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C 61730-1 : 2020
g) 箇条4に基づく感電保護クラス
h) “開放電圧”又は“VOC”(公差を含む。)
i) “短絡電流”又は“ISC”(公差を含む。)
j) “PVモジュールの最大出力”又は“Pmax”(公差を含む。)
k) “最大過電流保護定格”。適合性は,逆電流過負荷試験(MST 26)で検証される。
l) 火災安全等級
全ての電気特性データは,基準状態(STC)[JIS C 8904-3に規定する1 000 W/m2,(25±2)℃,AM 1.5]
に基づき表示しなければならない。
適用可能な場合には,国際図記号を使用しなければならない。
表示の適合性は,目視検査(MST 01)及び表示の耐久性試験(MST 05)によって検証する。
PVコネクタ又は配線は,IEC 62852に従い,附属書Aに記載の“通電中はコネクタを抜かないでくだ
さい”を意味する記号を表示しなければならない。記号又は警告文をPVコネクタへの刷込み又はPVコ
ネクタの近傍にラベル付けで表示しなければならない。PVコネクタは,端子の極性を明確に表示しなけ
ればならない。
クラスII及びクラス0のPVモジュールにおいて, (IEC 60417-6042 : 注意,感電危険)図記号
は,PVモジュールの電気的接続手段の近くに表示しなければならない。
PVモジュールは,次のようにクラスを表示しなければならない。
PVモジュールの分類 表示 図記号
IEC 60417-5172(クラスII機器)に
クラスII
従って表示
クラス0 非表示 記号なし
IEC 60417-5180(クラスIII機器)に
クラスIII
従って表示
機能接地接続を備えたPVモジュールは,5.2.2.2.2の図3に従って図記号を付けなければならない。
銅線だけを使用する現地配線用の端子を備えたPVモジュールに対しては,端子又は端子隣接部に,“銅
線専用”,“Cu専用”又は同様の文言を表示しなければならない。
異なる特定配線材料の使用に限定された現地配線用端子を備えたPVモジュールは,指定材料に関する
同様の文言を表示しなければならない。
全ての種類の配線材料が使用できる現地配線用端子を備えたPVモジュールには表示の必要はない。
5.2.2.2 記号
5.2.2.2.1 等電位ボンディング
等電位ボンディングのための接続用導体の取付けを前提としたPVモジュールの配線端子又は接続位置
は,適切な図記号IEC 60417-5021(等電位)(図2)で識別しなければならない。代わりにIEC 60417-5017
(接地)(図1)を用いてもよい。
その他の配線端子又は位置に対して,この図記号を用いてはならない。
――――― [JIS C 61730-1 pdf 16] ―――――
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図1−IEC 60417-5017 図2−IEC 60417-5021
5.2.2.2.2 機能接地
現地配線用の機能接地取付けを前提としたPVモジュールの配線端子又は接地位置は,適切な図記号で
識別しなければならない[IEC 60417-5018(機能接地)(図3)]。
図3−IEC 60417-5018
5.2.3 説明書類
PVモジュールは,電気的及び機械的組立方法,並びに電気的定格を記載した据付説明書を添付しなけ
ればならない。また,据付説明書には,PVモジュールの感電保護クラス及びそのクラスでの制約事項を
記載しなければならない。説明書には,認証されたPVモジュールの環境条件を記載しなければならない。
既定の項目として,温度範囲−40 ℃+40 ℃及び安全係数を含む風及び/又は雪の負荷を記載しなければ
ならない。安全な設置,使用及び保守に必要な適切な説明書を,設置者及び作業員が利用できるようにし
ておかなければならない。
同一のPVモジュールの場合には,説明書一式をPVモジュールの出荷単位で添付することで十分とみ
なされる。
JIS C 8930又はIEC 62716に適合している場合,PVモジュールの環境条件にそれを含めてもよい。
説明書には,次の情報を記載しなければならない。
− c),d) 及びe) を除く5.2.2.1で要求される全ての情報
− 推奨されるPVモジュールの最大直列及び並列構成
− MST 26で決定された過電流保護デバイスの電流定格。電流定格を決定するための手引は,IEC 60269-6
で記載されている。
− 基準状態下におけるVOC,ISC及び最大出力の公差(製造業者による申告値)
− 開放電圧の温度係数
− 最大出力の温度係数
− 短絡電流の温度係数
全ての電気特性データは,基準状態(STC)[JIS C 8904-3に規定する1 000 W/m2,(25±2)℃,AM 1.5]
