JIS A 8421-2:1998 土工機械―ローダ―第2部:仕様書様式及び性能試験方法 | ページ 4

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3.4 試験用計器及び器具 試験用計器及び器具は,試験前に検査し,機能の可否,誤差などを確かめて
必要なものは補正しておく。
4. 測定項目と測定方法 各試験における測定項目と測定方法は,次のとおりとする。
4.1 寸法 JIS B 7512,JIS B 7516及びJIS B 7507に規定する巻尺,直尺及びノギスを用いて測定する。
測定精度は,測定対象の±0.2%又は±1mmのいずれか大きい方とする。
4.2 質量 台ばかり又は懸垂はかり又は抵抗線ひずみ計式質量計を用いて測定する。測定精度は,測定
対象の±1%又は±10kgのいずれか大きい方とする。
4.3 操作力 ばね式懸垂指示力計又は抵抗線ひずみ計式操作力計を用いて測定する。測定精度は,測定
対象の±5%又は±5Nのいずれか大きい方とする。
4.4 角度 水準器付き角度計又はJIS B 7510に規定する平形水準器及びJIS B 7516に規定する直尺を用
いて測定する。測定精度は,測定対象の±3%又は±1度のいずれか大きい方とする。
4.5 時間 ストップウォッチ又は計数形電気式時間計を用いて測定する。測定精度は,±0.1sとする。
4.6 空気圧 JIS D 8201又はJIS B 7505に規定するタイヤゲージ又は圧力計を用いて測定する。計器の
最小目盛は,10kPaとする。
4.7 温度 JIS Z 8704又はJIS Z 8705によって測定する。計器の最小目盛は,1℃とする。
4.8 燃料消費量 燃料消費量は,消費した燃料の体積 (ml) 又は質量 (g) と時間 (s) を測定する。測定
精度は,測定対象の±2%とする。
4.9 回転速度 回転速度計又は電子式カウンタを用いて測定する。測定精度は,測定対象の±1%とする。
4.10 けん引力 電気的引張力変換器と記録計を用いて測定する。測定精度は,測定対象の±1%とする。
4.11 騒音 JIS C 1502又はJIS C 1505に規定する騒音計を用いて測定する。
4.12 振動 JIS A 8304の4.2に規定する加速度変換器を用いて測定する。
5. 試験場所 試験を行う場所は,次のとおりとする。
5.1 定置試験場 定置試験場は,平たんで水平な舗装面で,正確に寸法測定のできる場所とする。
5.2 走行試験場 走行試験場は,ホイールローダの場合は,平たんな直線舗装路及び平たんに舗装され
た広場とし,クローラローダの場合は,平たんな直線土道及び平たんな広場とする。
5.3 登坂試験場 登坂試験場は,一様な坂路の傾斜角度10度以上の舗装路又は十分に締め固められた地
盤とする。
5.4 けん引試験場 けん引試験場は,少なくとも試験時車速 (m/s) の10倍の距離 (m) の計測区間に試
験開始前の走行状態が安定するのに必要な助走距離のある平たんな直線舗装路(ホイールローダの場合)
又は平たんな直線土道(クローラローダの場合)とする。
なお,平均こう配は1%以内,幅は試験車両の2倍以上,横断こう配は1.5%以内とする。
5.5 積込能力試験場 積込能力試験場は,積込作業を行うのに十分な広さと硬さをもつ平たんな場所と
する。
5.6 作業装置試験場 作業装置試験場は,5.1に準じた場所とする。
5.7 騒音試験場 騒音試験場は,ローダの騒音に対する反射音の影響が少ない広場で,十分に締め固め
られた地盤とする。
5.8 振動試験場 振動試験場は,平たんで,かつ,水平な舗装路面とする。

