- プラスチック―アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の色変化及び特性変化の測定方法
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISL0805:2005
- 汚染用グレースケール
- JISL0842:2004
- 紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0849:2013
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
- JISP8113:2006
- 紙及び板紙―引張特性の試験方法―第2部:定速伸張法
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態
- JISZ8721:1993
- 色の表示方法―三属性による表示
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色