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C 62282-3-200 : 2019
表3−試験項目と燃料電池発電システムの運転状態との関係
試験 定常状態 過渡変動
定格電力 部分負荷 最小電力 待機状態 停止状態及び 状態
出力 出力a) 出力a) 保管停止状態
運転面
効率試験 実施 実施 − − −
電力出力応答特性試験及び − − − − 実施
熱出力応答特性試験
起動特性試験及び停止特性試験 − − − − 実施
パージガス消費流量試験 − − − 実施 実施
水消費流量試験b) 実施 実施 − − −
環境面
排ガス排出試験 実施 実施 実施 − 実施
騒音レベル試験 実施 実施 実施 − 実施
振動レベル試験 実施 実施 実施 − 実施
排水水質試験 実施 実施 実施 − 実施
注a) 部分負荷出力及び/又は最小電力出力における試験は,試験当事者間の合意に基づいて実施する。
b) 水消費流量試験は,試験当事者間の合意に基づいて実施してもよい。
8.2 周囲条件
各試験継続期間において,次の周囲条件を測定する。
a) 周囲温度
b) 大気圧力
c) 相対湿度
d) 風速及び方向(屋外設置の場合に限る。)
8.3 定常運転状態における最大許容変動
表4に,試験継続期間中の最大許容変動を示す。
表4の最大許容変動は,起動試験及び停止試験には適用しない。
合成標準不確かさの計算結果を,この試験の当事者が認める場合には,表4の最大許容変動を超えても
よい。
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表4−試験継続期間中の最大許容変動
パラメータ 試験継続期間中の許容変動
製造業者が指定した許容変動
製造業者が指定し,試験当事者間で合意したシステム安定化パラメータ
電力出力(kW) ±2 %
試験現場の大気圧力 ±0.5 %
入口における酸化剤(空気)の温度 ±3 K
原燃料単位体積当たりの発熱量 ±1 %
システム到達時の気体燃料の圧力 ±1 %
排ガスの絶対圧力 ±0.5 %
入口における酸化剤(空気)の絶対圧力 ±0.5 %
入口における原燃料の流量 ±2 %
入口における原燃料の温度 ±2 K
入口における酸化剤(空気)の流量 指定なし
回収熱出力 ±2 %
全高調波ひずみ(THD)a) ±2 %
注記 この表はASME PTC50参照。
注a) HDに限る。例えば,THDの平均値が5 %の場合は,3 %と7 %との間の値を認める。
8.4 試験実施手順
効率試験において,原燃料入力,外部熱入力,酸化剤(空気)入力,補助電力入力,軸動力入力,電力
出力及び回収熱出力の測定は,同時に実施する。
注記 効率試験における発電効率,熱回収効率,総合エネルギー効率及び廃熱試験における平均廃熱
流量は,上記の測定で得られた測定値を基に算出する。
効率的に測定するために,上記の測定と同時に,水消費流量試験,動的な電力出力応答試験,起動特性
試験及び停止特性試験,並びにパージガス消費流量試験を行う。
8.5 試験期間及び読取頻度
適切な読取期間及び読取頻度を,供試燃料電池発電システムの種類に応じて決定する。十分な測定値の
数及び測定値のデータセット数を,データの変動性,平均値の安定性,及びこの規格に規定する不確かさ
解析(附属書A)に基づいて設定する。
注記 A.2では,30以上のデータセットを測定することとしている。
9 試験方法及び試験結果の計算
9.1 一般事項
この箇条では,形式試験及びその試験方法だけを規定する。この規格では出荷試験及び性能目標を規定
しない。
9.2 効率試験
9.2.1 一般事項
この試験は,定格電力出力における定常状態で,燃料電池発電システムへの化学,熱,機械及び電気の
平均入力,並びに燃料電池発電システムから得られる電力出力及び熱出力の平均を測定することによって,
定格電力出力における発電効率,熱回収効率及び総合エネルギー効率を算出する。
部分負荷出力及び/又は最小電力出力における効率試験は,試験当事者間の合意に基づいて実施するこ
とができる。
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9.2.2 試験方法
9.2.2.1 試験手順
効率試験は,次の手順によって実施する。
a) 燃料電池発電システムを,定格電力出力,部分負荷出力又は最小電力出力で運転する。