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6. 試験方法
6.1 エンジン性能試験 ローダに装備されるエンジンは,各試験に先立ちJIS D 0006の附属書に規定す
る作業時負荷試験 (100%) と無負荷最低回転速度試験を行い,試験結果をJIS D 0006の附属書に規定する
様式に従って記入する。
6.2 トルクコンバータ実用性能試験 ローダに装備されるトルクコンバータは,JIS D 1007による実用
性能試験中の一般性能試験とストール性能試験を行い,試験結果をJIS D 1007の様式に従って記入する。
この場合,トルクコンバータの駆動側には,6.1の試験を行ったエンジンを結合するものとする。
6.3 定置試験 定置試験は,次のとおりとする。
なお,定置試験は,エンジンを停止状態とし,特に指定する場合を除いて運転質量の状態で行う。
6.3.1 主要寸法測定 主要寸法は,附属書付表2又は附属書付表3の各項目について測定し,附属書付表
2又は附属書付表3に記入する。
6.3.2 質量及び質量配分の測定 質量及び質量配分は,次の項目について測定し,附属書付表2又は附属
書付表3に記入する。
なお,質量配分は,ホイールローダだけ測定し,附属書付表4に記入する。
a) 質量 機械総質量,運転質量,機械質量及び出荷質量。
b) 質量配分 機械総質量から乗車定員を除いた状態及び機械質量の状態で,前輪に配分される質量及び
後輪に配分される質量。
6.3.3 重心位置測定 重心位置の測定は,機械総質量から乗車定員を除いた状態及び機械質量の状態で,
JIS A 8915に規定する方法によって行い,測定結果を附属書付表5及び附属書付表6に記入する。
6.3.4 荷重中心位置測定(ホイールローダだけ) 荷重中心位置の測定は,機械総質量から乗車定員を除
いた状態で運行姿勢における前輪及び後輪に配分される質量をそれぞれ測定し,次の式によって荷重中心
位置を算出し,附属書付表4に記入する。
L gr
l lG G /(G G)
gf gr
ここに, l' : 前車軸中心から荷重の中心までの水平距離 (mm)
l : 前車軸中心から重心位置までの水平距離 (mm)
L : 軸距 (mm)
G : 機械質量 (kg)
G' : 機械総質量から乗車定員を除いた状態の質量 (kg)
g'f : 機械総質量から乗車定員を除いた状態の前輪に配分される
質量 (kg)
g'r : 機械総質量から乗車定員を除いた状態の後輪に配分される
質量 (kg)
6.3.5 バケット容量測定 JIS A 8421-3によって測定し,附属書付表7に記入する。
6.3.6 転倒荷重/転倒負荷質量測定 JIS A 8421-5によって測定し,附属書付表8に記入する。
なお,前車軸又は遊動輪軸中心から積荷の重心までの水平距離を測定し併記する。ただし,アーティキ
ュレート式の場合には左右最大かじ取り時についても行う。

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6.3.7 操縦装置操作力及び操作範囲測定 操縦装置操作力測定は,主クラッチ,操向クラッチ,かじ取り
ハンドル,ブレーキなどの操作レバー,ペダル類を操作する力及び全移動距離又は角度を測定して附属書
付表9に記入する。この場合,操作力の測定は,運転者が運転座席に座り,レバー,ペダル上に手足を置
く位置で行い,操作ストローク中の最大値をもって操作力とする。ただし,ブレーキについては傾斜角度
20度以上の坂路上でローダを停止できる最小値とし,角度を備考欄に記入する。
なお,運転座席とレバー,ペダル類の垂直及び水平方向の関係位置を測定して,操縦装置配置図(平面
図及び側面図)に付記する。
6.3.8 接地圧測定(ホイールローダだけ) 接地圧の測定は,機械総質量の状態にあるときの各車輪接地
面積と配分質量とから,次の式によって求め,附属書付表10に記入する。
ここに, P : 見かけの接地圧 (kPa)
m : 前輪又は後輪配分質量 (kg)
A : 前輪又は後輪タイヤの見掛けの接地面積 (cm2)
gn : 自由落下の標準加速度 (9.81m/s2)
附属書図1 接地圧
6.3.9 運転席視界測定 運転席視界測定は,JIS A 8311によって測定し,附属書付表11に記入する。
6.4 走行試験 走行試験は,次のとおりとする。
なお,走行試験は,特に指定する場合を除き,運転質量の状態で行う。ただし,燃料はタンク容量の32以
上とする。
6.4.1 走行速度試験 走行速度試験は,試験時の車速が20km/h以上のものにあっては50m,20km/h未満
のものにあっては20mの測定区間を設け,その両端に適当な助走区間をつけて行う。前進及び後進の各速
度段において往復走行し,その所要時間の平均値から次の式によって走行速度を算出し,附属書付表12
に記入する。
6.3L
V
t
ここに, V : 走行速度 (km/h)
L : 測定区間 (m)
t : 平均所要時間 (S)
6.4.2 走行抵抗試験 走行抵抗試験は,変速レバーを中立にした試験ローダを,けん引力計を介したけん
引車両によって,試験ローダがホイールローダの場合は約5km/h,10km/h及び15km/h,クローラローダの
場合は約3km/h,5km/h及び7km/hの各3種類の安定した速度でけん引し,測定したけん引力を附属書付
表13に記入する。
なお,測定値は10s以上安定した状態とし,試験道路の両方向について同じ回数行ってその平均をとる。
測定中の速度の変化は,5%以内でなければならない。

