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6. 構造,寸法及び材料
6.1 構成
試験機は,試験槽と試験槽内中央に取り付けた発光部,アーク安定装置,試験片保持装置,
試験片表面への噴霧装置,冷却装置,温度調節装置,湿度調節装置(7),デューサイクル試験装置(8),計測
機器などから構成する。試験機の例を参考付図2に示す。
注(7) 湿度調節装置を備えた試験機の場合に適用する。
(8) W形に適用する。
6.2 試験槽
試験槽は,次による。
a) 構造 試験槽は,試験片に光の照射及び水の噴霧を行うための室で,発光部,噴霧ノズル,ラックな
どを組み込み,温度又は温度・湿度を調節できる構造でなければならない。
b) 材料 試験槽内壁の材料は,JIS G 4305に規定するSUS 304若しくはこれと同等以上の耐食性をもつ
もの,又は耐食処理を施したものでなければならない。
6.3 発光部
発光部は,交流点灯のサンシャインカーボンアーク灯で,カーボン,カーボンホルダ,ガ
ラス製フィルタ,アーク調節装置,排気装置などからなる。概要を参考付図3に示す。
a) カーボン カーボンは,しん(芯)材にセリウム化合物を含有し,表面に銅などの金属被覆を施した
もので,上部及び下部に1対又は複数対にして用い,常に上下の一対が放電できなければならない。
b) カーボンホルダ カーボンホルダは,上部カーボン用及び下部カーボン用があり,それぞれ上下対の
カーボンを正しい位置に保持できるもので,JIS G 5501に規定するFC 150又はこれと同等以上の耐熱
性及び耐食性が優れた金属材料を用い,熱変形を生じない構造でなければならない。
c) ガラス製フィルタ ガラス製フィルタは,カーボンアークの不必要な光を遮断する目的,及びその周
囲を囲む目的をもつもので,耐熱性のものでなければならない(表2参照)。
d) アーク調節装置 アーク調節装置は,まず,アークを発生させ,その電流・電圧などの変化に応じて,
電流リレー若しくは電圧リレー又はサーボアンプが作動し,カーボンの上下移動駆動装置によって上
下カーボンの位置を自動的に調節し,アークからの熱及び灰分の影響に対して十分に耐えるものでな
ければならない。
e) 排気装置 排気装置は,発光部上方に排気口を設け,これに排気ダクトなど適切な装置を接続したも
ので,アークによる熱気,発生ガスなどを十分に排出できる構造で,耐熱性及び耐食性が優れた材料
を用いなければならない。
f) その他の部分の材料 使用される部分に従って,耐熱性,耐食性,耐湿性又は電気絶縁性が優れた材
料を用い,熱変形を生じない構造でなければならない。
6.4 アーク安定装置
アーク安定装置は,磁気漏れ変圧器,安定器などからなり,アーク電流を60±2 A,
アーク電圧を50±2 Vに制限して,放電を安定させるものでなければならない。
なお,交流200±20 Vの電源電圧範囲に調整できるものでなければならない。
6.5 温度調節装置
温度調節装置は,次による。
a) 構造 温度調節装置は,ブラックパネル温度を一定にするため,試験槽内の空気温度,ブラックパネ
ル温度などを検知して,循環風路中に設けられた空気調節弁を,温度調節器の信号によって自動的に
切り換え,試験槽内の空気を循環させる作用,及び外気を吸入し熱気を排出させる作用を行い,試験
槽内の空気温度を調節するものとする。
なお,外気の取入れ口には,必要に応じて防じん用のエアフィルタを設ける。
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b) ブラックパネル温度計 ブラックパネル温度計は,次による。
1) ブラックパネル温度計は,バイメタル,白金抵抗体,サーミスタ,熱電対などの感熱体を金属板の
中心に一致させて取り付け,感熱体保護管を密着して固定した構造のものとする。
2) 金属板は,JIS G 4305に規定するSUS 304を用い,感熱体保護管はJIS G 3459に規定するSUS 304
TPを用いて,焼付形耐候性黒色エナメルの塗装仕上げを行わなければならない。
