この規格ページの目次
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3.1
体積抵抗(volume resistance)
表面電流を除き,その絶縁体の内部を通って流れる電流分に相当する絶縁抵抗。
3.2
体積抵抗率(volume resistivity)
体積抵抗を単位立方体体積に換算したもの。
3.3
誘電正接,tanδ(dielectric dissipation factor)
複素誘電率の中の実数部分に対する虚数部分の比。
3.4
比誘電率,εr(relative permittivity)
絶対誘電率と電気定数(真空の誘電率)との比。
注記 実務の場では,比誘電率を指して誘電率という用語を用いるのが一般的である。
4 試験方法に関する一般注意事項
この規格及び関係する規格に規定がない場合,全ての試験は,温度25 ℃±4 ℃,相対湿度4570 %の
雰囲気条件で行う。測定を行う前に,試料及び試験片は,この雰囲気で試料又は試験片が安定するまでの
時間に,予備調製を行う。液状又はペースト状の試料の採取は,JIS K 5600-1-2による。試料の調製はJIS
K 5600-1-3による。
注記 標準雰囲気についての用語の定義は,ISO 558を参照。上記に規定する試験雰囲気は,JIS K 7100
に規定する2種類の標準雰囲気に従っていないが,その許容差を含めた範囲を満足している。
通常,試験方法に関する要求事項は,全て規定している。また,図は,単に試験が可能な装置の一例を
示しているだけである。この規格とIEC 60464-3の各シートとが不整合な場合はIEC 60464-3を適用し,
また,受渡当事者間の協定がある場合はその協定を優先する。
試験方法として別の規格の規定を用いた場合には,その規格を参照したことを報告する。
5 乾燥前及び/又は硬化前のワニスの試験方法
乾燥前及び/又は硬化前の材料とは,元の液状のワニスをいう。
5.1 引火点
温度79 ℃以上の引火点の試験は,JIS K 2265-4に規定するクリーブランド開放法による。
温度79 ℃未満の引火点の試験は,ISO 1523:1983の附属書Aに規定するクローズドカップ装置のいずれ
かを用い,JIS K 2265-2に規定する迅速平衡密閉法1) の2種類の測定方法で行う。クローズドカップ装置
は,ISO 1523:1983の附属書Aに規定する検定を実施したものを用いる。
それぞれの装置で2回測定し,用いた装置及び結果を報告する。
注1) 迅速平衡密閉法は,セタ密閉式ともいう。
5.2 密度
密度の測定方法は,5.2.1又は5.2.2のいずれかによる。
5.2.1 ピクノメータ法
ピクノメータ法は,JIS K 5600-2-4による。測定は2回行い,密度の結果及び用いた方法を報告する。
5.2.2 浮きばかり法
――――― [JIS C 2103 pdf 6] ―――――
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5.2.2.1 器具
器具は,次による。
a) 浮きばかり 浮きばかりは,JIS B 7525-1に規定するもの。
b) ガラス容器 ガラス容器は,適切な大きさで透明なもの。
5.2.2.2 手順
5.2.2.1 a) の浮きばかりを用いて,25 ℃±0.5 ℃又は受渡当事者間で協定した温度で測定する。
5.2.2.3 報告
報告には,次の事項を報告する。
a) 測定温度(℃)
b) 密度の結果及び用いた方法
5.3 粘度
粘度は,適切な装置を用いて,温度23 ℃±0.5 ℃又は受渡当事者間で協定した温度で測定する。回転式
の装置を用いる場合は,JIS K 7117-1又はJIS K 7117-2による。エフラックス形の装置を用いる場合,試
験方法及び用いるフローカップは,JIS K 5600-2-2による。
測定は2回行い,粘度の結果を報告する。試験温度及び用いた粘度計の種類を,併せて報告する。
5.4 不揮発分
不揮発分は,JIS K 5601-1-2による。ただし,加熱時間は,受渡当事者間の協定による。また,平底皿
は,直径75 mm±5 mm又は60 mm±5 mmのものとする。
測定は2回行い,不揮発分の結果を報告する。
5.5 薄めやすさ
薄めやすさは,ワニスに濁り又は分離が認められるまで加えることができる溶剤及び/又は希釈剤の量
で表す。
5.5.1 手順
容量約250 mlのガラスシリンダに,ワニスの試料50 ml±1 mlを入れる。受渡当事者間で協定した溶剤
及び/又は希釈剤を,一定の量,例えば,10 ml±0.2 mlずつ濁り又は分離が認められるまで加える。溶剤
及び/又は希釈剤を加えるごとに,ガラスシリンダの中身が均一な混合物になるようによくかき混ぜ,5
10分間静置する。
