この規格ページの目次
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3.4.8.6
固体絶縁(solid insulation)
全体が固体からなる絶縁材料。
注記 沿面経路がない二つの導電部間に,又は導電部と外側可触部若しくは表面との間に,介在する
境界面をもたない固体の絶縁材料。
3.4.9
材料グループ(material group)
JIS C 60664-1に従った絶縁材カテゴリ。
3.4.10
高信頼性絶縁(relied upon insulation)
最終用途において唯一の感電防止を提供する絶縁システム。
注記 重合材バックシート又はフロントシートは,高信頼性絶縁に加えて,例えば,紫外線(UV)か
ら重合材料を保護する追加の層で構成することができる。
3.5 定格
3.5.1
定格(rating)
定格値と動作条件との一式。
3.5.2
汚損度(pollution degree)
ミクロ環境で予想される汚損の数値分類。
3.5.3
過電流保護デバイスの定格電流(rated current of overcurrent protection device)
IEC 60269-6に従ったヒューズ又は回路遮断器の定格電流。
3.5.4
定格値(rated value)
部品,デバイス,機器又はシステムの一連の特定動作条件用に設定される,仕様を示す目的で使用する
数値。
3.5.5 温度
3.5.5.1
周囲温度(ambient temperature)
機器周辺の外気又はその他の媒体の平均温度。
注記 (内容が測定の推奨事項であったため,5.1の第4段落に移動した。)
3.5.5.2
環境温度(environmental temperature)
気象サービス機関によって測定及び記録される地理的設置場所の摂氏で定義された外気温度。
3.5.5.3
相対温度指数,RTI(relative temperature index,RTI)
温度指数が既知の材料又はシステムと試験材料とを同じ劣化及び評価手順で比較試験したとき,照合材
料の既知の温度指数に対応する時間において得られる,絶縁材料又はシステムの温度指数。
――――― [JIS C 61730-1 pdf 11] ―――――
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3.5.5.4
相対熱的耐久性指数,RTE(relative thermal endurance index,RTE)
絶縁材料の実績熱的耐久性指数の温度において,評価対象絶縁材料の推定終点時間が参照絶縁材料の推
定終点時間と同じになる温度(℃)の数値。
3.5.5.5
温度指数,TI(temperature index,TI)
絶縁材料又は絶縁システムの熱的性能を特徴付ける摂氏で表される温度の数値。
3.5.6 電圧
3.5.6.1
定格システム電圧
(この規格では不要なため,削除した。)
3.5.6.2
動作電圧(working voltage)
機器が定格電圧で運転しているとき,特定の絶縁全体にかかる最高直流電圧。
4 分類,適用及び用途
4.1 一般
感電防止は,PVモジュール設置の方法とともにPVモジュール製造時の構造的対策を組み合わせること
によって達成される。
PVモジュールは,JIS C 0365に従って分類しなければならない。PVモジュールのクラス別保護に基づ
く用途を4.24.4に示す。クラスIのPVモジュールは,この規格には含んでいない。
PVモジュールは,5.2.2に従って表示しなければならない。
JIS C 0365による感電保護クラスとJIS C 8992-1:2010で規定していた適用等級との相関関係を表1に示
す。
表1−感電保護クラスと適用等級との相互関係
感電保護クラス JIS C 8992-1:2010で規定 内容
(JIS C 0365) していた適用等級a)
0 B 接近制限区域における適用
I 特別な設備対策が必要 特別な設備対策が必要
II A 接近非制限区域における適用
III C 電圧制限(ELV)による基本保護
注a) この規格利用者の利便性のため,この規格によって廃止された旧規格での適用等級との対比を,
参考として記載している。
4.2 クラス0のPVモジュール
4.2.1 一般
クラス0のPVモジュールは,モジュール単体及び/又はシステムでの電圧,電流及び出力が危険な水
準の電気出力をもつ。
4.2.2 絶縁
これらのPVモジュールは,基本的な保護として基礎絶縁だけが設けられ,故障保護はもっていない。
――――― [JIS C 61730-1 pdf 12] ―――――
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少なくとも基礎絶縁によって危険充電部から分離されていない全ての導電性部品は,危険充電部として扱
わなければならない。
4.2.3 適用
クラス0のPVモジュールは,接近制限区域での使用を意図しており,フェンス又はそれに準じる手段
によって設置場所への一般人の立入りを防御している。これらのPVモジュールは,そのモジュールの使
用及び故障モードに関連する固有の危険に精通する者だけに接近が許可される。クラス0のPVモジュー
ル上の可触導電部は,接地を意図しているか,又は危険な電位にあるとみなす。
注記 JIS C 0365において,クラス0機器の使用は推奨されていない。
4.3 クラスIIのPVモジュール
4.3.1 一般
クラスIIのPVモジュールは,モジュール単体及び/又はシステムでの電圧,電流及び出力が危険な水
準の電気出力をもつ場合がある。
4.3.2 絶縁
これらのPVモジュールには,次のいずれかが設けられている。
− 基本的な保護としての基礎絶縁
− 故障保護のための付加絶縁
− 基礎及び付加絶縁としての強化絶縁
可触導電部及び絶縁材料の可触面は,次のいずれかを満足しなければならない。
− 二重又は強化絶縁による危険充電部からの分離
− 上記同等の保護を可能にする構造上の対策を考慮した設計