3) 温度表示部は,ダイヤル式,ディジタル式などがある。目幅は,1 ℃のものとする。
4) ブラックパネル温度計は,これを取付けできるように加工したホルダに取り付け,ラックに試験片
と並べて取り付ける。
5) ブラックパネル温度計の構造の例及び寸法は,付図1による。
6) ブラックパネル温度計の黒板の分光反射率は,JIS Z 8722に規定する照明及び受光の幾何学的条件
dによって測定したとき,波長範囲380780 nmで10 %以下(正反射光も含む。)とし,5 %以下
であることが望ましい。
備考 ブラックパネル温度計のほかに白金抵抗体,サーミスタなどの感熱体を金属板の裏面(照射面
の反対側)の中心に一致させて取り付け,金属面にPVDF(充てん材を含まないポリふっ化ビ
ニリンデン)を密着して固定した構造のブラックスタンダード温度計がある。ただし,感熱体
とPVDFとの間に約1 mmの間げきを設ける。ブラックスタンダード温度計の構造の例及び寸
法は,付図2による。
c) 温度調節器 温度調節器は,送風機構と組み合わせて用いる。検出方式によって次のものがあり,い
ずれかを用いる。
1) 空気温度調節器 液体膨張式,電気式などがあって,感熱部は試験槽空気の出口付近で発光部から
の直射光を避けて取り付けるのが望ましい。
2) ブラックパネル形温度調節器 ブラックパネル温度を検知して試験槽内空気温度を調節するもので,
金属板の中心に感熱体の中心を一致させて取り付け,感熱体保護管を密着して固定した構造のもの
とする。感熱部の構造の例及び寸法は,付図3による。
備考 ブラックパネル温度の代わりに,ブラックスタンダード温度を検知する方式がある。
6.6 湿度調節装置
湿度調節装置は,試験槽内の湿度を調節するものであって,温度調節器又は湿度調
節器によって電気加湿器又はその他の湿度発生器を制御して,湿度を調節するものでなければならない。
湿度の測定個所は,試験槽空気の出口付近で光源からの直射光を避けた位置とする。
6.7 試験片保持装置
試験片保持装置は,試験片ホルダを取り付けるラック,ラック回転機構及び試験
片ホルダからなり,次による。
なお,主要部の構造を,参考付図4に示す。
a) ラック ラックは,試験片が光の照射及び水の噴霧を均等に受けるために,光源の周囲を回転できる
ものでなければならない。回転速度は約1 min−1とする。
材料は,耐食性に優れるものを用いなければならない。
b) ラック回転機構 ラック回転機構は,電動機及び減速機によって駆動する。これには,停止時におい
て手動によってラック回転させることができ,また,運転時において手でラックの回転を停止させる
ことができるスリップ機構を備えていなければならない。
c) 試験片ホルダ 試験片ホルダは,試験片を固定し,かつ,ラックに取付けできる構造でなければなら
ない。
材料は,JIS G 4305に規定するSUS 304又はJIS H 4000に規定するA 1100 Pに耐食処理を施したも
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のでなければならない。例を参考付図5及び参考付図6に示す。
6.8 試験片表面への噴霧装置
試験片表面への噴霧装置は,試験片に一定周期で一定時間水を均等に噴
霧する装置で,次による。噴霧ノズルと試験片との相対位置の概略を,参考付図4に示す。
a) サイクルメータ サイクルメータは,所定の時間ごとに電磁弁を開閉することができなければならな
い。時間設定精度は±0.5分とする。
b) 減圧弁 減圧弁は,供給された水圧を所定の圧力に減圧できなければならない。
c) 水圧計 水圧計は,噴霧圧を示すものとする。
d) 電磁弁 電磁弁は,サイクルメータの信号によって噴霧用の水路を開閉できなければならない。
e) 噴霧ノズル 噴霧ノズルは,円すい状に均等,かつ,連続して試験片に噴霧でき,耐食性が優れた材
料を用いなければならない。例を,参考付図5及び参考付図6に示す。
f) 給水経路の配管 噴霧装置の給水経路に使用する配管材料は,給水中に試験結果に有害な影響を与え