b) 燃料電池発電システムが,表4に規定する安定性要件を満たしていることを確認する。
c) 1時間(3 600 s)以上,次の物理量を測定する。A.2及びA.3によって,測定間隔を選定する。
1) 原燃料の入力流量(体積又は質量),温度及び圧力
2) 外部熱の入力流量(質量),温度及び圧力
3) 酸化剤(空気)の入力流量(体積又は質量),温度及び圧力
4) 補助電力入力
5) 機械軸動力入力
6) 正味電力出力,電圧及び電流
7) 熱回収流体の出力流量(体積又は質量),温度及び圧力
8) 周囲温度及び大気圧
9.2.2.2 算出手順
物理量の平均値は,60セット以上の連続して行った測定値から算出する。
9.2.3 入力計算
9.2.3.1 原燃料入力(Fuel input)
9.2.3.1.1 原燃料の入力流量(Fuel input rate)
9.2.3.1.1.1 気体燃料の平均入力流量(Average gaseous fuel input rate)
原燃料が気体燃料の場合,気体燃料の平均入力流量は,原燃料の平均体積流量qVf0(m3/s)又は原燃料
の平均質量流量qmf(kg/s)のいずれかで表すことができる。これらは,次の手順によって算出する。
a) 体積流量を用いる場合
1) 試験継続期間中の気体燃料の総入力体積(m3)は,試験継続期間にわたって測定した平均体積流量
(m3/s)を積分して算出する。
2) 試験継続期間中の原燃料の平均体積流量qVf(m3/s)は,総入力体積(m3)を試験継続期間(s)で
除して算出する。
3) 基準状態における原燃料の平均体積流量qVf0(m3/s)は,式(4)によって算出する。試験継続期間中
に得られた気体燃料の温度及び圧力は,平均値を用いる。
qVf0=qVf×(T0/Tf)×(pf/p0) (4)
ここに, qVf0 : 基準状態における原燃料の平均体積流量(m3/s)
qVf : 平均温度Tf及び平均圧力pfにおける原燃料の平均体積流量
(m3/s)
T0 : 基準温度(288.15 K)
p0 : 基準圧力(101.325 kPa)
Tf : 原燃料の平均温度(K)
pf : 原燃料の平均圧力(kPa)
b) 質量流量を用いる場合
1) 試験継続期間中の気体燃料の総入力質量(kg)は,試験継続期間にわたって測定した平均質量流量
(kg/s)を積分して算出する。
2) 試験継続期間中の原燃料の平均質量流量qmf(kg/s)は,総入力質量(kg)を試験継続期間(s)で除
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して算出する。
c) 質量流量と体積流量との換算 試験継続期間中の平均質量流量qmf(kg/s)と,基準状態における平均
体積流量qVf0(m3/s)との関係は,式(5)で表すことができる
qmf=qVf0×ρf0 (5)
ここに, qVf0 : 基準状態における原燃料の平均体積流量(m3/s)
qmf : 試験継続期間中の原燃料の平均質量流量(kg/s)
ρf0 : 基準状態における原燃料の密度(kg/m3)
9.2.3.1.1.2 液体燃料の平均入力流量(Average liquid fuel input rate)
原燃料が液体燃料の場合,液体燃料の平均入力流量は,原燃料の平均体積流量qVf0(m3/s)又は原燃料
の平均質量流量qmf(kg/s)のいずれかで表すことができる。これらは,次の手順によって算出する。
a) 体積流量を用いる場合
1) 試験継続期間中の液体燃料の総入力体積(m3)は,試験継続期間にわたって測定した平均体積流量
(m3/s)を積分して算出する。
2) 基準状態における原燃料の平均体積流量qVf0(m3/s)は,総入力体積(m3)を試験継続期間(s)で
除して算出する。
注記 基準状態における液体燃料の平均体積流量は,液体では体積の変化が非常に小さいことか
ら,試験継続期間中において同じとみなすことができる。
b) 質量流量を用いる場合
1) 試験継続期間中の液体燃料の総入力質量(kg)は,試験継続期間にわたって測定した平均質量流量
(kg/s)を積分して算出する。
2) 試験継続期間中の液体燃料の平均質量流量qmf(kg/s)は,総入力質量(kg)を試験継続期間(s)で
除して算出する。
c) 質量流量と体積流量との換算 平均質量流量qmf(kg/s)と,基準状態における平均体積流量qVf0(m3/s)
