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C 60079-7 : 2008 (IEC 60079-7 : 2001)
ねじの頭部と穴の壁との間が十分に広く,ギャップを計算に入れる場合。
例9
ねじの頭部と穴の壁との間が狭く,そのギャップを計算に入れない場合。
距離がX mmに等しいとき,沿面距離の測定はねじから壁までとする。
例10
図2−沿面距離及び空間距離の測定(続き)
――――― [JIS C 60079-7 pdf 16] ―――――
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C 60079-7 : 2008 (IEC 60079-7 : 2001)
(中間にフローティングの導電部がある場合)
空間距離は,d + Dである。
沿面距離もまた,d + Dである。
例11
注記 これらの例は,JIS C 0664に規定する内容と同一である。
図2−沿面距離及び空間距離の測定(続き)
4.5 沿面距離
4.5.1 沿面距離の値は,使用電圧並びに絶縁材料の耐トラッキング性及び絶縁物の表面形状による。
絶縁材料は,JIS C 2134に規定する比較トラッキング指数 (CTI) によって,表2のグループに分類され
る。無機絶縁物,例えば,ガラス,セラミックは,トラッキングが発生しないので比較トラッキング指数
を決める必要はない。これらは,材料グループIに分類する。
表2における材料グループ分けは,リブ又は溝のない絶縁部分について適用する。絶縁部分に4.5.3に適
合するリブ又は溝があるとき,1 100 V以下の使用電圧に対する沿面距離の最小許容値は,一段上位の材料
グループ,例えば,材料グループIIに代えて材料グループIを基準にする。
注記1 材料グループは,JIS C 0664に規定されているものと同一である。
注記2 瞬間的な過電圧は,一般的にトラッキング現象に影響しないので考慮しないでよい。ただし,
一時的及び周期的な過電圧は,発生の頻度及び持続時間によって考慮が必要なこともある
(JIS C 0664参照)。
表2−絶縁材料の耐トラッキング性
材料グループ 比較トラッキング指数 (CTI)
I 600≦CTI
II 400≦CTI<600
IIIa 175≦CTI<400
4.5.2 電位の異なる裸導体間の沿面距離は,表1を用いて機器の製造業者が指定する使用電圧によって決
定する。ただし,外部接続の場合の最小値は,3 mm以上とする。
注記 ねじ込み口金付のランプに対する要件は,5.3.3.1.4を参照。
4.5.3 沿面距離の決め方は,図2による。この図は,考慮する主要点の沿面距離を図解したものである。
寸法 “X” の値は2.5 mmとする。
次に適合する場合,リブ及び溝の効果を考慮してよい。
a) 表面のリブ高さが2.5 mm以上で,厚さはその材料の機械的強度に応じた1.0 mm以上である場合,
b) 表面の溝の深さ及び幅が2.5 mm以上である場合。ただし,空間距離が3 mm未満の場合は,溝の最小
幅は1.5 mmまで減らしてもよい。
注記1 表面の上の凸部又は表面の下の凹部は,その幾何学的形状にかかわらずリブ又は溝のいず
れかとして考慮する。
――――― [JIS C 60079-7 pdf 17] ―――――
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C 60079-7 : 2008 (IEC 60079-7 : 2001)
注記2 固着した構造(JIS C 60079-0の12.参照)は,固体部分とみなす。
4.6 固体絶縁材料
注記 この用語は,その材料が使用された形状を対象とし,それが供給される状態は,対象としない。
例えば,固められた絶縁ワニスは固体絶縁材料とみなす。
4.6.1 機能上影響を及ぼす材料の機械的特性,例えば,強度及び剛性は,次のいずれかの温度で満足しな
ければならない。
a) 定格使用状態で到達する最高温度より20 K以上高い温度,最低80 ℃。
b) 絶縁巻線(4.8.3及び表3参照),内部配線(4.9参照)及び電気機器に接続されたケーブル(JIS C 60079-0
の14.1参照)については,定格使用状態で到達する最高温度。
4.6.2 プラスチック製又は積層材料製の絶縁物は,その表面を製造中に削り取った場合,比較トラッキン
グ指数による等級がその絶縁物と同等以上の絶縁ワニスでその部分を覆わなければならない。ただし,比
較トラッキング指数が影響されない場合,又は沿面距離に影響しない場合にはその必要はない。
4.7 巻線
4.7.1 絶縁導体は,4.7.1.1又は4.7.1.2のいずれかの要件に適合しなければならない。
4.7.1.1 導体は2層以上の絶縁層で被覆されていなければならない。その内の1層だけはエナメルでもよ
い。
4.7.1.2 エナメル丸線は,次のa),b) 又はc) のいずれかによる。