るような成分,さびなどを出さない材料でなければならない。一般にJIS G 3459,JIS K 6742に規定
する管又はプラスチックなどの管を用いることが望ましい。
6.9 冷却装置
冷却装置は,次による。
a) 構造 冷却装置の構造は,光源から出る放射熱によって試験片又は試験槽内壁の温度が上昇し,試験
片への影響を与えることを防ぐためのもので,必要に応じて試験片の裏面又は試験槽内壁面に向けて
2個以上のノズルで水を噴霧することができるものでなければならない。ただし,噴霧水が試験片に
悪影響を及ぼさない構造でなければならない。
b) 材料 材料は,耐食性が優れた材料を用いなければならない。
6.10 デューサイクル試験装置
デューサイクル試験装置は,サンシャインカーボンアーク灯の点灯・消
灯を制御し,暗黒時試験片裏面に冷水を噴霧する装置で,次による。試験片保持装置,発光部及び冷水噴
霧ノズルの相対位置(9)を,参考付図7に示す。
a) デューサイクル試験用タイムスイッチ 自動的に,サンシャインカーボンアーク灯を繰り返し点滅で
きるもので,少なくとも30分単位で設定できなければならない。
b) 冷水噴霧ノズル 冷水噴霧ノズルは,冷水を円すい状に均等,かつ,連続して噴霧でき,耐食性が優
れた材料を用いなければならない。一例を,参考付図8に示す。
c) 冷水供給装置 冷水供給装置は,5.4 b)(試験片冷却)に規定の冷水が供給できるものとする。
注(9) ガラス板に張り付けたフィルム試験片などを試験する場合に,暗黒時,ガラス面側(フィルム
を張り付けた面と反対側の面)に冷水を噴射する装置を設けてもよい。この場合,参考付図7
の冷水噴霧ノズルは,ラックの内側から試験片に水を噴射する配置になる。
6.11 計測機器
計測機器は,次による。
a) 積算時間計 積算時間計は,運転時間を積算表示できるもので,少なくとも9 999.9時間以上の表示が
できなければならない。
b) タイムスイッチ タイムスイッチは,所定の運転時間を任意に設定できるもので,目幅は,0.1時間以
下とする。
c) 放射照度又は放射露光量指示器(10) 放射照度又は放射露光量指示器は,試験片面の放射照度又は放射
露光量を指示できるものとする。
d) 電圧計(11) 電圧計は,スイッチなどによる切換えで,アーク電圧及び入力電圧を指示できるもので,
JIS C 1102-2に規定する2.5級又はこれと性能が同等以上のものとする。目幅は,アーク電圧測定範囲
で2 V以下とする。
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e) 電流計(11) 電流計は,アーク電流を指示できるもので,JIS C 1102-2に規定する2.5級又はこれと性
能が同等以上のものとする。目幅は,アーク電流測定範囲で2 A以下とする。
f) 温度指示又は記録計(10) 温度指示又は記録計は,ブラックパネル温度,試験槽内温度(乾球又は湿球),
試験槽内相対湿度などを指示又は記録できるものとする。
g) 水質計(10) 水質計は,噴霧用の水などの電気伝導率を指示できるものとする。
注(10) 計測機器を備えたものに適用する。
(11) 実効値を示すもの。
7. 試験機の絶縁抵抗
試験機の絶縁抵抗は,1 MΩ以上でなければならない。
8. 安全装置
安全装置は,試験機の操作における安全確保,並びに試験機及び試験片の保全のため,断
水,水圧の異常低下,アーク過電流,試験槽温度過上昇,電動機過電流,又はカーボン電極の過消耗のと
きに電源を遮断し,これらが回復しても自動的に運転を再開しないものでなければならない。
また,必要に応じて停電に対応する安全装置,電気回路の安全装置などを設けることが望ましい。
9. 表示
試験機には,見やすい箇所に次の事項を表示しなければならない。
a) 名称又はその略号(例 : サンシャインカーボン耐侯試験機)
b) 製造業者名又はその略称
c) 製造年月日
d) 製造番号
e) 電源電圧(V)
f) 周波数(Hz)
g) 電源容量(A又はkVA)
10. 取扱い上の注意事項
10.1 設置条件