との関係は,式(6)で表すことができる。
qmf=qVf0×ρf0 (6)
ここに, qVf0 : 基準状態における原燃料の平均体積流量(m3/s)
qmf : 試験継続期間中の原燃料の平均質量流量(kg/s)
ρf0 : 基準状態における原燃料の密度(kg/m3)
9.2.3.1.2 原燃料の熱流量入力(Fuel power input)
9.2.3.1.2.1 気体燃料の平均熱流量入力(Average gaseous fuel power input)
原燃料が気体燃料の場合,気体燃料の平均熱流量入力Pfin(kJ/s)は,体積流量又は質量流量のいずれか
を用いて,次の手順によって算出する。試験継続期間中に得られた原燃料の温度及び圧力は,平均値を用
いる。
a) 体積流量を用いる場合
1) 組成の知られている混合気の,平均温度Tf及び平均圧力pfにおける原燃料のモル当たりエネルギー
入力Emf(kJ/mol)は,式(7)によって算出する。
注記1 気体燃料の成分の発熱量は,表B.1を参照する。
Emf=Hf0+Hmf−Hmf0+Empf (7)
ここに, Emf : 原燃料のモル当たりエネルギー入力(kJ/mol)。附属書Bのワ
ークシート1によって算出する。
Hf0 : 基準状態における原燃料の発熱量(kJ/mol)
Hmf : 平均温度Tfにおける原燃料のモルエンタルピー(kJ/mol)
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Hmf0 : 基準温度T0における原燃料のモルエンタルピー(kJ/mol)
Empf : 平均圧力pfにおける原燃料のモル当たり圧力エネルギー
(kJ/mol)
燃料電池発電システムをコンバインドサイクルのトッピングとして用いる場合は,Empfを無視し
てもよい。
注記2 “コンバインドサイクル”の定義は,JIS B 8040参照。
基準状態における原燃料の発熱量Hf0(kJ/mol)は,式(8)によって算出する。Hf0jの数値は,表B.1
に示す。
N
Hf0 xj Hf0j (8)
j 1
ここに, Hf0j : 基準温度T0における成分jの発熱量(kJ/mol)
xj : 成分jのモル比。附属書Bのワークシート1による。
j : 原燃料の成分
N : 原燃料の成分数
注記3 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文に移した。)
原燃料のモルエンタルピーHmf(kJ/mol)は,式(9)によって算出する。
N
Hmf xj Hmfj (9)
j 1
ここに, Hmfj : 平均温度Tf における成分jのモルエンタルピー(kJ/mol)
xj : 成分jのモル比
Hmfj(kJ/mol)は,式(10)によって算出する。
Bj 2 Cj 3 3
Hmfj Aj Tf 3
Tf Tf 10 (10)
2 10 3 106
ここに, Aj,Bj及びCj : 成分jの定数。附属書Bのワークシート1に記載する。
Tf : 原燃料の平均温度(K)
基準温度T0における原燃料のモルエンタルピーHmf0(kJ/mol)は,式(10)において平均温度Tfを
基準温度T0に置き換えて算出する。
注記4 (対応国際規格の注記の内容は,規定であることから,本文に移した。)
原燃料のモル当たり圧力エネルギーEmpf(kJ/mol)は,式(11)によって算出する。
Empf=R・T0・ln(pf /p0)×10−3 (11)
ここに, Empf : 平均圧力pfにおける原燃料のモル当たり圧力エネルギー
(kJ/mol)
R : 一般気体定数[8.314 J/(mol・K)]
T0 : 基準温度(288.15 K)
p0 : 基準圧力(101.325 kPa)
pf : 原燃料の平均圧力(kPa)
燃料電池発電システムをコンバインドサイクルのトッピングとして用いる場合は,Empfを無視し
てもよい。
注記5 “コンバインドサイクル”の定義は,JIS B 8040参照。
2) 気体燃料の平均熱流量入力Pfin(kJ/s)は,式(12)によって算出する。
Pfin=qVf0・Emf /Vm0 (12)
ここに, Pfin : 気体燃料の平均熱流量入力(kJ/s)
――――― [JIS C 62282-3-200 pdf 30] ―――――
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