JIS C 9108:2017 電気掃除機 | ページ 3

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7 構造

7.1 構造一般

  構造は,次の事項に適合しなければならない。
a) 各部の仕上がりは良好で,かつ,各部は,容易に機械的又は電気的故障を起こしてはならない。
b) 使用中,著しい振動及び騒音があってはならない。
c) 送風用電動機は,通常の運転状態において,整流子とブラシとの間に著しい火花が生じてはならない。
d) 温度上昇によって危険が生じるおそれがあるものは,温度過昇防止装置をもたなければならない。過
電流,過負荷などによって危険が生じるおそれがあるものは,過負荷保護装置をもたなければならな
い。それらは,通常の使用状態において動作してはならない。
e) 通常の使用状態において,人が触れるおそれがある可動部分は,容易に触れるおそれがないように適
切な保護枠又は保護網を取り付けなければならない。ただし,機能上可動部分を露出して用いること
がやむを得ない場合の可動部分,及び可動部分に触れたときに感電,傷害などの危険が生じるおそれ
がない場合を除く。
f) 単なる整流器を除き,半導体素子を用いて温度,回転速度などを制御するものは,それらの半導体素
子が制御能力を失ったとき,次の要求事項に適合しなければならない。
1) 制御回路に接続した部品は,燃焼してはならない。ただし,当該回路に接続されている一つの部品
が燃焼したとき,ほかの部品が燃焼するおそれがない場合を除く。
2) 地絡するおそれがある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合しなければならな
い。
2.1) 対地電圧及び線間電圧が,交流では30 V以下,直流では45 V以下。
2.2) 1 kΩの抵抗を,充電部と大地との間,線間,及び非充電金属部と充電部との間に接続したとき,
当該抵抗に流れる電流は,1 mA以下。
2.3) 上記2.2)の電流が,1 mAを超える場合であっても,商用周波数以上の周波数において感電の危険
が生じるおそれがない。
3) 上記2.2)の電流試験後に,直流500 Vの絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の
絶縁抵抗は,0.1 MΩ以上でなければならない。
g) 7.2 c)の規定に適合するものは除き,電子管,コンデンサ,半導体素子,抵抗器などをもつ絶縁変圧器
の二次側の回路,整流後の回路などでは,次の試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼
してはならない。また,f) 2)及びf) 3)に適合しなければならない。ただし,当該回路に接続されてい
る一つの部品が燃焼したとき,ほかの部品が燃焼するおそれがない場合を除く。
1) 電子管,表示灯などでは,端子相互間の短絡,及びヒータ又はフィラメント端子の開放試験
2) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイル及びその他これらに類するものは,端子相互間
の短絡又は開放試験
3) 1)及び2)に示すものであって,金属ケースに収めたものは,端子と金属ケースとの間の短絡試験。
ただし,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースとが接触するおそれがない場合を除く。
h) 部品又は附属品の定格電圧,定格電流及び許容電流は,これらに加わる最大電圧又はこれらに流れる
最大電流以上でなければならない。
i) ホース,延長管,床用吸込具などの着脱が確実,かつ,容易でなければならない。
j) ホースは,たわみ性があって,操作が容易でなければならない。
k) 集じん袋及び/又は集じん容器並びにフィルタは,微細なじんあいを捕集し,かつ,排気中に含まれ