――――― [JIS C 61730-1 pdf 17] ―――――
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に基づいて表示しなければならない。
適用可能な場合は,国際図記号を使用しなければならない。
電気関連の説明書には,使用される電気配線方法の詳細な記述を含まなければならない。この説明書に
は,次を含まなければならない。
− 現地配線用PVモジュールの最小ケーブル直径
− PVモジュール用端子箱に用いる配線方法及び配線管理上の全ての制限事項
− 使用される導体のサイズ,種類,材質及び温度定格
− 現地配線用端子の型式
− PVモジュールに附属しているPVコネクタと接続可能なPVコネクタの名称及び/又は型式並びに製
造業者名
− 使用される接続方法を明記しなければならない(該当する場合)。使用される全ての附属品又は指定部
品は,説明書の中で特定されなければならない。
− 使用されるバイパスダイオードの種類及び定格(該当する場合)
− 設置状況(例 傾斜,取付手段,冷却)の制限事項
− 火災定格及び適用規格を示す文言,及び当該火災定格に対する制限条件(例 設置傾斜,下地の構造,
又はその他適用される設置に係る情報)
− 据置形のPVモジュールに対しては,その用途に応じた防火性能をもった屋根の上に取り付ける必要
がある旨の指示
− PVモジュール固定に必要な最低限の機械的手段[静的機械荷重試験(MST 34)で確認]を示す文言
− PVモジュールの設計最大使用高度を示す文言(ディレーティングも適用可能)
屋根上設置用PVモジュールの説明書には,次を含める。
− 屋根上にPVモジュールを固定するための最低限の機械的手段[静的機械荷重試験(MST 34)で評価]
を示す文言
− 火災に対する定格が特定の架台構造,特定の間隔又は屋根若しくは構造物への特定の取付方法に依存
している場合の特定パラメータ(複数可)の詳細
説明書には,外部又は別の方法で人為的に集光した太陽光を,PVモジュールの前面又は背面に直接当
ててはならない旨の注記を記載しなければならない(適合性が確認されていない場合)。
半完成品で出荷する製品に関しては組立説明書を添付し,その内容は,JIS C 61730規格群に適合した仕
様で製品の完全かつ安全な組立てができる詳細なものとしなければならない。
適切なシステム設計を容易にするため,製造業者は,説明書に規定のSTC値以外にも,システムのレイ
アウトを可能にする関連パラメータを記載しなければならない。例えば,放射照度はしばしば1 000 W/m2
以上になり,また,25 ℃以下の温度条件ではVOCが上昇するため,VOC及びISCには1.25倍の安全係数と
することが望ましい。
説明書には,次の文章又は同等の内容を記載しなければならない。
“通常の条件下にあっても,PVモジュールは,基準状態での値以上の電流及び電圧を出力することが
ある。したがって,部品の電圧定格,導体の電流定格及びPV出力側に接続する制御系装置(例 インバ
ータ)の電気的仕様を規定するときには,このPVモジュールに表示したISC及びVOCの値に係数1.25を乗
じた値で設定することが望ましい。”
――――― [JIS C 61730-1 pdf 18] ―――――
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部品の最小電圧定格に対する安全係数1.25は,設置場所の最低温度及びVOCの温度係数に応じてシステ
ムの設計中に変更することができる。ISCは,PVモジュールの最大温度,放射照度及び設置方位に応じて
調整することができる。このためには,特定の場所における長期気象データを用いた包括的なシミュレー
ションが必要である。
5.3 電気部品及び絶縁物
5.3.1 一般
PVモジュールは,次の電気部品と絶縁物とで構成してもよい。
− 内部配線,例えば,太陽電池上及び太陽電池間の相互接続線(5.3.2参照)
− 外部配線及び出力ケーブル(5.3.3参照)
− コネクタ(5.3.4参照)
− 端子箱(5.3.5参照)
− フロントシート及びバックシート(5.3.6参照)
− 絶縁バリア(5.3.7参照)
− 電気接続(5.3.8参照)
− 封止材(5.3.9参照)
− バイパスダイオード(5.3.10参照)
5.3.2 内部配線
内部配線は,使用上必要な通電容量をもたなければならない。
内部配線が配置されている場所での汚損度に応じて,腐食予防措置を取らなければならない。
防食例を5.5.3.1に示す。内部配線用の絶縁が必要となる場合,5.5.2.3に従って関連する用途の該当要求
事項を満たさなければならない。
適合性は,目視検査及び逆電流過負荷試験(MST 26)によって確認する。