試験機設置場所の電気設備,給排水設備及び環境状態は,表4による。
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表 4 設置条件
項目 内容
電気設備 a) 電源 電圧変動が少ない給電設備とし,その電圧は,AC 200±20 Vとする。ただ
し,受渡当事者間の協定によって特定の電圧を選んでもよい。
b) 容量 試験機に表示された電源容量を満足しなければなない。
c) 接地 試験機は,第3種の接地を行う。
d) 漏電遮断器 必要に応じて設けなければならない。
給排水設備 a) 配管材料及び配管方法 給水管は,試験結果に有害な影響を与えるような成分,さ
びなどを給水中に出さない材料で施工する。一般にJIS K 6742,JIS K 6762又は
JIS G 3442に規定する管を用いることが望ましい。
配水管は,詰まりなどの起こらないように配管の内径,長さ,こう配などに注意
して施工する。
また,試験機の給排水口接続は,水漏れをしないよう確実に行わなければならな
い。
b) 給水圧 0.100.20 MPaで,変動が少ないようにしなければならない。
c) 水質 使用する水のpHは6.08.0とし,用途に応じて,次に規定する水を用いる。
1) 噴霧用の水 試験片に付着物が生じない水で,電気伝導率5 μS・cm−1以下,かつ,
全固形分1 ppm以下であることが望ましい(12)。
2) 試験槽冷却用の水 試験槽内壁などに,さびを生じさせない程度の清浄な水。
3) 加湿器用の水 水あか又はさびを生じさせない水。
d) 水温 1020 ℃とするのが望ましい。
e) 排水 試験機から排出される水が,滞留及び逆流しないような適切な排水設備を備
えていなければならない。
環境状態 a) 温度 設置場所の温度は,JIS Z 8703に規定する標準温度状態23 ℃ 5級(23±
5 ℃)とするのが望ましい(13)。
b) 湿度 設置場所の湿度は,JIS Z 8703に規定する標準湿度状態65 % 10級[相対
湿度(65±10)%]とするのが望ましい。
e) 排気設備 試験機から排出する熱気及び発生ガスは,屋外に排出する。
f) その他 ちり及びほこりが少ない場所,並びに外部からの有害ガスの影響がない場
所でなければならない。
注(12) シリカ成分は,試験結果に影響するので取り除くことが望ましい。
(13) 規定した環境条件が得られず,また,規定した温度条件が保てない場合に,試験条件に影響を及ぼ
さないように,吸気の温度調節などの適切な配慮をしなければならない。
10.2 運転操作
運転に伴う注意事項は,表5による。
――――― [JIS B 7753 pdf 10] ―――――
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JIS B 7753:2007の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 7753:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISG3442:2015
- 水配管用亜鉛めっき鋼管
- JISG3459:2016
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG3459:2021
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG5501:1995
- ねずみ鋳鉄品
- JISH4000:2014
- アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
- JISK6742:2016
- 水道用硬質ポリ塩化ビニル管
- JISK6762:2019
- 水道用ポリエチレン二層管
- JISK7363:1999
- プラスチック―耐候性試験における放射露光量の機器測定―通則及び基本的測定方法
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色