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るじんあいが少なくなければならない。
l) 集じん袋及び/又は集じん容器並びにフィルタは,丈夫なもので,捕集したじんあいを容易に除去で
きる構造でなければならない。
m) 操作及び移動が容易にできなければならない。
n) 雑音の強さは,次に適合しなければならない。
1) 雑音電力は,吸収クランプで測定したとき,周波数が30300 MHzの範囲において55 dB以下でな
ければならない。ただし,デシベル(dB)は,1 pWを0 dBとして算出した値とする。
2) 雑音端子電圧は,一線対地間を測定したとき,次に適合しなければならない。
− 連続性雑音端子電圧は,表5に示す値以下でなければならない。デシベル(dB)は,1 μVを0 dB
として算出した値とする。
表5−連続性雑音端子電圧
周波数範囲 連続性雑音端子電圧
dB
526.5 kHz以上 5 MHz以下 56以下
5 MHzを超え 30 MHz以下 60以下
− 手動スイッチは除き,接点を機械的に開閉するものの不連続性雑音端子電圧は,表5に示す値に,
表6に示すクリック率ごとに補正値を加えた値以下でなければならない。
表6−補正値
クリック率 補正値
回/分 dB
0.2未満 44
0.2以上 30以下 20 log10(30/N)
30を超える 0
注記 Nはクリック率とし,その単位は回/分である。
o) スイッチをもつものは,その開閉操作又は開閉状態を,文字,記号又は色によって見やすい位置に表
示しなければならない。ただし,表示することが困難な場合は,光,音,風,回転などによって機器
の状態が容易に識別できなければならない。
p) 合成樹脂製の外郭をもつものは,その外郭の外面の9 cm2以上の正方形の平面部分を水平面に対し約
45°に傾斜させた状態に置いて,当該平面部分の中央部に,JIS K 2240で規定する1種1号のガスを,
ノズルの内径が0.5 mmのガスバーナの空気口を閉じた状態で燃焼させた長さ約20 mmの炎の先端を
垂直下から5秒間当て,炎を取り去ったとき,燃焼してはならない。
なお,JIS C 60695-11-10に規定する外郭用合成樹脂材料の水平燃焼試験に適合したもの,及びそれ
と同等以上のものは適合しているとみなす。
外郭に9 cm2以上の正方形の平面部分をもたないものは,原寸の厚さのまま,一辺の長さが3 cmの
正方形に切り取った試験片で行う。
注記 合成樹脂製の外郭が,透光性又は透視性を必要とするもの,及び機能上可とう性,機械的強
度などを必要とするものは除く。

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q) 外郭は,質量が250 gでJIS K 7202-2に規定するロックウェル硬さHR-R100の硬さに表面をポリアミ
ド加工し,半径が10 mmの球面をもつおもりを200 mmの高さから垂直に1回落下したとき,又は図
3に示すスプリングハンマ試験装置で0.5±0.05 Nmの衝撃力を1回加えたとき,感電,火災などの危
険が生じるおそれがあるひび,割れなどが生じてはならない。ただし,器体の外面に露出している表
示灯,ヒューズホルダ,その他これらに類するもの,及びそれらの保護カバーであって,表面積が4 cm2
以下であり,かつ,器体の外郭の表面から10 mm以上突出していない場合を除く。
注記 ハンマ頭部は,JIS K 7202-2に規定するロックウェル硬さHR-R100の硬さに表面をポリアミド加工した
半径が10 mmの球面をもつものである。
図3−スプリングハンマ試験装置

7.2 充電部

  充電部は,次の事項に適合しなければならない。
a) 充電部には,容易に取り外し可能な部分を取り外した状態で,図2に示す試験指が触れてはならない。
この場合に試験指に加える力は,30 Nとする。ただし,構造上,充電部を露出して用いることがやむ
を得ない部分の充電部であって,次のいずれかの場合を除く。
1) 絶縁変圧器の二次側に接続した回路の対地電圧及び線間電圧が,交流では30 V以下,直流では45 V
以下の場合。
2) 大地との間及び線間に1 kΩの抵抗を接続した場合に当該抵抗に流れる電流が,1 mA以下の場合。
3) 上記2)の電流が,1 mAを超える場合であっても,商用周波数以上の周波数において感電の危険が
生じるおそれがない場合。
b) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間,及び充電部と人が
触れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離及び沿面距離は,表7に規定する値以上でなけ
ればならない。この場合,空間距離及び沿面距離は,器体の外面を30 N,器体の内部を2 Nの力で,
距離が最も小さくなるように加えて測定したときの距離とする。

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表7−空間距離及び沿面距離
単位 mm
区分 該当箇所 空間距離及び沿面距離
線間電圧又は対地電圧
15 V以下 15 Vを超 50 Vを超 150 Vを
耐湿性の その他の え50 V以 え150 V 超え300
絶縁被膜 もの 下 以下 V以下
をもつも

電源電線 製造業者が接続する端子部間 − − − 3.0 4.0
の取付部 製造業者が接続する端子部と,地絡するお − − − 2.5 3.0
それがある非充電金属部,又は人が触れる
おそれがある非金属部表面との間
その他の 極性が異なる充 固定している部分で,じ 0.5 1.0 1.2 1.5 2.0
部分 電部間 んあいが侵入するおそ
れがなく,かつ,金属粉
が付着しにくい箇所
その他の箇所 0.5 1.0 1.5 2.5 3.0
充電部と,地絡す
固定している部分で,じ 0.5 1.0 1.2 1.5 2.0
る非充電金属部 んあいが侵入するおそ
又は人が触れる れがなく,かつ,金属粉
おそれがある非 が付着しにくい箇所
金属部表面との その他の箇所 0.5 1.0 1.2 2.0 2.5