5.3.3 外部配線及びケーブル
外部配線及びケーブルは,IEC 62930の要求事項に適合したものが望ましい。
5.3.4 コネクタ
外部コネクタは,IEC 62852の要求事項を満たさなければならない。コネクタに接続するケーブルは,
IEC 62930の5.1.2に従う。このうち,PVモジュールに直接つながるケーブルは,JIS C 3664のクラス5
の要求事項に適合したものが望ましい。PVモジュールに直接つながらないケーブルは,JIS C 3664のクラ
ス2の要求事項に適合したものでもよい。コネクタは,5.2.2に従って表示しなければならない。
5.3.5 PVモジュール用端子箱
PVモジュール用端子箱は,JIS C 62790の要求事項を満たさなければならない。
5.3.6 フロントシート及びバックシート
フロントシート及びバックシートは,通常,フィルム,接着剤又は塗料のような積層材料の組合せ構造
物で,そのうち,少なくとも一つの材料層は,環境要因に対し十分な電気絶縁(以下,高信頼性絶縁とい
う。)を提供し,その他の層は,環境要因に対し絶縁保護を強める役割を担ってもよい。
電気絶縁を担保するフロントシート及びバックシートの層は,材料又は部品レベルで適合性を実証され,
関連する全ての機械的,電気的,熱的及び環境ストレスに耐え得るものでなければならない。トラッキン
グパス(沿面)の一部となる層は,材料グループに分類されなければならない(5.6.3.3参照)。一般に重
合材料のフロントシート及びバックシートは,JIS C 61730-2に規定の試験によって適合性を実証し,5.5.2
――――― [JIS C 61730-1 pdf 19] ―――――
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の該当する要求事項を満たすものでなければならない。
注記1 フロントシート及びバックシートの標準仕様書(IEC TS 62788-2)が発行されている。
これらのシートが電気絶縁を担保するシートとして使用される場合,最低でも,5.6.4.3に規定の薄層で
の絶縁に関する要求事項を満たさなければならない。
さらに,高信頼性絶縁の材料層を含む重合材料のフロントシート及びバックシートは,5.5.2.3の要求事
項を満たさなければならない。5.5.2.3.3によるTI又はRTE(RTI)の値は,JIS C 2143-2に規定の弾性の
ある積層シートの特定要求事項を考慮して評価しなければならない。
注記2 UL 746Bに適合して評価したRTI値は,RTEと代替できる。
フロントシート及びバックシートの粘着力,例えば,封止材又はガラスとの接着は,適切なものでなけ
ればならない。適合性は,JIS C 61730-2の試験シーケンスへの適合で判断する。
5.3.7 絶縁バリア
絶縁バリアは,全ての関連する機械的,電気的,熱的及び環境ストレスに耐え得るものでなければなら
ない。一般に,重合材料の絶縁バリアは,5.5.2に規定の該当する要求事項を満たさなければならない。絶
縁バリアは,規定の位置に固定され,使用中に要求される電気的及び機械的特性が最小許容値を下回るほ
どの影響を受けてはならない。絶縁バリアを除去する場合は,必ず工具を必要としなければならない。適
合性は,JIS C 61730-2の試験シーケンスへの適合で判断する。
5.3.8 電気接続
5.3.8.1 一般
電気接続は,金属部品に絶縁材の収縮又は降伏を補償するに十分な弾力性がない限り,接触圧がセラミ
ック,純マイカ又は適切な特性をもつその他の材料以外の絶縁物を介して通電されないように設計しなけ
ればならない。
接続は,例えば,ワッシャーの使用によって,緩まないように予防策を施さなければならない。
適合性は,該当する場合,目視検査(MST 01),等電位ボンディング連続性試験(MST 13)及びねじ込
み式接続試験(MST 33)で確認する。
接触圧で導通させる場合,接触不良の発生を抑えるように設計されているクランプ方法であるか,又は
はんだ付け部が接続部の接触エリア外ではなく,導体が接触圧力を受ける場合には,より(撚)線の端部
は,はんだ付けでまとめてはならない。
クランプ又はその他の端子は,運転中に電気伝導性を低下させるおそれのある熱的又は機械的ストレス
を受けないように予防措置を施さなければならない。
5.3.8.2 外部ケーブル及びPVコネクタ・リボン用端子
電気配線接続用の端子は,製造業者の仕様に従って,導体の種類及び断面積の範囲が適切でなければな
らない。それらの端子は,JIS C 62790の要求事項を満たさなければならない。
絶縁端子は,空間距離及び沿面距離の縮小につながるおそれのある変位がないように設計しなければな
らない。
5.3.8.3 PVモジュール内部のスプライス圧着及び接続