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6.4.3 登坂試験 登坂試験は,長さ5m以上の測定区間及び適当な助走距離(ただし,坂路部は車両全長
の1.5倍以上)を設け,最低速度段で測定区間を登坂するのに要した時間を測定し,次の式によって登坂
所要出力を算出し,附属書付表14に記入する。
また,滑りの状況を備考欄に付記する。
なお,出力及び滑りに対して余裕のある場合は,同一坂路において,より高速の速度段において行い,
登坂可能速度段を決定する。
gn m L sin
Q
1 000 t
ここに, Q : 登坂所要出力 (kW)
m : 運転質量 (kg)
L : 測定距離 (m)
燿 坂路の傾斜角度(度)
t : 所要時間 (S)
gn : 自由落下の標準加速度 (9.81m/s2)
6.4.4 ブレーキ試験(ホイールローダだけ) ブレーキ試験は往復について行い,適切な助走区間走行の
後,初速度測定区間を一定の初速度(指定初速度)で走行し,一定の位置において,合図によって急ブレ
ーキをかけて停止させる。この合図をしたときのローダの位置から停止した位置までの停止距離を測定し,
併せて車輪の路面に対する固着状況を観察する。
ブレーキをかけるため,ブレーキペダルに足をかける操作によって路面に標点を印付ける装置を用いた
場合は,標点から停止した位置までの距離(制動距離)を測定する。
なお,指定初速度は,ローダの最高速度が35km/h以上のときは35km/h,35km/h未満で20km/h以上の
ときは20km/h,20km/h未満のときはその最高速度とし,試験時の初速度が指定初速度の10%以内にある
場合に限り次の式で補正し,その平均値を求める。
また,初速度測定区間は,指定初速度が35km/hのときは100m,20km/h未満で10km/h以上のときは50m,
10km/h未満のときは20mとする。
2
V
Ls Ls
V
ここに, Ls : 補正停止距離又は補正制動距離 (m)
L's : 測定停止距離又は測定制動距離 (m)
V : 指定初速度 (km/h)
V' : 測定初速度 (km/h)
また,制動距離を測定した場合は,次の式によって減速度及びブレーキ効率を算出する。
V2
b
259.Ls
e b
8.9
ここに, b : 減速度 (m/s2)
e : ブレーキ効率
以上の結果を附属書付表15に記入する。