5.5.2 報告
測定は1回行い,溶剤及び/又は希釈剤の種類,及び濁り又は分離が認められない最大の添加量を,体
積分率で報告する。
5.6 開放容器中でのワニスの安定性
開放容器中でのワニスの安定性は,ワニスを50 ℃±2 ℃で96時間±1時間(4日間)保存した後の粘
度の変化で表す。
5.6.1 装置
特に規定がない場合,装置は,次による。
a) 直径が78 cmで,高さが910 cmのガラスシリンダ
b) 強制空気循環式ではない,1時間に610回の割合で換気できる恒温槽
5.6.2 手順
ワニス試料の粘度を5.3によって測定する。ガラスシリンダの中にワニスの試料150 g±1 gを量り入れ,
50 ℃±2 ℃にした恒温槽の中に置く。24時間ごとに受渡当事者間で協定した溶剤及び/又は希釈剤を揮
――――― [JIS C 2103 pdf 7] ―――――
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発による減量に相当する量だけ加え,ワニスとよく混ぜる。96時間±1時間(4日間)経過した後,同じ
手順で処理を行い,ワニス試料の粘度を5.3によって測定する。
5.6.3 報告
測定は1回行い,処理前の粘度,溶剤及び/又は希釈剤の種類,並びに温度処理後の粘度を報告する。
5.7 厚膜の乾燥及び/又は硬化性
厚膜の乾燥及び/又は硬化性は,硬化後の試験片の表面,底面及び内部の状態で表す。
5.7.1 装置
装置は,次による。
a) 厚さ0.10.15 mmで辺の長さ95 mm±1 mmの,平らで平滑な四角いアルミニウムはく
b) 厚さ25 mm±1 mmで辺の長さ45 mm±1 mmの金属又は適切な硬い材料でできた四角い型(かた)
c) 強制空気循環式で1時間に8回以上の換気ができる恒温槽。この恒温槽は,試験片の乾燥及び/又は
硬化用に設計されたものとする。
5.7.2 試験片
アルミニウムはくを適切な方法で清浄にし,型にかぶせて一片約45 mmの成形型を作製する。次の式に
よって求めた質量のワニスを,型の中に0.1 gまで量り取る。
m810ρ
X
ここに, m : 試料の質量(g)
ρ : 密度(g/cm3)
X : 不揮発分(%)
受渡当事者間で協定した時間及び温度で,乾燥及び/又は硬化した後,アルミニウムはくを取り除く。
注記 上記の式で810 cm3の係数を用いると,アルミニウムはくを取り除いた後に最終の厚さが約4
mmの試験片となる。
5.7.3 手順
試験片は,試験片の表面,底面及び内部の状態によって評価し,目視による外観及び粘着性を,表1
表3に規定する記号で表す。
表1−表面の状態
状態(外観) 記号
平滑 S1
しわ状 S2
表2−底面の状態
状態(粘着性) 記号
非粘着 U1
粘着 U2
――――― [JIS C 2103 pdf 8] ―――――
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粘着性は,6.4.1によって測定する。
表3−内部の状態
状態 記号 Xの記号
硬い I 1.X −
機械加工可能な角質状 I 2.X
革状 I 3.X
ゴム状 I 4.X
ゲル状 I 5.X
液状 I 6.X
試験片内部の気泡 気泡なし 1
気泡が,5個未満 2
気泡が,5個以上 3
内部の状態については,内部が均一か又は不均一かを付記する。
注記 内部の状態を確認するには,試験片を切断するか,試験片を手で折り曲げるか又はナイフを用
いてもよい。
5.7.4 報告
試験片2個の厚膜の乾燥及び/又は硬化の結果を,報告する。
例 表面が平滑で,底面が非粘着で,内部の状態が革状で均一であり,3個の気泡を含む試験片につ
いては,結果を,次のように表す。
S 1 − U 1 − I 3.2 − 均一
5.8 ワニスのエナメル巻線への影響
ワニスのエナメル巻線への影響は,ワニス処理をしたエナメル線について,JIS C 3216-4の箇条3[耐溶
剤(公称導体径が0.250 mmを超える丸線,及び平角線に適用)]による鉛筆硬度で表す。真っすぐなエナ
メル線3個を試験し,鉛筆硬度を報告する。
5.9 pH測定
5.9.1 装置
装置は,次による。
a) Hメータ及び付帯のガラス器具
b) 試料のpH±0.5 の範囲に入るpH標準液
c) 温度計
d) 脱イオン水
5.9.2 手順
pHメータは,製造業者の取扱説明書に従って操作する。試料の測定温度は23 ℃±2 ℃ とする。
標準液のpH値でpHメータの校正をする。測定の間,電極及びガラス容器は,脱イオン水で洗浄する。
それぞれの標準液を繰り返し測定した結果のばらつきが,±1になるまで洗浄する。
洗浄したガラス電極を,23 ℃±2 ℃に保ったワニスの中に製造業者の取扱説明書による深さまで浸せき
(漬)させ,pHを測定する。繰り返し測定した結果のばらつきが,±1の範囲になったとき測定値とする。