電動機の整流子部(充電部と非充電金属部 1.6 1.6
との間) (6.4)a)
注a) 括弧内の数値は,250 Vを超え300 V以下に適用する。
c) 絶縁変圧器の二次側の回路,整流後の回路などの構造上やむを得ない部分であって,次の試験に適合
する場合は,b)は適用しない。
1) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合,短絡回路に接続した部品が燃焼してはならない。ただ
し,当該回路に接続されている一つの部品が燃焼したとき,ほかの部品が燃焼するおそれがないも
のを除く。
2) 極性が異なる充電部相互間,充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間,及び充電部と人
が触れるおそれがある非金属部の表面との間を接続した場合,次の事項に適合しなければならない。
2.1) 非充電金属部又は露出する充電部の対地電圧及び線間電圧が,交流では30 V以下,直流では45 V
以下
2.2) 1 kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,当該抵抗
に流れる電流は,1 mA以下
2.3) 上記2.2)の電流が,1 mAを超えた場合であっても,商用周波数以上の周波数において感電の危険
が生じるおそれがない。
3) 上記1)の試験後,直流500 Vの絶縁抵抗計によって測定した充電部と器体の表面との間の絶縁抵抗
は,0.1 MΩ以上でなければならない。
d) 充電部相互間,又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態において緩みが生じず,かつ,
その温度に耐えなければならない。

――――― [JIS C 9108 pdf 14] ―――――

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7.3 電気絶縁物

  絶縁物の厚さは,次の事項に適合しなければならない。
a) 器体の外郭の材料が絶縁体を兼ねる場合には,器具に組み込まれる部分を除き,絶縁物の厚さは,0.8
mm以上,人が触れるおそれがないものは,0.5 mm以上で,かつ,ピンホールがあってはならない。
ただし,質量が250 gで,JIS K 7202-2に規定するロックウェル硬さHR-R100の硬さに,表面をポリ
アミド加工した半径が10 mmの球面をもつおもりを200 mmの高さから垂直に3回落下させたとき,
又は図3に示すスプリングハンマ試験装置で0.5±0.05 Nmの衝撃力を3回加えたとき,感電,火災な
どの危険が生じるおそれがあるひび,割れ,その他の異状が生じないもので,かつ,ピンホールがな
い場合を除く。
b) ) 以外のもので外からの損傷を受けるおそれがある部分に用い,7.2の規定に適合する絶縁物の厚さ
は,0.3 mm以上で,かつ,ピンホールがあってはならない。ただし,次の1)及び2)の試験を行ったと
き,これに適合し,かつ,ピンホールがないものを除く。
1) 表8に示す絶縁物を用いられる部分の電圧の区分ごとに,交流電圧を連続して1分間加える。絶縁
物は,これに耐えなければならない。
表8−絶縁物の絶縁耐力値
単位 V
絶縁物を用いられる部分の電圧の区分 交流電圧
30以下 500
30を超え 150以下 1 000
150を超え 300以下 1 500
2) IS K 5600-5-4の9.(手順)によって試験を行う。試験の結果,絶縁物の破れから鉛筆が試験板に
接触してはならない。この場合,鉛筆引っかき値は,JIS S 6006に規定する硬度記号が8 Hのもの
とする。
c) 電動機のコイル部とコイルの立上引出線との間の部分を除き,外からの損傷を受けるおそれがない部
分に用いる絶縁物は,b) 1)の試験を行ったとき,これに適合し,かつ,ピンホールがあってはならな
い。ただし,絶縁物の厚さが0.3 mm以上で,かつ,ピンホールがないものを除く。

7.4 配線

  配線は,次の事項に適合しなければならない。
a) コードの貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシング,その他の適切な保護装置を用いる場合を除き,
コードが損傷するおそれがないように,面取りなどの適切な保護加工をしなければならない。
b) コードは,器体の外側に向かって,次の張力を連続して15秒間加えたとき,及び器体の内部に向かっ
てコードの器体側から50 mmの位置を保持して押し込んだとき,コードと内部端子との接続部に張力
が加わらず,かつ,ブッシングが外れるおそれがあってはならない。
1) 器体の質量の3倍の値が3 kg未満のものは,30 N
2) 器体の質量の3倍の値が310 kgのものは,質量の3倍の値
3) 器体の質量の3倍の値が10 kgを超えるものは100 N
c) 器体の内部の配線は,次の事項に適合しなければならない。
1) 2 Nの力を加えたとき,高温部に接触するおそれがあってはならない。ただし,接触した時に異常

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