a) IS C 3215-8,IEC 60317-3,IEC 60317-7又はIEC 60317-13の等級1の条件で,
− JIS C 3215-8,IEC 60317-3,IEC 60317-7又はIEC 60317-13の箇条13に規定する試験を実施した
とき,等級2に表示されている絶縁破壊電圧の最小値を印加して異常がない。
− JIS C 3215-8,IEC 60317-3,IEC 60317-7又はIEC 60317-13の箇条14に規定する試験を実施した
とき,電線径に関係なく30 m当たり6か所を超える異常がない。
b) IS C 3215-8,IEC 60317-3,IEC 60317-7又はIEC 60317-13の等級2。
c) IS C 3215-8,IEC 60317-3,IEC 60317-7又はIEC 60317-13の等級3。
4.7.2 巻線は,束ねるか又はラッピングした後に,適切な含浸剤で含浸する前に湿気を取り除くために乾
燥させなければならない。5.2.5で限定されている規定を除いて,浸せき(漬),滴下又は真空含浸が認め
られる。ただし,塗布又は吹付けによるコーティングは含浸とみなさない。
含浸処理は,含浸剤の製造業者の仕様説明書に従って,導体間のすき(隙)間に十分に充てん(填)し,
導体間が良好に固着するような方法によって実施しなければならない。
組立て後にこの絶縁処理ができない場合,かつ,上記の含浸処理は十分に絶縁された巻線のコイル又は
導体,すなわち,電気機器に巻線を挿入する前に,含浸されているか,充てん(填)材料が付けられてい
るか又は等価な別の方法で絶縁されているスロット部及びコイルエンド部のコイル及び導体に対しては適
用しなくてもよい。
溶剤を含む含浸剤を使用する場合は,含浸処理及び乾燥の工程を2回以上実施しなければならない。
4.7.3 巻線に用いる電線の最小公称導体寸法は0.25 mmとする。
注記1 最小寸法は,丸線導体の直径又は方形導体の最小寸法である。
注記2 0.25 mm未満の最小公称導体寸法をもつ電線で作られた巻線は,JIS C 60079-0に規定する他
の防爆構造によって保護することができる。
4.7.4 測温抵抗体 (RTDs) の感温部は,巻線とはみなさない。ただし,回転電気機械の巻線に用いるとき,
これらはスロット内に置かれ,巻線と共に含浸処理を施すか又は封入しなければならない。
――――― [JIS C 60079-7 pdf 18] ―――――
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C 60079-7 : 2008 (IEC 60079-7 : 2001)
4.8 許容温度
4.8.1 電気機器のいかなる部分も使用材料の熱的安定性によって決定される温度を超えてはならない。さ
らに,潜在的爆発性雰囲気にさらされる可能性がある電気機器の内部部品を含めたいかなる部分の表面も,
5.3.4に規定する照明器具を除いて,JIS C 60079-0の4.に規定する最高表面温度に達してはならない。
注記 個々の機器,又は機器の部分のどちらに対しても,許容温度の二つの条件を満たしていること
を証明しなければならない。
4.8.2 導体及びその他の金属部分の許容温度は,更に次によって制限される。
a) 機械的強度の減少
b) 熱膨張による容認できない機械的応力
c) 隣接する電気絶縁部分への損傷
導体の温度を決定するときに,導体の自己発熱の影響及び隣接部分からの熱の影響の両方を考慮する。
4.8.3 絶縁巻線の許容温度は,電気機器が4.8.1の要件に適合している場合,電気絶縁材料の耐熱性を考
慮した表3に規定する温度を超えてはならない。
表3−絶縁巻線の許容温度
単位 ℃
温度測定法a) JIS C 4003による耐熱クラスb)
A E B F H
抵抗法又は
a) 単層の絶縁巻線 95 110 120 130 155
温度計法
1 定格負荷時の許容温度 抵抗法 90 105 110 130 155
b) 他の絶縁巻線
温度計法 80 95 100 115 135
2 許容拘束時間tEを経過後の許容温度c) 抵抗法 160 175 185 210 235
注a) 温度計法は,抵抗の変化による測定ができないときだけ適用する。この場合,“温度計”は,IEC 60034-1と同
じ意味をもつ[例えば,球状温度計又は埋込式でない熱電対若しくは測温抵抗体 (RTD) を,通常の球状温度
計を使うことができる測定点に適用する。]。
b) IS C 4003に示す絶縁材料より高い耐熱クラスは,値が規定されるまで仮の規定値として,耐熱クラスHの許
容温度による。
c) 許容温度の値は,周囲温度,定格負荷時の温度上昇及びtEまでの温度上昇を加算したものである。
4.8.4 巻線は,負荷時に許容温度(4.8.1,4.8.2及び4.8.3参照)を超えないように,適切な保護装置によ
って保護しなければならない。巻線が連続して過負荷(例えば,電動機が拘束した場合に発生するような)