5.9.3 報告
最終的に測定した2個のデータの平均値を報告する。
――――― [JIS C 2103 pdf 9] ―――――
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6 乾燥後及び/又は硬化後のワニスの試験方法
乾燥後及び/又は硬化後のワニスとは,基材に塗装したワニスをいう。
6.1 試験片
試験片の数及び必要な基材の種類は,IEC 60464-3の各シート又は受渡当事者間の協定による。ここで
“試験片”という用語は,それぞれの試験方法の要求に従って基材にワニスを塗装又は含浸し,乾燥及び
/又は硬化したものを対象とする。
基材として,鋼板及び/又はガラス織布が必要な場合は,それぞれ6.1.1及び6.1.2による。
6.1.1 鋼板
特に規定がない場合,鋼板は,JIS K 5600-1-4によるもので,厚さは0.125 mm±0.010 mm,長さは100 mm
±5 mmで,幅は80 mm以上とする。鋼板の調整及びクリーニングは,JIS K 5600-1-4による。鋼板は,6.1.3
によって塗装する。
注記 鋼板以外の基材として,ぶりき板,アルミニウム板又はガラス板を用いる場合には,JIS K
5600-1-4を参照することが望ましい。
6.1.2 ガラス織布
特に規定がない場合,ガラス織布は,ISO 2113:1996による縦糸及び横糸の打込数が21本±3本で,質
量が4060 g/m2の平織りのものを用いる。このガラス織布に用いる糸は,縦及び横が同じであり,ISO
2078:1993に規定する次のようなEC5,EC6又はEC7の種類のものとする。
例1 ガラス糸(ヤーン)を表す記号は,繊維の種類及びサイズ,線密度,よ(撚)り方向,よ(撚)
り回数の順に表される。例えば,“EC5 5.5×2 S150”(省略せずに全て表記すると,“EC5 5.5 Z
40×2 S150”となる。)では,“E”は“電気的特性がよい”,“C”は“連続繊維”を表し,“5”
は繊維のサイズ[単位は,マイクロメートル(μm)で表す。]を表す。“5.5”はISO 1144:1973
に規定する連続単繊維の尺度である線密度[単位は,テクス(tex)で表し,ミリグラム毎メー
トルと同じである。]で表す。文字“S”,及び“Z”は,よ(撚)りの方向を表している。ISO 2078:1993
に規定する“EC5 5.5 Z 40”は,“電気的特性がよい5 μmの連続単繊維で,線密度が5.5 tex,Z
方向に40回/mよ(撚)ったもの”を表す。また,“EC5 5.5 Z 40”のガラス糸を2本組み合わ
せS方向に150回/mよ(撚)ったものである。
例2 ISO 2078:1993に規定する“EC 5 11”のガラス糸は,電気的特性がよい5 μmの連続繊維ででき
ており,線密度は11 texである。
ガラス織布は,熱処理によってサイズ剤(のり付け剤)の量を初期の0.1 %以下になるまで減らす。ガ
ラス織布は,アルカリ含有量が0.5 %未満(Na2O+K2O<0.5 %)の実質無アルカリのガラスとする。この
ガラス織布から約180 mm×280 mmの大きさのものを切り出す。
取り扱いやすくするために,切り出した各ガラス織布の短い方の辺に,例えば,JIS C 2305-3-1に規定
するB.2.1の種類のプレスボードを細長く切ったものを固定する。プレスボードの寸法は,約250 mm×15
mm×0.7 mmとする。ガラス織布は,6.1.3.2 a) によって塗布する。乾燥及び/又は硬化した後,各ガラス
織布から100 mm±1 mm×100 mm±1 mmの試験片を繊維の織方向に沿って2枚切り出す。
6.1.3 試験片の調製
6.1.3.1 一般事項
基材へのワニスの塗布は,個別製品規格の試験方法,IEC 60464-3の各シート又は受渡当事者間の協定
による。これには,温度及び時間に関係する塗布の工程,滴下時間,温度,及び時間又は温度−時間プロ
――――― [JIS C 2103 pdf 10] ―――――
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JIS C 2103:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60464-2:2001(MOD)
- IEC 60464-2:2001/AMENDMENT 1:2006(MOD)
JIS C 2103:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 2103:2013の関連規格と引用規格一覧
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