外部ケーブル及びPVコネクタリボン用端子以外のPVモジュール内部のスプライス圧着及び接続は,
機械的に固定するものとし,電気的連続性を提供できるものでなければならない。電気接続は,はんだ付
け,溶接,導電性接着,圧着又はその他の方法で確実に固定しなければならない。はんだ付け又は導電性
接着を施した継目は,更に機械的に固定をしなければならない。
封止及び充材による封止は,PVモジュールのはんだ付け又は導電性接着を施した電気接続への機械
――――― [JIS C 61730-1 pdf 20] ―――――
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JIS C 61730-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61730-1:2016(MOD)
JIS C 61730-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.220 : 電池及び蓄電池 > 29.220.99 : その他の電池及び蓄電池
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.160 : 太陽エネルギー工学
JIS C 61730-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0365:2007
- 感電保護―設備及び機器の共通事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
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- JISC2143-2:2011
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第2部:熱的耐久性の測定―評価指標の選択
- JISC2143-5:2013
- 電気絶縁材料―熱的耐久性―第5部:相対熱的耐久性指数(RTE)の求め方
- JISC3664:2007
- 絶縁ケーブルの導体
- JISC60695-10-2:2018
- 耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
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- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
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- JISC61215-1-1:2020
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- JISC61215-1-2:2020
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- JISC61215-1-3:2020
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- JISC61215-1-4:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第1-4部:薄膜CIS系太陽電池(PV)モジュールの試験に関する特別要求事項
- JISC61215-2:2020
- 地上設置の太陽電池(PV)モジュール―設計適格性確認及び型式認証―第2部:試験方法
- JISC61730-2:2020
- 太陽電池(PV)モジュールの安全適格性確認―第2部:試験に関する要求事項
- JISC62790:2020
- 太陽電池(PV)モジュール用端子箱―安全性要求事項及び試験
- JISC6950-1:2016
- 情報技術機器―安全性―第1部:一般要求事項
- JISC8904-3:2011
- 太陽電池デバイス―第3部:基準太陽光の分光放射照度分布による太陽電池測定原則
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- 太陽電池モジュールの塩水噴霧試験
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- JISC8993:2020
- 太陽電池(PV)モジュール用火災試験方法
- JISH8610:1999
- 電気亜鉛めっき
- JISH8617:1999
- ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
- JISH8619:1999
- 電気すずめっき
- JISH8641:2007
- 溶融亜鉛めっき