基礎絶縁だけ又は同等の保護を備える構造的な設計によって,危険充電部から分離されている全ての導
電部は,付加絶縁によって可触面から分離されなければならない。少なくとも基礎絶縁によって危険充電
部から分離されていない全ての導電部は,危険充電部とみなさなければならない。
4.3.3 適用
これらのPVモジュールは,一般使用者の絶縁された充電部への接近及び接触が予測される設備を対象
としている。
4.4 クラスIIIのPVモジュール
4.4.1 一般
クラスIIIのPVモジュールは,基準状態下で,定格出力が240 W以下,VOC35 V DC以下及び短絡電流
が8 A以下でなければならない。
4.4.2 絶縁
クラスIIIのPVモジュールは,本質的に電気出力特性が制限されているので,それらの使用,誤使用,
及び故障によって感電又は火災の危険に至る可能性は低い。これらの電気出力が制限されているため,構
造又は機能絶縁を超える絶縁の要求事項はないが,幾つかの使用用途においては,構造又は絶縁の要求事
項が必要となる場合がある。
4.4.3 適用
これらのPVモジュールは,一般使用者の非絶縁充電部への接近及び接触が予測される設備を対象とし
ている(例 家電)。クラスIIIのPVモジュールは,VOCが35 Vを超えて作動するように直列接続しては
ならず,35 V以上のシステム定格電圧をもってはならない。これらのPVモジュールは,逆電流防止及び
――――― [JIS C 61730-1 pdf 13] ―――――
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過電圧保護を可能としない限り,他のPVモジュール又はエネルギー源と並列に使用することを意図して
いない。
4.5 用途
PVモジュールは,多くの異なる用途及びシステム構成に設定される。製造業者は,自社のPVモジュー
ルの用途を評価しなければならない。
次の実例のような特別な用途には,追加の要求事項を適用してもよい。
a) 建物設置形PV(BAPV)
b) 建物一体形PV(BIPV)
BIPVという面での建物の機能は,次のうち一つ以上である。
− 機械的剛性及び構造的完全性
− 主要な気象影響からの保護 : 雨,雪,風,ひょう(雹)
− 遮光,採光,断熱などの省エネルギー
− 防火
− 防音
したがって,BIPVモジュールは,建物の機能性が完全であることが前提条件である。建物一体形
PVモジュールを取り外す場合(構造的に結合しているPVモジュールの場合には,取外しは,隣接す
る建築部品を含む。),そのPVモジュールは,適切な建築部品と交換しなければならないことになる。
アンテナ機能,発電及び電磁シールドのようなPVモジュール固有の電気特性だけでは,建物一体
形のPVモジュールとはみなされない。
c) 雪及び/又は風の負荷がJIS C 61730-2で検証した負荷を超えることが予想される区域での適用
d) 5.1に規定の限度を超える環境温度での適用
e) 海洋用(例 JIS C 8930)
f) 車両用
g) 農業用(例 IEC 62716)
h) 爆発性又は腐食性雰囲気での適用
i) 低集光形PVモジュール
j) PVモジュール用電子機器
5 設計及び構造に関する要求事項
5.1 一般
材料及び部品は,該当する場合,関連するJIS又はIEC規格に規定の安全要求事項に適合しなければな
らない。
該当する材料及び部品のJISへの適合が,必ずしもこの規格の要求事項への適合を保証するものではな
い。
全てのPVモジュールは,直接及び間接的(アルベドを考慮)に太陽放射にさらされ,少なくとも−40 ℃
40 ℃の環境温度範囲,最高100 %の相対湿度及び雨という屋外の自然環境から保護されていない場所で
の運転に適していなければならない。PVモジュールは,その用途で生じる電気的,機械的,熱的及び環
境的ストレス[温度,機械的負荷,湿度,紫外線(UV)・天候,汚染など]に耐え得るものとし,使用者
又は環境に危険を与えないものでなければならない。適合性は,材料,部品,PVモジュール構造及びJIS
C 61730-2に規定された試験の評価によって検証する。
――――― [JIS C 61730-1 pdf 14] ―――――
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注記1 環境温度は,通常,地上1 mで測定している。
地面近くに設置されるPVモジュールは,上記の環境温度よりも高い周囲温度にさらされる場合がある。
周囲温度の測定中は,測定器及びプローブを通風及び放射加熱から保護することが望ましい。
PVモジュールは,外部が発生源である火災を考慮する必要があり,火災安全等級C以上をもたなけれ
ばならない。適合性は,JIS C 8993での火災安全等級の評価によって検証する。
PVモジュールは,工場出荷時に完成品又は半組立品で出荷することができる。出荷後の製品の組立て
は,JIS C 61730規格群の要求事項への適合に影響を与える可能性がある行為を一切含んではならない。
最終組立品へのPVモジュールの組付けは,評価したもともとの形態からのいかなる改変も要求しては
ならない。
設置手順に規定されている全てのPVモジュール取付け及び配線方法は,JIS C 61730規格群への適合を
評価しなければならない。これには,限定されるものではないが,配線方法,物理的接続及び/又はPV
モジュールと支持架台間との連結,並びに配線がフレームと一体となる場合の配線接続と取付架台との組
合せが含まれる。JIS C 61730規格群への適合で,PVモジュールの安全性への取付け及び配線方法の影響
を評価するが,それらの意図した用途に対する取付け及び配線方法の安全性又は適合性は,評価しない(JIS
C 61215規格群を参照)。これらは,追加要求事項又は国内法令の要求事項の対象としてもよい。
IEC 60364-7-712及びIEC 62548は,PVモジュールとシステムとの相互接続の手引を提示している。
PVモジュールは,該当する場合,設置によって等電位ボンディングの連続性が,遮断されない構造で
なければならない。