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6.4.5 最小回転半径測定 最小回転半径測定は,走行姿勢において最小回転半径が得られる方法で回転し,
ローダ最外側部(バケットを含み最外部を注記する。)の回転直径を測定する。また,ホイール式は,JIS A
8303によって最外輪中心の回転直径を測定し,クローラ式は,クーラ接地跡の最外部の回転直径を測定す
る。以上によって測定した回転直径の21をそれぞれの回転半径とする。測定は左,右,前後回転の4種類
について行い,附属書付表16に記入する。
6.4.6 運行試験(ホイールローダだけ) バケットに荷を積載しない状態で,試験コースを原則として最
高速度段で1時間走行し,10分ごとに走行距離,燃料消費量及び各部温度を測定し,平均速度,燃料消費
率を求め,運行途中のローダ各部の状態などの観察とともに附属書付表17に記入する。なお,試験コー
スの状況についても試験コース図に付記する。
6.5 最大けん引力試験 バケットに定格積載質量以下の積荷を積載し,試験を行うローダを前進最低速
度段とし,制動車両の間にけん引力計を取り付けてJIS A 8309によってけん引力の測定を行う。試験は,
制動車両の負荷を徐々に増加してタイヤ又はクローラのスリップ,エンジン停止,又はトルクコンバータ
のストールに至るけん引力の限界を測定する。この場合,エンジン回転速度も併せて測定し,附属書付表
18に記入する。ただし,最大けん引力は,上記の状態に至る直前3秒間の平均値とする。また,試験にお
いて,タイヤ又はクローラがスリップした場合は,最低速度段より高い速度段で試験を繰り返す。
6.6 積込能力試験 山積みされた十分な量の作業対象物に対して,附属書図2のように配置した,試験
を行うローダ及び運搬車両の各作業方式(以下,附属書図2に従って,それぞれV,I又はT方式と呼ぶ。)
について積込能力の測定を行う。
運搬車両の容量は,原則として試験を行うローダの34回の積込みでほぼ満載となるものを選ぶことと
し,使用した運搬車両の形式,規格及び荷台上縁高さを附属書付表19に記入する。また,作業対象物は,
少なくとも砂質土と砕石(JIS A 5005の砕石2505とする。)の2種類について行う。砂質土の場合は,附
属書付表19に組成及び湿潤密度を併記する。
試験は,附属書図2に示す位置から合図によって試験を行うローダを発進させ,作業対象物をすくい込
み,運搬車両に積み込んで元の位置に帰る作業を規定回数繰り返し行う。
なお,規定回数とは,運搬車両の荷台をほぼ満載とする回数をいう。測定は,全作業時間,1回の積込
作業を構成する各動作の所要時間,燃料消費量,積み込んだ作業対象物の質量及び湿潤密度について行い,
次の式によって算出した1サイクル当たりの作業量とともに附属書付表19に記入する。

q
ここに, q : 1サイクル当たりの平均すくい込み量 (m3)
W : 運搬車両に積み込んだ作業対象物の全質量 (t)
N : 試験時積込み回数
柿 作業対象物の平均密度 (t/m3)
また,単位時間当たり積込み作業量,単位時間当たり燃料消費量及び単位燃料当たり積込み作業量を算
出する場合は,次の式を用いる。
3 600 W 3 600 W
Q 及び Q
T T
3 600f
F
T
Qf Q
F

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JIS A 8421-2:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8421-2:1998の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA5005:2009
コンクリート用砕石及び砕砂
JISA5005:2020
コンクリート用砕石及び砕砂
JISA8303:1998
土工機械―ホイール式機械の回転半径測定方法
JISA8304:2001
土工機械―運転員の座席の振動評価試験
JISA8308:2003
土工機械―基本機種―用語
JISA8309:1993
土工機械―けん引力測定方法
JISA8311:2018
土工機械―運転員の視野―測定方法及び性能基準
JISA8421-1:1998
土工機械―ローダ―第1部:用語及び仕様項目
JISA8421-3:1998
土工機械―ローダ―第3部:バケット定格容量
JISA8421-4:1998
土工機械―ローダ―第4部:最大掘起し力及び持上げ力測定方法
JISA8421-5:1998
土工機械―ローダ―第5部:定格積載質量の計算及び検証方法
JISA8915:1995
土工機械の重心位置測定方法
JISB7505:1999
ブルドン管圧力計
JISB7507:2016
ノギス
JISB7510:1993
精密水準器
JISB7512:2018
鋼製巻尺
JISB7516:2005
金属製直尺
JISC1502:1990
普通騒音計
JISC1505:1988
精密騒音計
JISD0006:1994
建設機械用ディーゼルエンジンの仕様書様式及び性能試験方法
JISD1001:1993
自動車用エンジン出力試験方法
JISD1007:1995
建設機械及び産業車両用流体トルクコンバータ性能試験方法
JISD5301:2019
始動用鉛蓄電池
JISD8201:1994
自動車用タイヤゲージ
JISK2202:2012
自動車ガソリン
JISK2204:2007
軽油
JISZ8704:1993
温度測定方法―電気的方法
JISZ8705:1992
ガラス製温度計による温度測定方法
JISZ8731:2019
環境騒音の表示・測定方法