となった場合においても,巻線の温度が,4.8.3に規定する定格負荷時でも許容温度を超えない場合,又は
巻線が過負荷となる可能性がない場合は,このような装置は必要ない。
注記1 保護装置(センサ)は,電気機器の内部及び/又は外部にあってもよい。
注記2 絶縁巻線の電気的故障は,使用状態としては考慮しない。4.7及び4.8の要件は,このような
故障の可能性を減らそうとするものである。
4.9 機器内部の配線
導電部に接触する可能性がある配線は,絶縁損傷を避けるため,機械的に保護するか,動かないように
固定するか,又は接触しないような配線経路としなければならない。
4.10 容器の保護等級
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C 60079-7 : 2008 (IEC 60079-7 : 2001)
4.10.1 JIS C 4034-5及びJIS C 0920に規定する保護等級は,4.10.2,4.10.3,又は箇条5に規定されていな
い場合,a) 又はb) による。
a) 内部に裸充電部をもつ容器は,保護等級IP 54以上とする。
b) 4.6のように絶縁された充電部だけをもつ容器は,保護等級IP 44以上とする。
4.10.2 電気機器の容器には,凝結水がたまらないように,ドレン孔又は換気開口部があってもよい。その
要件は,次の機器グループ分類による。
a) グループIの機器−4.10.1に適合していなければならない。
b) グループIIの機器−ドレン孔又は換気開口部をもつものは4.10.1に規定する容器によって保護等級を
下げてもよいが,4.10.1のa) ではIP 44,又は4.10.1のb) ではIP 24より下げてはならない。
ドレン孔又は換気開口部をもつことで4.10.1の要件を下回る保護等級の場合,製造業者は,ドレン孔,
又は換気開口部の位置及び寸法を含めた詳細についてJIS C 60079-0の23.2に従って,取扱説明書に記載
する。ドレン穴及び換気開口部をもつことによって保護等級が低下する機器の表示には,JIS C 60079-0の
27.2のi)に従って記号 “X” 及びその容器によって保護等級を表示する。
4.10.3 JIS C 60079-11に規定する防爆構造 “i” の回路若しくはシステム又はこれらの部品がその容器内
にあるとき,次のいずれかによる。
a) 電源が入っている非本安回路に接近できる容器のカバーは,“非本安回路に電源が入っているとき開け
ないこと”という表示をする。
b) 防爆構造 “i” で保護していないすべての充電部には,機器の容器が開放しているとき,IP 30以上の
別の内部カバーを取り付ける。
さらに,内部カバーには,“電源が入っているとき開けないこと”又は機器の容器カバーにJIS C
60079-0で規定する他の文言のラベルを用いる。
機器の容器のカバーには,“内部IP 30カバーにより保護されている非本安回路”という言葉のラベ
ルを用いる。
注記 内部カバーの目的は,それが付いている場合,電源が入っている本安回路のチェック又は調整
のために短期間,容器が開けられるとき,電源が入っている非本安回路に近接することに対し
て,最低限の認められ得る保護等級とすることである。
4.11 ねじ締付部
グループIの電気機器で裸充電部をもつものは,JIS C 60079-0の9.2に規定する特殊締付けねじを使用
する。
5 特定の電気機器に対する補足要件
5.1 一般
この要件は,箇条4の規定に対して,他に規定がない限り5.25.9に規定する特定の電気機器及び5.10
に規定するその他の電気機器について補足する。
5.2 回転電気機械
5.2.1 容器による保護等級
固形異物及び水の侵入に対する保護について4.10で規定する要件の例外として,清浄な環境に設置され,
訓練を受けた人によって定期的に監視される回転電気機械の容器(端子箱及び裸導体部は除く。)に対して
は,次の保護等級でよい。
− グループIの機器に対してIP 23
――――― [JIS C 60079-7 pdf 20] ―――――
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JIS C 60079-7:2008の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60079-7:2001(IDT)
JIS C 60079-7:2008の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.260 : 特殊条件で使用する電気設備 > 29.260.20 : 爆発性雰囲気で作動する電気装置
JIS C 60079-7:2008の関連規格と引用規格一覧
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- シール形ニッケル・カドミウムアルカリ蓄電池