全ての調整可能又は可動部品は,偶発的な動きによって火災,感電,又は人身傷害を引き起こすおそれ
がある場合,そのような偶発的な動きの可能性を低減するための固定装置を備えなければならない。
注記2 部品の偶発的な動き又は回転を防止するための緩止め又はフォームフィットを備えている物
理的特質又は構造は,この要求事項に適合している。
PVモジュールは,使用者又はサービス担当者に傷害を引き起こしかねない可触ばり,鋭利又は先鋭部
分をもっていてはならない。目視検査で鋭利であると判断された端部及び先端部は,シャープエッジ試験
(MST 06)に適合しなければならない。
部品が,緩む又は回転することによって火災,感電又は人身傷害を引き起こすおそれがある場合,部品
は,緩み又は回転を防止しなければならない。部品の適合性は,関連規格に規定された試験又はねじ込み
式接続試験(MST 33)で検証する。
5.2 表示及び説明書類
5.2.1 一般
安全性に関連する説明書は,日本語で又は日本語を併記して記載しなければならない。
5.2.2 表示
5.2.2.1 一般
各PVモジュールには,次の明瞭かつ容易に消えない表示を含めなければならない。
a) 製造業者の名称,登録商標名又は登録商標マーク
b) 型式又はモデル名
c) シリアル番号
d) 製造日及び場所,又は製造日及び製造場所のトレーサビリティを確保するシリアル番号
e) 端子又はリード線の極性
f) “最大システム電圧”又は“Vsys”
――――― [JIS C 61730-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 61730-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61730-1:2016(MOD)
JIS C 61730-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.99 : その他の電池及び蓄電池
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
JIS C 61730-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0365:2007
- 感電保護―設備及び機器の共通事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2143-1:2015
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第1部:劣化処理手順及び試験結果の評価
- JISC2143-2:2011
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第2部:熱的耐久性の測定―評価指標の選択
- JISC2143-5:2013
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第5部:相対熱的耐久性指数(RTE)の求め方
- JISC3664:2007
- 絶縁ケーブルの導体
- JISC60695-10-2:2018
- 耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC61215-1:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1部:試験要求事項
- JISC61215-1-1:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1-1部:結晶シリコン太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
- JISC61215-1-2:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1-2部:薄膜テルル化カドミウム(CdTe)太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
- JISC61215-1-3:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1-3部:薄膜非晶質系シリコン太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
- JISC61215-1-4:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1-4部:薄膜CIS系太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
- JISC61215-2:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第2部:試験方法
- JISC61730-2:2020
- 太陽電池(PV)モジュールの安全適格性確認―第2部:試験に関する要求事項
- JISC62790:2020
- 太陽電池(PV)モジュール用端子箱―安全性要求事項及び試験
- JISC6950-1:2016
- 情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
- JISC8904-3:2011
- 太陽電池デバイス―第3部:基準太陽光の分光放射照度分布による太陽電池測定原則
- JISC8930:2017
- 太陽電池モジュールの塩水噴霧試験
- JISC8960:2012
- 太陽光発電用語
- JISC8993:2020
- 太陽電池(PV)モジュール用火災試験方法
- JISH8610:1999
- 電気亜鉛めっき
- JISH8617:1999
- ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
- JISH8619:1999
- 電気すずめっき
- JISH8641:2007
- 溶融亜鉛めっき